【後編】佐渡金山の町がまるごとホテルに?! 「NIPPONIA佐渡相川 金山町」で心に深く刻む旅/佐渡市


2025年02月28日 894ビュー
皆さん、こんにちは。取材ライターの新井まさみです。

世界文化遺産に登録された「佐渡島の金山」を有する、佐渡・相川(あいかわ)エリア。この地域に誕生した、佐渡初の分散型古民家ホテル「NIPPONIA佐渡相川 金山町」での滞在記をお届けします。

前編に引き続き、今回ご紹介するのは滞在2日目の【後編】。朝ごはんからスタートです!

【2日目の行程表】
  • 「京町茶屋」でいただく朝ごはん
  • メイン棟「清水家」でお茶会に参加
  • 「Go-空」で裂き織り体験
  • 「SABO Yajuro」でお昼ごはん
  • 町人ぞ知る絶景スポットへ

絶景スポットでいただく佐渡の朝ごはん

宿泊プランに含まれている朝食は客室で味わうこともできますが、少し足を運び、朝食会場になっている「京町茶屋」へ。

この会場は、「NIPPONIA」の客室の一つでもあり、江戸時代から今もなお時刻を告げる時鐘楼(じしょうろう)の真向かいにあります。
会場に入った瞬間「わぁ」と思わず感嘆の声が! 

目の前に広がるのは日本海と佐渡の市街地。絶景を望みながら、ゆっくりと朝食を味わうことができます。
朝食は、地元のお惣菜店が手作りする佐渡を感じる朝ごはん。塩むすび、お味噌汁、おかずとシンプルで、町人たちが日常的に食べている味をそのまま提供しています。

おかずは日替わりで4種類。
  • マカロニサラダ
  • しあわせ豆腐のあげだし
  • 出汁巻き卵
  • 真竹のしそ漬け、きゅうりのからし漬け
達者集落の棚田で生産されたコシヒカリ「お達者米(おたっしゃまい)」を使用した塩むすび。もっちりとした食感と甘みの強さに驚きました! そして食べるとどこか懐かしく、ほっとするおいしさ。

日本海を眺めながら、手作りのおいしさをゆったりと堪能しました。

いつもとは雰囲気が違う、特別なお茶会に参加

朝食の後は、「NIPPONIA」のメイン棟である「清水家」へ。

この建物はもともと、佐渡の伝統的な焼き物である「無名異焼」の窯元で、瀬戸物屋を営んでいました。実際に焼いていた「レンガ」を通り土間に使ったロビーは、地域の人たちが交流できる場となっています。

実はこの日、「清水家」のロビーで茶道裏千家淡交会佐渡青年部による「クリスマス茶会」が。「一般の方も参加できるのでいかがですか」と事前にお誘いがあり、予約をお願いしました。このように、まちのイベントに参加できるのも同館ならではですね。
この日だけの特別な装いで彩られた「清水家」。わびさびの中にクリスマスの華やかさが加わり、いつもとは違う情緒を感じるすてきなひとときを過ごしました。

伝統工芸「裂き織り」体験に挑戦

1日目は佐渡金山の歴史とまちの文化に触れたので、2日目は体験をと思い、雨宮さんにご相談。
座禅体験や寺町鶴子銀山ツアー、季節によっては達者海岸でシーカヤック体験などさまざまなプログラムが揃います。
今回は、工作や手仕事が好きな娘とともに、裂き織り体験をすることに。

「NIPPONIA」から車で10分あまり、佐渡市稲鯨(いなくじら)にある「あとりえ Go-空(ごくう)」さんにおじゃましました。
裂き織りを教えてくださる岩崎さん。美容室を営む傍ら、裂き織りの作家・講師を務めます。

「岩崎さん、今日はよろしくお願いします!」
2階のアトリエには、4台の「ねまり機(ねまりばた)」があります。(※「ねまる」とは佐渡の方言で「座る」こと)

