えちごトキめきリゾート「雪月花」に乗って、食と絶景を楽しむ贅沢な鉄道旅/上越市・糸魚川市・妙高市


2023年04月28日 6322ビュー
上越市・糸魚川市・妙高市を走るローカル線「えちごトキめき鉄道」。

平成27(2015)年3月、北陸新幹線の長野〜金沢間開業に伴い、JRから経営分離をして誕生した直江津駅を起点に2路線が走ります。

県内随一の豪雪地帯を走り、山々の景色の移り変わりを感じる「妙高はねうまライン」(旧JR東日本・信越本線)。
海岸線を走り、日本海に沈む美しい夕陽を望める「日本海ひすいライン」(旧JR西日本・北陸本線)。

2つの顔を持ち、山と海の変化に富んだ景色を楽しむ事ができる、地元密着の鉄道路線です。

他の鉄道会社の路線や、上越妙高駅と糸魚川駅では北陸新幹線の乗り換えも可能であり、地元住民の足としての地域輸送はもちろん、都市間を結ぶアクセス路線としても活躍しています。
えちごトキめき鉄道が誇る観光列車「えちごトキめきリゾート 雪月花」。

広大な日本海の絶景と、越後富士とも言われる妙高山が織りなす絶景。食の宝庫・新潟の食材を列車に乗って楽しめる観光列車です。

列車は午前便、午後便と2便運行をし、始発駅・運行区間・運行時刻が異なります。

⚪︎午前便 <上越妙高(出発)→糸魚川(到着)>上越妙高→二本木→妙高高原→直江津→筒石→糸魚川
⚪︎午後便 <糸魚川(出発)→上越妙高(到着)>糸魚川→筒石→直江津→二本木→妙高高原→上越妙高

今回私は午後便に乗車し、約3時間の豪華列車旅を満喫したので、その様子をご紹介します!
「all made in NIIGATA」をコンセプトに製造された雪月花。

新潟が世界に誇る様々な技術を採用し、「all made in NIIGATA」にこだわっています。

車内の随所に新潟の素材が使用されており、床材は安田瓦、金属装飾は燕三条の金属製品、壁には越後杉など、「all made in NIIGATA」を実感する事ができます。

また、車体自体も新潟に工場を置く、新潟トランシスが製造しました。
始発駅の糸魚川駅に、堂々とした姿で入線をする雪月花。

遠くからでも目立つ、銀朱色の2両編成の車両と、日本最大級の大きさを誇るパノラマウィンドウが特徴。まさに、列車とは思えないほど豪華な姿です。

この列車に乗って、3時間の旅に出るのかと思うと、出発前からワクワクします。

列車内に入ると見た目の通り、その豪華さに圧倒されます! 座席は指定席なので、アテンダントさんの案内で座席に向かいます。
出発まで数分間停車するのでホームで列車の撮影も可能です。合わせて車内散策も忘れずにしたいところです。

車両先頭部、運転士の頭越しに前面の展望を独占できる「展望ハイデッキ」から見える景色は、他の列車には無い最高の景色。

展望ハイデッキ席は指定席扱いですので、お客様がご予約の場合はご利用いただけません。
バーカウンター「さくらラウンジ」では、沿線の地酒・ワイン・生ビール・ソフトドリンクを取り揃えています。

列車内に、こんなにおしゃれなバーがあることに驚きました。つい、買いたくなります!座席でアテンダントさんに注文することができます。
いよいよ出発時間となり、雪月花の旅の始まり!糸魚川駅では、駅員さんが手を振ってお見送りをしてくれます。
旅が始まり、まずはウェルカムドリンクの提供。

スパークリングワイン(アルコール)とノンアルコールジュースが選べますが、せっかくの贅沢列車旅なので、スパークリングワインをいただきました。

大きな窓から見える景色と、スパークリングワインは至福の時間。まさに、贅沢な鉄道旅のはじまりです。
新潟市西蒲区のワイナリー「Fermier」が醸造した、スパークリングワイン。ラベルも、雪月花柄でこだわりが見受けられます。
列車は、しばらく海岸線と並行して走りますので、流れる景色を日常を忘れてボーッと眺めるのも至福の時間です。
列車はしばらくすると、私鉄では最も長いトンネル、全長11・353キロの頸城トンネル内に入り、最初の停車駅「筒石駅」に到着。

筒石駅は、トンネル内のモグラ駅として有名であり、階段を約290段上がると地上へ出る、一生に一度は訪れたい秘境駅です。
筒石駅と雪月花のコラボレーションが見れるのは、雪月花に乗車した方だけの特別感。まさに駅とは思えない異空間。

その姿を、写真におさめる事をオススメします。 列車から降りて駅構内見学も可能ですが、乗り遅れにご注意ください。
筒石駅の見学後は列車内に戻り、いよいよ待ちに待った食事の時間。

日にちにより、食事内容は異なりますが、今回は私が乗車した午後便の【百年料亭、熱々釜めしコース】をご案内します。
百年の歴史を持つ、上越市高田「百年料亭 宇喜世」さんが提供をする、老舗料亭の味。

見た目も豪華な三段重は、まさに百年の歴史のある伝統の味です。

新潟県産和牛のしぐれ煮、上越高田の特産品・鱈の子麹漬など、食事でも「all made in NIIGATA」を大いに味わう事ができます。
食事を楽しみながら、列車はあっという間に、えちごトキめき鉄道のターミナル駅「直江津駅」へ到着。

