ザ・ヴェランダ石打丸山は緑まぶしい極上リゾート。最新鋭のゴンドラ、野の花のギャラリー、こだわりの喫茶店で優雅なひとときを/南魚沼市


2023年08月02日 6591ビュー
南魚沼市在住のシバゴーです。ここに住んでいると当たり前と思っていたものが、実はとても素晴らしいのだと気付くことがあります。たとえば初夏の頃、田んぼの苗が緑色になり、さやさやと風にそよぐ様は、なんと美しいことかと思ったりします。
 
東京に住んでいる友人は、「南魚沼は自然が豊かで、何を食べても美味しく、東京から近い。こんなに良い所は無い。」と遊びに来る度に褒めてくれます。私は「そうかしら」と思いつつも、友人の誉め言葉に引っ張られるような気持ちで、我が故郷を眺めてみたりするのです。
今回は、昨年(2022年)にオープンした展望テラスへ行き、いつもとは違った特別感で、緑美しい風景を眺めてみようと思いました。皆さまもぜひ、緑豊かな南魚沼で、ゆったりと優雅な時間を過ごされてみてはいかがでしょうか。

まずは最新鋭のゴンドラに乗って、山の上の「ザ・ヴェランダ石打丸山」まで。

冬には石打丸山スキー場のゲレンデとなる斜面を最新鋭のゴンドラ「サンライズエクスプレス」で上がり、昨年にできたばかりの展望テラスやフィールドラウンジなどがある「ザ・ヴェランダ石打丸山」まで行きます。

ゴンドラに乗った後は「外山康雄 野の花館」へ。

野山や道端に咲いている「野の花」を描く外山さんの作品が、四季毎に、本物の草花と合わせて展示してあります。「日本全国、このような施設は他に無い」とのことです。石打丸山スキー場の麓からは約4キロ、車で約7分。

こだわりの喫茶店「邪宗門」も近くにあります。

本格的なコーヒーが飲めて、とても良い雰囲気の店内。約45年前にオープンして、今も人気の喫茶店です。夏には急冷式のアイスコーヒー、冬には生クリームたっぷりのウィンナーコーヒーをぜひ。野の花館からは約2キロ、車で約3分。

それでは、「ザ・ヴェランダ石打丸山」へ行ってみましょう。

南魚沼は3メートルも平気で積もる豪雪地帯。市内にはスキー場もいくつかあります。ここは積雪期、石打丸山スキー場であり、スキーヤーとスノーボーダーで賑わいます。
「リゾートセンター」には、ゴンドラチケット売り場、インフォメーション、ショップなどがあります。駐車場は約350台が収容できます(夏季は無料)。
「冬に来られた方が、夏はこんな風になっているんだと驚かれます。ゲレンデを使った、広々としたフィールドをお楽しみください。」と、広報担当の勝又さんが送り出してくださいました。
リゾートセンターで購入したチケットを手に、ゴンドラ乗り場へ向かいます。

さあ、いよいよゴンドラに乗ります!

この日は混雑がなく、ゴンドラ一台を独り占め!
ゴンドラのシートは10人分です。全面ガラス張りなので、風景を十分に楽しめます。
さあ、緑のゲレンデを上がっていきますよー。下りのゴンドラと行き交います。
見下ろすと、もうこんなに上がっているんだ、と思いました。これを自分の足でとなると、ちょっとした登山ですよね。ゴンドラに乗るだけで山の上まで上がれるなんて優雅なこと。
降り場が見えてきました。ゴンドラに乗っていると楽しいので、時間があっという間です。
 降り場が近くなるまで上がったら、おとなりの湯沢町が見えました。「湯沢高原ロープウェイ」もおすすめです。
降り場に着きました。約7分間の空中散歩でした。
ゴンドラは非日常な乗り物なので、大人でもウキウキします。子供だったら、さらに楽しいでしょうね。ケージに入れたら、ワンちゃんも乗られるそうです(別途料金が必要)。

