JR越後湯沢駅の西口「温泉通り」から新緑の不動滝へ/湯沢町


2024年05月25日 957ビュー
滝というと、なかなかすぐには見られない山の中であったりしますが、JR越後湯沢駅の西口を出て「温泉通り」を北方へ約500メートル進み、その通りからわずか500メートル(※)ほど登ると見られる滝があります。その名も「不動滝」。下流の「小ぜん」と上流の「大ぜん(おおぜん)」があり、大ぜんは高さ20メートルほどの断崖を二条に分かれてドウドウと落下していて迫力があります。新緑の頃は特に、清々しい湯沢の自然を感じさせてくれる場所です。

※距離は目安として下流の小ぜんまで。

山の中ながらも交通が便利な湯沢町

東京駅から上越新幹線に乗ると、わずか1時間半ほどで到着する越後湯沢駅。湯沢町は新潟県の最南端にあり、トンネルをくぐればすぐに群馬県です。総面積の90パーセント以上が山地でありながら、新幹線以外にもJR上越線、国道17号線、関越自動車道も通っていますので、交通に便利な立地となっています。

JR越後湯沢駅を降りて西口を出ると「西山通り」があります。通称「温泉通り」。昭和12年(1937年)、湯沢村(当時)が西山地区に新しい道路として敷設したのが西山線(西山通り)です。新しい温泉の掘削・開削(西山1、2号)により、西山地区には温泉旅館が何軒も建ち並び、それにより「温泉街」と称されるようになりました。越後湯沢駅に西口が作られたのは昭和57年(1982年)。それまでは東口しかありませんでした。

写真は、湯沢町歴史民俗資料館「雪国館」と足湯「かんなっくり」、「ケーキと地酒 三葉屋」、駒子もちの「億萬屋」です。西口から北方へ向かい徒歩7分ほどの場所にあります。

温泉通りから「滝沢公園」へ

温泉通りの足湯「かんなっくり」と「割烹 一二三(ひふみ)」の間を通る道を上がり、「滝沢公園」へ向かいます。この道の先、右手には東映ホテルがあります。
滝沢公園は小さな公園で、ベンチや公衆トイレがありますが、駐車場はありません。駐車場を利用するには、新幹線高架下付近にある町営の「滝沢駐車場」をおすすめします(詳細は後述)。
滝沢公園から山の方へ登っていきます。アスファルトの登り坂が少し続きます。右手の山にはロープウェーが通っていて、山頂には「湯沢高原パノラマパーク」があります。写真ではロープウェーの山頂駅が見えます。
公園から10~15分ほど(※私はゆっくり上ったので個人差があると思います)登ると案内がありました。左手がアスファルトの階段、右手は下り坂です。「不動滝」左の矢印で「大ぜん」、右の矢印で「小ぜん」。

まずは下流の滝「小ぜん」から。

右の坂を下ると、小ぜんが見えます。十数メートルの高さから一条で落下しています。
5月上旬で、かわいらしいニリンソウが咲いていました。野の花が見られるのも、山歩きの楽しさですね。ちなみに、越後湯沢駅から車で約15分の場所にある「外山康雄 野の花館」は雨の日でも、野の花を見ることができておすすめです。
滝に近寄ってみました。流木などがあり、足元が悪かったので、気を付けて少しだけ。日陰には、まだ残雪がありました。小さな滝ながらも、自然の力強さを感じます。

もう少し登って、今度は「大ぜん」へ。

先ほどの分かれ道の左側、アスファルトの階段を上って、今度は「大ぜん」に行ってみます。
慣れない坂道に息が上がり、一息ついて東を見ると、町並が少し見えました。小ぜんから大ぜんまでの距離は、それほどありません。体力がある人なら、すぐ行けるのでないかと思います。私は、ゆっくりと時間をかけて向かいました。

