醸造の町、摂田屋に新スポット誕生。江口だんご摂田屋店/長岡市
2022年08月04日
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2022年5月に紹介した長岡の老舗だんご屋「江口だんご」。その記事の最後にチラリと書いた「7月には醸造の町・摂田屋に新店舗をオープン予定」という情報。楽しみにしていたそのお店が、とうとう開店となりました。というわけで、早速出かけてきましたよ!
願い叶って摂田屋に新店舗
新しいお店が建つのは、摂田屋の玄関口ともいうべき場所。ここはかつて江戸時代から醤油を造り続ける老舗「越のむらさき」の創業家の邸宅だったところです。江口だんごの社長・江口太郎さんは数十年来の摂田屋ファンで、いずれはこの地にお店を出すことができればと考えていました。その思いが通じたのか、ご縁がありこちらに新店舗を出すことになったそうです。
総けやきの数寄屋造りだったかつての日本家屋の面影を残しつつ、床をフローリングにするなど店舗として必要な改築は施してあります。右手前の桐箪笥は以前からこのお宅にあったもの。左の陳列台はなんとイギリスのアンティーク家具だそう。家に残されていたものを大切に使いつつ「お店のイメージに合うように」いくつか要素を足していったそうです。
長岡市は戊辰戦争、第二次大戦と2度の戦禍に見舞われました。そのため城下町とは言いつつも、往年をしのばせる景観があまり残っていません。しかし「摂田屋地区は奇跡的に昔の街並みが残っています。老舗の蔵による醸造文化もあり、路地裏を散策すると本当に楽しいところ」と江口さんはその魅力を話します。
「醸造の町らしいお団子屋」として、摂田屋店では地元の蔵元の材料を使ったお菓子を「摂田屋蔵元菓子」としてシリーズ商品化しました。まずこちらが長谷川酒造のお酒を使った「どら焼き」(172円、以下すべて税込)です。
「醸造の町らしいお団子屋」として、摂田屋店では地元の蔵元の材料を使ったお菓子を「摂田屋蔵元菓子」としてシリーズ商品化しました。まずこちらが長谷川酒造のお酒を使った「どら焼き」(172円、以下すべて税込)です。
そしてこちらが、かつて鏝絵蔵で有名な機那サフラン酒本舗で製造していた(現在は新潟銘醸で販売)サフラン酒を使った「サフランどら焼き」(172円)です。
ほかに吉乃川の甘酒「朝麹」を使ったミルク饅頭(1個162円)も販売しています。蔵元菓子を食べておいしいと思ったら、ぜひその素材を作っている蔵元を訪ねてみてほしい……と江口さんは話しました。
本店で扱っている定番商品ももちろんこちらでも販売しています。ちなみに「だんご屋プリン」のみたらし味(324円)は、販売当初から摂田屋の星野本店の醤油を使っているそうです。
庭園を眺めながらゆったりと
店内にはカフェコーナーも用意されています。かつてこの建物は迎賓の場としても使われていたようで、店内から見える庭園も屋敷を訪ねてきた人たちをもてなすため、見事な造りになっています。
「お庭もぜひ楽しんでほしい」と、景色がよく見えるように大きな窓をパノラマ状に設えました。
「お庭もぜひ楽しんでほしい」と、景色がよく見えるように大きな窓をパノラマ状に設えました。
販売スペース脇には喫茶もあり、ほとんどの席から庭を見ることができます。
こちらは店舗オープンにあたって新たに造った場所です。
庇を伸ばしてより庭に近い部分にも喫茶スペースを設けました。こちらにお客さんが入っても店内からの景観に影響がないよう、1段低く造られています。
庇を伸ばしてより庭に近い部分にも喫茶スペースを設けました。こちらにお客さんが入っても店内からの景観に影響がないよう、1段低く造られています。
せっかくなので、摂田屋店限定メニューの「摂田屋だんごセット」(900円)をいただきました。
焼きたてのみたらしだんご、わらび餅、夏野菜の糀漬け、粕雪(はくせつ)煎茶のセットです。このステキなお膳と煎茶の茶碗はもともとこちらのお宅にあったものを、譲り受けて使わせていただいているそうです。
焼きたてのみたらしだんご、わらび餅、夏野菜の糀漬け、粕雪(はくせつ)煎茶のセットです。このステキなお膳と煎茶の茶碗はもともとこちらのお宅にあったものを、譲り受けて使わせていただいているそうです。
みたらしのタレをだんごにたっぷりとかけてからいただきます(実演は江口社長です)。焼きたてのだんごの香ばしさとみたらしの甘い匂いがたまりません。
糀漬けはその時々の旬の野菜を使っています。わらび餅は、秋から冬にかけては別メニューに変更の予定だそうです。
糀漬けはその時々の旬の野菜を使っています。わらび餅は、秋から冬にかけては別メニューに変更の予定だそうです。
みたらしだんごは、摂田屋おはぎか豆大福に変更できます。ということで、摂田屋限定の「摂田屋おはぎ」のセットもいただきました。こちらは越のむらさきの「越の香」という醤油を使っているのだとか。そのためもち米がほんのりと色づいています。
粕雪煎茶は、村上市の冨士美園が吉乃川の酒粕を肥料に使い専用の茶畑で作っているという、江口だんごオリジナルの煎茶になります。温茶、冷茶いずれもビックリするほど美味でした!
