手しごとに出会う旅 前編/柏崎市
2025年04月14日
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長岡・柏崎地域振興局★ふらっと旅を楽しみ隊の廣田です。
柏崎エリアの旅、今回は田尻から安田まで国道252号線を高柳町方面へ向かいながら、工房やおいしいもののお店をめぐります。旅の行程はこちら。
柏崎エリアの旅、今回は田尻から安田まで国道252号線を高柳町方面へ向かいながら、工房やおいしいもののお店をめぐります。旅の行程はこちら。

暮らしに寄り添う耐熱ガラスの器
新潟市の百貨店で見かけた耐熱ガラスのカップ。柏崎の工房だというのでいつか訪ねたいと思っていました。
出迎えてくださったのは工房の2代目、徳間純一さんです。中学生の頃、お父さまの徳間保則さんが硝子工房クラフト・ユーを立ち上げました。純一さんは柏崎を離れ働いていましたが、2014年に工房に入ります。そこにはこんな思いが。「中学生の頃からどんなことをしているのかは見ていたけれど、大人になってみると、こんなところはほかにない。父の代でなくなるのはもったいない」
出迎えてくださったのは工房の2代目、徳間純一さんです。中学生の頃、お父さまの徳間保則さんが硝子工房クラフト・ユーを立ち上げました。純一さんは柏崎を離れ働いていましたが、2014年に工房に入ります。そこにはこんな思いが。「中学生の頃からどんなことをしているのかは見ていたけれど、大人になってみると、こんなところはほかにない。父の代でなくなるのはもったいない」
工房では、保則さんと純一さんを含め4名の職人さんが働いています。耐熱ガラスの個人工房は全国でもめずらしい存在なのだそう。「ひとつひとつ手づくりで、こだわりをもちながらも、大量の発注にも対応できなくはない。ちょうど、量産と芸術の間だと思っています」
素材は筒や板などの形状の耐熱ガラスで、形を変えたいところにバーナーの炎をあてながら加工していきます。バーナーの炎にたくさんの器具。何だか科学の実験みたいですね。「耐熱ガラスは溶けにくい。ということは形を変えづらい。何気なく見えるけれど、大変な技術なんです」最初は、均一に炎があたるよう長いガラスの棒をぶれずに回すだけでもとてもむずかしい。ひとつの製品が満足できる仕上がりになるまで3、4年経ってようやく一人前になれたかな、といいます。
ティーポットの工程をすこし見せていただきました。
ガラスの管がだんだん注ぎ口になってきます。
ポット本体に目印をして
あたためて
穴をあけます。
注ぎ口と本体を同時にあたためながら
くっつけます。
注ぎ口の先をお湯が垂れないよう絶妙な形に整えて
ポットになりました。繊細な作業の連続です。取っ手の部分は上下2か所をあたためながらくっつけるので、よりむずかしいのだそう。
実はまだ、完成ではありません。ガラスは熱を加えるほどその部分に薄くひずみができ、そのままでは割れやすいので、最後は炉に入れてならし、ようやくできあがるのだとか。
工房ではお買い物もできます。使い方は自由ですよと伺い、広口のしるつぎを選びました。ちいさなティーポットとして使うつもりです。
クラフト・ユーのユーには、遊、優、友、結など、さまざまな「ゆう」と、YOU、つくったものをあなたに届ける、という意味が込められています。シンプルなデザインで、手が届く、よいもの。身近で、日常的に使えるものを。そして長く使ってほしいという思いから、部品だけでも扱っています。
「ふつうの家と思われているみたいで、近所でもあんまり知られていないんです」といいますが、訪れたお客さまにもっと楽しんでいただけるようギャラリー兼店舗のような場所を準備中とのこと。待ち遠しいです。
また、純一さんは県内外から作家さんが集まる柏崎クラフトフェアの事務局も務めています。2025年は7月19日と20日、柏崎市文化会館アルフォーレが会場とのこと。クラフト・ユーの製品にも出会えます。
「ふつうの家と思われているみたいで、近所でもあんまり知られていないんです」といいますが、訪れたお客さまにもっと楽しんでいただけるようギャラリー兼店舗のような場所を準備中とのこと。待ち遠しいです。
また、純一さんは県内外から作家さんが集まる柏崎クラフトフェアの事務局も務めています。2025年は7月19日と20日、柏崎市文化会館アルフォーレが会場とのこと。クラフト・ユーの製品にも出会えます。
硝子工房クラフト・ユー
住所 新潟県柏崎市上田尻951-26
電話・FAX 0257-21-4287
来訪時は事前にご連絡ください

