世界屈指の豪雪地 魚沼 守門でリトリート!里山の恵みと心の豊かさにふれる旅/魚沼市


2026年06月03日 23ビュー
あなたは「守門」を訪れたことがありますか?


新潟のどの辺にあるかご存じですか?


「守門」・・・・・読めますか?

日本、いや世界屈指の豪雪地「守門地区」

唐突に失礼しました。

「守門」はすもんと読みます。魚沼市と福島県との県境近くにあります。
かつては守門村という自治体でしたが、2004年に近隣町村と合併し魚沼市になりました。
日本、いや世界屈指の豪雪地です。
テレビの大雪中継で目にしたことがあるという人も多いのではないでしょうか。

とはいえ守門がどんなところか、ご存じの方は少ないのではないでしょうか。
同じ中越地区で育った私ですらよく知りません。

でも調べてみると、思ったより遠くない。国道17号線から15分程度で行ける。
魚沼インターや小出の町なかなら30分弱、長岡でも山越えで1時間もかからないみたい。
面白そうなスポットもありそうだ。
守門にどんどん興味が湧いてきたので、週末にぶらり旅してきましたよ。
 
守門の有名な観光地として国指定重要文化財の「目黒邸」と「佐藤家」があります。
こちらについては以前たびきちで紹介していますので、リンクの記事をご覧ください。

今回は雪がもたらす里山の恵みとそこに暮らす人たちとの交流がメインです。
旅のスタートは守門の玄関口 越後須原駅
無人駅ですが、コミュニティースペースも併設されています。
鉄道ファンに人気の只見線。小出駅と福島県会津若松駅を結んでいます。
車窓からは紅葉をはじめ四季折々の景色を楽しめます。
運行本数が少ないので、旅の計画を立てる時はご注意ください。

守門の人をつなぐ「元気すもん村」

守門の情報を入手するなら、まずはここ。直売所の「元気すもん」
須原駅からも近く、目黒邸の真ん前にあります。
運営するのは守門地域を元気にしたいという有志が集まった地域団体「元気すもんプロジェクト」です。
出迎えてくれたのはプロジェクトの中心メンバーのひとり、大滝 義隆さん。
新潟市出身で大学進学を機に東京で生活していましたが、県主催のプログラムで魚沼を訪れたことがきっかけで地域おこし協力隊として2019年に移住。
現在も横浜との二拠点生活を続けています。
「ありのままで、自然に生きよう」をモットーに、地域の橋渡し役として活躍中。
鍼灸師やスポーツトレーナーの活動も行うなど、守門の人たちの体と心を癒す存在となっています。
 
直売所で販売している地域に伝わる昔ながらのお菓子「あげ干飯」。
食糧が乏しかった時代に、お釜に残ったご飯を集めて天日干しで乾燥させて保存食の「干飯」にしました。
その干飯を油で揚げ、砂糖と醤油で絡めたものをおやつとして食べていたそうです。
軽い食感と甘じょっぱい味でついつい手が伸びてしまいます。
おやつはもちろん、お酒のおつまみにも合いそうです。
地域の人が作る木炭も販売しています。
小出を中心に魚沼は生モツ焼きが盛ん。BBQで楽しむ人も多く木炭の需要もかなりあります。
キャンプなどでBBQを考えている人は、せっかくなら魚沼産の木炭を使用してはいかがでしょう。
プロジェクトが作成した守門情報が盛りだくさんの「すもんガイドブック」も販売しています。


 
直売所はカフェも併設しています。
軽食やスナック、ドリンクなどのメニューがあります。地元産ハーブを使用したジェラートも販売していますよ。
守門を散策したいけど交通手段が。という人に朗報!
直売所でレンタサイクルサービスを実施中。
守門の町なかなら2時間あればぐるり回れます。
1泊2日プランもあるので宿泊や遠出もできますよ。

