「世界一の刺しゅう館」て何が世界一なの?秋葉区荻川のカフェ「はなの台所」と「世界一の刺しゅう館」を訪ねる/新潟市
2025年10月22日
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こんにちは!運動音痴、文化系多趣味の小柴ぱせりです。
みなさんはデンマーク刺しゅうをご存知ですか?
デンマーク刺しゅうとは、リネン(麻)の布に「クロスステッチ」「バックステッチ」という技法で糸を刺していく刺しゅうのこと。一般的な刺しゅう(フランス刺しゅう)は丸い刺しゅう枠に布を固定して刺していきますが、デンマーク刺しゅうは刺しゅう枠を使わないので、どんな場所にも刺繍することができます。
私は糸や色とたわむれるのが好きなので、数ある手芸もいくつかたしなみますが、デンマーク刺しゅうに使われるクロスステッチという技法は、刺しゅう糸を✕のように刺し続けて模様にしていく簡単な刺しゅうなので、初心者にもオススメです。
このデンマーク刺しゅうを数多く常設展示している「世界一の刺しゅう館」が、なんと新潟市秋葉区の住宅地にひっそりとあります。ひっそりとあるのはもったいなさすぎる!と思い、みなさんにぜひ訪ねて行って欲しいのでご紹介します。
でもその前に食いしん坊ぱせりは「世界一の刺しゅう館」の近くにあるカフェ「はなの台所」で腹ごしらえから!

はなの台所
JR信越本線荻川駅からほぼ真っすぐ、コンビニや銀行のある交差点を抜けて、住宅街の中にお店はあります。外にはレモンにハーブなど食に関する植物の鉢が並んでいて、植物好きな私のテンションが上がります。
お店の中にも植物がたくさん!
栗の古材のテーブルと、アカシアを使用した全面無垢材のフロア。木をたくさん使っているのでおしゃれで落ち着く空間です。
「はなの台所」では地元の農家さんから採れたてのこだわりの野菜やお米を仕入れ、季節を意識した手作りのお料理を提供しています。
オススメはごはんランチ、お惣菜のメイン、推しメニューは豆腐の春巻き。付け合せをひとつ選んでのワンプレートで、ご飯と味噌汁がつきます。
お母さんが作るごはん、いえ、家庭料理よりちょっと丁寧に作ったお惣菜です。
じゃーん!
メインに推しの春巻きを、雑穀入りの炊き込みご飯と、付け合せはモロヘイヤのおひたしを選びましたよ。
メインに推しの春巻きを、雑穀入りの炊き込みご飯と、付け合せはモロヘイヤのおひたしを選びましたよ。
豆腐の春巻きってなかなかないでしょ?他のお惣菜も優しいお味でほっこりします。
メニューはピザランチ、麺ランチ、カレーランチを選ぶこともできます。
お惣菜はテイクアウトも可能、お弁当の注文も受け付けています。
食べている途中、隣から「メインにグラタンができました」とのスタッフさんの声。
「グラタンすっごく気になる!」と、あとで聞きましたら熱烈なファンがいらっしゃるくらいの人気メニューだそうです。前もって予約のときに伝えてくれたら、リクエストに応え当日のメニューに加わるそうですよ。いまは定番になった麻婆豆腐はお客様のリクエストだったとか。
「丁寧な仕事をしたい。自分がやりたいことを楽しく、無理せずやっていきたい」
と言う店主の酒井清子さんは4人の子どもを持つお母さん。
学校行事でお店を休むこともあるので、SNSやHPでチェックしてくださいね。
ときどきお花や料理のワークショップなどを開催し、お客様に寄り添って営むあたたかなお店でした。ランチが終わったあとのカフェタイムもオススメです。
はなの台所
住所:新潟市秋葉区荻島3-16-9
電話:0250-47-8283
営業時間
通常営業日 11:00~18:00
ディナー営業日 11:00~21:00
ランチラストオーダー 14:00
定休日:不定休(ホームページ又はInstagramよりご確認ください)

