色々忘れて、あの伊彌彦エールを昼間から飲むぞ/弥彦村


2021年07月11日 10047ビュー
社会人になって一度はやってみたいのが、平日の昼間からビールを飲んで酔っ払ってまちをぶらぶらすること!
とはいえ、普段の私は中学生の息子を持つ真面目なサラリーマンで通っている(はず)。地元でそんなことやったら色々アレなので、今回は、評判の「伊彌彦エール」を飲みに弥彦村に朝っぱらから行ってきました。旅先ならきっと許されるはず……。
もちろん電車の旅ですよー。飲酒運転はダメ絶対!

まずは腹ごしらえ

吉田駅から弥彦行きのワンマン列車に乗り換えて、ゆらゆらやってきました弥彦村。とはいえ、まだお目当ての「弥彦ブリューイング」のタップルームのオープンまで時間が少々。さすがにすきっ腹で飲むわけにはいかんでしょ、ということで周囲をウロウロしつつ、弥彦観光の拠点「おもてなし広場」に到着。
なんとなくフルーツサンドのノボリが目についたのが、スイーツショップ「3o’clock(スリーオクロック)」。名前からして「3時のおやつやん」っていう感じなんですが、とりあえず行ってみました。
昨年オープンしたこのお店、フルーツサンドとタピオカドリンク、それにスムージーと、ナウでヤングなスイーツを提供しているそうです。
メインのフルーツサンドについては、ナウでヤングな片岡萌店長曰く、日替わり、期間限定メニューなど常時12種類から20種類ほど並んでいるそう。
村内のベーカリー「ル・ラパン」のパンを使い、季節のフルーツをふんだんに使ったサンドは、昼には売り切れが続出する人気ぶりだとか。中には、ミルフィーユやティラミスなど「フルーツじゃなくね?」っていう感じのやつもありますが、片岡店長によると「スタッフ全員で試行錯誤した力作です!」とのこと。

3o’clock(スリーオクロック)

住所:弥彦村弥彦1121おもてなし広場内
営業時間:午前10時から午後6時まで
定休日:毎週水曜日
TEL:090-9211―0969

いよいよ弥彦ブリューイングへ

伊彌彦エールを製造するのは、彌彦神社やおもてなし広場からもほど近い「弥彦ブリューイング」。神社前の酒屋さん、弥生商店が運営するブルワリー兼タップルーム。
令和元年の5月1日、おそらく国内では令和最初のオープンとなったブルワリーは、40平米ほどのブルワリーにカウンター約10席のタップルームを併設した小さな醸造所で、「いかにも弥彦の酒屋さん」的な店内に一歩入れば、シックなタップルームが目の前に!
社長の羽生雅克さんによると、元々、弥生商店の酒屋やよい本店だった建物を改装したものだそう。
「平成29年の秋に東京日本橋の『ブリッジにいがた』(アンテナショップ。当時は旧第四銀行が運営する新潟情報発信のためのレンタルスペースだった)で日本酒のイベントを実施したんです。そこでお付き合いのある取引先のお客様が『ビールを造っている』と、しかも『冷蔵庫で作っている』と。それで実際に飲みに行ったら、本当に作っていて、しかも美味いんですよ」
その出会いに衝撃を受けた羽生さんは、小型の冷蔵庫で発酵させる「石見方式(島根県の石見麦酒が考案した製造方法)」に可能性を見出し、「これなら弥彦でもできるんじゃないか」と考え始めた。それを姉の現・醸造責任者である久美子さんに話したところ、「作りたい」という答えが返ってきたそう。
市販のビールがあまり得意ではなかった久美子さんは、自分でも飲みたいと思えるビールを目指して県内外で修業し、今の味に。
その努力の甲斐もあり、伊彌彦エールは国内クラフトビールコンペのジャパン・グレートビア・アワーズで2020年、2021年の2年連続銀賞、さらに外国勢も参加するインターナショナル・ビアカップ2020でも銅賞を獲得するなど高い評価を得るなど県内外で注目されている。
そして、今、その一杯が私の目の前にあるわけです。さらに今回は、弥彦しいの実スタウトもプラス。昼間っからたまんないですね、こりゃ。
まずは、伊彌彦エールからいただきます。地元産の特別栽培コシヒカリで、皇室にも献上、さらにANA国際線ビジネスクラスにも採用された伊彌彦米を副原料に使ったこだわりのエールは苦みが少なく、フルーティーでとても飲みやすいビール。上品で軽めの口当たりは、普段ビールを飲まない人でも全然いけちゃいそうな気がする。逆に、酒飲み諸君はついつい飲み過ぎちゃうタイプのやばいヤツです。
一方、同じく伊彌彦米を副原料に、村で収穫したしいの実のローストを加えた弥彦しいの実スタウトは野趣あふれる香ばしさとコクがくせになる一杯。こちらもとても飲みやすくて、カジュアルに楽しむのにぴったり。
して、ほろ酔い気分でふと窓際を見ると色とりどりのビンがずらり。「ゆず」、「洋なし」、「ぶどう」、さらに「枝豆」と様々なフレーバーがありました。
「全部で16種類でしょうか」と羽生さん。「――近隣の食材を副原料に生かして作っていくコンセプトなんですよ。食用菊や苺もあります。最近は近隣の農家さんから『これ使えないかね』とお話をいただいたりもします」
この日は、ビールの仕込みの日ということで、久美子さんも醸造所で作業中。どうやら新作を仕込んでいる様子。次は何が登場するかお楽しみ。
 
