佐渡アドベンチャーツーリズムvol.3「佐渡まちあるきの極―港町・小木町の町並みと歴史―」/佐渡市


2024年10月24日 905ビュー
「アドベンチャーツーリズム」。それは「自然」「アクティビティ」「文化」の要素からなる新たな旅行形態。アドベンチャーツーリズムの魅力は何といっても旅の充実感を何倍も得られること。
佐渡で自然・文化を深く体験することで、大きな感動、味わってみませんか…?
こんにちは!「佐渡の極(きわみ)取材班」です!
我々取材班では「佐渡に生き、佐渡を愛し、佐渡を極めた人」を取材し、アドベンチャーツーリズムで楽しむ佐渡の魅力や、佐渡でしか味わえない極上体験をシリーズでご紹介しています。

今回は、vol.3「佐渡まちあるきの極」をご紹介します。これまでのvol.1「佐渡滝ツアーの極」、vol.2「佐渡サイクリングの極」でも佐渡のアドベンチャーツーリズムの魅力をご紹介していますので、まだの方はぜひ併せてご覧ください!
今回、「佐渡に生き、佐渡を愛し、佐渡を極めた人」として出演いただいたのは小木ふれあいガイドとして活動されている笠井 正昭(かさい まさあき)さん。
現役で小木のまちあるきガイドをしており、豊富な知識と素敵な笑顔で案内してくれました!
【笠井 正昭(かさい まさあき)さんのご紹介】
・佐渡市旧小木町出身。
・小木町役場を退職後、ふるさとふれあい講座に所属し、そこで学んだことを活かすために、小木のまちあるきガイド(小木ふれあいガイド)としての活動を開始する。
・ガイドは現在18年程度行っており、日本全国からの旅行者へのガイドをしている。
我々取材班は、マリンプラザ小木(南佐渡観光案内所)近くでガイドのトレードマークであるオレンジ色のユニフォームを着た笠井さんと合流しました。今回は、1周約1時間で小木の町を歩くコースです。笠井さんによれば、コースを周る順などはガイドによって異なるそうです。

小木まちあるきのパンフレットをもらって、いざ出発!
まずは少し歩いて、喜八屋旅館から案内してもらいました。


※今回のまちあるきコースです。↓

喜八屋旅館

笠井さん「3階建てに見えますが、実際は中が吹き抜けの5階建てとなっていて、国の登録有形文化財にも指定されているんですよ。
昔は修学旅行の宿としても利用されており、修学旅行生の手ぬぐいが干してあったのも、子どもの頃の記憶として残っています。」

小木出身の笠井さんならではのエピソードも交えながら、楽しそうに話してくれました。なお、現在は1階部分のみカフェとして営業しています。
笠井さん「2階部分が1階部分より張り出している『出鼻造(ではなづくり)』が小木ではよく見られます。『出梁造(だしばりづくり)』と『通り土間』の町屋の特徴がみられ、屋根を兼ねているため空間を有効利用できるんです。」

笠井さん「また、出鼻造の下についている提灯ですが、豆腐を切ったような形であるので、『田楽提灯』と呼ばれています。田楽提灯にはその家の屋号とともに、各家で好きな民謡や歌のフレーズ、俳句や絵・写真を表示しています。夜は明かりが灯るので風情が感じられ、とても素敵ですよ。小木にはたくさん田楽提灯が飾られているので、ぜひ好きな提灯を見つけてみてください。」

ちなみに、笠井さんのお気に入りはこちらの田楽提灯↓

笠井さんが小木の歴史で一番好きな三味線堀について詠まれており、千石船の写真もあるのがポイントですね!
私もお気に入りの提灯を見つけてみたくなりました…!

尾崎紅葉句碑

笠井さん「明治期の作家である尾崎紅葉は体調不良の際に新潟に親戚がいたということで佐渡に来島し、まずは相川へ行き、真野湾をイカ釣り船で渡って来たのだとか!小木ではごんざや旅館に泊まり、お糸さんという芸子さんと恋仲になったそうです。別れ際にはお糸さんに『汗なんど拭いて貰うて別れけり』という一句も残したそうですよ。」

小木に有名な作家さんも来て宿泊していたとは驚きです!

