河井継之助と酒を訪ねる旅のススメ③〈見附市・今町編〉
〈深く、濃く、美しく 新潟を伝える保存版観光誌〉『新潟発R』の編集長をしております髙橋真理子です。
新潟県長岡地域振興局さんとのコラボ企画で投稿させていただきます。
6月17日公開予定の映画『峠 最後のサムライ』をきっかけに、河井継之助ゆかりの地と、その地で醸される日本酒を楽しむ〈歴史と酒を巡る旅〉。ラストの第3弾は見附市・今町を訪ねました。
今町は刈谷田川の舟運によって栄えた交通の要衝で、北越戊辰戦争では新政府軍に占領されました。継之助率いる長岡藩は奥羽越列藩同盟軍として今町に攻め入り、激戦の末、新政府軍に勝利。この1868年6月2日の〈今町の戦い〉の戦跡が、今町には点在しています。
見附駅から今町へ、町歩き
今町にある道の駅パティオにいがたまで、駅からコミュニティバスも出ていますが、今回は、これまであまり訪ねたことがなかった見附の町を、探索しながら歩いてみました。
長く付き合える1着を探すにはもってこいのスポットです。
6月初旬からは、恒例のクールビズシャツの販売も始まります。
世界中で唯一、見附でしか作ることができないマンガン絣の生地を使ったシャツは、メンズとレディースを取りそろえているそうです。ぜひチェックしてみてください。
ファクトリーニットショップ プリメーラ
見附市柳橋町270-1(第一ニットマーケティング内)
TEL.0258-66-4513
営業時間/10:00~16:00
不定休(ブログとインスタで案内)
国道沿いに、無料で休憩できるまちの案内所、まちの駅にもなっている酒のひらせ 国道店があります。
以前から「見附にいい酒屋さんがある」とのウワサは聞いていたので、わくわくしながら店内へ。
1962(昭和37)年に市内本町に本店を創業後、1989(昭和54)年に国道店をオープンしました。
酒蔵との信頼関係を大切に、新潟県内選りすぐりの地酒を専門に扱っています。
他に佐渡市の「金鶴」(加藤酒造店)と「至」(逸見酒造)、村上市の「〆張鶴」(宮尾酒造)、阿賀町の「麒麟山」、新潟市の「越乃寒梅」(石本酒造)と「鶴の友」(樋木酒造)、加茂市の「萬寿鏡」(マスカガミ)、南魚沼市の「鶴齢」(青木酒造)、魚沼市の「緑川」、上越市の「雪中梅」(丸山酒造場)など県内各地のこだわりの地酒もそろっています。
社長の富士宜さんは新潟市中央区の関屋にある地酒専門店早福酒食品店で修業を積みました。早福岩男会長は、新潟の地酒のおいしさを世に広めた人でもあり、20数年前、私が新潟で最初に地酒の取材をさせていただいた“地酒の師匠”。この取材の前日もお会いしていたので、ご縁に驚きました。やっぱりお酒は人をつなぐのですね~。
「栃倉酒造の『六郎次』も、季節ごとの限定酒を扱っていますので、ぜひ味わっていただきたいですね」(富士宜さん)
定期的に足を運びたくなる〈町の酒屋さん〉です。
酒のひらせ 国道店
見附市今町5-31-24
TEL.0258-66-4125
営業時間/9:00~20:00
不定休
歴史の舞台、今町に到着!
ここは今町歴史散歩 ガイドグループ「なびらーず」による今町歴史散歩の受付場所になっています。
道の駅パティオにいがたには農産物直売所「健幸めっけ」や地元産の食材を使ったレストランキッチン「もみの樹」、2004(平成16)年7月に発生した刈谷田川氾濫による水害の記録を紹介する防災アーカイブ、休憩交流スペースなどがあります。
道の駅一帯は刈谷田川防災公園になっていて、デイキャンプやバーベキューも楽しめます。
さらにこの道の駅で注目したいのがトイレ! 2015年「日本トイレ大賞」を受賞しています。越後杉を使うなど、新潟の魅力も発信しています。
道の駅パティオにいがた
見附市今町1-3358
TEL/0258-94-6211
※営業時間は施設により異なる
一般のガイドは第1木曜と第3日曜に行われており、当日13時から13時30分にジオラマ前で受け付けています。
今回は今町歴史散歩のおすすめコースの一つ、「戊辰戦跡めぐり」を体験します。
通常は所要時間90分、約5300歩のコースです。
予習をしたら、いざ出発!
