大阪駅前にもう一つの新潟拠点が誕生!雪國商店KITTE大阪店/大阪府大阪市


2025年11月01日 36ビュー
大阪市北区の旧大阪中央郵便局跡地に2024年オープンした商業施設「KITTE大阪」。JR大阪駅直結という好立地で、高層ビル「JPタワー大阪」の地下1階から地上6階に入っています。2階は「Feel JAPAN Journey(ええもん にっぽん めぐり)」フロアで、北海道から沖縄まで19のアンテナショップと、カフェを兼ねた特産品販売の店、計20店舗がずらりと並びます。その中のひとつが、上越ケーブルビジョンが手掛ける『新潟三昧 越の蔵 雪國商店』です。
※写真の中の価格表示は取材時のもので、現在は変更されている可能性があります。

地元を知るケーブルテレビだからこその出店

なぜアンテナショップを手掛けることになったのか。そこにはケーブルテレビ事業で地元を深く知るからこそ、商品の誕生秘話やこだわりの製造方法、店主の人柄や地元でいかに愛されているかなどのストーリーを来店客に届けたり、逆にユーザーからの声を作り手に伝えることで、事業の発展や商品開発に協力したり、ファン作りのお手伝いができるのでは…という思いがあったそうです。ちなみに雪國商店は東京交通会館店、CoCoLo新潟店と、現在3店舗を展開中です。
KITTE大阪という場所を選んだのは、まずは開業の翌年に大阪・関西万博が開催されること。そして北陸新幹線が福井県敦賀市まで開通し、関西地方から新潟がぐっと近くなることなど、いくつかの好条件が重なった結果でした。入店して驚いたのは品ぞろえの豊富さ。日本酒だけで150種類以上、全部でおよそ700種類以上の商品を扱っています。

新潟の特産品がずらり!

通路に面して米菓のコーナーがあるのですが、中央の棚にずらり並べられていたのは、地元でも知る人ぞ知る加藤製菓(長岡市)の商品群でした。ここは「新潟米100%で勝負」というコンセプトを掲げている会社です。
棚には、みかづきのイタリアン(自宅で調理するタイプ)もありました。これは店長の郡山奈々さんたっての希望で仕入れたものだとか。「私は大阪生まれですが、新潟には何度か足を運んでいて、イタリアンが大好きなので」と話していました。
企画展示も実施しています。訪ねたときは「旬のごちそうをさらに美味しくする逸品をスタッフが厳選!」ということで、ごはん派とパン派のスタッフがそれぞれの推しをセレクトするという企画を開催中。ごはん派は小川屋の「ご飯にひとさじ」シリーズなどを、パン派は佐渡バターを使ったスプレッドなどを選んでいました。
店内全体の印象は、おしゃれな雑貨店のような雰囲気。雪の結晶や和柄をレーザーカッティングした「招き猫」のプレートもありました。
冷蔵品も揃っています。ヤスダヨーグルトのドリンクヨーグルトの隣にあるのは佐渡乳業の牛乳。県の鳥トキをあしらった可愛いパッケージがたまらないですよね。佐渡乳業は2019年に殺菌温度を見直し、それにより絞りたてに近い風味が味わえる牛乳が提供できるようになったのだとか。そのため牛乳が苦手な人でも飲みやすくなっているそうです。
雪國商店は宅配サービスはしていませんが、KITTE大阪の1階に郵便局があります。冷凍品は対応不可ですが、冷蔵品はそちらから送ることができます。
ここで気になったのが棚にちょこんと置いてある「佐渡バター」です。しぼりたての生乳と佐渡海洋深層水を使った塩のみで作られている限定生産品で、佐渡に行っても入手できないことがあるという人気商品なのですが…雪國商店にはありました! 東京から来店した人が「どこを探してもなかったのに」と喜んだこともあったそう。ファンにとっては、思わぬ穴場かもしれません。(ふるさと納税の関係で年末からしばらくは入荷中断の可能性あり)
新潟県人にとってはおなじみの郷土料理「煮菜」「のっぺ」もありました。どんな料理か説明するPOPが添えてあり、のっぺは野菜と貝柱を一緒に煮込むことで互いの旨みが絡みあう一品で、寒いときは温製、暑い季節は冷製で、通年楽しめる料理、と紹介されていました。外からの視点で解説されると「あ、分かりやすい!」ということってありますよね。なおこちらの総菜の一部は角打ちコーナーのおつまみとしても提供されています。
ご当地加工品の「かんずり」は唐辛子と麹、柚子などを混ぜ合わせ、3年という歳月をかけて作る発酵食品。唐辛子を雪さらしする写真を添えた小さなポスターを作ってPRしています。焼き鳥からラーメン、うどん、ステーキなど、幅広い料理に合うと紹介されていました。郡山さんは「雪室貯蔵、発酵、醸造など、商品を通して新潟に根ざした食文化を伝えていきたい」と語りました。
食文化といえば、海藻をつなぎに使って作る布海苔そばは、新潟独特のものですよね。他県の人にとってはめずらしいため「どれを買ったらいいのか」と相談を受けることも多いそうです。布海苔そばと一口に言っても、それぞれ微妙に味わいが違うもの。食べ比べをすすめたところ、数種類買い求める方もいたそうです。
商品棚の一部にはモニターが設置してあり、上越ケーブルビジョンが制作した雪国の様子を伝える映像が流れています。自らの強みを生かして多角的に新潟をPRしていますね。
新潟の地酒の品ぞろえは大阪随一。県内各地域のお酒がずらりと並びます。有名な銘柄はもちろん、酒蔵と直接取引を行っているため、代々菊醸造の「吟田川(ちびたがわ)」など、県外にはなかなか出回らない希少な銘柄もあるのが特徴です。

