「口のなかが、幸せ……」酒どころ海鮮どころ米どころの新潟で、日本酒と絶品お寿司を楽しむならここ!大漁ずし長岡店の日本酒ペアリングコース料理「花」で贅沢な時間を満喫/長岡市


2025年01月07日 255ビュー
「ペアリング」と聞くとワインを想像する方が多いでしょうか。赤身肉の上質な脂とアルコールの苦みや風味がマッチする瞬間は至福ですよね。

ワインも大好きですが、今回は新潟らしくお寿司×日本酒のペアリングコースを提供している大漁ずし長岡店にお邪魔してきました♪

控えめに言って最高&贅沢&美味しい時間を満喫してきたので、早速ご紹介します!

大漁ずし長岡店

大漁ずし長岡店は、JR長岡駅の大手口から徒歩4分。ランチ営業と、夜は日本酒ペアリングコース料理「花」を限定で提供しています。カウンター5席で1日の「花」の受付人数は5名まで。わたしたちがお邪魔したのは平日の18時、図らずも貸し切りでゆったり楽しめました。
すし職人22年目の大将・篠澤さん。元々、長岡市古正寺で回転ずしとして営業していたお店の形態を変え、2018年にこちらに移転されました。カウンターの寿司屋はなんだか緊張する、なんて方も安心してください。篠澤さんはとっても気さくで物腰の柔らかい方なので、和やかな雰囲気でお料理とお酒を楽しむことができます。

コース料理「花」の提供がスタート

日本酒ペアリングコース料理「花」は、握り10貫と逸品が8品、お椀、デザートに10種の日本酒のコースです。お品書きを眺めるだけでもわくわくしますね。

※季節や仕入れによって、提供される内容が変わります。
まずはこちらのもずく小鉢としらす小鉢。
一杯目の日本酒は新潟県上越市の酒蔵・頚城酒造の『越路乃紅梅 かすみ酒 純米吟醸生原酒』。舌先にほんのり発泡感があります。柑橘系の爽やかな味わいで、スッと飲みやすくて一杯目にぴったり。

小鉢のもずくは新潟県の出雲崎町で獲れる岩もずくという種類らしく、普段スーパーで買うもずくとは食感が全然違う……!太くて食べ応えがあります。でもぬめりはしっかり。ガツーンとくる酢の強さを感じないまろやかさ。なんだこれは、おいしい。

しらすの下には小さく刻まれた茗荷と葱が隠れています。しその花も一緒に混ぜて食べると薬味の風味がふんわりとしらすに乗っかり、絶妙な食感に。
一緒にかすみ酒をいただくと、日本酒だけでいただいたときとは違った風味が口の中に広がります。なるほど!これがペアリングの醍醐味!
お次は真鯛の白和えとお刺身。白和えは一般的に野菜や柿、イチゴなどのフルーツのイメージなので、生魚の白和えは初めての体験でした。豆腐を丁寧に処理しているおかげか、これがまた上品で美味しいんです。

合わせるのは新潟県妙高市の酒蔵・千代の光酒造のKENICHIROシリーズ最新作『生酛仕込み』。KENICHIROは2023年7月に同社の社長に就任した池田剣一郎氏がご自身の名前を銘柄名にしたのだとか。「自分の名を使用するからには妥協せず作る、という気合いが入っていますよね」と大将の篠澤さん。

日本酒にまつわるさまざまなお話を聞けるのが、このペアリングコースの面白いところ。なぜこの料理や素材にペアリングしたのか、という合わせ方のお話だけでなく、酒蔵の想いやそのシリーズが出来上がった経緯なども教えていただけるので、一杯一杯に思いを馳せながら味わって飲むことができます。

Kシリーズの『生酛仕込み』は、日本酒なのにぶどうっぽい香りがあるような……、こちらも微発泡でガスを舌に感じます。甘みがあって、上品な脂が乗ったお刺身に合う!

握りはネタによって変わる赤白のシャリを使用

大漁ずしでは、ネタの種類によって赤酢の赤シャリと白酢の白シャリを使い分けているそうです。仕込みの赤シャリを見せていただきました。

赤酢の特徴は白酢よりも香りが高く、酸味が強めな味わいです。江戸前寿司の伝統的なシャリの形式ですが、新潟県内だと少し馴染みが薄いかも。
アジは赤シャリ、つぶ貝は白シャリでした。アジに合わせる日本酒は、新潟県南魚沼市の高千代酒造の高龍シリーズ。『皚判(しろばん)おりがらみ生酒』

できたての生酒だからか、こちらも若干のガス感。優しい発泡が舌に乗り、華やかな果実の香りがします。日本酒があまり得意でない女性でも飲みやすいかも。リンゴっぽい甘みを感じますが、ほどよい酸味が残っているので、アジと赤酢にしっかり合います。美味しい~~。

このシリーズは2023年にスタートした高千代酒造の新しいブランド展開だそうで、アルコール度数以外の情報が何も公開されていないという……。お酒好きにとって堪らない品ですね。
つぶ貝は提供直前にささっと柚子の皮を振りかけてあり、これがまた絶品!長岡の栃倉酒造、米百俵 蔵の宝『六郎次 純米吟醸無濾過火入れ(青)』でいただきます。