ゆったり居心地のいいパン屋さん
クラフト・ユーから車で1分ほど、楽しそうな「はなうた」の文字が見えました。
玄関で靴を脱いで上がると、古民家のような佇まい。奥にはこたつもあって、おうちにいるみたいでとっても落ち着きます。
そして何といってもパンのいいにおい。食パンやハード系のパン、いろいろな具材のお惣菜パンに、スイーツ系のパンが並んでいました。
2023年にはなうたをオープンした店主の高橋智栄さん。
店名は、ここでのんびり気楽に、それこそはなうたでも歌いながら過ごしてほしい、という思いからつけました。先ほど見えたペインティングや玄関の看板は高橋さんのお手製。通り過ぎたけど気になって戻ってくるお客さまもいらっしゃるそう。
店名は、ここでのんびり気楽に、それこそはなうたでも歌いながら過ごしてほしい、という思いからつけました。先ほど見えたペインティングや玄関の看板は高橋さんのお手製。通り過ぎたけど気になって戻ってくるお客さまもいらっしゃるそう。
もともとはカフェがあったこの建物。カフェ閉店後しばらく空き家になっていました。会社員だった高橋さんはここを通るたび、この場所で何かできるといいなと思っていたそうです。何屋さんと決めていたわけではなかったのですが、思い切ってやってみようと、パン教室に1年半ほど通い、はなうたを開きました。
はなうたのパンには、北海道の生産者さんの「春よ恋」などの小麦粉や、バターの代わりに大豆が原料のソイレブールが使われています。そのためか、しつこくなくて生地の味をしっかり感じられる気が。人気の食パンはオープン当時からの定番、ほかはその時々で変わるというので、また来たくなります。
パンはイートインでき、1度に10個ぐらい食べていかれるお客さんもいらっしゃるのだとか。お腹のすき具合にあわせてモーニングやランチ、そしてパンケーキやフレンチトーストなどのメニューがあるのもうれしいところ。
反対側の貸しギャラリースペースには、市内で活動されている工房てもずらさんとタナカレザーさんの作品が展示されていて、そのあたたかな雰囲気は思わず手にとりたくなります。
そして、以前ブログで紹介させていただいたBALL PARK(ボールパーク)オーナーの高橋裕さんは高橋さんの夫とのこと。そんなご縁にもびっくりしました。
はなうた
住所 新潟県柏崎市安田1492
営業日 火曜日・木曜日・土曜日
営業時間 8:00~16:00
営業日や時間は変わることがあるのでInstagramをご確認ください

毎日通いたくなるお惣菜屋さん
田尻小学校の裏手にある黄色の建物。2024年にオープンしたおそうざい晴れです。
オーナーの桜井智子さんは、ご自身の経験から、仕事や家事で疲れている時に、家の近くにこんなお店があったらいいなと思っていました。このあたりは保育園やコミュニティセンターもあって、住民の方やこどもたちが集まってくる場所。中古住宅だったこの建物を見つけます。ちょうどその頃、家業を継ぐことになったためすこし時間がかかりましたが、オープンにこぎつけました。
桜井さんを含む3名のスタッフさんはそれぞれ学校や保育園の給食調理員でした。店内では大きなアクリル板越しに調理している姿が見られ、お昼はお弁当を中心に、夕方は仕事帰りに立ち寄るお客さんに向けてお惣菜を中心に用意しています。
人気のみそ豆は、かりっと香ばしくてあとひく味。お孫さんが好きといくつも買っていかれる方もいらっしゃるのだとか。デザートも食べたい方にはスイーツも。定番のチーズケーキとブラウニーのほか、週替わりでも出しています。
お店で焼き上げるクロワッサンとプレッツェルも人気もの。
イートインできるのも魅力で、ここでお弁当を食べながらお話に花を咲かせる人たちも。あたたかくなったらウッドデッキとパラソルが置かれ、外でも食べられるそう。
また、こちらでは月に1度、晴れ食堂も開催しています。こども食堂もしたいと思っていた桜井さん。いつものイートインスペースに加えて、普段はお惣菜が並んでいるけれど食堂の日はいすを出してテーブルにも使えるようにしました。そして、こどもや親子連れにかぎらず、おとなだけでも楽しんでもらえたら、と晴れ食堂という名前に。少しずつ広まっていて、市外からもお客さまがいらっしゃるそうです。
「「晴れ」はハレの日のハレ、めでたいこと。晴れやかなイメージっていいじゃないですか」
ここで食べてもいいし、おうちに持って帰ってもいい。おいしいものを好きなようにいただけるすてきなお惣菜屋さんでした。
ここで食べてもいいし、おうちに持って帰ってもいい。おいしいものを好きなようにいただけるすてきなお惣菜屋さんでした。
おそうざい晴れ
住所 新潟県柏崎市安田4697
電話 0257-37-2486
営業時間 11:00~19:30
定休日 土日月・祝祭日・年末年始・お盆休み
晴れ食堂 毎月第1土曜日または第2土曜日
前編はここまで。後編につづきます。

手しごとに出会う旅 前編/柏崎市 訪れた場所
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地域で親しまれている隠れたスポットや住民ならではの贅沢な時間の過ごし方があります。
初めて訪れた方でもバスや電車でふらりと行けるプチ旅行や時間の過ごし方をレポートします。