町なかは平坦な場所が多いので楽々サイクリング出来ます。
自転車の台数が限られているので、レンタル希望の人は事前に問い合わせしたほうが良さそう。

直売所ではシーズンを通してマルシェなど様々なイベントを開催しています。
なお営業は土日のみなのでご注意を。
元気すもん直売所

元気すもん直売所

住所 新潟県魚沼市須原1373-3
営業日 5月~11月の毎週土日
営業時間 9:00~15:00

雪がもたらす極上のお酒「越後ゆきくら館」

次に紹介するのは、守門を代表する企業の「玉川酒造」さん。
酒蔵見学ができる「ゆきくら館」はランドマーク的存在です。
越後須原駅からも近く、アクセスのよい場所にあります。
到着して目に飛び込んできたのは巨大な塊。なんじゃこりゃ。
これは玉天然の貯蔵庫「ゆきくら」。雪を積み上げて特別なシートでくるんでいます。
傍らに立っていただいたのは、玉川酒造の観光部長でゆきくら館店長の大塚 照男さん。
いかに大きいか一目瞭然ですね。
ゆきくらは秋にかけて徐々に小さくなり、雪が消えるころにまた冬がやってきます。
創業は1673年と350年以上の歴史を持つ玉川酒造。歴史の古さは新潟でも三本の指に入ると言われています。
目黒邸の六代目当主が高田藩主より免状を得て酒造りを始めたのが始まりで、現在は19代目。
伝統を守りながら、ゆきくら貯蔵をはじめ名水百選にも選ばれた「龍ヶ窪」の雪解け水を使用するなど、地域資源を活用した酒造りを行っています。
2023年にはNHKの番組で六角精児さんが訪れたことで話題になりました。
ゆきくら地下の貯蔵室です。
室温は1℃。夏でもほとんど変わりません。
低温多湿で振動がない雪中貯蔵は酒造りに理想的な環境で、まろやかな口当たりと香りのよさを引き出すそうです。
ここに貯蔵しているのは大吟醸原酒「越後ゆきくら」。
魚沼産の山田錦を35%まで精米。
湿気から守り品質を保つために1本1本ビニールに包んで保護し、雪中貯蔵で熟成させています。
玉川酒造の伝統と技術を注ぎ込んだ最高傑作で、関東信越国税局内の酒造会社189場の頂点に輝くなど高い評価を得ています。
実際に酒造りを行っている造り蔵も見せていただきました。
酒造りは冬場が最も忙しく、訪れた4月は作業も一段落していました。
初夏に入ると梅酒作りが始まり、その頃訪れれば実際の作業風景も見学できるそうです。
これはちょっと興味深い。見に来てみようっと。
創業からの伝統を受け継ぐ玉川酒造の代表銘柄「玉風味」。国内外で数々の賞を受賞しています。
魚沼の里山料理との相性も良く、地元で長く愛されています。
 
注目のお酒はこの「越後武士(えちごさむらい)」。なんとアルコール度数46度!
一般的なウォッカよりも高アルコールです。
酒税法により日本酒(清酒)の度数は22度未満と定められているため、リキュールに分類されています。
製造後一年間のタンク貯蔵によりまろやかに熟成させてから出荷しています。
冷凍庫に入れると凍らずにとろりとした舌触りになるとか。
それをオンザロックやライムなどの果汁を加えて飲むとキレのある味わいに変化。
味の違いを楽しめますよ。
試飲コーナーでは玉風味や越後武士をはじめ、玉川酒造のお酒を無料試飲することができます。
ボードに書かれた味わいチャートを参考に、自分好みのお酒を見つけてください。
試飲回数制限がないのも嬉しい。
梅酒やゆずのお酒などのリキュール種もありますよ。
大吟醸越後ゆきくらのみ1杯300円です。
売店にはお得なセットも販売しています。
お酒のほかにも化粧品や雑貨もあります。
ゆきくら館は元旦以外無休で営業しているのでぜひお立ち寄りください。

里山の魅力がすべて揃った 集いの場「ものずき村」

そして、守門を語るうえでここは外せないでしょ。
国道252線沿い、大きな看板が目印の「ものずき村」
ネーミングのとおり“ものずきなジサマ バサマ”が運営している直売所です。
村を立ち上げたのは仲丸幸さん(真ん中)と酒井功一郎さん(右)、佐藤良孝さん(左)の3人。
3人は趣味で雪割草などを育てていた山野草仲間で、愛好家が株を交換したり情報交換をする場を作ろうとしたのがきっかけです。
せっかくなら地域の人たちがお茶を飲める場所を作りたいと資金を集め、2007年に“開村”しました。
「村長」は仲丸さん。酒井さんが「助役」、佐藤さんが「収入役」に就任。
それぞれの経歴や得意分野を生かして村を運営してきました。
山野草だけでなく、山菜や野菜、地域の特産物や加工品などを販売。地域の魅力発信に大きく貢献しています。
大切にしているのは、生産者のジサマ バサマが気軽に集える場所にすること。
そして新鮮な山菜や野菜をお求めやすい価格で提供し、里山の魅力を存分に味わってもらいたいという思いです。
開村して来年で20年。これまで大変なことも多かったそうですが、皆で知恵を出し協力し合いながら運営してきました。
店番やレジも当番制で担当し、和気藹々な雰囲気の中でそれぞれが役割を果たしています。
開店前から、すでに多くの人。
県内外からくるお客さんのお目当ては山菜です。
魚沼は山菜の宝庫。雪どけとともにミネラル豊富な里山に山菜が芽吹きます。
ふきのとうから始まり、こごめ、木の芽(あけび)、うど、うるい、わらびなど時期に応じたとれたての山菜を購入できます。
店頭に並んだ傍から飛ぶように売れていき、特に週末は午前中でほぼ無くなってしまうとか。