澱(おり)を敢えて絡めて火入れ処理をした後、低温で熟成させた薄にごり。爽やかなお米の香りが旨味の濃いつぶ貝と柚子の風味を際立たせます。
次に出てきたのが鯛のポワレ。パリパリの皮とふわっとした白身の柔らかさが大優勝しています。一見洋風ですが、優しい潮汁でつくられた餡が和に引き戻してくれる……。この鯛のポワレ、美味しすぎて単品で追加注文したいくらいでした。

栃木県の株式会社せんきん『仙禽 線香花火』はラベルもかわいらしく、口に含むと少し甘酸っぱくて、後味がスッと軽くて美味しい。
この辺りから若干記憶が怪しくなってきていますが、続いて「真いか卵黄和え」に合わせた高千代酒造の『巻機(まきはた)ADE(艶)無濾過生酒』です。

華やかで芳醇な香りはちょっと洋梨っぽい?感じもあって、でも喉を通るとキレが良い。しっかり酸味を感じられる美味しさで、これがいかと卵黄のねっとりした旨味に合うんです。美味しい、本当に美味しい。
手渡しでほたての磯辺巻きを受け取ります。海苔の香りが普段食べているものとは比較にならないほど強くて上品で、この世にこんなに美味しい海苔が存在したのか!とびっくりしました。

質の良い海苔は全然市場に出回らず、非常に高級品なんだそうです。この感動、ぜひ味わってほしい。
ふわっふわの穴子はボリュームたっぷりですが、上品なタレとほろほろの柔らかい身が絶妙です。これに合わせたのが長岡市栃尾の酒蔵・越銘醸の『本正(ほんしょう)中取り 純米吟醸濾過前原酒』。

濾過前ならではの旨味がしっかりあるのに、すごくクリアで穴子にちょうどよかったです。少しキレの強い中辛口。

この後も、握りや逸品料理を丁寧な説明と日本酒の面白いお話を伺いながらいただきました。
食事が終わり、最後にはデザートが!手作りのわらび餅は、黒蜜なしでも十分な美味しさ。村上茶の一番煎じと二番煎じを淹れていただきました。鼻に抜けるお茶の風味とわらび餅が合う。

全10種を飲んでみた感想

飲んだ順番を覚えているかと言われると怪しいですが……。個人的には『六郎次』と『巻機』、『髙龍』がお気に入りです。

大漁ずし長岡店では、新潟県内の日本酒を中心に提供されますが、お料理に合わせてそのときにベストな県外の日本酒も出てきます。県内外にこだわらずいろんなお酒が楽しめるのもこのコースの醍醐味ですね。

いろいろ試したいと思いつつ、なかなか冒険ができないのが日本酒の難点でした。しかし、こうして料理に合わせ、普段飲めない限定酒も楽しむことができ、より一層お寿司や日本酒が好きになりました。

日本酒ペアリングコース料理「花」

新鮮な食材の味を最大限引き出す工夫をして提供される握りと逸品。豊富な知識でひとつひとつ提案されるペアリングの日本酒は、ほかにはない特別なおもてなしです。食材の産地やその素材を生かす工夫、調理方法などのこだわりを聞きながら味わうと、お腹も心も満たされる心地になりました。

18時にスタートし、ゆっくり料理と日本酒と会話を楽しんで21時過ぎに退店。長岡駅まで徒歩4分なので、立地がいいのも嬉しいポイントです。帰りの電車に揺られながら、しみじみ美味しかったなあと思い出します。

この時間と空間を楽しんでほしいという店主の篠澤さんの想いが感じられる素敵なお店でした。記念日や特別な日はもちろん、県外の友人がきたときに連れていきたいお店のひとつになりました。

日本酒をこれから楽しんでみたい方、普段飲まない日本酒を味わいたい方、美味しいお寿司を食べたい方は大漁ずし長岡店でぜひ、日本酒ペアリングコース料理「花」を堪能してみてください!

 
大漁ずし長岡店

大漁ずし長岡店

住所:新潟県長岡市城内町3-5-1レーベン長岡105号室
営業時間:11:30~14:00、17:30~23:00(L.O22:30)
定休日:日曜日
電話:070-9040-3443
駐車場:なし

■日本酒ペアリングコース料理「花」
 ・税込12,000円
 ・2名様~

 コースは3種類
  ①日本酒ペアリングコース
  ②日本酒以外のお酒3杯込みのコース
  ③ノンアルコールのコース
   ソフトドリンク飲み放題とネタまたは小鉢を一品追加

■備考
・金曜日・土曜日の夜はアラカルトメニューを提供
・ランチタイムおよび金・土の夜も4名様以上のお申込みで
 日本酒ペアリングコース料理「花」を提供可能(貸切対応)

大漁ずし長岡店

この記事を書いた人
井高あゆみ

新潟県在住のフリーライター。「目の前のことを全力で楽しむ」好奇心旺盛なインドア人間 。店舗や企業のインタビュー・取材を中心に活動中。お笑いと爬虫類をこよなく愛する。