この一杯がフードバンクの応援にもなる!みんなの居場所「宮町食堂」「つばめベース」/燕市


2025年01月30日 97ビュー
余っている食品を寄付してもらい支援が必要な人たちに提供するフードバンクって、食品ロスと生活支援のどちらにも役立つ取り組みですよね。
そんなフードバンクが運営しているという、ちょっと興味深いお店があったので訪ねてみました!
場所はJR燕駅から歩いて5分ちょっとの宮町商店街にあります。
また車で行く場合は駐車場がお店の裏手にあります。
二つあるうちの奥の大きい駐車場はものづくりのまちにふさわしい工場跡を利用したものです。
昭和レトロ愛好家としてはこの駐車場が使えるだけでテンション上がります!

美味しいだけじゃなくて食べるほど誰かの役に立つ食堂

そこから歩くこと少し、NPO法人「フードバンクつばめ」が2023年11月から運営をはじめた宮町拠点の「宮町食堂」があります。
明るく落ち着いた店内に入りメニューを広げると、ランチのグランドメニューは「名物鶏天丼セット」のみ!(2024年10月から)
他は月替わりもしくは週替わりのメニューになっています。料理長の小川潤さんは14年ほどイタリアンの料理人をされていたとのことで、この日は「油淋鶏定食」などの定食、うどん、そばのほか、イタリアンな「小エビとキノコのジェノベーゼパスタセット」がメニューにありました。
イタリアンのプロが作るパスタも気になるのですが、ここは名物の鶏天丼セット(990円税込)をチョイス。
鶏天をひとくち。や、やわらかい!豆腐かはんぺんの天ぷらなのではと疑うほどの柔らかさです!
国産鶏ムネ肉を秘伝の切り方と秘伝の漬け込みで仕上げるため、柔らかくジューシーな鶏天になっているそうです。
ただこれだけのために繰り返し訪ねたくなる美味しさです!

天丼の中にはいろいろな野菜天ぷらも入っており、冬場はサツマイモなど種類が限られてしまいますが地元産の野菜をできるだけ多く使うようにされているそうです。地産地消っていいですね~。
デザートには「自家製昭和プリン」(450円)を注文。
昔ながらの固めのプリンは地元で養鶏をしている「ツバメファーム」のこだわりの卵を使っているとのことで、卵の味が濃い一品でした!
こちらは17時から「宮町酒場」と名前が変わる、食堂は夜更け前に酒場に変わるだろうというホーリーナイトなお店です。
夜のメニューでは揚げ物や焼き物の他にアヒージョなどのイタリア料理も味わえるようです。
一人でも大勢でも、お出かけして食事をするってそれだけで地域との交流なんだと思います。
「地域に根付き、誰とでもコミュニケーションのできるお店」を目指すこちらの収益の一部はフードバンクの運営に使われるそうです。
美味しい食事ができてそれがフードバンクの役に立つなんてちょっと嬉しいですね!
宮町食堂

宮町食堂

住所:燕市宮町5番1号1F
電話:0256-46-0512
営業時間:11:00~14:00
     17:00~22:00(L.O.21:00)
定休日:日曜日
駐車場:27台

子どもも大人も楽しめるみんなの秘密基地

次に歩いて1分未満(独自調べ)、スープの冷めない距離にあるのは、昔に比べすっかり少なくなった子どもたちの遊び場・居場所となるようにできた仲町拠点「つばめベース」です。
関係者のみなさんで空き物件をDIYで改修した(さすがものづくりのまち!)複合型支援施設で、ついつい買ってみたくなる駄菓子コーナー、卓球台&ハンモック、絵本やおもちゃのあるフリースペース、リサイクルスペースなどがあります。
大人が本気を出して作った秘密基地ですね!
その奥にどなたでも利用できるカフェスペース「喫茶すずらん」があります。
施設の前の通りが以前すずらん灯があったため「すずらん通り」と呼ばれていたことに由来するそうです。

ということでその名にちなんだ「すずらんクリームソーダ」(550円税込)をお願いしました。
まるみのあるフォルムはすずらんの花をモチーフにしているそうで…って、すずらんデッカ!
3、4人で頼んだら迫力のあるすずらんの花になりそうですね~!
見た目も味も楽しめる一杯です。
他にも「バナナジュース」やサイフォンで入れる「ブレンドコーヒー」などもあるのですが、
子ども向けの小さめのグラスで出るみかんジュースやソーダの「キッズドリンク」(100円~200円)があるのも家族連れには嬉しいです。
静かな平日昼間に行くのもいいし、放課後や休日に子どもたちのにぎやかな声をBGMに過ごすのもまた楽しいかもしれません。

こちらのカフェスペースと宮町食堂では日曜や長期休みに子ども無料・保護者有料で食事を提供する「子ども食堂」を開催しています(予約制)。
宮町食堂と同じくこの喫茶すずらんもこうした活動に役立っているんですね。
こちらでは一般的なフードバンク活動の他に「新潟コミュニティフリッジ」という真新しい取り組みをされています。
これは「公共冷蔵庫」とも言われ、登録者だけが電子ロックの部屋の中から月2回、24時間好きなタイミングで寄付された食料品や日用品を受け取れる仕組みで、新潟では初の取り組みだそうです。
また不要になった衣類や生活用品を持ち込み、必要なものと交換できる昔話のわらしべ長者のような「生活用品リサイクル事業 ZUPPE(ずっぺ)つばめ」、「無料塾つばめ寺子屋」、クリスマス会や餅つき会などの「交流・イベントの場」などがあり、スタッフとして「地域おこし協力隊」の志村春香さんを受け入れるなど多種多様&最先端の取り組みをされています。
こうした寄付やボランティアって馴染みがないと二の足を踏んでしまうものですが、気軽にカフェスペースや駄菓子コーナーを訪れて、興味が湧いたら活動に参加してみるなんていかがでしょうか?
「ジュース一本、缶詰一個から寄付を受け付けています」とのことです。
つばめベースの入り口には上のような文章が壁に書かれていました。
副所長の鈴木あかねさんによれば、つばめベースができてから「子どもを見かけなくなっていた商店街に子どもたちの姿が戻ってきた」という声を周囲から聞くそうです。
県内各地の商店街にこういう施設ができてくれたら活気が出ていいなあ~。

聞いたお話やつばめベースの入り口壁面や、宮町食堂のメニューに掲げられた文章などから「幼児からシニアまで、ひとりでもみんなでも楽しめる居場所」づくりへの並々ならぬ熱意を感じる場所でした!
つばめベース

つばめベース

住所:燕市仲町3-10-1
電話:0256-46-8805
営業時間:11:00~18:00
定休日:月曜日・火曜日
駐車場:27台

おまけ

すぐ近くには図書館、セレクトショップ、ギャラリーなどの複合施設「まちトープ」も新設されていますし、
何やら新しい風を感じる商店街を歩いてみるのはいかがでしょうか!
この記事を書いた人
まきたろう

若い頃は自転車日本縦断や四国八十八ヶ所の歩き遍路など旅を住み家とし、新潟に戻っても漂泊の思いやまず仕事の傍ら県内外をさ迷っている人生まだまだ旅の途中の人。 昭和とか縄文とか古いものが好き♪五泉市在住。