縄文人いたのかな?古代の新潟に思いをはせる「新潟市文化財センター(まいぶんポート)」/新潟市


2025年05月19日 24ビュー

新潟市の地面の下には、たくさんの歴史が埋もれています

こんにちは!縄文好きなバスガイドなぐもです!

新潟市には、実に800か所以上もの遺跡があるのをご存じでしょうか? そんな新潟の歴史に触れられるのが「新潟市文化財センター(まいぶんポート)」です。

旧石器時代から江戸時代まで――長い時間を経て発掘された資料や遺物の見学、また古代の生活を感じられる体験メニューを楽しむことができます。

今回は、そんな入場料無料で見学できる体験型スポット「新潟市文化財センター(まいぶんポート)」を紹介します!(一部、体験は有料)

「県内最大!ヒスイのまが玉!」

こちらは、約2,700年前の縄文人がヒスイの原石をまが玉の形に加工したもの。
新潟市江南区にある縄文時代の遺跡から発見された「県内最大!ヒスイのまが玉!」です。

ヒスイは重くて硬いことが特徴。写真中央のまが玉は38.9gなので、500円玉5枚くらいの重さ。

鉄がなかった縄文時代に、どのようにして正確にこのようにキレイな穴を開けることができたのでしょうか? 興味が広がります。

国内で見つかったヒスイはほぼ新潟県糸魚川産であり、縄文人の手によって加工され全国へ運ばれたということが、遺跡の発掘からわかっています。
縄文人は特にみどり色の石が大好きで、みんながとても欲しがったとされ、糸魚川産のヒスイは人気があり貴重でした。

ヒスイは2016年には「国石」に、 2022年には「新潟県の石」に認定されています。

いざ!まが玉つくり体験

いざ!まが玉つくり体験(200円)
土曜・日曜・祝日夏休み期間に予約不要で体験できます。
体験可能日と体験メニューは、ホームページから確認できます。
滑石(かっせき)という柔らかい石を紙やすりで削ってまあるく加工します。

すでに穴が開けてあり、面取りされているので簡単そうだ!
と、思ったのですが・・・。
水を張ったケースの中で、紙やすりを使って削ります。
最初は、粗目の紙やすりで面を取っていくイメージ。
滑石は柔らかいので、力がなくても大丈夫!

徐々に完成が近づくと、生じてくる気持ち・・・
こだわりというのでしょうか⁉「もっといいものを作りたい」という欲がでてきて、こだわり始めると、これがなかなか時間がかかるのです。

縄文人も同じ気持ちだったのかな?と想像しながら集中。

スタッフさんがいますので、難しい部分はお手伝いしてくれます。
スタッフさんは、センターの職員さんなので、様々な質問にも答えてくれます。

「ヒスイには、縄文人はどうやって穴を開けたの?」や「まが玉は、何のためにあるの?」など、専門家との会話も楽しいです。

 
細かい目の紙やすりでツヤツヤに仕上げ、最後にお好みの蛍光ペンで色を付けると完成!
みどり色の他にも、ピンク色やオレンジ色などに着色できますよ!
ひもの色を選んだら、首飾りにしてくれます。

形を丸くするまでに、こだわりの時間がかかりましたが、仕上げの段階にくるとあっという間に完成です。
所要時間60分 (粗目のやすりで形を整える時間が40分くらいかかりました)

新潟市から出土した土器や焼き物が壁一面に

展示室の入り口を入るとすぐ、新潟市から出土した土器や焼き物が壁一面に。
左が江戸時代→鎌倉・室町→奈良・平安→古墳→弥生→右が縄文時代の出土品。
反対側の壁には、古墳時代から室町時代までの木簡や木製品が展示されています。
木簡(もっかん)とは、文字を残すために昔の人が書いた木の札のこと。紙よりも手に入りやすく、削れば何度も書くことができたのです。

本当にそんなに昔の木の製品が残るものなのかな?

新潟市は沼地や湿地が多く、木簡のほとんどは水の中に浸かっていたため、通常では残りにくい木の製品が状態よく数多く残っているのが特徴です。

中には、おまじないに使った木札や九九を勉強するための木札もあるんですよ。

新潟市西蒲区の角田山の麓から出土した縄文土器

縄文土器というと「縄目の模様」というイメージですが、この土器は、うどん状に伸ばしたねんどでうずまきを付けたり、木や竹の棒を使って模様を描いたり、芸術的なデザインをしています。一点一点手作りで模様と形が異なるところも面白い。

中には、通常は見えない底面にまで模様を付けた土器もあります。
何の模様かな?何のための模様かな?想像しながら見学するのもおすすめです。本当のことはわかっていませんが、様々な角度で研究が進んでいます。

推し土器はこちら!

このセンターでの、私の推し土器はこちら!

新潟市秋葉区の縄文遺跡から発掘された「王冠型土器」
「王冠型土器」「火焔型土器」と並んで、新潟二大土器のひとつ。新潟を代表する土器です。

上の部分が王様の冠(かんむり)のような形をしているので名づけられました。
推し土器の「王冠型土器」は、駐車場脇に大きなモニュメントになっています。

お帰りの際には、見てみてネ!

日本遺産カード配布中

日本遺産「なんだ、コレは!」カード
全30種類のうち、こちらでは2種類ゲットできます!

カードをもらうには、日本遺産に認定されている文化財を撮影して受付で提示。各施設で文化財の撮影場所が決まっているので受付で確認してみてください。
先ほどの「王冠型土器」「アスファルト付着土器」のカード。

新潟市秋葉区は、昔から石油の産地として有名で、縄文人も石油が蒸発してできる天然のアスファルトを利用して矢じりや土器を接着するために使っていたんだよ。だから、秋葉区の新津丘陵ではアスファルトが付着した土器が大量に出土するのが特徴!
新潟市には、縄文時代より前から人々の暮らしを繋ぐ様々な知恵と工夫があったことがわかりました。

木や土、アスファルトなど、天然のものを手間をかけて加工して大切に使い続けた先人の想いをタイムスリップして感じ体験できる新潟市文化財センターに行ってみてください!

年間を通じて体験のスケジュールが組まれており、まが玉つくり体験の他にも弓矢体験、昔のお金つくり体験、火起こし体験などもあります。

館内は冷暖房完備で広い駐車場もあります。
施設見学は無料。一部、体験は有料です。

新潟市文化財センター(まいぶんポート)

開館時間
平日9:00∼17:00
土・日・祝日10:00∼16:00
(体験受付時間 10:00~11:00、13:00~14:30)


休館日
月曜日(祝日または振替休日の場合はその翌日)、祝日の翌日、年末年始(12月28日から1月3日)

新潟市西区木場2748-1
025-378-0480

この記事を書いた人
にいがた県内専門バスガイド なぐも 友美

旅行商品の企画・乗務。新潟県の魅力を発信し続けている。バスガイド歴30年以上。
「縄文イラスト作家」コロナ渦をきっかけに火焔型土器のイラストをデザインし商品化。
趣味は、新潟地酒を飲むこと・博物館と温泉めぐり。