良寛さんゆかりの地 寺泊を訪ねる/長岡市


2024年12月21日 908ビュー
こんにちは。長岡・柏崎地域振興局★ふらっと旅を楽しみ隊の智彦です。
「良寛さんゆかりの地」を訪ねる旅は、与板、出雲崎、和島に引き続き、今回は良寛さんの仮住まいの地・寺泊(てらどまり)と、定住の地・分水(ぶんすい)です。
今回も前三回と同様、『良寛たずね道 八十八ケ所巡り』を参考に、寺泊と分水の町を巡りながら良寛さんの足跡を訪ねるとともに、それぞれの町の今の魅力を探ることにしました。(なお、以後は基本「良寛」と呼ばせてもらいます。)
今回の旅のスケジュールはこちらです。
その一/長岡市寺泊
 照明寺・密蔵院 → NEW TOWN 寺泊 → 野積良寛研究所 → Banana Winds


その二/燕市分水
 五合庵 → フランボワーズ → 燕市分水良寛史料館 → 道の駅SORAIRO国上
良寛は「郷本空庵(ごうもとくうあん)」で半年ほど暮らした後、各地を転々とし、45歳の頃再び寺泊の「照明寺(しょうみょうじ)・密蔵院(みつぞういん)」に仮住まいをしました。寺泊の旅はこの照明寺・密蔵院からのスタートです。

照明寺・密蔵院

真言宗照明寺。平安時代に建立された由緒正しい立派なご寺院です。寺泊の町の高台にあり、天候に恵まれれば佐渡も眺めることができます。
照明寺の境内にある密蔵院。ご住職の奥様である亀山(かめやま)みき様よりご案内いただきました。
良寛が暮らしていた頃はもう少し簡素な建物だったようですが、江戸時代末期に火災で焼失してしまいました。そのとき、何とか無事に運び出されたご本尊を再びお祀りするために、庭師で茶人でもある田中泰阿弥(たなか・たいあみ)氏の設計により今の建物が建立されたとのことです。
中に入ると、右側の一室にご本尊の阿弥陀如来像が安置されています。
左側には良寛像が見守る茶室。折に触れ、良寛を偲ぶ茶会や茶懐石を楽しむ会なども催されてきました。
密蔵院を囲むように良寛の詩歌碑や像もあります。
密蔵院から石段を下りていく途中に、寺子屋だったお堂がありました。何とその寺子屋は今の寺泊小学校発祥の地。そんなこともあって、寺泊小学校の子どもたちは、校外学習でこちらをよく訪れるのだそうです。
「チャレテラ検定(寺泊の歴史や観光などに関するご当地検定)」というものがあって、その冊子を基に子どもたちも地域の様々な魅力を学んでいるとか。
さてここで質問。良寛さんは密蔵院で何回暮らしたと言われているでしょうか?
ア 1回、イ 2回、ウ 3回(答えは後ほど)

「つわぶき祭り」の茶会の際には一般開放されていますが、他の日にちで見学を希望される場合は、事前にお問い合わせください。ご寺院の都合が許せば、見学も可能とのことです。
亀山さん、ご案内いただきどうもありがとうございました。
照明寺

照明寺

長岡市寺泊片町2408
TEL:0258-75-2301

(上の質問、答えはウ。良寛は妹・むらの嫁ぎ先から近い密蔵院での暮らしが気に入ったとみえ、45歳、70歳、72歳の3回にわたって仮住まいをしたと言われています。)
 

NEW TOWN 寺泊

寺泊に沖縄があるという噂を聞いていましたので、探してみましょう。車で5分ほど走ると、道路沿いの海岸側に派手な看板を発見しました。ここが噂の「NEW TOWN 寺泊」です。
まずはお店おススメの「ダブル(塩ちんすこう&ブルーウェーブ)サーターアンダギー(900円)」と「紅イモ(シングル)(500円)」を注文。隣のテラス席でいただきます。
先ほどアイスクリームを作ってくれた斉藤さんにお話をうかがいました。
斉藤さんは長岡市のご出身。なぜ沖縄にちなんだお店を始めたのかお聞きしたところ、かつて旦那さんが沖縄におられたことがきっかけだったとのこと。今でもご夫妻で沖縄をたびたび訪れるそうですよ。
これだけの種類のフレーバーが楽しめるブルーシールアイスの品揃えは県内ではここだけとのこと。カップル、家族連れなど様々な世代の方々がいらっしゃるそうです。寺泊を盛り上げようと志を同じくする仲間がこの場所に集い、それぞれの営業活動を行っていますが、当地の魅力をさらに高めていきたいとのことでした。これからもがんばってください。
アイスクリームは季節が限られていますが、カフェやランチは季節を問わず営業しています。冬の荒波を見ながらタコライス、シュリンプなどもオツなもの。メニューだけではなく、室内もとても「映え」ますので、皆さん是非お立ち寄りください。ごちそうさまでした。
NEW TOWN 寺泊

