まるで別世界!棚田・棚池を歩いて楽しむ「やまあかり」/長岡市


2025年10月21日 544ビュー

山古志について

皆さんは、長岡市に日本農業遺産の認定地域があることをご存じでしたか?
長岡市の中心から車で約30分。曲がりくねった山道を進むと、そこには心が洗われるような日本の原風景が待っています。豊かな自然に囲まれ、季節ごとに彩を変える美しい棚田と棚池の風景は、多くの写真家たちの創作意欲を掻き立てる絶景です。そう、この爽やかな空気に包まれ、見る人の心を癒してくれる風景こそが山古志なのです。
季節の巡りと共に彩りを変える美しい棚田・棚池は、豪雪や地滑りという厳しい環境を、知恵と技術で恩恵に変えた「雪の恵みを活かした稲作・養鯉システム」として日本農業遺産に認定されています。

やまあかり

稲刈りと錦鯉の池上げ作業が終わり、長岡の中でもひと足早く秋が訪れる山古志。秋が深まる頃、この棚田・棚池を活かした山古志らしいイベント「やまあかり」が開催されます。
やまあかりでは、太陽光パネル、充電池、LEDを組み込んだ環境に優しい発光装置「ペットボタル」を使っています。
やまあかりの準備はとても大変です。園芸用の支柱にペットボタルをビニールテープで落ちないようにしっかりと巻き付けます。その前にペットボタルの中に、電池をセットするのを忘れてはなりません。
ひとつひとつ手作業で行われるこの作業はかなり根気が必要です。
やまあかりの会場では、完成したペットボタルを次々と運び込み、山古志のチームワークの良さを発揮し、どんどん差し込まれていきますが、大変な作業であることには変わりありません。山古志の秋はお天気が良い日ばかりではありません。 雨の中で作業されている様子を思い浮かべると、胸が締めつけられるような思いになります。
夕暮れと共に、まるでペットボタルに命が吹き込まれたかのようにポツリポツリと灯りが輝き始めます。早めの時間から景色を眺めることで、刻々と変わる風景の美しさをより深く味わっていただけます。
会場に足を踏み入れるとすぐ目の前に展望台が現れます。そこからは、会場全体を一望できる絶景が広がり、訪れた瞬間から心が癒されます。
やがて周辺が闇に包まれ、棚田・棚池が柔らかな灯りで照らされる光景は、水面に映る光が幻想的で、まるで別世界に迷い込んだかのようです。灯りは15分おきに、4色が順番に移り変わります。ひとつの灯りの色が変わると、まるで周囲の様子をうかがうように、他の灯りたちも少しずつ同じ色へと変化していきます。その様子は、まるで小さな生き物たちが呼吸を合わせているようで、とても愛らしく感じられます。気がつけば、全体が足並みを揃えたように、ひとつの色に染まっているのです。
遊び心あふれる山古志らしい灯りの演出でより幻想的な表情を見せてくれます。スポットごとに異なる光の工夫が施され、光のアートを巡る旅のようで退屈する暇もありません。

ここにも注目!

今年は長岡市内4大学1高専の学生を中心に構成している、NaDeC学生委員会の皆様がやまあかりとコラボしデザインしたスポットが登場!長岡らしく花火のデザインになっています。なぜ花火なのか?その理由が書かれたチラシには、戦後80年という節目の年にあたり、慰霊の想いを込めて花火のデザインにしたと記されていました。毎年8月2日・3日に開催される長岡まつり大花火大会には、慰霊と復興、そして平和への願いが込められています。若い世代の真っ直ぐな情熱に触れ、大人として、平和を守り、次の世代へと受け継いでいく責任の重さを改めて感じました。そして、その想いが確かに若い人たちに伝わっていることを、心から嬉しく思います。
やまあかりは決して華やかな灯りではありません。どちらかと言えば奥ゆかしい、控えめだけど暖かい灯りに山古志らしさを感じます。イベント会場の棚田・棚池の周辺は、1周すると約1km、20分から30分位で散策できるコースになっています。秋の澄み切った、ひんやりとした空気の中、心地良い音楽や虫の声に耳を傾け、穏やかな灯りに導かれながら大切な人とゆっくり語り合いながら歩いてみませんか。

#やまあかり2025をつけて投稿しよう

期間中は、抽選で「山古志産 新米コシヒカリ5㎏」が当たるSNSキャンペーンが開催されます。
InstagramまたはX(旧Twitter)で山古志観光協会公式アカウントをフォロー後、#やまあかり2025、#山古志をつけて投稿するだけで応募完了です。詳細は「やまあかり公式サイト」でご確認ください。
深呼吸しただけで元気になれそうな環境の中、育った山古志のお米は間違いなく美味しいです。これは必ず応募しなければなりません。
やまあかり

やまあかり

●会場:山古志闘牛場周辺
●開催期間:2025年10月17日(金)~11月3日(月・祝)
●料金:1人300円 ※未就学児無料
※現地にてご入場の際お支払いください。
※お支払いは現金のみとなります。
※できるだけお釣りの出ないようにご協力ください。
●ライトアップ時間:17時頃~21時消灯(最終入場20時30分)
●所要時間:1周、20分~30分
●駐車場:山古志闘牛場駐車場

※最寄りの駅である、JR小千谷駅やJR長岡駅などの市街から会場のある地域まではバス等の公共交通機関がありません。自家用車またはレンタカーなどでお越しください。

お勧めは他にも

山古志は、国指定の重要文化財である「牛の角突き」が有名です。やまあかりの期間中、10月23日(木)と11月3日(月・祝日)に、感動すること間違いなし!大迫力の熱い戦いを観戦できます。
山古志牛の角突き

山古志牛の角突き

●受付開始時間:10時
●取組開始時間:13時
●入場料:2,500円

やまこし復興交流館「おらたる」

灯りの時間にはまだ時間があるという方は、やまこし復興交流館「おらたる」に是非お立ち寄りください。「おらたる」は山古志の玄関口です。2004年10月23日、17時56分に発生した、 新潟県中越大震災での体験や、復興に向けて積み重ねてきた経験を後世へ伝え、「ありがとう」の感謝と山古志の魅力を全国へ発信する交流施設です。おらたるカフェでは温かい飲み物や軽いお食事を提供しています。秋が深まる季節の夜はとても冷えます。やまあかり見学前に体を温めるのもいいかもしれません。
 
山古志は、世界を魅了してやまない泳ぐ宝石「錦鯉」発祥の地で、養鯉業がとても盛んなことで有名です。おらたるには、錦鯉をセンス良くデザインしたグッズなど山古志らしいおみやげが揃っています。
やまこし復興交流館「おらたる」

やまこし復興交流館「おらたる」

●開館時間:9時~17時 ※展示室 10時~16時
●休館日:祝日を除く月曜日・年末年始(12月29日~1月3日)
●入館料:無料
●駐車場:20台程度、大型バス5台程度

この記事を書いた人
岩内明子

「地元観光協会で働く主婦。日本酒と料理が好き。のんびり屋で動きが鈍く腰が重いタイプだが、面白いネタや美味しいネタには即効飛びつき直ぐに行ってみたくなる。」