新潟の“いろいろな味”を楽しめる! しばうま本舗・ふわふわしっとりカステラ/聖籠町


2025年11月05日 2233ビュー

おやつにも、手土産にも

みなさんは、新潟のお土産に何を選ばれていますか?
笹団子や柿の種といった定番に加え、ここ数年で“新しい定番”として親しまれているのが「しばうま本舗」のカステラです。駅や高速道路の売店で、洒落たパッケージを見かけたことのある方も多いのではないでしょうか。
なかでも人気なのが「6切カット」タイプ。かさばらず軽く、一人暮らしの方にもおやつとして食べ切れるサイズ感がうれしい商品です。私自身も県外への手土産に何度も利用しています。新潟県産フルーツの代表格「越後姫」と「ル レクチェ」のフレーバーを、季節を問わず贈れるのも魅力のひとつです。
今回は、その「しばうま本舗」の工場直売所を訪ね、企画部長の小林勝弘さんにお話を伺いました。
 

聖籠町にある工場直売所

「しばうま本舗」の工場直売所があるのは聖籠町。国道7号線・蓮野インターを下りて1キロほど進むと、工場や物流センターが建ち並ぶエリアの一角に見えてきます。車でのアクセスが便利で、駐車場も8台ほどとゆとりがあります。
スイーツ専門の工場らしく、“工場”という言葉から連想される無骨な雰囲気ではなく、小規模ながら洗練された外観。奥の製造エリアは見学できませんが、直売所には熱心なファンが通うだけの理由があります。少し足を延ばしてでも立ち寄りたい、聖籠の人気ローカルスポットです。

焼き菓子が並ぶ、幸せな空間

店内に入ると、テーブルいっぱいに焼き菓子が並び、ふんわりと甘い香りが漂います。
入口近くには、カステラと並ぶ看板商品「てづくり焼きドーナツ」(1個200円)がずらり。「ミルク」などの定番フレーバーのほか、新潟市西区の砂丘地帯で育つブランドさつまいも「いもジェンヌ(紅はるか)」や、新潟県酪農発祥の地・安田町の「やすだ愛情牛乳」など、地元の特産品を素材に取り入れたバリエーションも並びます。
奥のテーブルにはカステラが整然と並び、6切入り(420円)と10切入り(600円)の2サイズ。カラフルなストライプ柄が目を引く6切入りに対し、10切入りはシックで落ち着いたデザインで、少しかしこまった贈り物にもぴったりです。
地元では手土産や引き菓子として利用されることも多く、「しばうま本舗」のお菓子は“舌の肥えた新潟人”のお墨付きスイーツといえます。

和と洋の感性がつくるカステラ

「創業当初は10切入りだけだったのですが、より手軽に楽しんでいただくために6切入りも始めました」と小林さん。
入社前は和食の料理人として働いていた小林さん。一方、工場長の山口健太朗さんは洋食のシェフ出身だそうです。この“和と洋の融合”こそ、美味しいカステラ誕生の秘密かもしれません。

地元とともに歩んできた15年

「しばうま本舗は、もともと新発田市で工務店を経営していた社長が、業務の多角化の一環として“新発田のうまいものを届けよう”と立ち上げた会社なんです。立ち上げ前に、社長の親族が経営する埼玉のカステラ工場で、山口と二人で修業しました」
創業当時は、埼玉とは気候が違う新潟でカステラをふっくら焼き上げるため、仕込みの調整に試行錯誤したそうです。そんな「しばうま本舗」も、今年2025年で創業15周年を迎えました。
「現在は定番5種類と季節限定2種類の計7種類を販売しています。『越後姫』と『ル レクチェ』は通年の定番です。イチゴ、洋梨ではなく品種名なので、発売当初は県外のお客様から『どんな味なの?』とよく質問されましたね」
今では新潟を代表する果物として知られる「越後姫」と「ル レクチェ」ですが、こうしたスイーツを通じて名前が広く浸透した一面もあるのかもしれません。

新潟の味をカステラで表現

「しばうま本舗」では、新潟の“ソウルフード”の味をカステラでも表現しています。
「道の駅『新潟ふるさと村』の限定商品で、『もも太郎カステラ』と『ぽっぽカステラ』があります。『もも太郎カステラ』は、新潟の夏の定番アイス『もも太郎』の味を再現したもので、製造販売元のセイヒョーさんに監修していただきました。『ぽっぽカステラ』は、お祭り屋台の人気菓子『ぽっぽ焼』をイメージした黒糖味です」
果物の風味を生かすだけでなく、“お菓子の味を別のお菓子にする”という発想がユニーク。
どんなふうに着想を得るのか尋ねると、小林さんは笑顔でこう答えてくれました。
「新潟の美味しいものとの出会いが、次のアイデアにつながっていますね」

遊び心あるパッケージ

ご当地限定商品としては、佐渡汽船の売店で販売されている「佐渡牛乳カステラ」もあります。
トキをあしらった佐渡乳業の「佐渡牛乳」のパッケージをカステラ箱にアレンジしたもので、サイズ感もぴったり。トキが「コレハ カステラ デス!」と自己紹介しているのがかわいいですね。もちろん、カステラにも「佐渡牛乳」を使用。味も王道の太鼓判です。

直売所限定スイーツ

直売所限定スイーツも見逃せません。
「てづくりカスティラミス」(280円)と「みつぼしぷりん」(280円)。ティラミスは“カステラ×ティラミス”のネーミング通り、ビスコッティの代わりにカステラ生地を使用。一見カステラとは関係なさそうな「みつぼしぷりん」も、カラメルソースと濃厚プリンがカステラの焼き色の香ばしさと生地のふわふわ感のコンビネーションを思わせます。料理人時代にデザートを担当していた小林さんが、「自分が食べたいものを」と作ったスイーツで、シンプルながらセンスが光ります。
さらに、直売所では「カステラの切り落とし」も販売されており、そのお得感から、すぐに売り切れてしまうほどの人気ぶり。取材時には残念ながら出会えませんでしたが、正規品も直売価格でじゅうぶんリーズナブルです。
日や時間帯によって並ぶ商品が変わるため、いつ訪れても同じラインナップとは限りませんが、そこは工場直売所ならではの魅力。 “そのときに出会える味”を楽しむ気持ちで訪れてみてください。

五感で味わうカステラ

最後に、「越後姫」と「ル レクチェ」のカステラを開けてみました。淡いピンクが「越後姫」、落ち着いた黄色が「ル レクチェ」。上品な色合いで見た目も美しく、爽やかな果実の香りにうっとり——まさに五感で味わうカステラです。
「しばうま本舗」のカステラで私が特に推したいポイントは、あらかじめカットされていること。盛り付けても見栄えがよく、何より食べやすいのが魅力です。駅やサービスエリアの売店だけでなく、地元スーパーでも取り扱いが多く、購入しやすいのも嬉しいところ。贈る相手や季節を選ばない“万能な新潟土産”として、自信をもっておすすめしたい一品です。

基本情報

しばうま本舗・工場直売所

しばうま本舗・工場直売所

住所:新潟県北蒲原郡聖籠町蓮潟2989-2
TEL:0254-20-8115
営業時間:9:30〜17:00
定休日:毎週日曜日、祝日
駐車場台数:8台

しばうま本舗・工場直売所

この記事を書いた人
もち

新潟→東京→新潟。新潟在住ながら、仕事で各地を行き来する生活をしています。アート、旅、本、動物が好き。新潟のおすすめローカルフードは餅菓子や旬の果物。旅行の計画を立てることや、お土産選びが趣味です。