【JR弥彦線】魅力と不思議がたくさん!列車に乗って、弥彦散策へ出掛けよう/三条市・燕市・弥彦村


2023年08月19日 10184ビュー
弥彦村の弥彦駅から、三条市の東三条駅を結ぶ「JR弥彦線」

総延長距離17・4km・全駅8駅と、新潟県内のみを走る鉄道路線の中で距離が一番短い路線です。

吉田駅ではJR越後線、燕三条駅では上越新幹線、東三条駅ではJR信越本線との乗り換えが可能であり、沿線住民の通勤・通学の足として地域輸送を支えています。

また、新潟県内有数の観光地「弥彦」への観光・行楽目的としても活躍している路線です。
<春 桜のトンネルを通る、弥彦駅周辺の景色>
弥彦線は、1916(大正5)年10月に、現在の越後線の前身でもある「越後鉄道」が越後一宮・彌彦神社への参拝客を輸送する目的で建設され、吉田駅〜弥彦駅間が越後線と接続をする形で先行して開業しました。

当時は「参宮線」とも呼ばれ、弥彦への観光・行楽目的として開業した経緯を持ちます。

その後、越後線と信越本線を結ぶため、吉田駅〜東三条駅まで延伸。さらには、東三条駅〜越後長沢駅(旧・下田村)まで延伸をしましたが、1985(昭和60)年に廃線となり、現在の東三条駅〜弥彦駅間を走る弥彦線に至ります。

2016年に開業100周年を迎え、今年で開業107年目で歴史が深い弥彦線。

今回は東三条駅〜弥彦駅まで弥彦線に乗り、弥彦線沿線の魅力を発見し、不思議スポット?にも立ち寄り、最終目的地の彌彦神社を目指した列車旅をレポートします!
今回利用した切符は「えちごワンデーパス」 フリーエリア内の普通・快速列車が1日乗り放題のお得な切符です。
新潟駅・長岡駅方面から弥彦線を利用の方は、えちごワンデーパスの購入が断然お得。

販売額は、大人1,570円 小児780円。通年で利用が可能であり、ゴールデンウィーク・お盆・年末年始も利用できます。フリーエリア内の自動券売機・みどりの窓口で購入が出来ますので、乗車前にお買い求め下さい。

また、弥彦線は「東三条駅〜吉田駅」「吉田駅〜弥彦駅」で運行体系が異なり、吉田駅で乗り換えが必要な時間帯もあり、東三条駅〜弥彦駅まで全区間を直通する列車は数本です。

事前に、時刻表をチェックして乗車することをお勧めします。
弥彦線の旅は、東三条駅から出発です!

東三条駅は、三条市の中心駅で信越本線の乗り換えも可能であり、特急しらゆき号も停車する駅です。
列車発着時には学生をはじめ、多くの乗降客で賑わい、弥彦線に乗り換える乗客も目立ちます。
【弥彦線の不思議① 東三条駅の0番線ホーム】

駅のホームは、1番線・2番線・3番線…と、1番線から順番にホームが並ぶ駅が多いかと思いますが、「0番線」を皆さんは目にした事がありますか!?

東三条駅は0番線〜3番線までホームが並ぶ、全国的にも珍しい「0番線」が存在する駅であり、弥彦線は駅の端っこにたたずむ、このホームから発車します。(一部列車は別ホームから発着あり)

新潟県内には、柏崎駅・越後湯沢駅・新発田駅にも0番線が存在しますが、「0番線」という不思議な響きにワクワクしませんか?!

0番線が設置される理由は、駅や路線により諸説ありますが、東三条駅は1997年の高架化に伴うルート変更により設置された経緯を持ちます。

歴史と不思議を感じる、東三条駅の「0番線」から弥彦線の列車旅の始まりにワクワクし、弥彦駅に向かって列車が発車します!

【JR東三条駅】

・住所 三条市東三条1丁目

東三条駅を出発後は、高架化された線路を進むので、三条市内の商店街や住宅街を一望でき、大河・信濃川を渡って燕三条駅へ到着します。

燕三条駅は言わずと知れた、燕三条地域の玄関口であり、上越新幹線へ乗り換えの乗降客で賑わいます。
【弥彦線の不思議② 燕三条駅の片隅にある、弥彦線ホームと大鳥居】

「上越新幹線の停車駅」の印象が強い、燕三条駅。
最近では、メディアなどで燕三条地域が取り上げられる事も多く、全国的にも知名度がある駅です。

一方で弥彦線改札口は、新幹線改札口とは反対側に存在するのをご存じでしょうか?
弥彦線改札口は無人駅扱いであり、簡易Suica改札機や在来線用の自動券売機などが設置された、まるでローカル線の駅。

ひっそりと駅構内の片隅にたたずむ弥彦線は、不思議な雰囲気です。
知名度がある新幹線の駅でもあり、ローカル線の雰囲気を味わえるのが燕三条駅の特徴ですね。
弥彦線改札口を通り抜けると、朱色の大鳥居が見えてきます。

