冬でも!てくてく長岡スキマ旅/長岡市


2024年03月02日 4415ビュー
こんにちは。
県内では少数派のマイカー不所持民、公共交通機関と自転車が主たる移動手段、長岡・柏崎地域振興局★ふらっと旅を楽しみ隊の西澤妙子です。
冬の新潟県はどういうイメージでしょうか?
その日々はことごとく鉛色の空に覆われ、湿気を含んだ冷たく重い風が暴風雪となって身を切ります。
でも、そんな寒い長岡の冬でも、楽しく、手軽に、心温まる「街めぐり」をしたい!ということで出張などのスキマ時間に楽しめる「冬でも!てくてく長岡スキマ旅」を紹介いたします。

旅のしおり

今回は雪道でも無理なく巡ることのできる、約3キロの行程です。
それでは旅のスタートです!

人と人を繋ぐくつろぎのシェアスペース

まずは長岡駅の大手口からほど近い「コワーキング&シェアスペース ゆるり屋」へ。
こちらは2022年4月5日にオープンしたワーキングスペースです。
外観も入り口の扉も、木のぬくもりを感じる一軒家の雰囲気で、入店すると、新しいのにどこか懐かしい雰囲気の「土間」がお出迎えしてくれます。
取材の日も雪が降り続く一日でしたが、温かで柔らかな光に包まれていて、会話も弾みます。
店主の村山さんは、27年間旅行会社に勤務された後、地元長岡にてシェアスペースをオープンされました。地域振興に関わるお仕事をされた豊富なノウハウを生かし「観光コンサルタント」としても地元観光へ尽力されています。
こちらは看板猫であり、店長でもある「茶まめ」さん!
保護猫の活動もされている村山さんと茶まめさんはとってもいいコンビです。茶まめさん目当てに来店される方も多いのだとか。

各スペースの紹介

店長の茶まめさんに各お部屋を紹介いただきました。
▲1階には土間スペースの他に、こんなほっこりした和室も。
思わず寝転んでくつろぎたくなりますね。
▲2階にある明るい雰囲気のミーティングルーム
プロジェクターの使用も可能(500円)です。こんなに明るくて開放的な雰囲気なら意見もたくさん交わされそうです。
▲最後のお部屋の紹介は2階の個室です。
壁紙には集中力をあげるという青色を使用しています。施錠のできるスペースで、レンタルオフィスとしても使用可能です。
どの部屋も落ち着いた雰囲気で仕事や作業ができそうです。
換気などの目的で個室の天井の梁部分に隙間がありますが、茶まめさんのキャットウォークスペースになっています!

ドロップインやサブスクリプションでの利用、和室やミーティングルームなど用途に合わせて幅広い選択が可能です。
利用者の7割が県外の方とのことで、近隣の食事場所や周辺観光についても詳しく教えてくださいます。

人と人が繋がる引力を持ったシェアスペースで、有意義な時間をお過ごしください!
コワーキング&シェアスペース ゆるり屋

コワーキング&シェアスペース ゆるり屋

電話:0258-77-4751
営業時間:【昼】火~土 10:00〜17:00
     【夜】火~金 18:00~21:00 ※予約制
定休日:日曜・祝日、月曜
住所:新潟県長岡市旭町1丁目3−15
水曜と金曜の夜は一人でもこそっと立ち寄ってお酒を楽しめる「そろり屋」も営業中。
店主の村山さんとの会話を楽しみながら過ごす心温まる時間をぜひ新潟のお土産に。。。

