知る人ぞ知る!秘境・仏ヶ峰温泉「深山の里」でデジタルデトックスの旅/妙高市


2024年08月21日 910ビュー
一人一台スマートフォンを持つ時代。

旅先にいても仕事ができる反面、ゆっくりと体と心を休める旅をしていないという方も多いのではないでしょうか。

今回はスマートフォンの電波も通じない、いわゆる秘境にある宿泊施設・仏ヶ峰(ほとけがみね)温泉「深山(みやま)の里」でデジタルデトックスの旅を体験してきました。

もちろん施設内にWi-Fiはありません。
日常から離れ、心と体をリフレッシュしてみませんか?

山道の先にある、秘境の宿

妙高市と言えば、スキーリゾートや夏の登山、高原での避暑をイメージされる方が多いのではないでしょうか。

そんないわゆる観光エリアから離れ、妙高市の中心部から車で山道を登ること約30分。その先に今回の目的地「深山の里」はあります。

マップアプリで調べるといろいろな経路が出てきますが、メインルートはこちら。「小局」という集落を通って登っていくルートが1番おすすめです。
道中では後ろを振り返ると、妙高市のシンボルである妙高山が。

裾野までしっかりと見渡すことができるんです!
おすすめ絶景ポイントはこちらの看板のある分岐地点。道も広いので、一旦止まって写真を撮ることも可能です。

こちらの分岐は分かりづらいですが、右に進みます。
※現在は工事中で鉄板が敷いてあります。走行にはご注意ください。 また平日は通行止めになっている可能性があります。 平日にご利用の方はご予約の際に通行可能ルートをあらかじめご確認ください。
その先はしばらく民家のない山道が続くので不安になりますが、看板が出てくるまでは道なりにゆっくり進みます。

もう一度「深山の里」の看板が出てきたら、左に降りていくと、前方上の方に目的地が見えてきます。

周りにはポツポツと民家が。それ以外は360度緑に囲まれた、まさに「秘境の地」です。

「深山の里」があるのは、妙高市寸分道地区。現在は4世帯7人が暮らす小さな集落です。

秘境・仏ヶ峰温泉「深山の里」に到着

深山の里は宿泊も可能ですが、ランチと温泉(休憩)のみの利用もできます。

今回は私も家族と一緒に、深山の里でランチと温泉を体験してきました!
迎えてくれたのは「深山の里」を管理・運営している阿部孝子さんと、寸分道地区で活動している地域のこし協力隊(注1)の山口起麻(やまぐちたつま)さん。

お二人に施設や地域の魅力を伺いながら、秘境の1日を堪能してきました!

ウェルカムドリンクはヤマブドウジュース

まずは2階の広い休憩室に案内してもらい、腰を休めます。宿泊の場合はこちらが泊まるお部屋になります。

窓からは心地よい風が通り抜け、どこもかしこも緑の景色に癒されました。

そんな環境に感動していると、阿部さんが何やら紫色の飲み物を運んできてくれました。
こちらは阿部さんが手作りしたヤマブドウジュース!
これがめちゃくちゃ甘くて美味しい!

普段ジュースをあまり飲まない4歳の息子も、珍しくゴクゴク…! ボトルごと出していただいたのですが、あっという間になくなってしまいました。

※ウェルカムドリンクは、数に限りがあるのでお出しできない場合や、季節によって内容が変わる場合があります。

山の恵みを味わう「そばランチ」

今回楽しみにしていた一つが「深山の里」自慢のランチ。 メインのそばと一緒に、この地域で採れた山菜や野菜料理を味わうことができます。

まず出てきたのはこちらの前菜。
左から「よしなの塩昆布和え」「よしなのたたき」「みつばのおひたし」 どれもこの地域で採れたもの。

素材の味が生きた、身体にす〜っと馴染むようなやさしい味でホッとします。
また、そばが茹で上がるまでに出してくださったのがこちら。

そばの切れ端を揚げたもの。 これは息子が大ハマり!あっという間になくなってしまいました!

地域で守られてきた在来種のそば

そばは寸分道地区内で阿部さんを中心に栽培しており、完全な地場産。

阿部さん「この辺りのそばは一般的なそばよりも実が小さいんですよ。」

昔から地域の人たちで守ってきた在来種を石臼で挽いた手打ちそば。

素朴な味わいですが、コシがあってとっても美味しかったです!

こんなの食べたことない!山菜と野草の天ぷら

そばランチには、この地域で採れた山菜や野菜の天ぷらが付きます。

取材に伺ったのは6月中旬。

「ちょうど山菜も少なくなってきて、夏野菜もこれからなので、何もない時期なんですよ…。」 と阿部さんが申し訳なさそうに出してくれたのが、こちら!
左上から「よしな」「みつば」「クワの芽」「たんぽぽ」
下の段は「さつまいも」「うど」「ノブドウ」「アカツメグサ」

天ぷら塩は阿部さん手作りの山椒塩。

田舎暮らしの私でも、普段なかなか食べることのない山菜や野草のラインナップに興味津々でした。

特に「ノブドウ」は初めて食べましたが、ブドウの酸味をほんのり感じて新鮮でした!

