本県在住作家が一人で作ったゲーム「アクアリウムは踊らない」コラボイベントが寺泊水族博物館で開催!/長岡市
2025年08月24日
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本県出身・在住のイラストレーターで、ゲーム作家の橙々さんが、なんと8年の歳月をかけて、たった一人で作り上げたというフリーホラーゲーム「アクアリウムは踊らない」(略称アクおど)。2024年にPC向けがリリースされたときには、わずか2日間でダウンロード数が10万回を突破し、大きな話題を呼びました。そしてついにNintendo Switch(ニンテンドースイッチ)のダウンロード版が8月1日に、パッケージ版が10月30日にリリースされることになりました! そのPRの一環として、「アクアリウムは踊らない」×「長岡市寺泊水族博物館」(略称てらすい)スペシャルコラボイベントが、8月23日から9月30日まで寺泊水族博物館で開催されることになったと知り、作者の橙々さんやゲームメーカーの担当者にインタビュー。舞台のてらすいにも行ってきましたよ!

作ったのは新潟県出身・在住の橙々さん
ゲームの作者である橙々さんは新潟県出身で、現在も県内で活動を続けています。当初は5人で制作を開始し、キャラクターデザインとイラスト担当で参加したものの、わずか1年ほどで仲間たちは次々と脱落していき、気が付けば橙々さん一人きりという状況に…。それでも続けたのは、自身が作ったキャラクターに対する愛情から。「このままでは終わらせない、自分が一つの物語を完成させて、君たちをいつか公開するから」そんな思いを胸に、独学でゲーム制作に乗り出したのが今から9年ほど前のことでした。
その時に橙々さんが作っていたキャラクターは、ゲームの主人公スーズ(左)、そして彼女の親友ルル(右)として生かされています。引き継いだのはキャラクターだけで、物語などは一人になってから全て自身でクリエイトしました。初めてのゲーム作りということもあり「トライ&エラーを何千回と繰り返し」ながらの作業が続きました。実は橙々さん、ホラーが苦手。にも関わらず物語の設定をホラーにしたのは「苦手だけれどホラーゲームは大好き。もしゲームが発売されることになったら、同ジャンルの大好きな作家さんたちの作品と同じ棚に並べたかった」という気持ちがあったそうです。
ゲームの舞台は水族館。スーズはプレミアム優待チケットを手に入れ、幼なじみのルルと一緒に、館長の妻・クリスの案内でガイドツアーを楽しんでいました。しかし館内でルルが行方不明になってしまいます。ルルを探すうちに、いつしか水族館そっくりの不気味な世界に迷い込んでしまったスーズの前に、剣を携えた軍服姿の女性・レトロ、水族館に閉じこめられているキティなど、次々といわくありげな人物が現れます。果たして彼女は親友を見つけて無事に脱出できるのか?という内容です。ホラーゲームとしての楽しみはもちろん、謎解き要素もあり、ミステリー小説好きの人にもおすすめの作品です。

物語のモデルの一つは寺泊水族博物館
ゲームを作るとき、橙々さんは実際にいくつかの水族館に足を運びました。そのひとつが寺泊水族博物館です。この館は橙々さんにとって、子どもの頃から何度も訪れている思い出の場所なのだとか。ゲームには同館で出会える海の生きものたちがいくつも登場します。というわけでいざてらすいへ!
てらすいは長岡市民にはおなじみの歴史ある水族館です。現在はおよそ200種類、5,000〜6,000匹の海の生き物たちがいます。入ってすぐの「1番水槽」で泳ぐのはウミガメ。ゲームでは、「ウミガメに話しかけてセーブをする」という流れだったため、見つけるたびにホッとしたことを思い出します。コラボ企画にあたり、ゲームメーカー「フロンティアワークス」の担当者も実際にてらすいに足を運び「あの大きさの亀が泳いでいるところを、下から見ることができたのは感動的だった」と語っていました。
※情報は取材時のもので、展示内容は変わることがあります。
※情報は取材時のもので、展示内容は変わることがあります。

ゲームに登場するものたちを見る
ゲーム中、一番印象的な登場をしたのがデンキウナギです。てらすいの展示と同じようなアレンジが施してあるので、プレイしながら細かい部分もしっかりチェックしてみてください。
水族館といえば海はつきもの。てらすいは日本海が目の前というロケーションです。ゲームの中でも、日本海をモチーフにした水槽がしっかり描かれています。
こちらはてらすいの屋上からの眺めです。のんびり水平線を眺めていると、潮風が吹いてきて心地よかったですよ!
ゲームにはペンギンも登場します。
てらすいでペンギンに会えるのは2階のペンギン広場。南米に生息するマゼランペンギンが16頭います。訪れたのは暑い日だったのですが、ペンギンさんは勢いよく流れ出る水に当たって気持ち良さそうにしていましたよ。
ゲームに登場する海の生き物は、まだまだあります。それがこちらチンアナゴ。寺泊水族博物館は、なんと新潟県内でチンアナゴを初めて飼育した館なのです。ちょろっと顔を出す姿が可愛いですが、体長は数十センチと意外と長いのです。「チンアナゴ」という名前は、犬の「チン」に似ていることから命名されたそうです。
タカアシガニもゲームで描かれていました。その名のとおり、足の長さが特徴的なカニです。なんと巨大な剝製も展示されており、スケール感はそちらのほうが分かりやすいかもしれません。ぜひ探してみてください。