直江津駅では、雪月花と特急しらゆきが並ぶ姿も見られ、鉄道ファンにはたまらない光景です。
えちごトキめき鉄道の社員さんも、雪月花の出迎えにホームへ来られ、歓迎ムードにホッコリとします。まさに雪月花が、多くの皆さんに愛されている証。

直江津駅をあとにし、次の路線「妙高はねうまライン」に列車は進みます。
直江津駅では食事のメインでもある、宇喜世さん名物「鰻釜飯」も用意され、再び景色と食事を楽しみます。

熱々の釜飯を列車内でいただけることに幸せを感じます。
食後には、デザート&ドリンクが提供されます。

デザートには、雪月花特別バージョンの「法王のティラミス」が用意され、雪月花をイメージしたオリジナルカップも可愛く、こだわりが見受けられます。

飲む点滴とも言われる新潟産の甘麹蜜を使用し、新潟産のチョコレートをトッピングしたティラミスは、やさしい口当たりと柔らかな甘み。

ドリンクは雪月花オリジナルの雪室珈琲と雪蓮紅茶から選べ、食後に嬉しいサービスです。
次の停車駅「二本木駅」は新潟県内で唯一、スイッチバック式のホームが残る駅です。

勾配区間の途中に駅を設置したため、列車が発着の際に後退をしてホームに入線をする構造の珍しい駅であり、車内からスイッチバックをする光景は見逃せません。
明治44年に開業した歴史ある駅舎で、赤レンガ造りのランプ小屋やホーム・待合室など7つの建造物が国登録有形文化財に登録されています。

ホームを降りて撮影できるスポットもあるため、列車が目の前を通る臨場感ある写真が撮れる事、間違いなしですよ。(冬季期間閉鎖)
列車は、最終停車駅「妙高高原駅」へ向かいます。

二本木駅⇄妙高高原駅間の景色は、新潟を走る鉄道路線の中でも、春夏秋冬それぞれの絶景が見れる区間。

妙高はねうまラインの路線名の由来ともなっている、越後富士・妙高山の雪解けと共に現れる雪形「跳ね馬」。

上越地方に春を告げる風物詩であり、天気が良い時には車窓からも眺める事ができます。また、絶景ポイントでは徐行もしますので、シャッターチャンスも見逃せません。
列車は、新潟県最南端の駅「妙高高原駅」に到着。この先は長野県であり、えちごトキめき鉄道線の終点駅です。
新潟県随一の豪雪地帯、妙高高原駅周辺。3月中旬でもホームや駅前にはまだまだ多くの雪が残り、貴重な光景が見られました。

列車は折り返し、旅の終点「上越妙高駅」に向かいます。
3時間の雪月花の旅を満喫し、たくさんのお土産までいただき、嬉しい限り!
さくらラウンジでは、雪月花オリジナルグッズも販売しているので、旅のお土産にいかがでしょうか?
懐かしい硬券の記念キップもいただき、ハサミを入れる事も出来ます。

雪月花乗車記念スタンプもありますので、旅の思い出に忘れずに押しておきたいところ。

3時間の旅もあっという間に過ぎ、列車は旅の終点「上越妙高駅」に到着です。

「次回はプライベートでゆっくり乗りにきます!」と、お世話になった乗務員・アテンダントさんに挨拶をし、上越妙高駅を後にしました。
料理や列車だけではなく、雪月花の乗務員・アテンダントさんのおもてなしも素晴らしかった事が印象的。

普段は、トキ鉄沿線の駅員や普通列車などの乗務員として勤務する、乗務員・アテンダントさんという事も驚きました。
トキ鉄沿線の事・雪月花の事‥など、乗務員・アテンダントさんとの何気ない楽しい会話も雪月花の魅力です。

春夏秋冬、それぞれの魅力があるトキ鉄沿線の景色。 雪月花の利用で乗車当日に限り、えちごトキめき鉄道全線乗り放題切符もいただけるので、旅の前後に沿線散策も楽しめそうですね。

新潟の魅力が詰まった列車、「えちごトキめきリゾート 雪月花」に乗って、新潟の贅沢鉄道旅を楽しみませんか?!

【えちごトキめきリゾート雪月花 基本情報】

⚫︎運行日時
・通年運行 主に土曜日・日曜日・祝日運行

⚫︎運行時刻
・午前便 上越妙高駅 10時35分発 → 糸魚川駅  13時16分着
・午後便 糸魚川駅  13時59分発 → 上越妙高駅 16時45分着

⚫︎料金
・通常プラン(お食事付) 24,800円(税込)
・特別地域貢献プラン(お食事・お土産付) 29,800円(税込)
→「特別地域貢献プラン」は帰着後、自宅へ上越市・糸魚川市・妙高市の特産品のお土産が届きます。お土産リストは、当日車内で渡されます。

⚫︎予約方法
・えちごトキめき鉄道ネット予約のみ。電話や駅窓口では受け付けていません。

※2023年3月18日 ダイヤ改正時の情報です

<えちごトキめきリゾート雪月花 お問い合わせセンター>
⚫︎電話番号 025ー543ー8988 (営業時間 平日9時〜17時 ※土日祝日を除く)

この記事を書いた人
GATA_TETSU

長岡市出身、新潟市在住。
首都圏の某ターミナル駅で駅係員として、10年間勤務をした経験を持つ、元鉄道マン。
新潟へUターン後は、趣味の鉄道と元鉄道マンの経歴を活かし、SNSなどで新潟&公共交通の魅力を発信中!
https://twitter.com/GATA_TETSU_0401

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