温泉総選挙「おもてなし部門」2年連続全国1位! 新潟空港から行ける温泉宿巡り・岩室温泉編/新潟市西蒲区


2026年02月03日 69ビュー
本格的な冬到来。新潟県では連日雪が降り続き、寒い日々が続いています。
そんなTHE・新潟の冬を満喫したいと思ったら、やはり『温泉』が一番ではないでしょうか。

しかし、雪道に慣れていないと運転が怖い……。冬場にレンタカーは避けたいところ。
今回は新潟駅や新潟空港から、公共交通機関で訪れることのできるおすすめの温泉宿を3軒、ご紹介します。

新潟の奥座敷、岩室温泉へ

おすすめ宿の第一弾は岩室温泉へ!

新潟の奥座敷とも呼ばれ、江戸時代から300年以上の歴史を持つ「黒湯」の温泉地です。歴史が深いだけでなく、2年連続で温泉総選挙「おもてなし部門」で全国1位に輝くおもてなしのプロ。居心地のよい宿がたくさんあります。

風情ある老舗旅館が並ぶ岩室の温泉宿のなかから、今回お邪魔したのは「著莪の里 ゆめや」(以下、ゆめや)。自家源泉露天風呂付き客室も備える、わずか11室の旅館です。

岩室温泉へのアクセスは、JR新潟駅から越後線に乗り、乗り換えなしで約50分。岩室駅が最寄りです。宿に事前連絡すれば送迎をお願いすることもできます。タクシーで向かう場合は、岩室駅から約10分ほどで到着します。
また、新潟空港からは乗合タクシー「新潟ウエストコーストライナー」の利用がおすすめです。予約時に宿泊施設を指定すれば、宿の前で乗り降りできるため、スムーズにアクセスできます。

自然の中で静かに過ごせる宿

宿の周りは川と緑に囲まれ、駐車場から門をくぐった先には丁寧に整えられた庭園があり、自然と歩調が緩やかになります。

玄関の扉を開くと、畳の床がお出迎えしてくれました。ひ、広い……!なんだか豪華……!
ゆめやは、玄関で靴を脱ぐタイプの宿ですが、珍しくスリッパは用意されていません(要望がある場合は提供されているそうです)。

素足で館内を歩けるのは、スタッフさんが毎日隅々まで清掃を行っているからなんだとか。

フロントはなく、駐車場に迎えに来てくださったスタッフさんに連れられ部屋まで真っ直ぐに向かいます。ロビーにある手づくりのテーブルと椅子が、ぬくもりを感じさせます。寛ぎながら庭を眺める贅沢な時間を過ごせそうです。
お着き菓子はゆめや特製の「黒糖ふるる」。程よく甘い上品なゼリーでした。
わたし自身、旅館に着いたときの楽しみのひとつがこのお着き菓子(ウェルカムスイーツともいう)なのですが、実は宿のおもてなし以外にも重要な役割があることをご存知でしょうか?

温泉宿に着いたら夕食前に必ず一度お風呂に入る!という人は、チェックイン後お着き菓子をすぐにいただくのがおすすめです。入浴はカロリーを消費するため、空腹の状態で入ると貧血や立ちくらみを起こす可能性があるからです。観光だと歩き回ってようやく宿に到着するので、血糖値が下がっていることがあります。

そこで、糖分を含んだお茶菓子で小腹を満たしておくことでカロリー補給ができますし、緑茶には湯あたりを防止するビタミンCも含まれているため快適に温泉を楽しめるというわけです。

普段、何気なくいただく宿のお着き菓子にも意味があることを知ると、より温泉や宿の楽しみ方が深まりますよね。

自家源泉掛け流し! 露天風呂付き客室

お部屋は2012年4月に湯開きしたゆめや自家源泉の露天風呂付きです!※写真はゆめやさんの提供
大浴場ももちろん楽しみですが、いつでも好きなときに温泉に浸かれるなんて贅沢。

湯の感触は少しぬるっとしていて、じんわり温まるほど良い温度でした。硫黄の香りが強く、好きなひとにはたまらない香り。
お部屋はベッドルームのほか、和室12帖に広縁、談話室、お支度部屋のある広々としたつくりです。家族で泊まっても十分な広さで、女子旅にもとっても良さそう。

角部屋なので、部屋から見える庭がまた美しいんです。四季によって表情ががらっと変わりそうですね。

新潟の季節の美味しさが詰まった献立と、地酒3種を飲み比べ

夕食はお部屋でいただきました。先付の真鱈白子ポン酢、鯛の昆布〆、ずわいがになど新潟の厳選された素材が丁寧に供されます。

次のお料理を待っている間も蟹をいただけるので嬉しい。時間をかけてひとつひとつの料理に感動しながら食べる時間の大切さをしみじみ感じます。
新潟といえば、お米と日本酒!
お食事に合わせて、地酒の飲み比べ3種をお願いしました。味のある手書きの文字は女将さんの字なんだそうです。

