【旬の新潟素材×絶品ガレット】「Creperie cafe Hanasaku」でフランスのアンティーク雑貨とともに、華やかなひと皿を楽しむ/新潟市


2025年11月23日 59ビュー
皆さん、こんにちは!
新潟の食文化について勉強中のライター・槻本みのりです。

突然ですが、「ガレット」という料理をご存知でしょうか。ガレットとは、フランス・ブルターニュ地方発祥の料理で、そば粉で作られたクレープ状の生地のこと。卵、ハム、チーズなどの具材をのせて焼き上げた料理です。
 
2025年8月1日、そのガレットを味わえるお店「Creperie cafe Hanasaku」(クレープリーカフェ ハナサク)さんが新潟市内にオープンしました。こちらの「Creperie cafe Hanasaku」さんでは、新潟県産のそば粉を使った、オリジナリティーあふれるガレットを味わえます。
 
新潟県内でガレットを味わえるのが珍しいのに加え、旬の新潟素材が使われているとのこと。さらに、ひと月の前半だけという営業スタイルなども含めて、お店のことが非常に気になった私…。早速、取材にお邪魔しました。

「新潟」で活躍した歴史的人物と大きな関係が?「Creperie cafe Hanasaku」

新潟市西区、住宅街にある「Creperie cafe Hanasaku」さんは、JR小針駅から徒歩で7、8分ほどの場所にあります。お店に駐車場はないので、電車や近くのコインパーキングなどの利用をおすすめします。
お店は築70年以上という趣のある立派な建物。入る前に「おや…この人物は?」と、看板に描かれたある人物が気になりました。
「この看板の人物は、新潟で新聞記者や歌人として活動した『山田花作』で、私の夫の曽祖父です。また、この家は花作の息子で、夫の祖父の家でもあります」。教えてくださったのは、オーナーの山田ゆみさん。看板の基となった山田花作氏の原画は、花作氏と親交のあった、歌人・北原白秋氏が描いたものだとか! 明治から昭和時代にかけて活躍した、歌人同士の華やかな交流がうかがえます。
なぜ、こちらの建物でお店をオープンすることになったのでしょうか。その理由について、「この祖父の家は、元々お義母さんが手入れをしていましたが、それが難しくなり、旦那さんにバトンタッチ。さらに私に代わりました」。
立派な邸宅ということもあり、家の掃除や庭の手入れなど、とても大変だったそうですが、“この家を使わないのはもったいない”と感じ、お店をオープンしようと決意。「昔の建物って面白いじゃないですか。だから、それを味わってほしいですね」と山田さん。また、「義理の両親ともに日本人ですが、フランスで長く生活していました。フランスの郷土料理でもあるガレットは、お義母さんが私たちに朝食としてよく作ってくれた料理です」。看板メニューの「ガレット」は、山田さんにとってなじみ深いものだったのです。
そのような理由もあって、「新潟でそばを食べる習慣はあるのに、“そば粉を使うガレット”を提供するお店はなぜ少ないのだろう」と感じていたとか。「それなら、私がガレットのお店を」と、お義母さんから教えてもらったガレットのレシピを基に、神戸のガレット専門店での勉強を経て、「Creperie cafe Hanasaku」のオープンに至ったそうです。

新潟の食材がたっぷり! 香り高い生地も特徴のボリューム満点ガレット

お店オープンの経緯をお聞きした後、気になっていたガレットをいただくことに。
私がこの日いただいたのは、季節限定メニューの「ねっとり甘いさつまいもクリームブリュレ」(1,350円)と、カフェオレ(セット価格660円)です。
皆さん、ご覧ください!
フランスのおしゃれなアンティーク食器に盛り付けられたガレットの、華やかなビジュアルを!
そして、プレートより大きなサイズにも驚きです。新潟県産そば粉3種をブレンドしたという香り高いガレット生地は、程よい弾力で塩気がほんのりと効いています。そのガレット生地には、濃厚で甘さ控えめながらコクのある自家製のカスタードクリームや2種のサツマイモ、バニラアイスもトッピングされ、とにかくボリューム満点。
 
