キッチンカーからリアル店舗へ。ダシが!油がうまい!!無国籍カレー/新発田市


2024年03月05日 6375ビュー
こんにちは、ライターのコジマタケヒロです。
僕が住む、新発田市で今、話題になっているのが、無国籍カレー。
「やすけカレー」という名前のお店が女性を中心に評判を呼んでいます。

住宅街の中に突然お店

​お店があるのは、新発田高校からほど近くの住宅街。2024年の2月3日にこの場所で新たに営業を開始しました。
それまでの期間は、こちらのキッチンカーでの営業でした。2022年7月から、新発田市内を中心に県北エリアで主に出店。僕が知ったのも新発田市内のスーパーに出店していたのがきっかけでした。
ご主人の佐藤謙介さんは生まれも育ちも新発田という生粋の新発田っ子。高校時代に新発田市内のホテルにある中華料理店でバイトをしたことを機に、料理の世界へ。人気料理店の店長兼料理長を務める一方で、新型ウイルス禍に趣味だったスパイスカレーづくりを副業化したのが、キッチンカーをはじめたきっかけだそうです。

カレーは常時3~4種類をラインナップ

カレーは常時3〜4種類をラインナップ。「濃厚えび出汁シーフードカレー」と「角煮カレー」の定番に加え、日替わりカレーを楽しめるようになっています。
店先の黒板には、キッチンカー時代からのマスコット「カレーおじさん」が描かれています。「このキャラクターは、キッチンカーを始めようと考えたときに、近所に住む専門学校生の方とご縁をいただき、描いてもらったものです。なにか要望をこちらから伝えたわけではないのに、僕のイメージにドンピシャリなキャラクターだったから運命を感じて、リアル店舗でも大事にしていきたいと思っています」と佐藤さん。

心地よいスパイスの香りが食欲を刺激する

店内に入るとスパイスの心地よい香りが鼻をくすぐります。左手には靴を脱いで座れるテーブル席のスペースが。お子さんと一緒ならこちらのスペースがおすすめです。
右手には、椅子とテーブル、カウンター席が広がります。
調理風景を見られるライブ感あるカウンター席は、料理好きにはたまらない特等席。
佐藤さんがカレー用に所持しているスパイスは、20種類以上。クミンやコリアンダー、ターメリックにレッドペッパー、クローブなどの基本スパイスを中心に、カレーごとに12〜13種類を使用。種類や分量、その配合を変えることで、ベース食材の持ち味を引き出すように調整しているのだそうです。
「ホールスパイスとパウダースパイスの使い分けで、カレーの表情がガラリと変わるのが面白いんです」と佐藤さん。「ただレシピ通り作っても納得できるカレーができなかったんです」(佐藤さん)ということで、佐藤さんが着目したのが、ダシ。「日本人ならやっぱりダシのうまさって大事かなって。だから、僕が作るカレーにはダシを利かせようと考えたんです」(佐藤さん)。「濃厚えび出汁シーフードカレー」を作る際には、海老の頭やエビみそ、エビの身そのものなどをすりつぶしてペーストにして、カレーソースに加えます。「角煮カレー」なら、チキンで取ったダシをカレーソースに加えます。
さらにもう一つ。佐藤さんが大事にしているのが香味油。「油もうま味の一つだと捉えているので、結構ストックを持っています。中でも【エビ】【牛】【角煮】の3つの油はよく使うので切らさないようにしています」(佐藤さん)。仕込みの過程で出てくる油のみを取っておき、カレーを作る際に加えることで口の中に残る風味付けとして使っているのだとか。

中華鍋で仕込んでいく独自のスタイル

朝8時から始まり、営業。営業終了後から夜12時まで続くという仕込みの一部を見せていただきました。まず驚いたのが、中華鍋。「もう20年以上使っていたから、ほかの鍋よりやはり使いやすいんですよね」(佐藤さん)とさすがは中華出身の料理人。油を温め、クミンシードを入れ、香りを引き出します。
クミンシードがパチパチと音を立て始めたら、玉ねぎを加え、あめ色になるまでじっくりと炒めていきます。ちなみに写真の量で1.7キロ。「濃厚えび出汁カレー」35人分で使用する量だとか。
「中華鍋仕様にしたことで火力が上がったので、炒め時間がキッチンカー時代よりもグッと短くなりました。今は約20分、キッチンカー時代の半分くらいの時間で済むようになったので、ほかの仕込みに時間を割けるようになりました」(佐藤さん)。
スパイスのいい香りに囲まれているうちにお腹がグ〜ッと……。人気のカレーの2種あいがけ(1,150円)でいただくことにしました。
ターメリックライスを丁寧に盛り付けると同時に、フライパンでシーフードを温め、カレーソースをまとわせます。「シーフードは煮込んでしまうと硬くなりすぎてしまうので、僕は注文が入ってから、合わせるようにしています」(佐藤さん)。
「濃厚えび出汁シーフードカレー」と「角煮カレー」のあいがけバージョンがこちら。中央に鎮座するゆで卵を境に左手が「角煮カレー」、右手が「濃厚えび出汁シーフードカレー」です。「角煮カレー」は辛味が抑えめ。ホロホロの角煮、肉のうま味が溶け出した、しっかりとした味わいのカレーソースが口いっぱいに広がります。一方、「濃厚えび出汁シーフードカレー」は、「角煮カレー」よりも少しだけスパイシーな印象。エビのうま味とスパイスが融合したカレーソースの味わいが秀逸で、スプーンが止まらない。ある程度、それぞれの味わいを楽しんだら、今度はターメリックライスや付け合せも含め、全体を混ぜ合わせて、違う味わいを自分で完成させて、完食。
「僕が目指すのは、中華とスパイスが融合した無国籍カレー。これからも新しい味わいを生み出していきたいと思います」(佐藤さん)。

ちょっと足を延ばして新発田市へ。帰宅時に「おいしかった」と笑顔になれる味わいを体験しに出掛けませんか?

やすけカレー

住所/新潟県新発田市豊町3丁目12-7(新発田高校付近)
電話/070-3256-8200
営業時間/11:00~15:00(14:30LO)、17:00~20:30(20:00LO)
店休日/月曜日
駐車場/9台
席数/26席

やすけカレー

この記事を書いた人
コジマタケヒロ

暮らした場所は、東京→新潟→京都→新潟。エリア情報誌の元編集長。
日本酒、サッカー、おいしいもの大好きのフリーライター。