『ゆったり贅沢時間。「いいもの」「ほんもの」巡り旅』前編/村上市・胎内市・関川村


2023年05月25日 6050ビュー
先日、3月16日、17日と二日間にわたって、参加してきたのが、モニターツアー『ゆったり贅沢時間。「いいもの」「ほんもの」巡り旅』。村上市、関川村、胎内市、新発田市と県北エリアの各市町村にある、「いいもの」「ほんもの」を体験する、贅沢な内容。

一日目はこんな行程。
◇千年鮭きっかわ&茶館きっかわ 嘉門亭
◇割烹 新多久(昼食)
◇冨士美園・茶寮カネエイ
◇乙宝寺・乙まんじゅうや
◇鷹ノ巣温泉 鷹の巣館(宿泊)

村上の鮭文化を学ぶ

まず訪れたのが、「千年鮭きっかわ」。世界に誇る人気女優さんがこちらの印象的な暖簾の前に立つ、かのCMで知っている人も多いであろう、村上市の伝統的な鮭料理を今に伝えるこちらのお店。
当日は、ご主人の吉川真嗣さんの丁寧な解説を聞きながら、店内を見させていただきました。
ずらりとつるされているのは、塩引鮭と並ぶ村上自慢の鮭料理「鮭の酒びたし」に使用する鮭。鮭の酒びたしとは、塩引鮭を自然の風で1年かけてゆっくりと熟成させ、薄くスライスしたもので、旨みが凝縮され「越後村上が生んだ味の芸術品」とも言われているそうです。
初めて知ったのですが、この塩引鮭にするのは、すべてオス。「このややしゃくれたあごがオスの特徴」と吉川さんが教えてくれました。

千年鮭 きっかわ

住所/新潟県村上市大町1-20
電話番号/0254-53-2213
営業時間/9時~17時30分

続いて伺ったのが、お店の向かいにある「嘉門亭」。ここは22年5月にオープンした、村上茶を楽しむ御茶サロン。
日本古来の和を感じさせる館内には、アンティーク調の椅子やシャンデリアがあり、和洋折衷の空間になっています。さらに、お茶を楽しみながら望める日本庭園が絶景。約3年をかけて構想・造園したお庭を眺めながらゆったりとした時間を楽しめます。
ここでもご主人の吉川さん自らおもてなし。「亭主の茶(上煎茶)」を楽しむことになりました。
途中、国の伝統的工芸品にも指定されている、村上木彫堆朱を使用した茶器や、
茶葉の開き具合の違いなどを説明とともに見ることで、深くお茶について学べました。
吉川さんが自ら毎月考案するという一口菓子をいただきながら、県北のお茶処・村上の味わいを堪能しました。

茶館きっかわ 嘉門亭

住所/村上市大町3-7
電話番号/0254-75-5711
営業時間/9時30分~17時(御茶サロン10時30分~17時 ※Lo 16時)

県北エリアの旬の味わいをゆったりといただく

村上の風情ある黒塀通りを歩くこと、約10分。到着したのは、「割烹 新多久」。こちらの創業は慶応三年(1867年)。
食材の宝庫として名高い村上だからこそ味わえる料理を提供。春には桜マス、夏には岩ガキや三面川の鮎、秋には待望の鮭料理、冬はのど黒にずわい蟹に、年中通しての村上牛。これら季節季節の料理を落ち着いた空間で楽しめると県内外問わず人気のお店です。
調理を行うのは、刺し場・八寸場を担当される兄の山貝真介さん(左)と、煮方・焼方を担当される弟の山貝亮太さん(右)のご兄弟。ご兄弟ならではの、阿吽の呼吸で、すべての料理を生み出します。
こちらがこの日の献立。素材はほぼ全てが村上産ないし、県北産。仕入れは、代々強い信頼関係で結ばれた生産者のほかに、密に連絡を取る業者から、流通に出る前の魚介類をいち早く届けてもらうこともあるとか。
季節の味わい「桜マス」は口に入れた瞬間、溶けていく。優しい香りと濃厚な甘味が一気に口の中に広がります。
焼物の甘鯛は、自家製のふきのとう味噌とともにいただきます。じわりと脂が出てくるジューシーな甘鯛の味わいを苦味と甘味のふき味噌が引き出します。
地元の銘柄がずらり。写真の宮尾酒造のほか、もちろん大洋酒造も常備。日本酒も村上市にこだわります。
自ら狩猟もするという弟の亮太さんがとってきたといういのししは、まったく獣臭さがなく、いい意味で肉肉しく、それでいて、どこか芳しい香りがクセになります。
タイミングを見計らい、炊き上げるお米には数種類のおかず。日本人、新潟人でよかったと思える組み合わせでコースは最終。コースのあまりの充実度合いで、お米が食べきれなかったため、持ち帰り用の塩むすびにしていただきました。
先述のように、食材は四季折々、毎日異なるこちらのお店。訪れるたびに感動を味わえる贅沢な空間です。

割烹 新多久

住所/新潟県村上市小町3-38
電話番号/0254-53-2107
営業時間
ランチ/11:30~14:30 (最終来店時間は13:00)
ディナー/17:00~21:30(最終来店時間は19:00)
定休日/第1・第3火曜、毎週水曜・不定休有(祭日は不定休)
※完全予約制