角打ちで、地酒を楽しもう

店内には角打ちコーナーもあります。通路側には日本酒をディスプレイ展示。この中から常時6種類程度を選んで提供しています。
角打ちの営業は11時から。地元の人や観光客、女性の一人客など、さまざまな人が訪れています。お酒だけでなく、気軽に会話を楽しめる場所として、訪れた人たちの憩いの場にもなっています。
お酒はすべておちょこ1杯での提供。写真は2種セットにおつまみがついたもの。メニューは随時変更されており、時々でスタッフのおすすめする銘柄が楽しめます。なお提供する銘柄により料金は変わりますが、取材時はおちょこ1杯300円〜450円、おつまみは380円でした。

味わえるのはここだけ、チーズとコーヒー牛乳のコラボソフトクリーム

こちらのもうひとつのお楽しみが佐渡乳業のソフトクリーム。カマンベール味、コーヒー牛乳味、それらのミックスと3種類を用意。(450円、ミニサイズは350円)
カマンベールチーズは、東京店や新潟店でも提供していますが、コーヒー牛乳を使ったものはここだけ。ところでチーズとコーヒー牛乳の組み合わせってどんなお味なのでしょうか。「お客さまによく聞かれるんですが、ティラミスみたいな味わいと説明しています」。一口食べてビックリ!まさにティラミス。チーズの塩味も利いており、甘さと程良いバランスで、ここでしか味わえない唯一無二のテイストでした。ぜひご賞味あれ!
新潟三昧 越の蔵 雪國商店』という店名には「雪国新潟の美味しいものや上質なものをお届けする食の蔵、愛される馴染みの味から、知られざる小さな名店の味まで、雪国が育んだ食をお届けしたい」という意味が込められています。「ここは日本全国の良さを知ってもらえるような施設。その中のひとつとして、商品の魅力を通してより新潟を知ってもらえる場になれば」と店長の郡山さん。
他県のショップ巡りも兼ねて、ぜひ雪國商店に足を運んでみてください!

新潟三昧 越の蔵 雪國商店

住所:大阪府大阪市北区梅田3-2-2 KITTE大阪2階
TEL:06-6147-4183
営業時間:11:00〜20:00/角打ち11:00~19:00/ソフトクリーム11:00~20:00
休業日:1月1日(KITTE大阪に準ずる)(12/31は18:00まで)

雪國商店KITTE大阪店

この記事を書いた人
和田明子

長岡市のリバティデザインスタジオで、夫とともにグラフィックデザインやコンテンツ制作を行う。アート、映画、文学、建築、カフェ巡り、旅行、可愛いものが大好き。ウェブマガジン「WebSkip(https://webskip.net/)」も細々と更新中。