NEW TOWN 寺泊

長岡市寺泊荒町9777-5
TEL:080-2188-7550
営業:10:00~17:00、定休日:火曜日 *変更となる場合があります

野積良寛研究所

次に、良寛を長年研究され、著書も数多く出版されている全国良寛会理事の本間明さんを訪ねるため野積に向かいました。本間さんは私たち新潟県職員の大先輩でもあります。
海岸線を走り、「令和の大改修」を行っている大河津分水路を過ぎると、右側に小高い山があります。山には別荘のような建物がいくつもありますが、その中に「野積良寛研究所」があります。
良寛については子どもの頃読んだ逸話などで知っていた程度だったという本間さんでしたが、若い頃観光振興に携わったとき良寛は本県の大事な観光資源であるということを強く感じたそうです。
その後、一念発起して徒然草、方丈記、奥の細道といった古典を読み直したのとのことですが、その中には良寛の漢詩集もありました。
いろいろな書物を読むことで、良寛の印象が「子どもとよく遊んだ、ほのぼのとしたお坊さん」から「深い思索を通じた精神性の高い人物」に変わっていったそうです。そして良寛の人となりにますます興味を持ち、良寛のことを知りたいという気持ちが強くなる中で、良寛に関する本を片っ端から読んだとのことです。
本間さんは、慈愛にあふれ清貧を旨とした良寛の生き方こそ、今を生きる人たちの道しるべであると考え、もっと多くの人々に良寛を知ってもらいたいとの強い思いから、県の早期退職を決意、以後、精力的に著作や論文を発表してきました。そのほかにも、一般の方々向けに安価でわかりやすいガイドブックを作ったり、各地で講演活動も行っています。
本間さんの最近の著書を一つご紹介します。
この春出版された「愛の人 良寛 生涯とエピソード」(A5版カラー168p定価1,000円)は、良寛のエピソード(逸話)を交えつつ「愛の心で生きた良寛」とともに、「修業に打ち込み仏の道を追求した厳しい良寛」も紹介しています。
例えば、三条地震の後、良寛は知人へ手紙を送っていますが、そこから読み解かれる良寛の死生観が紹介されています。災害が頻発する昨今、実に示唆に富むお話ですね。詩歌も数多く掲載されており、とてもわかりやすく、かつ読み応えのある本です。
首都圏との格差が広がる地方の衰退や、経済至上主義の限界を思い知らされる中で、良寛さんのように清貧に生き、困っている人を助ける慈愛の心こそ私たちが生きていく道であり、自然の中で幸せを感じる心の豊かさを発信していきたいとおっしゃる本間さん。いろいろお話をお聞かせいただき、どうもありがとうございました。
本間さんは3月中旬から11月上旬にかけて、「良寛百花園」という300坪のオープンガーデンも開園されています。入場無料で、種をまいてたくさんできた花苗を安く販売しているそうです。
本間さんが植え、手入れをした彼岸花が道沿いに咲いていました。

RESTAURANT Banana Winds

さて、毎回お楽しみのランチ、今日は野積の「ホテル飛鳥」さんと道路を挟んで向かい側の「RESTAURANT Banana Winds(レストラン バナナウインズ)」さんです。
とても賑やかな飾り付けですね。高まるワクワク感。
混んでいても、ホテル飛鳥さんの駐車場に停められると看板がありましたので、ご安心を。
入口でベティちゃんが出迎えてくれます。
今日はテラス席でランチをいただくこととしました。いろいろなシチュエーションの席が選べますので、それも楽しみですね。
この日は、シーフードのピザ、日本一!のかにパスタ!、海の幸いっぱいパエリアごはん、そして牡蠣のカレーを注文しました。
まず、シーフードのピザ(1,420円)登場。エビ、イカ、ムール貝といった魚介がふんだんに載っています。外はカリカリ、中はもっちりで焼き加減もバッチリです。
仲良く2切ずついただきました。
日本一!のかにパスタ!(1,480円)登場。まずはカニの身をほじり、カニ味噌の味が力強い濃厚なソース、パスタと絡めていただきます。日の丸の旗も店の自信の表れ。さすが日本一を謳っているだけあって、お店自慢の逸品です。最後にソースを付けていただくパンのサービスもうれしい。
海の幸いっぱいパエリアごはん(1,450円)登場。カキはプリプリ感があって、随分大ぶりですね。注文した連れの話では、様々な魚介のおいしさ、さらにはお米にうまみが染み込んでいて味わい深い一品だったとのこと。
牡蠣のカレー(1,320円)登場。こちらもカキの食感と大きさに目を見張ります。きのこの歯ごたえもいいアクセントとなっていて、ルーが濃く、いつものカレーとは一味違うとのこと。

景色もお料理も楽しむことができる、大満足のお店でした。ごちそうさまでした。
Banana Winds

Banana Winds

長岡市寺泊野積107
TEL:0258-75-3770
営業:11:00~21:00(ラストオーダー)、21:30閉店
定休日:火曜日、12/31

今回はここまで。旅の後半は、この後、燕市分水へと続きます。
この記事を書いた人
長岡・柏崎地域振興局★ふらっと旅を楽しみ隊

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