こだわり満載 豊富なアイデアから生まれる絶品寿司「龍寿し」/南魚沼市


2020年10月13日 8509ビュー
日本海美食旅(ガストロノミー)プレミアムレストランでは、新潟県と山形県庄内の食文化の発信をテーマに、メニューやコースとして料理提供をしている飲食店を紹介しています。日本海美食旅(ガストロノミー)を通じて、その土地の風土や歴史を感じてください!


今回は、南魚沼市でこだわりの寿司が堪能できる龍寿しさん。
雪国A級グルメに認定され、「ミシュランガイド新潟2020特別版」ではミシュランプレートとして掲載されたお店です。
魚沼三山の一つ、名峰・八海山と清流・魚野川に挟まれる南魚沼市大崎地区。
住宅が立ち並ぶ旧県道沿いにある龍寿しは隠れた名店といわれています。

南魚沼と聞いて想像するのは「コシヒカリ」という人も多いはず。
日本一の米どころで楽しめるのは一体どんなお寿司でしょうか。

シャリとネタへのこだわり

「握り寿司はシャリに六分の味があるといわれています」と語るのは店主の佐藤正幸さん。
龍寿しのシャリは、1年ほど寝かせたコシヒカリとこしいぶきをブレンドしたものを使っています。
寝かせることで粘りが落ち着き、寿司に適した米になるとのこと。
さらに砂糖を極力使わずに米本来の甘さを楽しめるようにしているとのことで、ひとかたならぬこだわりを感じます。
ちなみにわさびは八海山の伏流水で育った「魚沼わさび」を使用。

「ここは海が遠いですから」と語る佐藤さんですが、それ故にネタへのこだわりも相当なもの。
特にウニやタイなどは東京都内でもわずかしか流通しないものを選び、地物も旬に合わせて佐渡のマグロやブリ、南蛮エビやズワイガニ、アワビなどを仕入れています。
新潟の魚といえばノドグロも欠かせません。コースではノドグロの塩焼きなども提供しています。

素材を生かす職人の腕と豊富なアイデア

創業53年の龍寿しの2代目である佐藤さんは、先代に学ぶだけでなく独学でも貪欲に寿司を学んできたそうです。そんな佐藤さんが握るのは、江戸前の技を基本としたネタに山菜やキノコなど季節の地物をさまざまな手法であしらう「この店でしか食べられない寿司」。
 
コハダや穴子、サバなど伝統的な江戸前寿司を提供しながら、甘エビにはフキノトウ、トロには八色天恵菇(やいろてんけいこ/地元産のシイタケ)を合わせるなど、目と舌に驚きと感動を与える握りの数々。
決して奇をてらっている訳ではなく、この地ならではの食材が魚介のうま味を高める、なんとも贅沢なマリアージュなのです。
 

秋~冬に楽しめる握り(一例)

※しけ等により仕入れが無い場合もあります
アラ(左)
幻の高級魚といわれるアラ。歯応えがあり、スッキリとした味わい。山椒の実を一粒乗せて。
タイ(右)
明石から仕入れるタイは甘みと身の締まりが抜群。かきのもと(食用菊)のほのかな苦みがよく合います。
 
サバ(左)
締めてから1週間ほど寝かせることでまろやかでコク深い味わいに。これぞ江戸前の技。
ニシバイ貝(右)
佐渡産は甘さが抜群でコリコリとした食感がたまりません。キュウリの佃煮が隠れています。
 
アオリイカ(左)
洋食の手法による特製イカスミソースは、タマネギ、タカノツメなどと炒めたもの。白ワインとオリーブオイルの代わりに日本酒と米油を使用。
イクラ(右)
佐渡産の鮭の卵を丁寧にほぐし、自家製のだししょうゆに漬けた逸品。魚卵の濃厚なコクが口中に広がります。
 
ナスの握り(左)
大長ナスを油で揚げてから皮をむき穴子のタレをかけた珍しい野菜寿司。柚子が香り、とろけるような食感が未体験の味わい。
糸ウリと中トロ巻き(右)
小ぶりの糸ウリを使ったシャキシャキの食感と脂の乗った中トロの相性が抜群。
※11月末頃まで
 
タチウオのポワレ(蒸し焼き)
外はカリッと、中はふわりと仕上げた龍寿しの名物。
ポン酢のジュレがよく合います。
※10,000円以上のコースにて提供


銘酒がそろう南魚沼市。
龍寿しのおすすめはもちろん「八海山」!
他にも「鶴齢」や「緑川」やなど南魚沼市の地酒も押さえています♪


エンターテインメント性あふれる佐藤さんの寿司は、確かな食材と料理人の腕があってこそのもの。
刺身でも一切れごとに味を変えるなど、お客さんにいろいろなおいしさを楽しんでほしいという思いがこもっています。
こだわりのネタとシャリ、伝統の江戸前の技をベースに、自由な発想で地元の食材を掛け合わせる龍寿しの握り。
ぜひコースでご堪能ください!
 
<コースの一例>
1)魚沼ガストロノミーコース 13,000円+税
2)スペシャルコース(ノドグロ、バフンウニ、タチウオのポワレ など) 10,000円+税
3)贅沢コース(ノドグロ、バフンウニ など) 7,500円+税
※いずれも11月7日までのコース(その後のコースは未定)
※1のコースは1週間前まで、2・3のコースは3日前までに要予約
龍寿し

龍寿し

新潟県南魚沼市大崎1838-1
TEL.025-779-2169
営業時間/18:00~22:30(22:00ラストオーダー)
※シャリがなくり次第終了
※予約はコースのみ可能(席のみの予約は不可)
     ※昼はコース予約のみ(12:00スタート~13:30)
定休日/水曜日、ほか不定休あり
http://www.ryu-zushi.com/

この記事を書いた人
ケバブー

長岡生まれ新潟育ち。 ​
郷土料理からラーメン、地酒やスイーツまで新潟の食を広く愛するフォトライター。