石の橋の向こうに、大ぜんが見えます。

石の橋を渡って進めば、大ぜんが近くに見えますが、まずは橋の手前で左側から行ってみます。
「御神水」とあります。飲用水ではないと思いますので、手を清めました。

迫力がある二条の滝。大ぜん

ドウドウと音をたてて落下する水の量に圧倒されます。すごい迫力です。やはり足元が悪いので、あまり近寄らずに、ほどほどで撤退しました。
石の橋を渡って、大ぜんに近寄ってみます。橋の上から川の流れを眺めると、それもまた迫力がありました。
滝沢不動尊の「奥の院」があります。不動滝が滝沢川として流れていきますが、町の方へ下ると旧湯沢小学校があり、その隣に「滝沢不動堂」が建立されています。『ふるさと探訪記録 湯沢町の古跡を巡る』(著者:岸野長雄、1992年発行)によると、現在地に拝殿が建立されたのは元亀2年(1571年)とのこと。

飛沫を浴びながら見上げる大ぜんは圧巻

切り立った岩石に囲まれ、ものすごい迫力で二条の滝が落下します。私は滝が好きなので、見られるならば「滝、見たい!」と思うのですが、なかなか見られる機会がありません。それも、こんな近くで、見上げるように。「すごいなあ、すごいなあ」なんて言いながら滝を見上げ、すさまじく響く水の音を全身で体感しながら、なにか自分が洗浄されるような清々しい気分になりました。マイナスイオンたっぷりの中に浸り、ほんの少し山に入っただけなのに、贅沢な体験ができた気分になりました。

無料の足湯「かんなっくり」

温泉通りから滝沢公園へ入る所に無料の足湯「かんなっくり」があります。「かんなっくり」とは「つらら」の方言です。湯沢には源泉が8カ所あり、ここは集中管理配当第1地区となります。泉質はナトリウム・カルシウム-塩化物温泉(弱アルカリ性低張性高温泉)で、泉温は源泉57度(※分析年月日:平成15年7月)。足湯は、時期によって温度が高いので加水するとのこと。屋根つきの足湯が2020年にリニューアルして現在のようになり、以前より多くの人数が入れるようになりました。
管理人さんからお話を聞きました。「これは天然の木なので乾きが早く、利用しやすいと思います。夜にはお湯を抜いて、毎日入れ替えをしています。ここで一休みして、湯沢温泉をゆったりと楽しんでもらえたら。」

2024年1月にリニューアルした雪国館

足湯「かんなっくり」の隣には、湯沢町歴史民俗資料館「雪国館」があります。約7カ月間の工事期間を経て、2024年1月27日にリニューアルオープン。従来は階段を上がらないと受付できませんでしたが、入口にスロープができ、自動ドアで入館すると、すぐに受付カウンターがある仕様になりました。エレベーターの入替えと、多目的トイレ・授乳室の設置もされ、様々な人が利用しやすくなりました。

町営の「滝沢駐車場」が付近にあります

雪国館には建物の南側に、普通車約10台(大型バスも可能)の駐車場がありますが、入館者専用です。入館後にそのまま足湯の利用などはできますが、不動滝まで散策したり昼食をとったりする際には、付近にある町営「滝沢駐車場」をおすすめします。冬季期間以外は無料です。

温泉通りの食事処「保よし」

温泉通り沿いにある「保よし(やすよし)」は昭和27年(1952年)創業の食事処です。写真の右は、女将の高野美智子さん。左は石川雲蝶の専門バスガイド・中島すい子さん。

「中島すい子と行く石川雲蝶の作品鑑賞ツアー」の発着地は越後湯沢駅。中島さんは頻繁に湯沢町を訪れますが、湯沢町に唯一ある雲蝶作品(「瑞祥庵」仁王尊像)の取材でも、湯沢町は中島さんにとって馴染み深い土地です。
中島すい子と行く石川雲蝶の作品鑑賞ツアー

中島すい子と行く石川雲蝶の作品鑑賞ツアー

「日本のミケランジェロ」といわれる石川雲蝶の彫り物は、観る人の心までも鷲掴みして離しません。細く長く12年目を迎えたツアーです。

【日程】6月16日、7月14日、8月25日、9月29日、10月6日、11月10日(いずれの日も日曜日)
【参加費】11,000円(税込)
【発着】JR越後湯沢駅
【主催】昭和観光株式会社 旅行センター