この地域の地名「千手」の由来でもある千手観音様

続いては、400年前に千手観音が安置され、江戸時代より多くの参拝者で賑わっている「千蔵院」を紹介いたします。
雪害から建物や植物を守るための「冬囲い」が設えられています。
この千蔵院は千手観音を蔵した、「千蔵院」という名の真言宗豊山派のお寺です。
ご本尊の観音像は、飛鳥時代から奈良時代にかけて活動した日本の仏教僧、行基によって作られた一寸八分(5センチ5ミリ)の金の観音像です。
六年に一度、子年と午年の8月10日にご開帳しているご本尊は、江戸時代に長岡藩の重鎮草間俊重が仏師鶴屋四郎に新たに千手観音像を彫らせて寄進された観音様です。
その胎内に一寸八分の金の観音像が蔵されているそうです。
また、お寺が所有している「桜樹皮千手観音」の掛け軸は江戸時代には長岡藩主牧野家のお殿様が参勤交代の折に江戸の屋敷へ持参して、道中の安全を祈願していたそうで、現在は受付の奥に飾られています。

絵本作家の住職 諸橋精光さん

住職の諸橋精光さんは絵本作家としても活動をされています。
優しいタッチの絵柄と丁寧な色使いで、読んでいると心が和みます。
お寺の入り口にある掲示板の絵をポストカードにしたおみくじもあります。こちらの絵柄も文章ももちろん諸橋さんのお手製です。
「凶」が含まれているという、諸橋さんお手製の絵が描かれたおみくじもあります。
この日のワタクシは「吉」でした!
「凶」がでるとびっくりしてしまいますが、こちらでは凶が転じて強運になるという「強運箱」に凶のおみくじを納めることもできますし、受付に持って行けば観音様の「おすがた」のお守りを授けてくださるそうです。ご安心ください!
また、千蔵院では2月3日に「星まつり」が行われております。
時計やカレンダーがなかった時代、多くの人は星を目印に生活していました。古くから人間と星には大きな関わりがあり、それぞれの生涯の「守り星」があると考えられています。
▲境内にある「北斗七星」の星ぐるま
守り星の星ぐるまを3度回して、運気の上昇を祈りました。
どうやらワタクシの2024年の当たり年は「黒星」のようなので、星まつりに参詣して大難が小難になるよう願いたいと思います。
千手観音 千蔵院

千手観音 千蔵院

電話:0258-33-1962
住所:新潟県長岡市柏町1-5-12

御朱印は住職の直書きで300円です。
住職不在の場合は対応できないこともあるので、事前の問い合わせをオススメします。

きらめく白い宝石のような白米と素材のおいしさが自慢の隠れ家食堂

新潟県の代表的なイメージと言えば、「日本酒」・「海」・「雪」・・・そして「美味しいお米」ではないでしょうか。
地元民が自信を持ってオススメする、きらめく白い宝石のような美味しいご飯を提供してくれる「みんなの隠れ家食堂」へ行って参りました。
住宅街の真ん中。一見、お花屋さんの外観ですが、お花屋さんの奥に「みんなの隠れ家食堂 道 -cheminシェマン-」があります。
この場所はもともと老舗の高級割烹があった場所です。
ここ長岡は江戸時代より舟運が栄え、柿川沿いには料亭、材木屋、石材店などが並び全盛を極めました。
長岡市栃尾で50年続く老舗料亭を営んでおられる店主の石口さんが、2019年7月にこの柿川沿いの地に「みんなの隠れ家食堂 道-cheminシェマン-」をオープンされ、その長岡の食文化を継承されていることに不思議な縁を感じます。
店内は木のぬくもりと白い壁を柔らかな照明が照らしています。
席もゆったりとした空間になっているので、心地よく過ごせそうです。
B.LEAGUE所属のプロバスケットボールチーム、新潟アルビレックスBBを応援する店主の石口さん夫妻。
アルビレックスBBの選手も定期的にお越しになるようです!