この大鳥居は、弥彦線・吉田駅〜矢作駅間にそびえ立つ、「越後一宮・彌彦神社」の大鳥居を再現しており、ここから彌彦神社への参道が続いている雰囲気にも見えます。

鳥居をくぐると改札がある駅は、全国的にも珍しい光景であり、こちらも燕三条駅の見どころです。

【JR燕三条駅】

・住所 三条市大字下須頃

弥彦線改札口・大鳥居の脇に、燕三条駅観光物産センター「燕三条Wing」があります。

駅構内に構えた、燕三条の観光と産業の情報発信拠点です。
「情報発信エリア」と「販売エリア」があり、利用方法も多種多様。

「販売エリア」では燕三条地域が誇る、デザインや機能性に優れた刃物やカトラリーを展示・販売しており、「ものづくりのまち・燕三条」の技術や製品に触れることができます。
また、お土産もたくさん売っており、六角凧サブレや三条カレーラーメン、燕三条鉄コーラシロップなど、燕三条地域ならではのご当地のお土産が揃います。
「情報発信エリア」では、情報検索パソコンコーナーや携帯電話の充電コーナーが無料で利用可能。(充電器の貸出は無し)

大きなテーブルを構えたフリースペースもあるので、休憩や仕事の打ち合わせスポットとして、新幹線・列車の発車時間まで待合室代わりに気軽に利用ができます。
また、外国人旅行者のための手荷物一時預かりも行っており、当日営業時間内の受け取りに限って無料でサービスを提供しています。

外国人旅行者の方は、手ぶらで観光に行けるので便利ですね!また、宅配サービスも行っているので、お土産をたくさん買っても安心です。

ぜひ、燕三条駅をご利用の際は、燕三条Wingへお立ち寄り下さい!

【燕三条Wing】

・住所   三条市下須頃502ー3(燕三条駅2階)
・電話番号 0256ー34ー7310
・営業時間 10時〜18時30分
・休業日  12月30日〜1月1日

燕三条駅を後にし、弥彦駅を目指して、再び弥彦線の旅へ戻ります。

燕三条駅〜西燕駅間は、郊外大型店舗や燕市内の住宅街が車窓から見えてきます。

特に、燕駅は燕市内の中心駅という事もあり、学生や地元住民の方など多くの乗降客を見受け、弥彦線が地元に密着した路線ということを改めて感じます。
西燕駅を過ぎると、越後平野が両側に広がり、新潟らしいのどかな風景が見えてきます。

四季折々の景色が楽しめるのが、新潟を走る鉄道路線の素晴らしさですね!
列車は、越後線の乗換駅「吉田駅」に到着。

弥彦線・越後線ともに、吉田駅を始発・終点とする列車が多く存在し、新潟県内でも多くの列車が見れる鉄道ビュースポットです。
吉田駅は1番線〜5番線までありますが、列車ダイヤによっては4本・5本とホームに列車が停車している時間帯もありますので、列車が並ぶ珍しい光景をお確かめ下さい。

【JR吉田駅】

・住所 燕市吉田堤町

引き続き、弥彦線の列車旅は弥彦駅を目指します。
(※列車ダイヤにより、吉田駅で乗り換えの場合もありますので、事前に時刻表をお確かめ下さい)
吉田駅を過ぎると、進行方向右側の車窓に大きな赤い鳥居が見えてきます。

先ほど、燕三条駅構内で再現された大鳥居を見ましたが、こちらは実際の大鳥居。
1982(昭和57)年に、上越新幹線の開通を記念して建てられた、高さ約30.16メートルの大鳥居は、弥彦のシンボルとして存在感があります。

車窓からもその姿を確認できますが、矢作駅からは徒歩5分で大鳥居まで行く事ができます。

【大鳥居】

・住所 西蒲原郡弥彦村矢作

列車は、あっという間に弥彦駅へ到着!

1916(大正5)年の開業当時の建物であり、木造りのホームの屋根やレトロな改札口に趣を感じます。
越後一宮・彌彦神社の最寄駅のたたずまいを感じる、朱色で社殿を模した造りの駅は、「ふるさとの駅100選」にも選定されました。
【弥彦線の不思議③ 上り・下り列車が異なる?!神々が宿る・弥彦に上る、弥彦線】

基本的に日本の鉄道路線は、東京やターミナル駅・起点駅に向かう方面が「上り列車」、東京から郊外方面へ向かう方面が「下り列車」ですが、弥彦線は「上り・下り列車」の方向が異なるのも不思議です。

弥彦線は東三条方面が「下り列車」、弥彦方面が「上り列車」となります。

弥彦線の起点駅が弥彦駅という事もありますが、「神々が宿る、弥彦に上る」ということなのでしょうか…。不思議です…。
また、弥彦駅から先は行き止まりの路線であり、他路線とも繋がっていない新潟県内でも珍しい光景です。