世界一の刺しゅう館
さて満腹の腹ごなしに「はなの台所」から徒歩16分ほどの場所、メインの通りから1本住宅街に入ったところにある「世界一の刺しゅう館」に行ってみましょう。
まず玄関の脇にある大きな刺しゅうが迎えてくれます。中に入る前から圧倒されますね。
部屋の中央に宮殿のような大理石の階段があり、あらゆる場所に刺しゅう展示があり、ちょっと迷路のような建物の構造が楽しいです。すみからすみまで楽しめます。
部屋の中央に宮殿のような大理石の階段があり、あらゆる場所に刺しゅう展示があり、ちょっと迷路のような建物の構造が楽しいです。すみからすみまで楽しめます。
館内には、館長の片桐奈保美さんが半世紀にわたりご自身で作った大小の刺しゅう作品約300点と、旅行で集めた世界各地のかわいい人形や置物、刺しゅう作品を飾っています。
片桐さんは若い頃から編み物が好きでしたが、友人がデンマーク刺しゅう(クロスステッチ)を刺しているのを見て「押し花のようにきれいだ」と興味を持ち、材料の草木染めの花糸と麻布を取り寄せて始めたそうです。そこからは編み物を卒業して、ずっと刺しゅうを続けているそうですよ。
「デンマーク刺しゅうはクロスステッチ、根気はいるけど覚えやすくて、技術はそんなにいらないの。フランス刺しゅうと違って刺しゅう枠をはめずに、布を折りたたんでどこでも持ち運べるのでとても良かった。誰の手ほどきも受けず独学で覚えて、刺すのはもっぱら夜ね。集中して没頭できるからストレス解消になりました」
「一番すごい話はね、私、刺しゅうを分娩台の上に持ち込んだことがあるの。ちょっとの待ち時間に刺していたら、看護師さんがそれを見て今度教えてくださいってことになって、産んでから看護師さんが3人くらい訪ねてきたわ」
「北欧は夜が長いから、家の中で女の人が楽しむものなの。鍋つかみとか、台拭きとか、そういうところにワンポイントとして刺していた。デンマーク刺しゅうの糸は草木染めの1本取りで光沢がなく、だから押し花に見えるのかな。豪華さはないですけど素朴でいいですよ。ヨーロッパ的な印象のデザインもおしゃれでいい」
「だいたい500円玉2つくらいの大きさだと、一晩くらいでできあがるかな。始めて3作目には1m角のナナカマドを、玄関に飾ってある2mx1mくらいの作品は10作目くらいまでには刺していました」と片桐さん。
作品が増えていくと家に飾るスペースがなくなり、刺しゅうだけを飾る館を作ることにした片桐さん。もともとは建築会社に勤めていたので、自分の設計で「刺しゅうだけを常設展示する城」が造りたかったそうです。すごいなあ。
作品が増えていくと家に飾るスペースがなくなり、刺しゅうだけを飾る館を作ることにした片桐さん。もともとは建築会社に勤めていたので、自分の設計で「刺しゅうだけを常設展示する城」が造りたかったそうです。すごいなあ。
片桐さんが海外旅行に行くとき、訪ねた先の刺しゅう屋さんに寄るそうです。だいたいは小さなお店で、刺しゅうキットはいっぱいあるけど、飾ってある完成品は多くても10点ほどなんだとか。
「300点飾っている常設展示場はないから、それがギネスになると思ったの。でもね「300点を飾っているところがここの他にないという証明がない。どこかにあるかもしれない」そうギネスの人に言われるとそうかもしれないわね」と悔しそうに話します。
「ギネスにこだわったのはね、オリンピックで若い子が世界一になって金メダルを取ったのを見て、私も刺しゅうの世界で金メダルをもらいたいと思ったから」
「300点飾っている常設展示場はないから、それがギネスになると思ったの。でもね「300点を飾っているところがここの他にないという証明がない。どこかにあるかもしれない」そうギネスの人に言われるとそうかもしれないわね」と悔しそうに話します。
「ギネスにこだわったのはね、オリンピックで若い子が世界一になって金メダルを取ったのを見て、私も刺しゅうの世界で金メダルをもらいたいと思ったから」
「そしたらギネスの人が「クロスステッチの目数を30秒で30目刺せますか?」って。そんな1秒に1目なんて無理よ。「だったら1分間で10目では?」と譲歩してきたので、ストップウォッチで測りながら刺したら11目できたの。それがギネス認定されました」
もうひとつ、刺しゅうのオンライン交流会に参加した人が500人を超えたらギネス認定してくれるということで、3時間で500人以上がアクセスしてくれた企画もギネス認定されました。そもそもふたつ一緒にギネス認定されたのは初記録なんだそうです。
「自分の好きなことで世界一だったら嬉しい」と片桐さん。
世界一がふたつもあるなんてすごいですよね。
「自分の好きな世界があるといい。旅行して趣味の場所を探したり、趣味の人と繋がったり、共通点があると楽しくなる。楽しいことを分かりあえる。
刺しゅうを好きな人が、刺しゅうに興味がある人を連れて来る「世界一の刺しゅう館」はそんなところです」
世界一がふたつもあるなんてすごいですよね。
「自分の好きな世界があるといい。旅行して趣味の場所を探したり、趣味の人と繋がったり、共通点があると楽しくなる。楽しいことを分かりあえる。
刺しゅうを好きな人が、刺しゅうに興味がある人を連れて来る「世界一の刺しゅう館」はそんなところです」
木曜と日曜には、スタッフからクロスステッチを教えてもらえます。
そして刺しゅうを持ち寄りおしゃべりしながら一緒の時間を過ごすサロンも開かれています。
まずはお問い合わせをして、見学に行ってみてくださいね。
そして刺しゅうを持ち寄りおしゃべりしながら一緒の時間を過ごすサロンも開かれています。
まずはお問い合わせをして、見学に行ってみてくださいね。
世界一の刺しゅう館
住所:新潟市秋葉区みそら野3-15-5
電話:0250-25-7701
開館時間:火~日 11:00~17:00
休館日:月曜日
入館料:200円 (入館の際にはお声がけください)
駐車場あり

今回寄ったところ
この記事を書いた人
72年新潟市生まれ、99年結婚、夫婦二人暮らし。イラスト描きます。 読書、創作、映画、音楽、演劇、着物など、文化系多趣味で、ちょっと?鉄子。企画運営好き。 15年-18年は信州暮らし。
https://314musubiya.9nzai.net/