なお、タップルームではレギュラーサイズが1杯700円、ハーフサイズが1杯600円、ハーフ3種飲み比べが1500円で楽しむことができる。(いずれも税込)
ビールは日替わりで6種類。ノンアルコールやジュース類も用意されています。
弥彦温泉の旅館・ホテルの宿泊客だけでなく弥彦登山の帰りに楽しむ人も多いらしく、この日もロープウェーで弥彦山を楽しんで来たご婦人方が昼間からビールを楽しんでおりました。
また、『どうしても飲みたい!だけど、電車で弥彦には行きづらい……』という酒飲みのために各種ビールの瓶詰も販売(各330m税込715円)。酒屋やよい彌彦神社前店でも購入できるほか、オンラインショップもあり、さらに、ふるさと納税の返礼品にもなっております。なので弥彦に行かなくても全然オッケー!(観光協会的にはNGかもだけど……)
なんせ、コロナ禍の影響で、県内屈指の観光地である弥彦村も大きなダメージを受けており、弥彦ブリューイングも苦戦。「酒税法の関係で年間6000リットル製造しなければいけないのですが、昨年もようやくクリアできました」とのこと。
このタップルームを守るためにもとにかく飲むべし!

弥彦ブリューイング タップルーム

住所:弥彦村弥彦934
営業時間:午前11時から午後7時まで(L.Oは午後6時30分まで)
定休日:毎週火・水曜日
TEL:0256-94―5841(酒屋やよい彌彦神社前店)

飲んだ後は杜の道をぶらり

彌彦神社門前の土産物屋さんが並ぶ杜の道をぶらりと歩いていると、涼しげな風鈴の音が聞こえてきます。そこは、弥彦クラフト TAKU GLASS(タクグラス)。
新潟市秋葉区出身、各地で修業を積んだガラス職人・野澤拓自さんがオープンしたお店で、店頭と店内にはカラフルな風鈴やグラス、アクセサリーがずらり。
新潟伊勢丹の新潟越品にセレクトされたり、中央区の白山神社の七夕まつりの風鈴を手掛けたりと昨今注目されているお店。この日も平日にも関わらず若い女性を中心に多くのお客が買い物を楽しんでいました。そして、その中に飛び込む酔っ払い親父が約1名。
それにしても、どの作品も美しい。通年通して人気なのは観葉植物のセット(税込1700円~)。これはお土産やプレゼントにも良いかも。
そして、もっとも目を引くのは、店頭にたくさん吊るされたくらげ風鈴(税込2000円)。夏に涼しげな質感はもちろん、音も素敵。足の太さや形状で微妙に音色が異なるので、自分だけの心地よい音を探すのも楽しそう。

弥彦クラフト TAKU GLASS(タクグラス)

住所:弥彦村弥彦3022-4
営業時間:午前9時から午後5時まで
定休日:毎週水曜日
TEL:0256-78―7741
店内撮影禁止とのこと。

というわけで撤収

いや、楽しかったです。今回は紹介しきれなかったけれど、おもてなし広場はじめ弥彦にはどんどん新しいお店が増えているし、四季を通じて見どころも盛りだくさん。また、ビールを飲みつつぶらぶらしたいなあ、と思いました。
あ、でも、電車の場合は時刻表をしっかりチェックしましょう!

今回行ったスポット

この記事を書いた人
ヤマダ マコト

新潟市秋葉区在住。サラリーマンの傍らkindleストアで電子書籍にて地元・新潟を舞台にしたエンタメ小説を発表。インディーズながら一部で熱烈な人気を集め、どっちが本業か分からなくなりつつある中年男。