ふんじゃったらできちゃった?百年みやげ「柿の種発祥の地」で知って食べてお買い上げ!/長岡市


2025年03月02日 23ビュー
新潟のおみやげといえば笹団子や日本酒などいろいろありますが、やはり外せないのは「柿の種」でしょう!
その柿の種の誕生から百年を記念して2024年の10月にオープンした施設を訪ねました。
場所はJR長岡駅から車で10分と少し、長岡市摂田屋町の浪花屋製菓本社敷地内です。
こちらの「新潟・長岡 柿の種発祥の地」は柿の種の良さを発信し、味わうこともできる文化発信拠点にして直売所です。
施設は浪花屋製菓の元本社事務所を改装したもので、1969年の本社移転前からすでにあった建物とのことです。古民家好きにはたまらない外装ですね。レトロな格子窓など大好物です!

うっかりふんじゃったことから始まる百年の物語

「柿の種進物缶」に描かれた絵をモチーフにしたイラストが壁を飾る施設内には、柿の種の誕生秘話や歴史を学べる展示やシアター、直売所があります。
年表にある二次元コードからは「ぱっかぱっか ぽーこぽーこ いーなか道」から始まり「元祖浪花屋の柿の種」でしめる県民なら頭に残っているであろうあのCMソングを聞くこともできます。望めば1番から6番までも!
そして展示されているのは柿の種誕生のきっかけになった「金型のレプリカ」です。
ある日、創業者・今井與三郎氏の奥さんがうっかり金型を踏みつぶしてしまい小判型の金型が三日月型になってしまったそうです。
当時の金型は高級品だったため仕方なく変形したままの金型を使ってあられを作ったところ、お客さんに「果物の柿の種に似ている」と言われそこから「柿の種」が誕生したとのことです。
なんで柿の種って名前なんだろうな~、とぼんやりとは思っていたのですが、ふんじゃってゆがんだことから偶然生まれたとは!
もし「小判あられ」なんて名前だったら「柿の種」よりインパクト弱かったかもしれませんね~。
レプリカですが踏まれた場所の反対側から見るとゆがんでいない元の形が分かります!
展示以外にも常設の「シアタールーム」があり、柿の種の歴史やこだわりの作り方が分かります。
浪花屋(なにわや)の名前の由来は大阪の人からうるち米ではなくもち米で作るあられの作り方を教えてもらったからとか、柿の種が県内各地で生産されているのは商標登録をしないで柿の種が業界全体に広まるようにしたからとか、おみやげを渡す時にさりげなく添えたくなる雑学が身に付きます!
なんとなーく「なんで越後なのに浪花屋やねん」とか「なんで元祖ってつくのかな」とか思っていたささやかな疑問が解決しましたよ~。

きき酒ならぬ「きき柿の種」?ができる柿の種バイキング

そのシアターを見るときにポリポリ食べていてもいいというコーナーが無料で楽しめる「柿の種バイキング」です。
元祖の味のほか、県産もち米のみを使ったもの、ソフトな味にしたもの、逆に大辛口にしたもの、甘じょっぱい柿チョコなどいろいろと食べ比べできます。
ただ容器の中に何種類も入れるとどれか分からなくなるので(失敗経験者は語る)、2種類くらいごとに食べ比べるのがいいかと思いますよ~。比べてみると自分好みの味や食感が見つかるかもしれません。

人気商品からマニアックな限定アイテムまでこれが浪花屋テイスト

他にも施設内ではいろいろな商品を購入することができます。
特にこの直売所でしか買えないのが「徳用柿の種」、「徳用大粒柿の種」(各500円)です。
お得にたっぷり入っていて徳用柿の種にいたっては500gで500円ですから、なんと1gで1円です!もうコタツに入って朝から晩までずっとボリボリできますね!
そしてたまにしか販売できないためか、店頭に並ぶとすぐに売り切れてしまう幻の商品がこの「大粒柿の種C品」(200円)です。
割れたりくっついたりしてしまった柿の種を集めたもので、実際に買って食べてみましたが食感や味にバラつきがあり、いい意味で不揃いの柿の種たちでした。
他にも贈答用の変わらぬデザイン、うちのおばあちゃんはお菓子の保存箱に使っていた「元祖柿の種缶入り」や、気が付けばこちらも誕生から30年たつ「柿チョコ」各種、同じグループ会社の阿部幸製菓の大ヒット商品「柿の種のオイル漬け」など人気商品もそろっています。
さらに柿の種ファンにぴったりの「柿の種Tシャツ」もあったのですが、脇にはなぜか「消雪パイプTシャツ」が!
いやいやなんで消雪パイプ??と思ったのですが創業者の今井氏が消雪パイプを発明した人だったからだとか。
こういうマニアックすぎる商品大好きです!消雪パイプファンや水道関係のお仕事の方、いかがでしょうか?
そうして並んでいる商品の下には1981年頃のCMで使われた後、ずっと倉庫で眠っていた超特大サイズ柿の種缶が陳列台としてセカンドライフを満喫していました!

ころんでもくじけない「失敗は成功のタネ」神社!

また「発祥の地」の外には柿の種の誕生秘話にあやかり「失敗を成功に変える」「諦めないで続けてほしい」という願いを込めて食に関する神様を分社していただき建立した「柿の種神社」もあります。
さりげなく敷石は柿の種の形です!ぜひご利益にあやかりたいものです。
ころんでもくじけないといえば見附市で復活した「今町べと人形」とコラボした「柿の種べと人形」(なくなり次第終了)なんて商品もありました。
あの良寛さんが「人の投げるに任せ、笑うに任せ、それでも一物も気にすることの無い」と大絶賛した「おきあがりこぼし」が頭と体に柿の種をくっつけているなんて!
個人的に新潟の土人形は大好きなんですが、思いがけない出会いや再会があるのが旅の醍醐味ですね!
ご説明をしていただいた商品管理部の瀧澤健人さんは「百年続いたのはお客様がずっと食べ続けてくれていたからで、これから先も柿の種をもっともっと好きになってもらうために、この発祥の地で楽しみながら知っていただきたい」とお話しされていました。

浪花屋製菓のモットーは「安心・安全」だそうですが、その基本を踏まえた上で楽しめるバイキングがあったり、消雪パイプTシャツや柿の種べと人形・柿の種神社などちょっと変わった商品や場所があったりと、「あそびごころ」と「形にとらわれない発想」にあふれたスポットだと感じました!
おまけ:「発祥の地」がある摂田屋町といえば、お酒や醤油、味噌の醸造蔵が集まる地域として有名です。
機会があればこちらも訪ねてみてください。
新潟・長岡 柿の種発祥の地

新潟・長岡 柿の種発祥の地

住所:長岡市摂田屋町2680
電話:0258-86-7033
営業時間:10:00~16:00
休業日:日曜祝日(土曜日不定休)
駐車場:14台

この記事を書いた人
まきたろう

若い頃は自転車日本縦断や四国八十八ヶ所の歩き遍路など旅を住み家とし、新潟に戻っても漂泊の思いやまず仕事の傍ら県内外をさ迷っている人生まだまだ旅の途中の人。 昭和とか縄文とか古いものが好き♪五泉市在住。