安田瓦の魅力を、仲間と楽しく伝えていきたい/阿賀野市


2023年12月19日 908ビュー
1840年頃にその歴史が始まったとされる安田瓦。住宅様式の変化により瓦屋根の住まいは減少傾向にありますが、耐久性に優れ、厳しい気候条件にも適応する屋根材としての特徴は変わることはなく、屋根以外の新たな用途も広がっています。安田瓦の産地で、瓦の製造・販売やイベントを通じて地域の活性化をめざす五十嵐祐太さんにお話を聞きました。
五十嵐 祐太
1986年、阿賀野市(旧安田町)生まれ。高校卒業後、神奈川県の大学へ進学。卒業後、五十嵐瓦工業に入社。現在は営業職で得意先回りや瓦の配達などを担当する。安田瓦協同組合青年部部長。安田商工会青年部にも所属し、地域のイベントに積極的に携わる。

瓦の新しい生かし方を模索

―安田瓦の工場におじゃましています。レンガの壁のようなものがありますね。

これは焼き窯です。この中を瓦が流れていき、24時間から27時間くらいかけて焼成します。温度は最も高いところで1200℃くらいになります。
年季の入ったレンガ造りの窯
焼き上がると自動で押し出される。まだあたたかい
さまざまな形の瓦が作られている
側面の模様は、五十嵐瓦工業で作られた証
こちらはお寺の屋根に上げる鬼瓦。鬼瓦専門の工房で成形し、五十嵐瓦工業の窯で焼いて仕上げる
―会社はどのくらい歴史があるのですか?

曽祖父が大正時代に立ち上げて、100年近い歴史があります。最近では屋根以外の活用法も模索していて、安田瓦の技術を生かした「安田陶板」というタイルを開発したり、新潟市にある「古町サウナ SAUNA KUMORI」のサウナ室に当社の瓦を使っていただいたりしています。

私は入社して最初の1年間工場で働き、その後、営業に配属になりました。県内の屋根の施工業者さんに瓦を販売していて、瓦を配達したり、屋根に上がって作業することもありますよ。
100年近い歴史のある五十嵐瓦工業
―もともと家業を継ごうと思っていたのですか?

当社の従業員は親戚も多く、子どもの頃から「瓦屋になるんだぞ」と言われて育ちました。それもあってごく自然に…というか、あまり深く考えずに瓦屋になったというのが正直なところです(笑)。私より下の世代の社員がいないので、若い人に入ってほしいですね。

他の会社も人手不足や後継者不足に悩んでいますが、産地が一つになって盛り上げようと頑張っています。「やすだ瓦ロードフェスティバル」は、安田瓦協同組合が開催する毎年恒例のイベントです。工場見学や瓦の絵付け体験、瓦焼きハンバーグなどのグルメもあって、たくさんの方に楽しんでいただいています。
やすだ瓦ロードフェスティバルの様子
フェスティバルでは体験イベントも
2023年7月にオープンした「にいがた瓦館『かわらティエ』」
体験工房でミニ鬼瓦の型押し体験ができる

横のつながりが楽しい

―阿賀野市の魅力はどんなところですか?

大学を卒業して地元に帰ってきて初めて分かったのは、とにかくいい人が多いということ。みんな地元が好きで、盛り上げようという気持ちが強い。最初は商工会などの集まりに行くのがちょっと面倒だったのですが、横のつながりが広がると、どんどん楽しくなりました。

阿賀野市は、瓦ロードフェスティバルのほかにも桜まつりがあったりとイベントが多いんです。それも地元を盛り上げたいというみんなの気持ちの表れだと思います。
瓦のアート作品が飾られている「やすだ瓦ロード」
瓦ロードの一角、「やきもの広場」では安田瓦の屋根に座るレアな体験ができる。奥には鬼瓦の巨大オブジェも
屋根に座って写真を撮れば、このかわいさ
―休日はどんなふうに過ごしていますか?

趣味は釣りとバイクです。それと趣味ではありませんが安田猟友会にも入っています。まさか地元に戻って狩猟をやるとは思ってもみませんでしたね。最近、熊がとれて、今夜みんなでありがたくいただく予定です。

猟友会は「人手不足で困っている。入ってくれるだけでいいから」と言われて参加しましたが、やってみると面白いです。罠にかかった猪にとどめを撃つ時は緊張しました。撃った獲物を運んだり、解体の仕方を教えてもらったり、勉強になります。そして何よりも「命って大事だな」と改めて感じました。

数十年持つ瓦を作る、という責任

―この先、地元でどんなことをしていきたいですか?

まずはやすだ瓦ロードフェスティバルをずっと続けること。そして安田瓦の魅力を広く伝えていきたいです。瓦は地震に弱いイメージを持たれることもありますが、それは昔の話。施工方法も進化していますし、しっかりと施工した家は地震でも瓦が落ちなかった実績があります。

瓦は整然と並ぶ見た目がきれいですし、経年変化も美しく、数十年と持ちます。「数十年と持たなくてはならない」という責任があると思って作っています。
やすだ瓦ロードには安田瓦の歴史を象徴するれんがの煙突が保存されている
―最後に、地元のおすすめを教えてください。

「富士求パン屋」さんのパンは、子どもの頃からよく食べています。時々、会社の昼休みにも売りに来てくれます。食パンにクリームを塗ったパンが好きで、特別なものではないのですが、昔ながらの味がおいしいです。
商品の多くはスーパーなどに卸しているそう。運よく店頭にパンがあれば、クリームを塗ってもらえる
五十嵐さんおすすめのメロンクリームとブルーベリークリーム。ふんわりもっちりの食パンと素朴な甘さのクリームがよく合う(1個80円、2個セットで150円)
もう一つのおすすめは「めんつう」さんのラーメンです。家の近くのスーパーでめんつうさんの麺やスープを買えるので、よく利用させてもらっています。やすだ瓦ロードの交流拠点「瓦テラス」の隣にも本社工場の直売所がありますよ。いろいろなラーメン屋さんに麺を卸しているだけあって、本格的な味を家で楽しめます。
五十嵐さんのお気に入りは味噌ラーメン。野菜を炒めて煮るだけでお店のような味わいになるという(生中華麺150グラム107円、味噌スープ1袋78円)
五十嵐瓦工業株式会社

五十嵐瓦工業株式会社

阿賀野市保田6052
0250-68-2064

富士求パン屋

富士求パン屋

阿賀野市保田4612-3
0250-68-2246
*配達のためお店にいないことがあります。商品はキューピット五泉店、三本木店で販売

MENTSU FACTORY SHOP

MENTSU FACTORY SHOP

阿賀野市寺社甲3848-209
0250-68-2170
9:00〜16:00 土曜は15:00閉店
水・日曜休み

この記事を書いた人
新発田地域振興局 魅力見つけ隊

地元には、地元しか知らない素敵な魅力がたくさん詰まっています。
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