【JR弥彦駅】

・住所 西蒲原郡弥彦村大字弥彦

<取材・撮影協力 JR東日本新潟支社>
では、弥彦駅から最終目的地の彌彦神社に向けて、散策をしながら進みます。

弥彦周辺は、弥彦駅から歩いて行ける観光スポットが多いことが魅力です。
<2022年11月撮影 紅葉の名所・弥彦公園>

まずは、弥彦駅から徒歩1分「弥彦公園」へ。広い公園内は、春は桜・夏は新緑・秋は紅葉と四季折々の景色が楽しめます。

中でも「もみじ谷」は紅葉の名所として知られ、その素晴らしい景色を見ようと年間で一番多くの方が訪れて賑わいます。

【弥彦公園】

・住所     西蒲原郡弥彦村弥彦667ー1
・問い合わせ先 0256ー94ー3154(弥彦観光協会)

弥彦駅から徒歩5分「弥彦観光案内所」へお邪魔しました。
弥彦観光なら、お任せ!パンフレットや観光案内などが充実していますので、こちらで観光情報をゲットして散策するのも良いですね。
2020年に誕生した、弥彦村公式キャラクター「ミコぴょん」

最近では、イベントやメディアで見かける機会も増え、その可愛らしい姿に魅了されている方も多いはず。
弥彦観光案内所では、様々なミコぴょんグッズを販売していますので、ぜひお買い求めください。

【弥彦観光案内所】

・住所   西蒲原郡弥彦村弥彦971ー4
・電話番号 0256ー94ー3154
・営業時間 9時〜17時(年中無休)

次は、弥彦駅から徒歩6分「おもてなし広場」へ。 グルメやスイーツ・足湯まで楽しめ、弥彦散策には欠かせないスポットです。
私も、休憩がてら足湯に入りましたが、熱すぎずポカポカのお湯がとても気持ち良い!

「弥彦湯神社温泉100%かけ流し」のお湯であり、長居をしてしまうほど心地良く、日常の疲れが癒されました。
おもてなし広場内の「農産物直売所 やひこ」には、弥彦産を中心にした特産品やお土産品が豊富に並び、新鮮な商品を安く買えます。

弥彦村産の季節の枝豆、弥彦のブランド米「伊彌彦米」など、弥彦ならではの特産品も多く並ぶので要チェックです。弥彦の魅力が詰まった「農産物直売所 やひこ」へお立ち寄り下さい。

【おもてなし広場】

・住所   西蒲原郡弥彦村弥彦1121
・電話番号 0256ー94ー3154(弥彦観光協会)
・営業時間 10時〜16時(店舗により営業時間が異なります)

【農産物直売所やひこ】

・住所   西蒲原郡弥彦村弥彦1121(おもてなし広場内)
・電話番号 0256ー77ー8578
・営業時間 10時〜17時(冬期は16時まで)

旅は、彌彦神社に向けてラストスパート!旅館・ホテルが立ち並び、弥彦温泉街の雰囲気を感じ、彌彦神社の「一の鳥居」が見え始めてきます。
今回の旅の終点「彌彦神社」へ到着です。弥彦駅から彌彦神社までは、徒歩約15分。

弥彦山を御神山とした彌彦神社は、越後一宮として古くから信仰を集めてきました。「おやひこさま」とも呼ばれ、言わずと知れた新潟県内随一のパワースポットです。

神社の入り口である「一の鳥居」を抜けて、境内に一歩足を踏み入れると神秘を感じます。
樹林に覆われた構内は神聖な雰囲気が漂い、木々に包まれた山道を進み、随神門をくぐると拝殿が見えてきます。新鮮な空気を感じ、深呼吸するのも良いですね。
彌彦神社の参拝方法は、拍手を四度打つ「二礼四拍手一礼」

今回の弥彦線の列車旅の無事と、記事を読んでいただいた皆さまの健康とご多幸をお祈りし、旅を終えました。

【彌彦神社】

・住所   西蒲原郡弥彦村弥彦2887ー2
・電話番号 0256ー94ー2001

弥彦周辺は、弥彦駅から徒歩圏内で散策を楽しめるコンパクトな街という事が魅力です。

行楽時期や初詣時には、新潟駅や東三条駅から弥彦駅まで臨時列車も走るので、JR東日本のホームページをチェックしてみて下さい。

魅力と不思議がたくさん詰まったJR弥彦線に乗って、弥彦散策へ出掛けませんか!?
この記事を書いた人
GATA_TETSU

長岡市出身、新潟市在住。
首都圏の某ターミナル駅で駅係員として、10年間勤務をした経験を持つ、元鉄道マン。
新潟へUターン後は、趣味の鉄道と元鉄道マンの経歴を活かし、SNSなどで新潟&公共交通の魅力を発信中!
https://twitter.com/GATA_TETSU_0401

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