店内の窓からは柿川の流れを眺めることができます。四季ごとに景色も楽しみたいですね。
さて、本日は一番人気の「わがまま定食」を注文!
なにが「わがまま」なのかというと、人気のメインおかずを少しずつ食べられるところと、副菜の品数の多さ!
まさに「わがまま」を叶えてくれる定食です。
この品数の多さを見ると人気ナンバー1なのも納得です。
豚ロースの生姜焼き、鶏南蛮、焼き魚など、人気の主菜が一堂に会しています。
鶏南蛮の上のタルタルソースも石口さんのお手製です。
酸味、甘み、コクのバランスが素晴らしく、鶏肉の甘辛い味付けにとてもよく合います。
一口食べたらその感動が伝わる白米は、栃尾産のコシヒカリです。
見た目の美しさももちろんですが、もちもちの弾力と自然な甘みに箸が進みます。
ご飯だけで食べ進められてしまう美味しさです。

是非一度、老舗料亭の味を手軽に食べられる「シェマン」の定食を食べにお越しください。
地元の方はもちろん、県外の方にもオススメの隠れ家食堂です!
みんなの隠れ家食堂 道-cheminシェマン-

みんなの隠れ家食堂 道-cheminシェマン-

電話:0258-77-0158
住所:長岡市山田2丁目1-7
営業時間:月曜~日曜日【昼】11:00~14:00
           【夜】18:00~22:00(LO 21:30)
定休日:木曜日
   ※日曜日は昼のみ営業

若い世代からご年配の方まで、幅広い年齢層が安心してゆっくり楽しめる食堂です。
帰り際もお花屋さんを通るので、お花のいい香りについ誘われてしまいます。

おもてなしの心を大切にする「温故知新」の和菓子屋さん

長岡は元々江戸初期に大胡(現在の群馬県前橋市)より牧野家が移り、城下町として発展した町です。
戊辰戦争や第二次世界大戦などの戦火により城下町としての面影は見られませんが、今に残る文化や伝統からその当時の城下町の陰影を感じることができます。

その一つが、「越乃雪本舗 大和屋」です。
江戸時代より変わらぬ製法で作り続ける「越乃雪」というお菓子が有名ですが、近年では「万華鏡のかけら」という干菓子や、おはじきのような可愛らしい飴細工の有平糖など、見ているだけで楽しいお菓子も店内を彩ります。

長岡駅のお土産コーナーでも、主立った商品の購入は可能ですが、ぜひお時間のある方は駅から徒歩圏内の趣ある本店でのご購入をオススメします!

大和屋の歴史ある銘菓 越乃雪

長岡藩9代藩主牧野忠精公が病床にあった際に、同店より献上された「もち米を寒さらしにしてひいた粉に甘みを加えた菓子」のお陰で快方に向かったことから、忠精公より、このお菓子に「越乃雪」の名前を賜ったそうです。

 

 

それ以来、藩の贈り物用菓子の御用達を命じられ、今日まで変わらぬ製法で作ってこられたそうです。
口の中でほろほろと崩れる口溶けのよい越乃雪は、山本五十六などの多くの偉人や文人にも愛されてきた長岡を代表するお菓子です。

こんなに美しい木箱に入っています。
まさに、越後に降り積もる美しい粉雪のような、和三盆のきいた上品な和菓子です。

おもてなしの心から生まれた喫茶スペース

県外や遠方から訪ねる方の多い大和屋さん。
そんな日頃大和屋さんのお菓子を愛してやまない方へ、おもてなしをしたいというお気持ちから、このスペースを作られたそうです。
配置された椅子のデザインも丸みがあり、壁は真っ白ではなく、琥珀糖をイメージした生成色。全体的にシックで落ち着いた雰囲気です。
カウンター席と対面席がありますが、カウンター席では3日前までに予約をすると職人さんによる上生菓子の実演が見られるそうです。
壁に飾られているのは、お菓子作りに使う「型」を利用した装飾です。かつてはこの型も実際に使われていたそう。
カフェのメニューの中で、多くのお客様はスタンダードな「上生菓子と抹茶」をご注文されるそうです。
▲うっとりする一枚の秋の絵画のような生菓子が登場
▲12月にはこんな可愛らしい雪だるまの上生菓子も
▲クリスマスツリーのオーナメントみたいな干菓子。食べるのがもったいない!
▲金曜日、土曜日限定であんバターサンドもあります!牧草だけを食べて育った牛のミルクから作ったグラスフェッドバターとこだわりの特製バンズが使用されています。
古くからの伝統的なお菓子の製造を守ることと、大人にも子どもにも人気のおもちゃ箱のような可愛い干菓子の提供。どちらも楽しめるまさに「温故知新」な老舗の銘店でした。

