まるで食いだおれ~! 農家民宿「新助」で出会った絶品日帰りランチ/小千谷市


2024年06月24日 5128ビュー
こんにちは、取材ライターのエムコネです。

みなさん、これは事件です……また1軒、とんでもないお店に出会ってしまいました。

新潟在住8年目、県外出身者の私の中にある「せっかく新潟に来たんだすけ◯◯くってけてリスト」が更新されました(頭の中に入っています)。

「農家民宿?田舎料理かぁ~」「品数が多い?でも家庭料理でしょ~」と思ったそこのアナタ!そのような方にこそ、ぜひご覧いただきたいんです。なぜなら、ここに行くまでは、ここの味を知るまでは、私もそんな風に思っていたから……!!

今回は、新潟県小千谷市にある農家民宿「新助(しんすけ)」さんの絶品日帰りランチをご紹介します。

新潟県のほぼ中央「小千谷市」へ

ご提供画像(小千谷市HPより)

農家民宿「新助」がある新潟県小千谷市(おぢやし)は、新潟県のほぼ中央に位置し、新潟市方面や上越方面、関東方面からもアクセスのしやすい場所にあります。

錦鯉発祥の地として知られているほか、国指定重要無形民俗文化財である牛の角突きなど、歴史と文化、そして豊かな自然に恵まれたまちです。

新潟市中心部からは、高速道路を使い車で約1時間10分。北陸自動車道 中之島見附ICを降りて、国道17号線を小千谷方面へ進み、目的地である小千谷市南荷頃(みなみにごろ)エリアを目指しました。
まちなかから山間部へ。どんどん景色が変わっていきます。この辺りは、冬になると積雪が何メートルにもなるほど、新潟県内でも豪雪地帯として知られる場所です。
道のりは険しくないのですが、山間に入っていくので「本当にここで合っているのかな?」と心配になってしまうかもしれません。

左手に、黒い土管のようなものが見えてきたらすぐそこ。
右手にありました!「新助」と書かれた木の看板が目印。到着です。

リピーター多数!知る人ぞ知る名宿

農家民宿「新助」は、2004年に発生した新潟県中越地震後の再建を機にオープン。お料理上手なお母さんの腕を活かし、食を通して人を元気にし、人と人がつながる縁を大切にしたいと家族で農家民宿を始めました。

コロナ禍前までは、小千谷市が行っていた、関東地方の中学生の農家民泊の受け入れなども積極的に行っていたそうです。現在は、お母さんが作る季節のランチが大好評で、連日日帰りランチのお客さんで賑わっています。
今回、こちらに伺ったきっかけは、おいしいものが大好きな、グルメ友達からのおすすめ情報でした。

前々から「ちょっと足を伸ばすんだけど、小千谷にぜひ連れていきたいところがある。もう、何を食べても絶品よ~!!どの季節もいいけど、特に春の山菜シーズンはぜっっったいにおすすめ!!」と激しく太鼓判を押されていたのでした。

そして、念願叶って春の山菜シーズンにお伺いすることができたのです。

なお、利用は2~3日前までに事前予約を。1日に2組しか受付けていないので、予定が決まっている方は早めに予約の電話をしてくださいね。
ちなみに突然ですが、ここで取材の裏話を・・・。

新助さんは常連さんが多く、お忙しくされていること、そしてなかなか取材の時間がとれないことを理由に、「ごめんなさいねぇ~」と取材お断りだったのですが……

いただいたお料理があまりにも美味しく、感動し、素敵なものを広めたいエムコネ(私)の想いを伝えたところ、「取材じゃなくて感想だったら…」とOKをいただきまして!この度、ご紹介をさせていただくことになりました。新助のお母さん、ありがとうございます!!

というわけで、今回のブログは、私の感想文だと思ってお読みいただけたら幸いです。

味も量もおったまげ!感動の季節のランチ

予約時間に到着し、案内された席に着くとすでにお料理が準備されていました。

「これからお味噌汁とご飯、天ぷらなど温かいお料理もお持ちしますので、お好きに召し上がってください~!」と、この時点で15品。これだけでも結構な量ですよ??

