新潟にも鬼がいた?越後酒呑童子巡り/燕市


2021年10月29日 14361ビュー
鬼滅の刃」が大ヒットして、鬼に注目が集まっているようです。
そんな鬼の中でも有名なのが「酒呑童子(しゅてんどうじ)」ではないでしょうか。
京都にある大江山に住んで悪事を働いていた鬼たちの頭領です。
その出生についてはいろんな説があるようですが、新潟に生まれた説があるのはご存知でしょうか?

今回は新潟にある、酒呑童子にまつわるスポットを回ってみようと思います。

 
酒呑童子の誕生についてはいろいろな説があって、もはやどれが本当なのかを知る術もありません。

幼名は「外道丸(げどうまる)」というとんでもなくヤバい名前で、砂小塚城主・岩瀬俊綱の子だったり、鍛冶屋の子だったりします。
ただ、どの説も母親の胎内に長い月日を過ごしたところは共通しているようです。
また気性の荒さも共通していて両親の手に負えず、燕市の国上山にある国上寺に預けられています

 
現在、国上寺の本堂には「イケメン官能絵巻」が描かれています。
作者はイケメンをテーマにした日本画を描く木村了子(きむらりょうこ)さん。
国上寺にゆかりがあるとされる上杉謙信源義経弁慶良寛酒呑童子が官能的に描かれているんです。

 
その中には妖しげにくつろぐ良寛和尚酒呑童子の姿も。
酒呑童子はともかく、良寛さん…露出多過ぎでは…汗

国上寺

住所/新潟県燕市国上1407
電話/0256-97-3758
営業時間/9:00-17:00
駐車場/普通車60台(ビジターサービスセンター駐車場)



イケメン官能絵巻」に描かれているほどなので「外道丸」なんていう名前のわりにたいへんなイケメンで、周辺の娘たちからもらった恋文が葛籠(つづら)一杯になるほどだったそうです。
バレンタインデーに義理チョコすらもらえない新之助からすれば、うらやましい限りです。
そんなある日、外道丸に恋い焦がれながらも、相手にされないことを悲観した娘のひとりが、淵に身を投げて死んでしまいます。
それを聞いた外道丸が驚いて恋文の入っている葛籠を開けると、娘たちの怨念か紫色の煙が立ち上り、外道丸の顔はたちまち鬼の形相に変わっていたそうです。
そのとき、自分の姿を映したのが国上寺近くにある「鏡井戸」でした。
鬼と化した自分の姿に取り乱した外道丸は、多くの鬼を集めて数々の悪行を働く「酒呑童子」になったのでした。

 
現在では「鏡井戸」の横には「縁切り地蔵」が安置され、縁を切りたいお願いごとに耳を傾けています。

 
その前には日本初の「縁切り縁抜き絵馬」。
縁を切りたい願い事を絵馬に託して願掛けをするようです。

 
中にはこんな願い事も。
強く共感させてもらいました。

 
ちなみに外道丸が過ごした国上寺がある国上山国定公園に指定されていて、山の上からは広大な越後平野が見渡せます。

 
けっこう大きな「千眼堂吊り橋」もあるので、高い所が平気な人は、紅葉に染まった眺めを橋の上から楽しむのもおすすめです。

 
また良寛が過ごした「五合庵」もあって、観光スポットとしても人気があります。

 
国上山の麓には酒呑童子が祭られている「酒呑童子神社」があります。
モテモテイケメン男子だった外道丸にあやかって、縁結びの神社のようですね。
これはお参りせねば。

 
なにげに五重塔が立派です。

 
その奥にひっそり本社があります。

 
杯を手に涼しげな表情の外道丸の肖像画。
これが数々の娘を泣かせたイケメン男子か…と、うらやみながら参拝。

「今からでもモテ期が来ますように」


 
社の横にある「文箱」には、想っている人への熱い気持ちを手紙にしたためて投函すると、酒呑童子を通じて相手に伝わるとか。
なんか箱を開けたとたんに紫の煙りが出て鬼になりそう…

 
永井豪先生のイラストが使われた絵馬もありました。
鬼願成就」を願って縁結び祈願してみましょう。

酒呑童子神社

住所/新潟県燕市国上5866-1
駐車場/普通車20台程度

京都の大江山で子分の鬼たちと悪事のかぎりをつくしていた酒呑童子ですが、毒入りの酒で身体が動かなくなったところを、源頼光(みなもとのよりみつ)に退治されました。
道の駅国上」にある「ふれあいパーク久賀美(くがみ)」の裏には「酒呑童子の湯」という足湯があって、杯で酒を飲む鬼の口からお湯が出ています。
酒呑童子めぐりの締めくくりに、酒呑童子を偲びながら足の疲れを癒してみるのはいかがでしょうか。
 
毎年9月には「越後くがみ山酒呑童子行列」が開催されていましたが、今年は開催中止になってしまいました。
来年は開催されるといいですね。

酒呑童子の湯

住所/新潟県燕市国上5866
電話/0256-97-1755
営業時間/10:00-17:30(日曜は21:00まで)
定休日/毎週月曜
駐車場/普通車190台、大型車15台、障害者等用5台

酒呑童子めぐり

この記事を書いた人
田中新之助(たなかしんのすけ)

新潟を愛する万年新米ライターです。持ち前の粘り強さで味わい深い記事を書いていきたいと思ってます。とくに観光ガイドには載っていないような、新潟の珍スポットや変スポットに力を入れて紹介していきたいです。

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