左から越後鶴亀・越弌、あべブラック、峰乃白梅。あべブラックは柏崎市の酒蔵ですが、ほかの2種はゆめやと同じく新潟市西蒲区の酒蔵です。新潟らしい淡麗辛口で、それぞれフルーティさもあり飲み口がすっきり。個人的には越弌がお気に入りです。
お造りは白身魚を中心に、新潟のブランドグルメ・南蛮エビのねっとりとした甘さが辛口の日本酒に良く合います。焼き物のノドグロは味噌焼きと炭火焼きの2種。上品な脂とパリッとした皮目、身の柔らかさがたまりません。

肉料理は鴨葱でした。弾力のある肉を噛むたびにじんわり旨味が広がります。
夕食で印象深かったのが、ゆめや饅頭です。裏ごしした里芋の中に、なんとウニが入っていました。餡かけのお出汁も優しいお味で滑らか、絶品でした。

最後にご飯とお味噌汁と香の物、デザートまでしっかりいただいて大満足。普段の食事はこんなにたくさん食べないはずなのに、宿料理はぺろっと食べてしまえるのが不思議です。

のんびり浸かれる大浴場

少し食休みをしてから大浴場へ。※大浴場の写真はゆめやさんの提供

余裕のある建物のつくりのおかげか、部屋でまったり過ごす方が多いのか廊下などでほかのお客さんとすれ違うことはありませんでした。平日だったこともあり、大浴場もほぼ貸し切り。
お風呂を出たところには、休み処「ことり葉」がありました。お水はもちろん、コーヒーも自由にいただけます。朝や日中はバードウォッチングが楽しめるようで、窓際には双眼鏡が準備されています。
小説や雑誌、歴史の本などもあり、温泉帰りの待ち合わせに良いですね。
大浴場入口ののれんについていたお面が良い味出てます。かわいい。

伊彌彦米の美味しさ引き立つ、贅沢な朝食

朝食は、和洋どちらかと卵料理を6種類のなかから選べます。わたしは和食で温泉卵にしました。

夜もしっかりお米はいただきましたが、やはり朝食の白米は最高。ゆめやのご飯は、お隣の弥彦村でつくられている「伊彌彦米」です。特徴は強い旨みと粘り……と言われるだけあって、おかずがいらないくらいに美味しいのですが、のっぺや香の物、鮭の焼漬けなどご飯が進むおかずの数々に、おかわりしてしまいました。

朝からお腹がはちきれそうになるほど食べてしまった……。
ちなみに、冷めても美味しい伊彌彦米は、「お昼に召し上がってくださいね」とお土産にしてくれます。お心遣いがとても嬉しいです。

創業150年以上の老舗温泉旅館・富士屋の姉妹館として1988年に開業

チェックアウトの前に、6代目の武藤源太さんに少しお話を伺いました。

武藤さん「ゆめやを建てたのは富士屋の大女将です。今は4階建ての鉄筋の建物ですが、もともと富士屋も大きな庭園のある日本建築の旅館だったんです。当時、大女将は原点に戻ったちいさな旅館をつくりたいと考えていて、四季の移ろいや自然を感じながら大切なひととゆっくり過ごせる宿にしたいとゆめやをつくりました」

館内の様々な場所から庭園が眺められるように設計されているのは、特別な時間を過ごしてほしいという想いからなんですね。スタッフのみなさんの心地の良い接客も特別な体験をつくってくれる要素なのだなと感じます。
こぼれ話ですが、自家源泉の露天風呂付き客室はテレビなどの電子機器がとにかく壊れやすいのが悩みのタネなんだとか。ゆめやの温泉は成分が非常に濃く、人間の身体には良いが機械には悪さをしてしまい、温泉付きでない部屋に比べて買い替えの頻度が高い、と困っていらっしゃいました。

シルバーのアクセサリーなども湯気にあたるだけで黒に変色してしまうそうです。面白いですね~。

自家源泉の温泉でお肌はつるつる、美味しい食事で満たされ、おもてなしに心も温かくなりました。
芯から身体が冷えるこの季節、岩室温泉 ゆめやでぜひ、心も身体も舌も癒されにきてください。

著莪の里 ゆめや

この記事を書いた人
井高あゆみ

新潟県在住のフリーライター。「目の前のことを全力で楽しむ」好奇心旺盛なインドア人間 。店舗や企業のインタビュー・取材を中心に活動中。お笑いと爬虫類をこよなく愛する。