北限のお茶処の魅力を堪能

北限のお茶処として知られる村上市で明治元年(1868年)に創業した冨士美園。新潟県の最北部、城下町・村上で江戸時代初期より続くお茶「村上茶」は、厳しい冬を越すことで独特のほのかに甘く優しい味わいになるそうです。
2019年に店舗奥にオープンした「茶寮カネエイ」で、お茶をいただきます。大正初期に建てられた製茶工場をリノベーション。茶器や器類も村上産または県内産のものをなるべく使用し、この場所でしか味わえない雰囲気の中、ゆっくりお茶が楽しめます。
僕が頼んだのは「ひき茶(村上抹茶)」。村上産の玉露とかぶせ茶をひいた抹茶使用の一杯です。
村上茶ソムリエの飯島渚さんが目の前でお茶をたててくれます。
爽やかな苦味に奥行きある甘味、心和む味わいをゆったりといただきます。ひき茶は、二煎目がないため、岩船産こしひかり玄米茶がついています。
静かな空間でじっくりとお茶をいただくと、自然と心も穏やかに。優しい気持ちのまま、次の場所へ向かいます。

冨士美園

住所/村上市長井町4-19
電話番号/0254-52-2716
営業時間/8時~17時30分【茶寮カネエイ】11時~17時(LO 16時30分)

「今昔物語」や「奥の細道」にも登場する古刹

乙宝寺は、奈良時代(736年)に聖武天皇の勅命により、インド僧バラモン僧正(ボーディセーナ)と行基菩薩が北陸一帯の安穏を祈って建てた勅願寺だそうです。
真言宗智山派の寺院で、元和6(1620)年村上城主建立の三重塔は、国の重要文化財に指定されています。このお寺をガイドしてくれたのは、門前にお店を構える「乙まんじゅうや」の11代目・久世俊介さんです。
「店はまんじゅうを売る場所ではなくて、お客さんをもてなす場所」と話す久世さんは、観光ガイドにも取り組んでいらっしゃる方。
境内の要所要所で詳細で丁寧な解説が入ります。時間にして約1時間のタイムトリップ。
普段はなかなか足を踏み入れない場所も、久世さんと一緒に訪れることで、深い学びへ昇華されていきます。
1280年以上の歴史を誇る寺にあって、久世さんの一番お気に入りというのがこの場所。どういった場所なのかは、実際に久世さんのガイドを体験してみてくださいね。

乙宝寺

住所/新潟県胎内市乙1112 
電話番号/0254-46-2016
営業時間/9時~16時
定休日/なし
料金/宝物殿一般300円、高校生以下200円

ひとしきり、境内の散策を終えた後は、久世さんのお店「乙まんじゅうや」へ。
新潟県最古の歴史を持つ酒まんじゅうと胎内市の特産・米粉を使った揚げまんじゅうをいただきます。自家製のあんこをひとつひとつ手作業で包み、炭の火でじっくりと糀を発酵させ、その日の気温に合わせて職人が蒸し時間を調整するという伝統の製法は今もそのまま。ほのかで優しい甘さが香る酒まんじゅうと、カリッとした食感の揚げまんじゅう、それぞれのコントラストが非常に楽しい組み合わせ。お土産にも最適なアイテムです。

乙まんじゅうや

電話番号/0254-46-2008
住所/新潟県胎内市乙1235
営業時間/8時~18時(不定休)
※米粉揚げまんじゅうの販売時間は9時~17時

自然美と秘湯を独り占め

この日の宿に向かいます。場所は関川村。3県にまたがる「磐梯朝日国立公園」内の、荒川沿いです。宿への唯一のアクセスはつり橋。これを渡った先に、今日お世話になる宿はあります。
荒川の流れと自然美を楽しみながら、宿へ。
宿泊は、「鷹の巣館」。客室は、すべての部屋の大きさや造り、湯処など趣が異なり、大庭園に8棟点在する離れタイプの部屋と、本館の3部屋があります。
僕が泊まるのは「紅(もみじ)」。
布団が敷かれた部屋とご飯を食べる部屋の2室あります。
テラス席があり、荒川のせせらぎを聞きながらのチルタイムも楽しめます。
部屋には、2〜3人で入れる内風呂が。
川の音に癒されながら湯船に浸かり、温泉を楽しめる露天風呂も完備。周囲の目を気にせず、時間も気にせず、お湯を楽しめます。
また、通路を通っていく本館の大浴場や露天風呂も人気。
天然石とひのきのあしらいが印象的な大浴場は、男女別で野趣に富んでいます。また、緑に囲まれ、開放的な雰囲気の露天風呂は、春には八重桜が頭上を覆うそうです。
お楽しみの夕食です。今晩は、奮発して飲み比べセットをオーダー。大洋酒造と鷹の巣館の板長さんがコラボレートした地酒メニューを楽しみました。

これに合わせるお料理ですが、とてつもない量……。
というわけで一部抜粋です。
清まし仕立て 蛤真丈。
のど黒塩焼きと山葵菜。
村上牛石焼き。
お腹も心も大満足でお布団に入ります。

おやすみなさい。

後半、二日目もお楽しみに。

鷹の巣館

住所/新潟県岩船郡関川村大字湯沢1072
電話番号/0254-64-1009
チェックイン/15時
チェックアウト/10時

この記事を書いた人
コジマタケヒロ

暮らした場所は、東京→新潟→京都→新潟。エリア情報誌の元編集長。
日本酒、サッカー、おいしいもの大好きのフリーライター。

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