暖簾をくぐれば昭和ノスタルジー…これが新潟屈指の人気居酒屋「喜ぐち」だ!/新潟市


2024年08月14日 136ビュー
皆さんこんにちは。取材ライタ-のエムコネです。

旅の醍醐味である“グルメ”。その土地ならではの料理とともにお酒を愉しむなら、ローカル酒場は外せません!

中でも、地元の人々に長年愛され続けているような、はたまたタクシー運転手さんがおすすめするような、「ここに行けば間違いない!」というお店にこそ、行ってみたくなりませんか?

今回ご紹介するのは、まさにそんなお店。

創業は昭和40年、世代を超えて愛され続けるローカル酒場「季節料理 喜ぐち」をご紹介します。

街外れの超人気店へ

やってきたのは、新潟市中央区の古町(ふるまち)。

新潟の中心繁華街として多くの居酒屋をはじめ、割烹、料亭、バーなどが立ち並ぶエリアです。

同店がある古町10番町は、繁華街の外れ。商店街の趣は残りつつも店舗は少なく、夜になると辺りはひっそりと暗闇に。そんな中ポツンと一軒、煌々と明かりを灯すのが「喜ぐち」。初めて訪れる人は「こんなところに?!」と驚くかもしれません。

決してアクセスがいいとは言えないこの場所ですが、連日多くのお客さんで賑わっているのは人気店の証。週末は予約必至、遠方から訪れる場合は平日でも予約をしておくことをおすすめします。
店内は、座敷が45席。密かに、厨房のすぐ脇にカウンターが2席あるんですよ(常連さん用かな?)。

まるでおじいちゃんおばあちゃんちに行ったかのような、どこか懐かしくほっこりと落ち着いた雰囲気。これぞ昭和ノスタルジ~!

同店は創業して今年で59年目を迎えました。現在の店主、木口文敏さんのお父様が東京を中心に関東で修業を積んだ後に、故郷である新潟に戻り、この地で和食店を開業したのがはじまり。

当時は店舗と自宅を兼用しており、店舗としての広さは今よりもかなり小さかったようです。食事が中心の和食店から徐々にメニューを増やしていき、現在の居酒屋へとスタイルを変えていったそうです。
現在の営業時間は17:30~翌2:00ですが、当時は朝まで営業をしていたとのこと。それもあって、古町界隈の飲食店関係者が営業終わりに通う店として定着したのだとか。

バブル期頃からはサラリーマンも多く訪れるようになり、営業開始から終わりまで、多くの人々で賑わう人気店となりました。

喜ぐち名物の一つ、著名人のサイン!

同店といえば、「数々の著名人が訪れる店」というイメージも定着しているのではないでしょうか。
店内のあちらこちらに飾られたサインの数々!まじまじと見てみると「あの人も?!この人も?!」と、そのビッグネームに驚きを隠せません。

そして特筆すべきは、私が若かりし頃、勝手にテレビの前で“師匠”と呼んでた吉田類さんが「酒場放浪記」で訪れたお店なんです!(私の中で、同番組で紹介されたお店は間違いないっ)。

地元民のみならず、多くの著名人や業界人が太鼓判を押すほど、名店なんですね~!

70種類以上の豊富なメニュー

料理には旬のはしりを───。

和食を修業してきた先代がこだわっていたのは、旬のはしり。食材がスーパーや自宅で出回る時期を先回りして、お客様に旬を楽しんでもらうことをモットーとしてきたそうです。

メニューは70~80種類と豊富で、季節によって変わります。定番には、新潟名物の「カレー味の半身揚げ(鶏から揚げ)」や「たれかつ丼」、郷土料理の「のっぺ」なども。

そして、餃子やラーメンがあるのは、先代がラーメン店も開店していた時代があったことから。今では喜ぐちを代表する人気メニューなんだそうです。
定番メニューのほか、黒板メニューには旬のおすすめがズラリ。

お伺いしたのは7月中旬頃。夏の魚介のお刺身や岩ガキ、今や全国に名を轟かせる黒埼枝豆、新潟の郷土料理であるくじら汁など、夏の新潟らしいメニューが揃っていました。
そして、お酒は新潟の地酒をはじめ、各種揃っています。

コロナ禍をきっかけに、喜ぐちの店舗向かいで始めたジェラート専門店「FKm(エフケーメゾン)」の自家製ジェラートも!
また、新潟市西蒲区のワイナリー「フェルミエ」さんとコラボレーションした、オリジナルワイン「新潟ワインキュベキグチ(赤・白)」。