季節ごとに提供されるメニューも変わるそうなので、ぜひ何度も足を運びたいです。
越乃雪本舗 大和屋

越乃雪本舗 大和屋

電  話:0258-35-3533
住  所:長岡市柳原町3-3
営業時間:店舗9:00~17:30
(カフェは10:00~16:00、ラストオーダーは15:00)
定 休 日:日曜日、1月1日、水曜日は不定休

ワタクシが大和屋さんで一番好きな和菓子がこちらの「いちご餅」です。
本当に本当に美味しい、オススメの逸品です。
例年2月頃から販売されるようですが、期間限定ですのでお早めにどうぞ!

大和屋さんを出て、雪景色の長岡の街を歩きます。
この、歩いている表町通りは商人の町として発展してきた長岡の中心部です。
長岡城の門前に多くの商家が軒を連ねていました。
そんな表町通りに、昔と変わらぬ店構えで営業されている「龍文堂」を訪ねました。

県外からも熱視線!プラモデルの聖地

昭和の頃は「餅は餅屋に」と言う時代であったので、買い物も商店街の各店舗をめぐり、商店の店主と顔見知りになり、情報交換をしたりすることが多くあった気がします。
今や大型店の実店舗だけではなく、インターネットでもお手軽に買い物ができるほか、情報交換もオンライン上でのやりとりが多くなりました。
しかし、こんな時代でも昭和の時代にタイムスリップしたような、龍文堂に熱視線が注がれていることが、地元民としてとても嬉しく感じます。
店内にはあらゆるジャンルのプラモデルがびっしりと積み上げられています。
プラモデルと言えば・・・ロボット系のアレとか、○○ライダーや、子どもも簡単に組み立てられる世界でも大人気のモンスター系の・・・などなど。
塗料やニッパー、はさみや竹ひごなど、多くの品揃えがありますが、なんと言っても実物を見て、手に取って購入することができるのが魅力です。
この龍文堂で目を輝かせていた少年が親になり子どもを連れてきたり、祖父が孫を連れてきたり・・・。
かつてはミニ四駆なども流行り、クラスの男子たちがお小遣いを握りしめ、こぞって龍文堂に通っていたものです。
通りに面したショーウィンドウのプラモデルは、実際に訪れるお客様の作品で、
熱心な方からは自分の作品をショーケースに並べてほしいというオファーもあるそうです。
お店を切り盛りされている田中さんのお父様が昭和23年に学校教材を売るお店を立ち上げ、プラモデルを販売されたのは50年から60年前。
「昔よりも簡単に組み立てられるプラモデルや模型飛行機などが増えたよね」という田中さん。

時代と共に少しずつ商品も変化はするかもしれない。
でも、店頭販売にこだわる龍文堂が時代の隆盛にとらわれず、プラモデルの聖地であり続けてほしい・・・、いつも変わらない心の故郷のようなお店でした。
龍文堂

龍文堂

電話:0258-32-2782
住所:長岡市表町1丁目10-15
営業時間:月~土10:00~19:00 
     日  10:00~18:00 
定休日:水曜日

さて、冬の長岡のスキマ旅もそろそろ終わりです。
雪雲の晴れ間が見えてきました。
冬の雪国は常に空が鉛色ですが、時折のぞく青空がひと際青く澄んでいるように感じます。

江戸時代に長岡城の本丸があった場所に駅が設立されたという、長岡市は全国でも大変珍しい街でもあります。
冬景色でも心温まる「冬の長岡のスキマ旅」をぜひお楽しみください!!

紹介した場所

この記事を書いた人
長岡・柏崎地域振興局★ふらっと旅を楽しみ隊

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