あえて山菜や夏野菜の時期を外して来ると、なかなか食すことのない山の恵みに出会えます。

普段目にしている「たんぽぽ」や「アカツメグサ」もこうやって食べられるんだ!とわかり、新たな発見になりました。

地域の食材を使った豊富なメニュー

深山の里でのお食事は基本的にそばがメインになります。ただし、ご飯をご希望の方には笹寿司や竹の子汁を出すことも。

笹寿司にも「フキノトウ」や「カンゾウ」など地元産の山菜が乗っています。

その他にも「夏野菜のブルスケッタ」や「セリの餃子」など、豊富なメニューを紹介していただきました。

阿部さん「食事に関しては、調味料からお料理に至るまで、なるべく地元のものを使い、手作りすることを心がけています。」
▲夏野菜のブルスケッタ
▲セリの餃子

身体が一気にデトックス!リピーター続出の温泉

お食事の後は、もう一つのお楽しみ、温泉へ。

阿部さん「お風呂を気に入られて、リピーターになってくれる方も多いんですよ。」

いざ、入ってみるとその瞬間にお肌がツルツル! 体全体がポカポカと温まって、とても気持ちの良いお湯でした。

また入った後は、どっと疲れと眠気が。 この日は帰宅後、家族みんなで早く寝てしまいました(笑)

体全体がものすごくデトックスされた感覚があり、翌日は体の調子がスッキリ!我が家はすっかりこちらの温泉を気に入ってしまいました。

生き物好きにはたまらない!おすすめの周辺散策。

深山の里を十分堪能した後は、阿部さんと山口さんに周辺でのおすすめの過ごし方を伺いました。

阿部さん「自然以外、何にもないですけど。動物や昆虫、植物が好きな方は多分ハマるんじゃないかな。山口くんもそうだけど。」

山口さん「はい。僕も生き物が好きで、寸分道での暮らしを楽しんでいます。あと、近くで渓流釣りができるのも楽しみの一つかなと。あまりたくさん人が来る場所じゃないので、魚が人慣れしてないというか警戒心がなくて。そこらじゅうでイワナが釣れる穴場スポットになっています。」


そばオーナーになって、第2のふるさとに。

また「深山の里」には、そばオーナー制度も。年間通して、そばの種まき、刈り取り、そば打ちに参加でき、寸分道地区の魅力をより近くで感じることができる制度です。

現在は10組ほどが参加しているとのこと。

阿部さん「他にも、個人的に田んぼをやってみたいという方やここで金魚を育てている方もいます。どの方も県外の方で、寸分道を第2のふるさとのように想って通ってくれているんです。」

現代の日常から離れ、心と体を癒そう

「深山の里」の利用には、宿泊でもランチ・温泉のみでも予約が必須です。

その代わり、一歩寸分道地区に足を踏み入れれば、大自然に囲まれたプライベート空間が待っています。

阿部さん「ここはスマートフォンの電波も入らないし、Wi-Fiもありません。でもお客様の中にはそれがいいと言って来てくれる方もいます。」

便利な旅ができる現代だからこそ、あえて「何もない場所」が必要なのかもしれません。

たまには日常から離れ、心と体を休める旅に出てみませんか。


(注1)地域おこし協力隊のこと。妙高市では「地域のこし協力隊」と呼んでいる。地域ブランドや地場産品の開発・販売・PR等の地域おこし支援や、農林水産業への従事、住民支援などの「地域協力活動」を行いながら、その地域への定住・定着を図る取組。
深山の里

深山の里

住所:新潟県妙高市下平丸5613
※マップアプリで検索の際は上記住所で検索できない場合があります。
その場合は「深山の里」もしくは「寸分道集落センター みやまの里」で検索してください。

電話:0255-75-2028
メール:fkr12764@gmail.com
営業日:ご利用(宿泊、ランチ、入浴)の際は事前予約が必要です。
予約方法:メールor電話にてお問い合わせください。
※メールの方が確実です。
※留守電の場合は、お名前と電話番号を入れてください。後日かけ直します。

深山の里

この記事を書いた人
諸岡江美子

千葉県出身。新潟県に移住して10年。雪国の暮らしの知恵が好きで、地域のじいちゃんばあちゃんから教わったことを日々研究中。古民家で夫、子どもと田舎暮らしを楽しみながら、フリーでライターやインスタ集客をやっています。
https://note.com/emiko_writer