今町歴史散歩、スタート!
見附今町・長岡中之島大凧合戦は、2015年に〈越後の凧合戦習俗〉として、白根と三条の凧合戦とともに新潟県無形民俗文化財に指定されました。凧合戦習俗としては、全国初です。
見附市大凧伝承館
見附市今町1-7-28
TEL.0258-62-1700
開館時間/土・日曜・祝日9:00~17:00
入館無料(ミニ凧作り体験は材料費として500円)
再建前の1884(明治17)年には、明治政府の指揮官を務めた有栖川宮熾仁親王(ありすがわのみやたるひとしんのう)から〈永葉閑雅寺〉の額が贈られました。その額を見学することもできますので、事前に問い合わせてみてください」
2004年の中越地震でも大きな被害を受けました。
永閑寺
見附市今町2-3-34
TEL.0258-66-2382
境内自由(本堂は7:00頃~17:00頃、見学は要問い合わせ)
その途中、藤田さんおすすめの今町の名物つまみまんじゅうの淡路達吉餅店があります。
淡路達吉餅店
見附市今町3-2-20
TEL.0258-66-2460
営業時間/8:00頃~17:00頃
定休日/水曜(変動あり)
戦跡やかつての川港をたどる
「鳥居の額の〈諏方神社〉の文字は、有栖川宮熾仁親王の筆によるものです」
諏方神社の近くには、今町新田の名主・新田家の屋敷(新田名主邸跡)があり、北越戊辰戦争では新政府軍長州藩の宿舎でした。「戦いで勝利した同盟軍により焼き払われましたが、土蔵が焼け残り、翌日、継之助が武器弾薬が残っていないか土蔵を検分したといわれています。この土蔵の扉は、現在は割烹 柳屋に保管、展示されています」
再び道の駅へ戻れば、「戊辰戦跡めぐり」は終了です。
道の駅へ戻る前に藤田さんが案内してくれたのは、ご自身が営むばん茶や。ここは、奥さまの藤田久子さんが代表を務める今町べと人形伝承会の拠点でもあります。
「2004年の水害と中越地震という2つの災害からの復興を目指し、市民が立ち上げた会の中で、地域の魅力ある資源の一つとしてべと人形を復活させようという取り組みが始まりました」と久子さんが説明してくれました。
現在はさまざまなテーマをもった300~400点が展示・販売され、道の駅でも販売されています。
今町べと人形伝承会
見附市今町1-4-12
問い合わせ
TEL.0258-66-2249(藤田久子)
今町歴史散歩には「小路文化めぐり」「川湊のまちなみめぐり」などのコースもあるので、事前にテーマやコースを相談してみるのもいいですね。
今町歴史散歩 ガイドグループ「なびらーず」
TEL.0258-66-2313(見附市今町公民館)
定期ガイド/4月~10月、第1木曜・第3日曜 13:00~13:30受付(パティオにいがた・ジオラマ前) ※その他の日程、時間については応相談
料金/1人300円(中学生以下無料)
老舗割烹で歴史と酒に酔う
新田邸の焼け残った土蔵の扉や、継之助が検分した鉄瓶を保管・展示している割烹 柳屋へ。
創業230年。刈谷田川の舟運により、川港としてにぎわっていた頃から続く老舗です。
地酒は長岡市の久須美酒造が醸す「清泉 雪」をメインに、数種類を用意。300ml瓶のお持帰りも可能です。
繊細で奥深い料理と地酒の相性を確かめながら、今町の歴史物語を振り返りましょう。
割烹 柳屋
見附市今町1-1-8
TEL.0258-66-3166
営業時間/11:30~21:30LO(完全予約制)
定休日/月・火曜
小千谷市、長岡市・摂田屋、そして見附市・今町。河井継之助ゆかりの地と、その地で愛される地酒を楽しむ旅は、すてきな出合いを運んでくれました。
映画『峠 最後のサムライ』を鑑賞してから訪ねれば、さらに深い物語に触れることができそうです。ぜひお出かけください。
写真協力:第一ニットマーケティング
河井継之助と酒を訪ねる旅 立ち寄りスポット
地域で親しまれている隠れたスポットや住民ならではの贅沢な時間の過ごし方があります。
初めて訪れた方でもバスや電車でふらりと行けるプチ旅行や時間の過ごし方をレポートします。