新潟ゆかりのアイテムが続々
ゲームには花火、ニシキゴイ、たらい舟など、新潟ゆかりのアイテムがいろいろ出てきます。新津駅~会津若松駅(福島県)間を走る「SLばんえつ物語号」も参考にしたアイテムのひとつ。駅の名前「いずみ」は五泉をもじったものなど、気付くと「そうだったのか!」という小ネタがいろいろ入っています。スーズがSLに乗車したときオオグソクムシに出会うという場面もありました。てらすいには、オオグソクムシもいるのです。
てらすいでは、楽しいショータイムイベントが毎日行われています。その一つが「テッポウウオの餌取り射撃ショー」(10:00/11:00/1:00/2:00/3:15)。テッポウウオは水を飛ばしてエサを落として食べる変わった習性の持ち主で、その様子を見ることができます。こちら、橙々さんもお気に入りだそうです。

スペシャルコラボの内容を紹介
スペシャルコラボでは、このイベントのために橙々さんが描き下ろした「スーズ」と「レトロ」のスタンディが1階の大回遊水槽前に展示されますよ。フロンティアワークス担当者曰く「スタンディを置いたとき、ここが一番映えるスポットではないか」ということで決めたそうです。
スーズとレトロが初めて出会うのも大きな水槽の前でした。ゲームをプレイした人はそんなことも思い出しながら楽しめるかもしれないですね。
館内で配布するパンフレットも期間中は〈コラボ限定デザイン〉の特別仕様になります。こちらは数量限定のため、一人1部までとなっています。
キーホルダーやアクリルスタンドなどのオリジナルグッズも販売予定。これは今回のコラボでしか手に入らない特別なアイテムです。
左のアクリルスタンド大(立ち絵)は全2種で各1,000円(税込)、右上のアクリルスタンド小(ちびキャラ)が全2種で各500円(税込)、右下のアクリルキーホルダー(立ち絵)は全2種で各600円(税込)です。他にクリアファイルやステッカーなどもありますよ。
左のアクリルスタンド大(立ち絵)は全2種で各1,000円(税込)、右上のアクリルスタンド小(ちびキャラ)が全2種で各500円(税込)、右下のアクリルキーホルダー(立ち絵)は全2種で各600円(税込)です。他にクリアファイルやステッカーなどもありますよ。
Switch版リリースにあたり、キャラクターボイスが追加されました。今回のコラボでは、特別館内放送として、スーズ役の声優・黒沢ともよさんとゲーム作者・橙々さんがアナウンスで来館者にメッセージを届けます。放送時間は未定ですが、1時間に数回程度を予定しています。
さらに謎解きスタンプラリーもあります。こちらはゲームをプレイしていなくても、楽しめるようになっています。橙々さんが考案した「新たな謎」にぜひ挑戦してみてください。すべてのスタンプを集めた方には、オリジナルコラボ缶バッジがプレゼントされます(数量限定、なくなり次第終了)。参加は無料ですが、寺泊水族博物館公式アプリダウンロードが必要になります。
さらに謎解きスタンプラリーもあります。こちらはゲームをプレイしていなくても、楽しめるようになっています。橙々さんが考案した「新たな謎」にぜひ挑戦してみてください。すべてのスタンプを集めた方には、オリジナルコラボ缶バッジがプレゼントされます(数量限定、なくなり次第終了)。参加は無料ですが、寺泊水族博物館公式アプリダウンロードが必要になります。
ゲームはマルチエンディングで、結末は5種類。さらにアナザーストーリーも用意されています。エンディングを複数用意したのは、橙々さんの「何度でもゲームを楽しんでほしい」という思いから。
寺泊水族博物館のスタッフは「新潟県には上中下越、それぞれに水族館施設がある。これをきっかけにぜひほかの館も訪ねてみてほしい」と話しました。ゲーム同様、水族館も何度も楽しんでみてはいかがでしょうか。
寺泊水族博物館のスタッフは「新潟県には上中下越、それぞれに水族館施設がある。これをきっかけにぜひほかの館も訪ねてみてほしい」と話しました。ゲーム同様、水族館も何度も楽しんでみてはいかがでしょうか。
「アクアリウムは踊らない」×「長岡市寺泊水族博物館」スペシャルコラボ
期間:2025年8月23日(土)から9月30日(火)
会場:長岡市寺泊水族博物館
住所:新潟県長岡市寺泊花立9353-158
TEL:0258-75-4936
開館時間:9:00〜16:30(最終入館16:00)
休館日:不定休
駐車場:無料(普通車150台、大型バス8台)
入館料:一般700円(団体500円)、中学生450円(団体300円)、小学生350円(団体250円)、幼児(3歳以上)200円(団体150円) ※団体は20名以上
「アクアリウムは踊らない」
Nintendo Switch ダウンロード版 発売中 2,200円
パッケージ版 10月30日発売 4,950円

長岡市寺泊水族博物館
この記事を書いた人
長岡市のリバティデザインスタジオで、夫とともにグラフィックデザインやコンテンツ制作を行う。アート、映画、文学、建築、カフェ巡り、旅行、可愛いものが大好き。ウェブマガジン「WebSkip(https://webskip.net/)」も細々と更新中。