お宿宝家

笠井さん「中は喜八屋旅館と同様に吹き抜けになっています。
こちらも尾崎紅葉が宿泊した宿であり、お糸さんにあげた『おけさ』の句入り三味線も大切に保管されているそうです。そのため、提灯に三味線が描かれています。」
歩いていると、軒先に干し柿がつるしてありました!
佐渡の名産品おけさ柿を町全体でつるしているのは、伝統的な町並みがさらに趣深くなって素敵ですね♡
笠井さんのオレンジ色のユニフォームともばっちり合っています!!

三味線堀跡

笠井さん「もともと飲み屋街であり、海がしければしけるほど、船乗りさんたちで繁盛したそうです。
享和2年(1802年)に小木沖地震が起き、海底や陸地が1メートル以上隆起したため、町場の近くまで小型船が往来できるように三味線型の堀を造り、小型船が停留できるようにしました。」
今は三味線堀跡という形で、普通の道として歩けてしまうこの道。
歴史を感じながら歩くと、また違った雰囲気も感じられます。
※青い部分が三味線の形をしていることから、「三味線堀跡」と呼ばれています。
 
笠井さんが持ってきてくれた資料を取材班に見せながら説明してくれました。
 

木崎神社

笠井さん「相川から運ばれた金の保管庫としても使用され、役人と廻船問屋が24時間勤務で守っていたそうです。
保管されていた金は、荒れない日を選んで対岸の出雲崎へ運ばれ、その後江戸まで運ばれました。」

金山で繁栄していた時代からある神社とは、なんとも歴史が感じられます…!

幸丸展示館

笠井さん「幸丸(さいわいまる)は、佐渡海峡を行き来した最後の和船と言われています。
順風だった場合は、対岸の寺泊と佐渡を約4時間で、風が弱い時は1日かけて移動したそうです。」

こちら昭和36年(1961年)まで現役で使用されていた実物ということで、本物ならではの迫力があり、日本海の荒波に耐えてきた姿も想像してしまいます。
笠井さん「これで私の説明は以上になります。お聞きいただき、ありがとうございました。」

取材班「こちらこそ、とても勉強になりました。ガイドしてもらいながら、ゆっくり町を歩くことで、小木のことが今まで以上に歴史ある素敵な町だと感じるようになり、もっと小木のことを知ってみたくなりました!」


ここで少しだけ、撮影の様子をお見せします✨
まちあるきが終わった後には、小木港の近くの海辺で心地よい風に吹かれながら、笠井さんにインタビューに答えていただきました!(詳細は動画をご覧ください!)
最後に…
取材班「笠井さんが思う小木のまちあるきの魅力とは何ですか?」
笠井さん「北前船の時代から現代までを体験でき、ふらっと歩いても、そこかしこに歴史と風情が織りなす港町の雰囲気が感じられることです!」

今回ガイドしてくれた笠井さん。 小木への愛情やまちあるきの魅力について、存分に教えてくれました。ここだけでは伝えきれない歴史や魅力が小木には詰まっています。
そして、地元の住民団体による町並みの保存活動が実を結び、2024年8月15日に、佐渡市小木町が国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。
そんな歴史的な魅力あふれる小木へ訪れて、ぜひまちを歩いてみてください!!


佐渡にはまだまだたくさんの佐渡を極めた人たちや、佐渡でしか味わえない極上体験が潜んでいます。
我々取材班は、そんな佐渡の極上・究極の数々をこれからも伝えていきます!
See you Next「佐渡の極」!

 
今回の笠井さんの案内による、小木まちあるきの様子はこちらから☟
佐渡の極vol.03 佐渡まちあるきの極-港町・小木町の町並みと歴史-
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お申し込みはこちらから☟

【申し込み先】 佐渡観光交流機構 南佐渡支部  TEL:0259-86-3200
電話でお申し込みください。

佐渡には、他にもまちあるきできる地域や、たくさんのアドベンチャーツーリズムが体験できます!
佐渡の自然や歴史、文化に触れることができるプランについてはこちらをご覧ください!
〈参考文献〉
佐渡市「佐渡市小木町伝統的建造物群保存対策調査報告書について」
佐渡市小木町まちなみ探索地図
この記事を書いた人
佐渡の極(きわみ)取材班

佐渡に生き、佐渡を愛し、佐渡を極めた人を通して、佐渡のアドベンチャーツーリズムの魅力に迫ります!また、その様子は「佐渡の極(きわみ)」として動画でもお伝えします!  
Q:アドベンチャーツーリズムとは?  
A:「自然」「アクティビティ」「文化」の3要素を2つ以上満たす体験をすることで、よりディープにその土地の魅力を堪能できる旅行形態のことです!