お料理もお酒も新潟づくし!新潟の夜に、喜ぐちは欠かせないんですよ。

エムコネの喜ぐち放浪記

それでは今宵、喜ぐちで一杯はじめま~す!(取材でお話を伺った後日、家族で暑気払いに訪れました。)
●刺身盛り合わせ(1人前2,000円~)

この日は、タイ、バイ貝、たこの3種盛り。馴染みの魚屋さんから毎日仕入れる魚介は、朝どれで新鮮なものばかり。丁寧に下処理されたバイ貝は、コリコリの食感がたまりません。日本海の魚介のおいしさを味わうなら、お刺身は外せませんね!
●くじら汁(880円)

北前船が運んだ食文化の一つと言われる郷土料理の「くじら汁」。塩漬けにしたクジラの皮の脂身と夏野菜を一緒に煮込んであります。新潟では、特に真夏の暑い時期にスタミナ食として食べていたそうで、喜ぐちでは地元で採れた丸茄子を合わせてありました。

県外出身者である私にとっては初体験。このような、新潟の食文化に触れられるのも同店の良さですねぇ。くじら汁、意外にもクセがなく、独特の旨みがあっておいしかったです!
●やきとり 肉(3本540円)
●海老しんじょう揚げ(800円)
●イワシのヌタ(700円~)
●餃子(550円)
●鶏もつ煮込み(500円)

決して奇をてらった珍しい料理があるわけではありませんが、同店のすばらしさは一品一品の滋味深いおいしさ。何を食べてもちょっとした小技が効いていて、想像を上回るおいしさがあるのです。

記念日に行くレストランのような華やかさとは違った、日常の延長線上にある特別感。喜ぐちのお料理はしみじみと味わい深く、ついついお酒が進んでしまうんですよねぇ。
●釜飯 鮭(1,000円)

こちらは同店名物の釜飯。蓋を開けた瞬間フワ~ンと立ち上がる香りが食欲をそそります。新潟産コシヒカリの一粒一粒に、出汁と具材の旨みが染み込んでいて、これまたうまいんだなぁ~!

そして、釜飯と並んでもう一つ〆に人気のメニューが……
●タンメン(800円)

先にも申し上げましたが、先代がラーメン店を開店していたことから、メニューに加わることになったラーメン。これがあっさりしていて、飲んだあとの締めにピッタリなんです!

ラーメン、タンメン、ミソラーメン、チャーシューメンと種類も豊富で、1番人気がタンメンなのだとか。以前お伺いしたときにラーメンを食べたことがあるのですが、醤油ベースにやさしく生姜が効いていて、「ラーメンだけでも食べに来たい」と思うぐらいレベルが高いんですよ。
麺はコシがありツルンと喉越しも良い平打ちぢれ麺。そしてスープはあっさりながらも旨みが感じられて、そのクオリティはラーメン店さながら!
それもそのはず、スープは、豚骨、鶏ガラ、香味野菜を合わせて寸胴鍋で炊いています。豚骨を多く使っているそうですが、グツグツ煮沸しない程度の火で丁寧に煮出しているので、白濁させず透明感のあるスープに仕上がっています。

実はこのスープ、煮物や野菜炒めなど、他のお料理にも使われているのだとか。料理によっては、和食用に引いた鰹出汁を使うなど、使い分けているそうで、どのお料理も基本に忠実に、手間暇かけた仕込みがおいしさの秘訣なんですね。

人々に愛され続けるには、理由がある

地元の飲食店関係者からサラリーマン、ファミリー層、数々の著名人に、全国から訪れる観光客。

60年近い月日をかけて、県内外の多くの人々に愛され続ける喜ぐちには、人々が喜ぶおいしい料理とおいしい酒、日々の喧騒を忘れるあたたかな空間、そしていかなるときも笑顔で迎えてくださる喜ぐちファミリーの笑顔があります。

「ディズ二ーランドが無い事をなげくな きぐちがある事を誇れ!」

数々のサインの中で1番シビレたのがこちらの言葉(名言すぎる~)。新潟に喜ぐちがあることは誇りであり、宝なんです。

ぜひ、早めに予約をして伺ってみてください。暖簾をくぐれば……あなたもたちまち喜ぐちの虜になるでしょう!
季節料理 喜ぐち

季節料理 喜ぐち

新潟市中央区古町通10-1720
025-224-9075
営業時間/17:30~深2:00
(金・土曜は~深3:00。祝日は~深1:00)
定休日/日曜、他不定休あり

この記事を書いた人
エムコネ

富山県生まれ、新潟市在住のママライター。 グルメな夫、子鉄の長男、肉食の長女、リアクション芸人の私、の4人家族。 外食費と娯楽費が家計を圧迫していますが、おいしいモノとたのしいコトを求めて日々開拓中!
Instagram : https://www.instagram.com/maconnect2022/