新潟ガストロノミー おいしさの裏側を求めて⑤――民宿を超えた雪国A級グルメ民宿「和風いん越路」/南魚沼市
2023年01月08日
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冬はスキー客、夏は学生の合宿客を相手に営む民宿。いわゆる“スキー民宿”に、高いレベルの料理を期待する顧客は少数派だろう。
しかしこの「和風いん越路」で振る舞われる料理は、それらの期待を遥かに超えたものだ。
しかしこの「和風いん越路」で振る舞われる料理は、それらの期待を遥かに超えたものだ。
南魚沼市舞子高原スキー場の麓に佇む「和風いん越路」。
その強みは、なんといっても自家栽培の野菜だ。
約900坪ほどの畑をほぼ一人で管理しているのはお母さんの小林淳子さん。
その強みは、なんといっても自家栽培の野菜だ。
約900坪ほどの畑をほぼ一人で管理しているのはお母さんの小林淳子さん。
なんと1年間で約60〜70もの種類を作っているという。
料理を作るのは息子の幹雄さんの仕事。シェフである幹雄さんのリクエストに応えるうちに種類がどんどん増えたのだそう。姉の河﨑千夏さんは料理のコンセプト作りから給仕までマルチにこなす。
「和風いん越路」の料理は、生産者でもあることの強みが最大限に活かされているという。
「和風いん越路」の料理は、生産者でもあることの強みが最大限に活かされているという。
「私たちの料理の仕込みは畑から始まります。旬の食材を活かすことはもちろん、料理から逆に作る野菜を選んだり、長い期間使うために植える時期を少しずつ変えたりしています」
冬も、根菜などはそれぞれ異なる温度帯の場所に保存し春まで蓄えたりしている。
昔ながらの雪国の知恵を今なお活用しているそうだ。
冬も、根菜などはそれぞれ異なる温度帯の場所に保存し春まで蓄えたりしている。
昔ながらの雪国の知恵を今なお活用しているそうだ。
幹雄さんが参加しているのが、南魚沼市をはじめとする近隣7市町村で構成された雪国観光圏が主催する“雪国A級グルメ”という活動だ。
地元の旅館や飲食店、加工食品業者の有志が集い、勉強会や情報交換などを行うことでお互い切磋琢磨している。
この活動に参加してから「料理に対する意識が変わった」と幹雄さんは語る。
“雪国A級グルメ”は原産地への配慮、現地産食材の使用、そして無添加への取り組みによって参加店を認定している。この活動が2010年に始まって以来、日本の中山間地としては群を抜いて美味しいお店や宿が揃う地域になったという。
地元の旅館や飲食店、加工食品業者の有志が集い、勉強会や情報交換などを行うことでお互い切磋琢磨している。
この活動に参加してから「料理に対する意識が変わった」と幹雄さんは語る。
“雪国A級グルメ”は原産地への配慮、現地産食材の使用、そして無添加への取り組みによって参加店を認定している。この活動が2010年に始まって以来、日本の中山間地としては群を抜いて美味しいお店や宿が揃う地域になったという。
最近始めた「越路ごはんコース」は、3日前までの要予約で日帰り利用が可能だ。
通常の宿泊時の食事とは違う形で、自家製野菜がメインの料理がコース形式で提供される。
一皿ごとに南魚沼の旬を感じることができるメニューだ。その日の畑で採れた野菜で作られる「越路の畑のサラダ」は、野菜と一緒にそえられた自家製ハムから、ドレッシングのマスタードと蜂蜜に至るまで全て南魚沼産。
通常の宿泊時の食事とは違う形で、自家製野菜がメインの料理がコース形式で提供される。
一皿ごとに南魚沼の旬を感じることができるメニューだ。その日の畑で採れた野菜で作られる「越路の畑のサラダ」は、野菜と一緒にそえられた自家製ハムから、ドレッシングのマスタードと蜂蜜に至るまで全て南魚沼産。
「地元食材と組み合わせることで地域の食の豊かさをPRしたいんです」と千夏さんは語る。
採れたての地野菜の力強さ、雪国の風土や知恵がつめこまれた料理は、きっと訪れる旅人を存分に満たしてくれるに違いない。
採れたての地野菜の力強さ、雪国の風土や知恵がつめこまれた料理は、きっと訪れる旅人を存分に満たしてくれるに違いない。
和風いん越路
住所:新潟県南魚沼市姥島新田840-1
電話:025-783-2644
定休日:不定休
駐車場:あり(10台)
※越路ごはんコースは冬季休
この記事を書いた人
「美食学」と訳され、料理と文化の関係性を考察することを指す“ガストロノミー”。
口にすることで地域の風土や歴史を感じられることから、成熟しつつある食文化の中で、注目を集めている考え方。多様な歴史と文化、豊かな自然に恵まれた新潟県はガストロノミーの宝庫。