ロングセラーで人気の「舞茸御膳」

石坂きのこ組合生産の舞茸と、魚沼塩沢産コシヒカリを使った御膳(1,980円/税込)が一番人気とのことです。料理の内容は、舞茸の土瓶蒸し、天ぷら、舞茸のくるみ炒め、ぜんまいと車麩の煮物、茶わん蒸し、小鉢、ごはん、御新香、デザート。「ぜんまいや車麩は、この辺りで代表的な、土地ならではの食材ですし、小鉢は季節の物で、時期になれば山菜を使います。新潟県の”ごっつぉ”(「ごちそう」の方言)を味わっていただきたいですね。」と女将さん。
まずは、舞茸の天ぷらを。「石坂舞茸は野生の舞茸に近くて肉厚なのよね。」と、中島さん。天ぷらを箸でつまむと、思わず笑顔がこぼれます。
中島さん「さすが、石坂舞茸は美味しい。お蕎麦に合わせてもいいでしょうね。」
シバゴー「ランチメニューにセットがありますよ。」
中島さん「次に来たときは、それも食べてみたいですね。」
土瓶蒸しには、舞茸と海老、銀杏が入っています。「松茸の土瓶蒸しはよくありますが、舞茸は珍しいと思います。それに、土瓶蒸しを新潟県内のお店では、あまり出していないんじゃないかしら。土瓶蒸しにすると、舞茸の、いいお味が出るんですよ。」と女将さん。

ごはんは魚沼塩沢産コシヒカリ!

シバゴー「やっぱり、みなさん、ごはんの美味しさに期待するでしょうね。」
女将さん「うちは炊き込みごはんでなく、あえて白いご飯にしています。塩沢産のコシヒカリです。」
中島さん「私の家で作っているお米と同じく美味しい。ちょっと冷めても美味しいのよね。」
女将さん「おなかいっぱいでごはんを食べられないって人に、ラップを渡して持ち帰ってもらうこともありますよ。それだけでも十分に美味しいお米ですから。湯沢は、お水も美味しいですし、美味しいごはんをぜひ召し上がっていただきたいですね。」
店内は1階が4人掛けテーブル4つ、6人掛け小上がり3つ、カウンター5席、約10人の座敷2部屋があります。2階はお座敷になっていて、約60席だそうです。歓送迎会、お誕生会、祝賀記念、法事等、様々な用途で利用できます。団体の受入れもできるそうです。

「ここは、元々、映画館だった場所なんですよ。」と女将さん。義父の保さんと、義母のよしさんが始めた「保よし」は、もう少し駅寄りの場所にあり、当時は食堂だったのでラーメンや蕎麦を出していたそうです。
越後湯沢温泉のお食事処「保よし」

越後湯沢温泉のお食事処「保よし」

【住所】新潟県南魚沼郡湯沢町湯沢328-1
【電話番号】025-784-2244
【定休日】月曜日(月曜日が祝日の場合は火曜日)
【営業時間】11時~14時/17時~20時(19時45分 ラストオーダー)
【ネット環境】店内で無線 LAN(Wi-Fi)が利用可能
【駐車場】20台(大型バス可)
【バリアフリー】店内車いす出入り可(トイレは小型車いすのみ)

お店が創業された頃の温泉通りは…

昭和28年頃の温泉通り<写真提供:湯沢町>

湯沢の古い写真を見ると、温泉通りには映画館があったり、ストリップ劇場があったりと、独特な華やかさがあったようですが、現代の湯沢は全く景色が変わってしまいました。「変わらないのは山の形だけ」と言ったお年寄りの人がいました。なるほど、そうかもしれません。「古き良き時代」をなつかしみながらも、今の温泉通りには、今ならではの良さがあると思います。ぜひ訪れてみてください。

温泉通りの散策スポット

この記事を書いた人
シバゴー

南魚沼市在住。趣味は写真撮影と読書で、本で調べた所へ行って写真を撮ることをライフワークとしています。神社彫刻が好きで、幕末の彫刻家・石川雲蝶と小林源太郎、「雲蝶のストーカー」を公言する中島すい子さんのファン。地域の郷土史研究家・細矢菊治さんや、地元を撮影した写真家・中俣正義さん、高橋藤雄さんのファンでもあります。