その季節ごとに旬のものを楽しめるのがものずき村の魅力。
山菜シーズンが終わると夏野菜やスイカなどの果物、秋はきのこと・・・・そして魚沼コシヒカリの新米!
来るたびにおいしいものであふれている、これぞ里山の贅沢です。
 
店内ではお米を始め加工品やジャムなどを販売しています。
個人的1推しは「トンボちまき」!
新潟に古くから伝わる郷土料理で、もち米を笹で包んでゆっくり茹で上げ、きなこなどをつけて食べます。
ちまきづくりの名人のバサマが心をこめて作っています。
しっとりとしたもち米のちまきにきなこのほんのりとした甘みがからんで、これがまた美味なんです。
三角形の形も美しい。ぜひお試しあれ。
ものずき村のもうひとつの魅力、それは「そば処げんたん」
コメの減反政策をきっかけに栽培したそば粉を活用しようと、そば打ちが趣味の仲間が中心となって店を開いたそうです。
 
げんたんも地域のジサマ バサマが携わっています。
11:00のオープンから来店客がひっきりなしに訪れ厨房は大忙しですが、チームワークよく仕上げていきます。
 
サイドメニューの天ぷらも人気です。
山菜や旬の野菜を揚げた数種類から好きなものを選びます。
天ぷらやそばのテイクアウトもできます。
そばは食券販売機で購入し、券にかかれた番号が呼ばれたら取りに行きます。
つけあわせの神楽南蛮味噌もお忘れなく。
美味ですがピリッと辛いので取り過ぎにはご注意を。
地元産のそば粉とふのりを使用した二八そば。
しっかりしていて食べ応えがあります。
のどごしもよく、あっという間にペロリと平らげちゃいました。
店舗は通常ビニールで覆われていますが、季節の良い時期は景色を楽しみながら食事ができます。
(天候等により変更の場合があります)
営業時間は11:00~13:00ですが、そばがなくなり次第終了。
週末や観光シーズンは混雑が予想されるので、そばを食べたい人は早めに行くことをお勧めします。
ものずき村(直売所 そば処げんたん)

ものずき村(直売所 そば処げんたん)

住所 魚沼市三渕沢40-1
TEL 025-799-4801
営業期間 3月~11月(冬季休業)
営業時間 直売所:7:30~16:00 そば処げんたん:11:00~13:00 (なくなり次第終了)
定休日 水曜(祝日の場合は変更の可能性あり)

魚沼や食の魅力をもっと堪能したい方は、農作業シェアリングに参加してみるのはいかがでしょう。
農業シェアリングは、魚沼の自然と暮らしを維持し農作物の生産を持続させることと、関係人口を増やすことを目的としたプロジェクト。
都合の良いタイミングで来訪し農作業を行い、収穫物を皆で分かちあいます。
特に田植え作業は大賑わいになるとか。
季節ごとに移り替わるこの絶景での作業、心地よい汗が流せそうです。
自分たちで育てた魚沼コシヒカリの新米の味は、そりゃあもう格別ですね。
農作業シェアリングを担当するのは、ものずき村事務局の米本さんと渡辺さん。
米本さんは地域おこし協力隊としてかかわった後も活動をサポートを続け、渡辺さんは横浜からUターン移住しました。
地域の生産者から、アドバイスをもらいながら事業を進めています。

この日は田おこし作業を行い、参加者はトラクターにもチャレンジ。
最初は恐る恐るでしたが、慣れてくると気持ちよさそうに運転していました。

食材を購入したり食べたりするだけでなく、農作業に実際に携わることで里山の恵みを実感し、食や環境への意識も大きく変わります。
地域の人たちや参加者との交流で愛着がわき、何度も訪れたくなりますよ。