粕雪煎茶は、村上市の冨士美園が吉乃川の酒粕を肥料に使い専用の茶畑で作っているという、江口だんごオリジナルの煎茶になります。温茶、冷茶いずれもビックリするほど美味でした!
蔵には別のショップが
敷地内には地下1階、地上2階建ての蔵もあります。昭和5年に建築された蔵をリノベーションし、LOCAL IDENTITY STORE「LIS」が新たに入りました。
2階は「本と暮らしの作品展」として使用。厳選された書籍や県内作家のクラフト作品などを展示、販売しています。今後は状況を見ながらワークショップなども行いたいとのことでした。
イチバン人気は、地元作家による手ぬぐいコーナー。飾って楽しむアート手ぬぐいこと「A-tenugui(えーてぬぐい)」になります。(いずれも1500円)
洋服や生活雑貨、古道具なども販売されています。
1階は醸造リキュールと地域商品の店になります。
上の棚はLISのオリジナル商品が置かれています。
こちらは7種類のカラフルなフレーバーの「日本酒カクテル」(550円)です。アルコール度数が5度と低く、手軽にお酒を楽しみたい人にピッタリです。
こちらは7種類のカラフルなフレーバーの「日本酒カクテル」(550円)です。アルコール度数が5度と低く、手軽にお酒を楽しみたい人にピッタリです。
こちらは「ぽんしゅグリア」(480円)です。お好みの日本酒を入れて混ぜるだけで簡単にカクテルが作れます。じつはこれ、お酒ではなくコーヒーや紅茶で作っても美味しくできるのだとか。ちなみにコーヒーの場合は「ゆず」、紅茶の場合は「もも」や「イチゴ」「みかん」などがおすすめだそうです。お酒が好きな人も飲めない人もオールマイティに楽しめるので、おみやげにもピッタリですね。
緋毛氈のベンチで和スイーツ
蔵と店舗をつなぐ雁木通りのような通路部分には、実演販売所があります。緋毛氈(ひもうせん)が敷かれたベンチが置いてあってステキですよね。写真映えしそうなスポットです。手前に桜の木があって、春になると見事な景色を楽しめるそうですよ!
実演販売のメニューは焼きたてみたらしだんご(2本190円)、摂田屋おはぎ(1個200円)になります。夏の間は土日限定でみたらしミルク、越後姫いちごのかき氷(いずれも600円)も販売。星野本店と越のむらさきの醤油を使った「みたらしミルク」をいただきました。ふわふわの氷は口に入れるとあっという間に溶けていきます。中には白玉だんごも2つ入っており、これが柔らかくてモチモチしているのにとても冷たくて、まさに猛暑の季節にぴったりの一品でした。
お店では「醸造の町 摂田屋町歩きMAP」も配布しています。
蔵の素材を使ったおいしいスイーツを堪能した後に、ぜひマップ片手に周辺散策を楽しんでみてはいかがでしょうか。
お店では「醸造の町 摂田屋町歩きMAP」も配布しています。
蔵の素材を使ったおいしいスイーツを堪能した後に、ぜひマップ片手に周辺散策を楽しんでみてはいかがでしょうか。
江口だんご 摂田屋店
住所:新潟県長岡市摂田屋4-8-28
TEL:0258-39-9173
販売:午前9時30分から午後6時
実演販売:午前10時から午後4時30分
喫茶:午前10時から午後5時
定休日:火曜日
江口だんご 摂田屋店
この記事を書いた人
長岡市のリバティデザインスタジオで、夫とともにグラフィックデザインやコンテンツ制作を行う。アート、映画、文学、建築、カフェ巡り、旅行、可愛いものが大好き。ウェブマガジン「WebSkip(https://webskip.net/)」も細々と更新中