新助のお母さんやお父さんが山に行って採ってきた山菜や、自家栽培の畑の野菜を使った料理がズラリと並びます。どれからいただこうかな~とワクワクが止まりません♪
木の芽、イタドリ、蕗、ふきのとう、こごみ、うど、うるい、わらび、こしあぶら、ぜんまいなど、たくさんの種類の山菜料理が並びます。

そして、驚くべきことは、品数の多さだけでなく、一品一品の美味しさ!!

冒頭で申し上げたように、ここに来るまでは「田舎料理って味が濃く、大味なんだろうな~」という勝手なイメージがありました。しかし、同店のお料理は素材の持ち味を活かした繊細な味付けで、どのお料理もいい意味で想像を裏切られる美味しさが!

とてもシンプルなお料理に見えますが、山菜は下処理に手間暇がかかるもの。アク抜きも、やりすぎては素材の風味が消えてしまうし、やらなさすぎても食べづらくなってしまいます。山菜らしいほろ苦さや風味を残した、ちょうど良い塩梅なんですよ。
そして、この白米のおいしいことおいしいこと。

お米は、日本一の米どころとして知られる新潟県の中でも、ひときわ美味しいとされるブランド米「魚沼産コシヒカリ」。しかも、自家栽培のはざかけ米なのです。

はざかけ米とは、稲刈りをした後に“はざ”とよばれる木具に稲束をかけ、ゆっくりと天日で自然乾燥させてお米のこと。機械乾燥とは違い手間暇がかかりますが、おひさまの日を浴びて乾燥させていくので、旨味がアップするそうです。どうりで、普段食べているお米とは格段に違うわけかぁ。
そして、このお汁も・・・感動の美味しさなんです(思い出すと食べたくってウズウズする~!)。

味噌、醤油は入っておらず、味付けは塩のみ。季節の野菜が具だくさんで、素材の旨味が溢れています。ちなみに私はおかわりして3杯、同行した協会スタッフは4杯食べました(笑)。

これだけ食べた後に2人で声を合わせて言いました。「鍋で持って帰りたい」と。

どんだけーーー!な美味しすぎるお汁なんです(私、さっきから何回美味しいって言っているのでしょう笑)。
さぁ~どんどん作りたてのお料理が運ばれてきます。

現時点で20品!
ウドのサラダ 人参ドレッシングがけ(左)。シャキシャキで瑞々しい、ウドのサラダ。見た目にも鮮やかな、人参のドレッシングも手作りです。

うす揚げ巾着(右)。玉ねぎスライスを入れたお揚げを巾着にして、揚げてあります。一口頬張ると、お出汁がじゅわ~~~! そして中にはシャキシャキの玉ねぎがぎっしりと詰まっています。
こちらのお煮しめに入っているこんにゃくも、なんと手作りなんですって。ものすごく手間暇がかかっています。
「さぁ~おまたせ~」と最後に山菜の天ぷらの登場! これだけのお料理が出た後とは思えない、こんもりと盛られた天ぷら盛り合わせ。

こちらも薄衣で、カリッと揚がっています。それぞれの山菜の野性味やほろ苦さに、あぁ~春が来たな~と身体も目覚めるような、パワーがみなぎる美味しさです。
というわけで、写真に収まりきれないほど、テーブルを埋め尽くすお料理の数々! これはもう大感動でした。素材の種類が多いこと。様々な調理法で工夫されていること。酸味・苦み・甘味・旨味、多彩な味わいを楽しめること。これはまるで、山の恵みのフルコースです。

すでにお気づきかもしれませんが、お肉はありません。ほとんどがお野菜で、動物性のもので言うと、ちくわと玉子ぐらいだったでしょうか。

物足りなく感じそうですが、新助さんのお料理は、ほとんどがお野菜でも、ものすごく食べごたえがあって大満足できるんです。それは、ボリュームがあるからという理由だけでなく、素材自体の旨味の強さと、その持ち味を活かし趣向を凝らしたお料理に仕上げる、お母さんの腕があるからこそ!

しかし、ご覧になられている方で、こう思われた方はいらっしゃいませんか?