また、カスタードクリームにバーナーで焼き目をつけるという演出も。甘い香りとともに運ばれてきました。
こちらのメニューで使われている2種のサツマイモは、オーブンで焼くことで自然な甘みが濃縮。その時期の仕入れ状況で、新潟産のサツマイモを使うこともあるそうですが、この日使用されていたのは、ホクホクとした食感を楽しめる「安納芋」と、ねっとりと濃厚な甘さの「あまはづき」。「それぞれの食感や甘さの感じ方も異なるので、面白いと思いますよ」。
風味豊かなガレット生地を楽しみながら、カスタードクリームをつけたり、異なるサツマイモと一緒に味わったり、さらにバニラアイスを添えて堪能したり…と、ワンプレートでさまざまな楽しみ方ができる絶品ガレット。温かなカフェオレと一緒に堪能した、幸せな時間でした。
 
このような旬の野菜や果物を使った季節限定のガレットや、王道のガレット「コンプレット」(1,080円)、「きのこジェノベーゼ」(1,280円)のほか、スイーツなども味わえます。
メニューに関しては、新潟の旬の野菜やフルーツを使うこともあり、2カ月に一度、内容を変更するとのこと。私自身、卵とハムなどを使ったシンプルなガレットしか食べたことがなかったこともあり、山田さんになぜ、ガレットと新潟の野菜や果物との組み合わせを思いついたのか、改めて、新潟素材の魅力についても質問してみました。
新潟の農家さんが作る野菜や果物は、うま味が濃厚だと感じます。例えばキャベツも味が違うと感じますね。やはり、それは新鮮だからこそ。うちはさまざまなご縁がつながって、直接農家さんと取り引きできていることが強みです。旬の野菜たちが持つ、良いエネルギーを、そのまま提供できるというのが、おいしいと言っていただける理由ではないかと思います」。
私自身、長く新潟に住んでいると…、野菜や果物のおいしさが当たり前に感じてしまうこともありますが、このようにガレットと一緒に味わうことで、改めて、新潟の恵みや豊かさを再発見できたような気がします。

フランスのアンティーク家具や雑貨に囲まれ、ぜいたくなひとときを

フランスのアンティーク家具や雑貨などでコーディネートされた、古き良き和とフレンチが融合した、趣のある空間を楽しめるのも「Creperie cafe Hanasaku」の魅力です。
オーナーの山田さんの柔軟な発想から生まれたガレットはもちろん、華やかな世界観が広がる空間に、魅了されるリピーターさんも多いそう。
今後の目標について聞いてみると、「新潟市内に2号店をオープンしたいですね」。山田さんの頭の中では、すでに新しいお店の構想が描かれているそうです。こちらも楽しみですね!
 
なお、11月以降から12月半ばの営業期間はクリスマスに向けて、自家製のシュトーレンやフィナンシェを販売中とのこと。ぜひチェックしてみてください。
オーナー・山田さんの太陽のように明るいお人柄も魅力的な「Creperie cafe Hanasaku」。季節の恵みが詰まった野菜や果物たっぷりのガレットを味わいながら、至福のカフェタイムを過ごしてみてはいかがでしょうか。
Creperie cafe Hanasaku(クレープリーカフェ ハナサク)

Creperie cafe Hanasaku(クレープリーカフェ ハナサク)

住所/新潟県新潟市西区小針上山6-5
TEL/なし※インスタグラムのメッセージで予約可
営業時間/11時~17時※なくなり次第終了
定休日/毎月中旬から2週間前後※月ごとの営業日はインスタグラムで事前に確認を  
席数/約20席 
駐車場/なし

Creperie cafe Hanasaku

この記事を書いた人
槻本みのり

新潟生まれ、新潟育ち。地域情報誌の編集者を経て、フリーランスの編集・ライターとして活動中。
新潟の食文化やグルメに加えて、毎日が楽しくなるようなコトを発信したいです。コーヒーと焼き菓子、アイスが好き。
Instagram:https://www.instagram.com/minori.tsukimoto