作業内容やスケジュールはホームページに詳しく掲載されています。
興味のある方はお気軽にご相談ください。

心と身体がほぐれる居場所 絵本の家「ゆきぼうし」

最後に紹介するのは小高い丘の上にある山小屋風の一軒家 絵本の家 「ゆきぼうし」
週末だけオープンする私設の図書館です。
図書館は2階にあります。
天井と大窓から差し込む明るい光で開放的な空間。
館内には絵本や児童書が約9,500冊置かれています。
入館は無料。
耳をすますと鳥のさえずりが聞こえる静寂な空間で、絵本を読んだり、ただぼーっとしてみたり。
思い思いのんびりとした時間を過ごせます。
ゆきぼうしのこれまでの歩みを代表の大平 光代さんにお聞きしました。
ゆきぼうしは、この地に移住してきた、教員経験を持つ大塚 中(あたる)さん・千恵さんご夫妻が1995年に設立。
最初は中さんが自然体験のワークショップを行っていて、その後「書物から得られる心の成長も大切」という思いから、絵本の図書館を作り千恵さんが館長になりました。
「森のおじさん」「絵本のおばさん」と親しまれたお二人に惹かれ、サポートする仲間も増えていきました。
大平さんもそのひとり。
子どもを連れて通ううちに自然とボランティアに参加するようになったそうです。
千恵さんが高齢で館長を続けることが難しくなり、ゆきぼうしの存続が危ぶまれる事態に。
せっかくみんなで作った居場所を失くしたくない。
仲間で話し合い、無理をしない形でできることを続けていこうと決め、縁あって大平さんが代表に就任しました。
施設のテーマは「自然と子どもと絵本」。自然と絵本の真ん中に子どもがいる、というご夫妻の強い思いを大切に引き継いで、協力し合いながら活動しています。
 
絵本の家の裏には、「フーのきの森」が広がります。
フーはホウノキのこと。
ホウノキなどの樹木が生い茂った森には、さまざまな植物や生き物が生息しています。
手作りのブランコやハンモックがあり、親子が安心して楽しく遊べます。
フーのきの森では、生き物観察会やコンサートなど様々なイベントが行われています。
この日は春の自然観察会が開かれていました。
森をぐるりと回り、春の息吹を見つけていきます。
 
この日の講師は新潟県ビオトープ管理士会 世話人の藤塚 治義さん。
奥只見レクリエーション都市公園の指定管理者を長く務めた魚沼の自然を知り尽くすエキスパートです。
藤塚さんのわかりやすい説明に大人も子どもも熱心に耳を傾けていました。
森のビオトープで水辺観察もできます。
子どもたちはボートを漕いで水中の生き物を見に行きました。

森の栄養たっぷりの水中には貴重な生物が息づいています。
白いかたまりの中はオオサンショウウオの卵が連なっています。

ふだん目にすることのない貴重な体験、これも里山の恵みですね。
自然観察会は季節ごとに行われているので、機会があれば参加してみてはいかがでしょう。

イベント予定はホームページやSNSで告知するそうです。
観光で訪れる人たちも気軽に訪れてほしい、と大平さん。
散策の合間に立ち寄ってみてはいかがでしょう。

ゆきぼうしは、賛助会員の会費やカンパによって支えられています。
現在応援団を募集中。活動に賛同する方はぜひお声がけください。
絵本の家 ゆきぼうし

絵本の家 ゆきぼうし

住所 新潟県魚沼市須原5192-1
開館日   毎週土日 
開館時間 12:00~16:00
冬期間は休館 詳しくは公式サイトやSNSでご確認ください

守門を縦断する国道252号線を並走するように流れる破間川。
高台から眺める守門岳や越後三山の景色。
雄大な自然に圧倒されて、美しい風景に癒されて、深く深呼吸したくなって、心が穏やかになり、そして元気をもらえた旅でした。

紹介しきれない魅力がまだまだあります。それはまた次の機会に。
ぜひ守門を訪れて、あなたのお気に入りの場所を見つけてくださいね。
 

守門リトリートマップ

この記事を書いた人
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小千谷→東京→朱鷺に惹かれて佐渡移住7年目。オカメインコを相棒に”しなしな”暮らしています。佐渡や新潟の旬、話題、グルメ・・・あれやこれや発信していきます。

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