「全部食べきれないでしょ~?」と。

持ち帰りOK!家族へのお土産に

新助さんのお料理は、お持ち帰りOK! なんとテーブルの隅に、お持ち帰り用のパック(有料)が用意されています。自分でタッパーなどを持参しても良いので、大食いに自信がある方以外は、おうちから持参した方が良いかもしれません。

これから夏場になるので、持ち帰り後の保存状況などは自己責任で、くれぐれもお気をつけくださいね! お持ち帰りする際は、寄り道をせずに帰宅することをおすすめします。

お母さんのお料理を食べていると、大切な人の顔が思い浮かぶんです。「あぁ~主人もこの味好きだろうな~。これなら子どもたちも喜んで食べるだろうな~。富山の両親を連れて来たいな~」と。

美味しい料理を食べて幸せになった気持ちって、大切な人にもシェアしたくなるんですよね。お持ち帰りをした料理は、その日のお夕飯に。主人も子どもたちも「おいしいおいしい!!」と喜んで食べていました。

すごいのはお料理だけじゃないんです…

新助さんの魅力はお料理だけじゃありません。

このお料理を作っていらっしゃるお母さん自身も、ものすごーーく素敵な方なんです!! 明るくて、パワフルで、やさしくて、お会いしてたちまち大好きになりました。お話ししていると、まるで関西人かな?と思うぐらい、上手な返しがきます(笑)。残念ながら写真はNGとのことで、ぜひ会いに行ってみてください。

あまりにもお料理に感動したことなどをお話ししていると、こんなことを言ってくださいました。「うちのご飯は、3度おいしいんだよ。1度目は、見ておいしい。2度目は、食べておいしい。3度目は、お腹の中に入ってもおいしい。でしょ?」と。

本当にその通りです。お皿や盛り付け、彩りなど美味しそうな見た目。そして味わって感じる美味しさ。そして、採れたての野菜がたっぷりで、添加物の入っていないお料理だからこそ身体も喜んでいます。

今回初めてお伺いしましたが、お母さんのお人柄にもお料理にも、もう大ファンになりました!! 心もお腹も身体も元気になれる、これは小千谷市のパワースポットですね(笑)。

せっかく新潟に来たんだすけ、新助のランチ食ってけて~!

そして、大切なことを最後に申し上げます。

季節のランチのお値段はなんと……2,200円!! こーーーんなに手間暇かかった美味しいお料理が、品数たっぷりでこのお値段。思わず「お母さん、もっと値上げしてもいいですよ?!」と言ってしまいました。

【農家民宿 新助 料金案内】
  • 昼食のみの利用/2,200円
  • 夕食のみの利用/3,000円〜4,000円
  • 鯉料理(10月下旬〜5月上旬)/3,800円(昼食・夕食同料金)
  • お弁当/1,000円〜(内容、価格相談可)
  • 宿泊/1泊1室1人8,000円(1泊2食付)
※いずれも事前予約制。上記は2024年4月取材時の価格。

春は山菜、夏は夏野菜、秋はきのこ、冬は冬野菜。四季を通して、里山の恵みを存分に楽しめる新助さん。宿泊では、1泊2食付きで、畑仕事、田植え、稲刈りなどの農業体験もできるそうです。あのお母さんとの農業体験だなんて、きっと楽しいだろうなぁ。ぜひ子どもたちを連れて遊びに行きたい!

これは、県内外の皆さんにおすすめしたい一軒です。ぜひ、お腹を空かせてお伺いしてみてくださいね。くれぐれもタッパーを持っていくことをお忘れなく(笑)。
農家民宿 新助

農家民宿 新助

新潟県小千谷市南荷頃3736-3
0258-59-2779
営業時間/昼の部11:00~
定休日/要問合せ
※2~3日前までに要予約

農家民宿 新助

この記事を書いた人
エムコネ

富山県生まれ、新潟市在住のママライター。 グルメな夫、子鉄の長男、肉食の長女、リアクション芸人の私、の4人家族。 外食費と娯楽費が家計を圧迫していますが、おいしいモノとたのしいコトを求めて日々開拓中!
Instagram : https://www.instagram.com/maconnect2022/