老舗割烹6代目が新たな境地を開拓。素材を活かした引き算調理のフレンチ「uoni」/長岡市
2020年10月31日
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新潟県と山形県庄内の食文化の発信をテーマに開催されている「日本海美食旅(ガストロノミー)プレミアムレストラン」。地域の歴史や食文化を感じられる料理を提供するお店が揃っています。とびきり美味しいのはもちろん、サービスや雰囲気も上質な注目店ぞろいです。
今回はプレミアムレストランの一つである長岡市のフランス料理店「uoni(ウオニ)」をご紹介します。
今回はプレミアムレストランの一つである長岡市のフランス料理店「uoni(ウオニ)」をご紹介します。
ここは割烹?フレンチレストラン?
長岡の中心部近く、住宅や飲食店が立ち並ぶ道沿いを通ると、「魚仁」と記されたモダンな建築物が目に入ります。割烹かと思いきや、店前にはフランス国旗が掲げられているという不思議な光景が……。気になって奥に進むと、そこには割烹とフランス料理店が共存する建物が佇んでいました。
写真左側の扉の先は「割烹 魚仁」。そして、右側が今回ご紹介する「uoni」です。
写真左側の扉の先は「割烹 魚仁」。そして、右側が今回ご紹介する「uoni」です。
10名で満席になるコンパクトな店内は、オレンジ色の穏やかな照明で落ち着いた雰囲気。奇をてらわないフランス料理は、「ミシュランガイド新潟2020特別版」でミシュランプレートとして掲載されるほど、確かな味わいに定評があります。
割烹6代目による素材を活かしたフランス料理
こちらの店で腕を振るうのは、老舗割烹6代目でもある西澤敬介さん。併設する割烹で和洋折衷料理を提供しながらも、こちらではフランス料理を提供するという、二刀流の料理人です。
創業140余年の割烹魚仁は、長岡有数の老舗。幼い頃から父が料理に情熱を傾ける姿を見てきた西澤シェフは、東京・四谷にある有名フランス料理店のシェフに憧れたことから、フレンチの道を歩むことを決意したそう。10年間東京やフランスで修業を重ね、2002年にUターンをして開業しました。
当初は、正統派の本格フレンチを提供していましたが、徐々に肩の力を抜いた方向へシフト。「フランス料理の概念にとらわれず、自分が“本当においしいと思うもの”を大切にするようになりましたね」と西澤シェフは話します。
創業140余年の割烹魚仁は、長岡有数の老舗。幼い頃から父が料理に情熱を傾ける姿を見てきた西澤シェフは、東京・四谷にある有名フランス料理店のシェフに憧れたことから、フレンチの道を歩むことを決意したそう。10年間東京やフランスで修業を重ね、2002年にUターンをして開業しました。
当初は、正統派の本格フレンチを提供していましたが、徐々に肩の力を抜いた方向へシフト。「フランス料理の概念にとらわれず、自分が“本当においしいと思うもの”を大切にするようになりましたね」と西澤シェフは話します。
現在、提供しているのは完全予約制のコース料理。ランチ3,300円(税込)~、ディナーは5,500円(税込)~用意しています。お客の苦手な食材やアレルギーは丁寧にヒアリング。旬の食材をふんだんに使用した一期一会の料理は、その度に新たな発見と感動があります。
フレンチの枠組みにこだわりすぎないのが西澤シェフ流。例えば、「サンマのカルパッチョ」にミョウガや大葉などの和製ハーブを使用したり、「アマダイのグリエ」は和食の松笠焼きをイメージしてウロコをパリパリに仕上げたりなど。
だからといって、無理に和のエッセンスを取り入れている訳ではありません。基本はフランス料理であって、創作料理にはしないことが信条。「料理人は素材の魅力を引き立たせるため、最低限に必要な調理を加えるだけ。引き算のフレンチです」と語ります。
フレンチの枠組みにこだわりすぎないのが西澤シェフ流。例えば、「サンマのカルパッチョ」にミョウガや大葉などの和製ハーブを使用したり、「アマダイのグリエ」は和食の松笠焼きをイメージしてウロコをパリパリに仕上げたりなど。
だからといって、無理に和のエッセンスを取り入れている訳ではありません。基本はフランス料理であって、創作料理にはしないことが信条。「料理人は素材の魅力を引き立たせるため、最低限に必要な調理を加えるだけ。引き算のフレンチです」と語ります。
フレンチの真髄を感じる「ブイヤベース」
数々の魅惑的なレパートリーのなかでも、ぜひとも味わいたいのがスペシャリテ「ブイヤベース」。旬の近海魚が約7種類も入っています。魚介の種類は日によって異なり、海の幸がギュッと濃縮した味わいは贅沢そのものです。
味の要となるのは、濃厚な魚介のスープ。魚を捌いた後に残るアラ、カニやエビの味噌などを大量に加えて煮詰めたスープは、脳天に響く美味しさ。味付けはシンプルに塩のみ、ハーブやスパイスで風味を加え、トマトでコクをアップさせます。
素材がもつ旨みを最大限に活かしたブイヤベースは、一度食べたら忘れられない味です。メインディッシュ級の料理なので、コースでいただきたい場合は事前にリクエストを。
味の要となるのは、濃厚な魚介のスープ。魚を捌いた後に残るアラ、カニやエビの味噌などを大量に加えて煮詰めたスープは、脳天に響く美味しさ。味付けはシンプルに塩のみ、ハーブやスパイスで風味を加え、トマトでコクをアップさせます。
素材がもつ旨みを最大限に活かしたブイヤベースは、一度食べたら忘れられない味です。メインディッシュ級の料理なので、コースでいただきたい場合は事前にリクエストを。
4代目が考案した懐かしい味「カツサンド」もおすすめ!
忘れてはならない名物がもう一つ。4代目から続くメニュー「カツサンド」です。こちらの店では昭和初期にいち早く洋食を取り入れ、長岡で初めてカツサンドを販売しました。当時、割烹で洋食を提供するという試みは斬新で、多くの文化人や財界人がカツサンドを求めて足しげく通ったといいます。
いつ食べても変わらない懐かしさを感じてもらえるようにと、西澤シェフは当時からの作り方を一切変えていないそう。フワフワの食パンにケチャップベースのソースを塗って、サックリと揚げたローストンカツを挟むというシンプルな構成。食べた時にほっとする味わいは、世代を超えて愛され続けています。
カツサンドは希望があればコースに組み込むこともできますし、テイクアウトも可能です。
老舗の割烹としての歴史を大切にしながら、フランス料理という新たなジャンルで支持を集めるuoni。ランチ・ディナーのコース料理は、前日までの完全予約制です。種類豊富なワインと共に、素材を活かした極上のフレンチをぜひ楽しんでください。
uoni(ウオニ)
住所:新潟県長岡市渡里町2-9
電話番号:0258-32-1009
営業時間:12:00~15:00(LO14:00)、18:00~22:00(LO21:00) ※完全予約制
定休日:日曜・祝日、他不定休あり
HP: https://uoninagaoka.gorp.jp/
uoni(ウオニ)
この記事を書いた人
新潟県三条市在住のフリーライター。主人が“金物のまち”を代表する職業の包丁職人ということから、地場産品に興味が芽生え、ローカルのおもしろさを日々発信中。 これまでの執筆実績はブログで紹介しています。http://www.watanabemariko.com/