「裂き織り」は昔、海や山で働く人たちの仕事着として工夫されたのが始まりと言われており、古くなった布を細く裂き、機織り機で織り込んでいく佐渡の伝統工芸です。

同店では3つの体験から選ぶことができます(全て2,000円+送料、所要時間:2時間程度)。
  • コースター2枚
  • ランチマット1枚
  • フリー織り
実はこの体験、小学校中学年ぐらいからがおすすめとのこと。幼稚園年長さんの娘にはまだ早いかなと思っていたのですが、岩崎さんがマンツーマンで丁寧に教えてくださったので、楽しみながら完成させることができたんです! それもコースター2枚とも。
「やりたい!作りたい!っていう気持ちがあれば年齢は関係ないんですね」と岩崎さん。予約制でこぢんまりとした空間であり、岩崎さんがやさしく教えてくださったからこそ、小さな子どもでもチャレンジできたのかもしれません。

作った作品は、岩崎さんが端を整え、後日自宅に郵送してくださいます。コースターを見るたびに「じぶんでつくったんだよ! またさどにいきたい」と、すっかり佐渡のとりこになったようです(笑)。
あとりえ Go-空

あとりえ Go-空

住所:新潟県佐渡市稲鯨1447
電話:0259-76-2214 ※電話は美容室 髪絹人(しるくはっと)と同じ
定員:3名まで
※要予約

佐渡の野菜と高台の景色を堪能する、小さなカフェ

さて、いよいよ旅も終盤。昼食は、京町通りの入口にある「SABO Yajuro(茶房 弥十郎)」さんにおじゃましました。
同店では、珈琲や紅茶に加え、佐渡産の季節の果実を用いた手作りシロップのジュースを楽しめます。また、オーダーが入ってから一枚一枚焼き上げるワッフルも人気なのだそうです。
また、同店のInstagramから要事前予約・数量限定の、佐渡の野菜をたっぷり使ったオープンサンドも提供しています。

この日は取材が立て込んでしまい、帰りのフェリーの時間が迫っていたので、急遽特別にミニサンドバージョンで作っていただきました(涙)。

通常はもっとボリューミーなサンドが味わえますので、事前予約をして伺ってくださいね!
高台から望む、相川の山並みと日本海を眺めながら、カフェでほっとひといき。

「フェリーの時間が(汗)」と言いながらも、同店にいる時間は穏やかな時間を過ごすことができました。今度は取材ではなく、ゆったりと「佐渡時間」を堪能しに来たいなぁ。
SABO Yajuro(茶房 弥十郎)

SABO Yajuro(茶房 弥十郎)

住所:新潟県佐渡市相川弥十郎町1-6

「NIPPONIA」だからこそ叶う旅

佐渡汽船両津港ターミナルへの帰路につくために、相川の旅のスタート地点である「きらりうむ佐渡」に向かう途中、雨宮さんに「ここはぜひ観ていってください!」と教えていただいたのが、こちら。
なんと、高台から見下ろす「北沢浮遊選鉱場」です。

今回は時間がないからと諦めていたのですが、最後の最後に観ることができました。それも、町人だからこそ知る名前のない場所で!
これには子どもたちも大喜び! 「NIPPONIA」で過ごす旅だからこそ、町人に溶け込んだ心に深く刻む旅が叶いました。

400年にわたって佐渡金山というすばらしい史跡を守ってきた、佐渡・相川の町人たち。「NIPPONIA」の誕生によって、より多くの相川ファンが生まれ、この先も長きにわたって大切な歴史と文化、そして人々の絆が守られていくことに違いありません。

「NIPPONIA」の雨宮さん、相川の皆さん、どうもありがとうございました!
NIPPONIA佐渡相川 金山町

NIPPONIA佐渡相川 金山町

住所:新潟県佐渡市相川二町目23番地
電話:050-1720-9976
E-mail:contact@nipponia-sado.jp

【今回の宿泊先】
NIPPONIA佐渡相川 金山町 左門町
住所:新潟県佐渡市相川左門町9-1

この記事を書いた人
新井まさみ

富山県生まれ、新潟市在住のママライター。 グルメな夫、子鉄の長男、肉食の長女、リアクション芸人の私、の4人家族。 外食費と娯楽費が家計を圧迫していますが、おいしいモノとたのしいコトを求めて日々開拓中!
Instagram : https://www.instagram.com/maconnect2022/