「ザ・ヴェランダ石打丸山」で、一息つきましょう。

この施設のシンボルの展望テラスとテラスカフェがある建物へ入ります。
こちらで注文します。私はオープン時間すぐに訪れたので、ドリンクのみにしました。八海山の醤油こうじを使ったローストビーフのサンドなど、地元食材を活かしたメニューがあります。ランチの時間に合わせて行かれるのをおすすめします。
勝又さんがおすすめと言われていた「麹ラッシー」を注文しました。八海山の麴だけで作った甘酒を使用しているそうです。
カフェ内は広々としていて、どこに座ろうか迷ってしまうほど。
でも、やっぱり窓際ですよねえ。
雪や米にまつわるものとして、雪国の発酵文化の「麹」を使用しているのだそうです。米がなぜ美味しいかというと、水が美味しいからであって、水のおいしさは豊かな自然によるものなんでしょうね。

展望テラスに出てみましょう。

こんなに爽やかな場所のカフェは、ゴンドラで山まで上がったからこそ。
ソファー席で、まったりとくつろげる時間は最高です。

フィールドラウンジに出て、魚沼平野を眺めてみましょう。

テントが4つ並んだ先に、魚沼平野が見えます。
チェア4脚とテーブルが、セットされています。
テント下のチェアに座ってみます。カフェでランチやドリンクをテイクアウトするのもいいですね。
テントの先の眺めがこちら。魚沼平野は、田んぼの稲が、緑の絨毯のようです。

さらにリフトで山の上まで行ってみましょう。

ゴンドラ降り場で標高は約300メートルとのことですが、そこからまた展望リフトで上がってみます。
リフトから降りるときも大丈夫。怖くありませんでした。
遊歩道を下って行きます。ゲレンデなので風景に広がりがあり、気持ち良く歩けます。
石打丸山スキー場のロゴモニュメント「ISHIUCHI」は工事中でした。こちらのビュースポットは完成後にぜひ。
私は今回の取材で最も気にしていたのがお天気で、できれば晴天の日にと思っていたものの、スケジュールの都合で、曇りの日になってしまいました。最初は残念に思っていましたが、来てみたら、曇りの日には曇りの日の美しさがあることを知りました。晴天がベストというのは先入観にすぎず、来てみないと実際のことは知ることができないものですね。皆さまも、晴天の日に限らず、いろいろなお天気で楽しんでみてはいかがでしょうか。
石打丸山スキー場「ザ・ヴェランダ石打丸山」

石打丸山スキー場「ザ・ヴェランダ石打丸山」

所在地:〒949-6372 新潟県南魚沼市石打1699
電話:025-788-0707
営業期間:2023年7月1日(土)~11月5日(日)予定
営業時間:ゴンドラ[サンライズエクスプレス] 9時30分~16時30分(ゴンドラ上り最終乗車16時00分)
※施設により営業時間が異なります。
利用料金:ゴンドラ「サンライズエクスプレス」乗車券(往復券・当日窓口)大人¥2,500/子供¥1,300
※他のゴンドラ料金設定、施設使用料金設定もあります。

車で約7分のギャラリー、野の花館へ移動しましょう。

ゴンドラに乗った後は、「外山康雄 野の花館」へ。野の花の水彩画が少し低い位置に展示され、その前に同じ草花を飾る、全国でも珍しいギャラリーです。
ギャラリーから4キロほど離れた旧家の住まいを譲り受けたので、雪国の建物らしく黒く太い梁などが特徴なのだそうです。
入館料を払うと、チケットのデザインを選べます。
外山さんがいました!うれしい。外山さんがギャラリーにいるときには、お話しを聞くことができます。やさしい口調で素敵なお話しをしてくださる外山さん。作品と草花も私たちを癒してくれますが、外山さんの癒しパワーもかなりなものと私は思います。
シバゴー「新作は、どれですか?」
外山さん「この大葉竹島蘭は2日前に完成したんですよ。ほら、現物と比べてみてください。葉っぱの形とか実のなり方が同じでしょう?」
シバゴー「うわあ、本当だ。すごいですね。植物の生命力をそのまま、写し取っている感じがします。」
外山さん「描いているときには、花の生命力を感じますね。植物から教えられます。だから、今年、咲いた花を見てびっくりすることもあります。野の花って、歩いているだけだと、意外と気づかないんですよ。だから、1時間でも散歩するつもりで、ここに訪れてほしいですね。」

充実のミュージアムグッズがズラリと並んでいます。

野の花館は、ミュージアムグッズが充実しているので、お買い物できるのも楽しみのひとつ。ポストカードは150種類ほどもあるのだそうです。
書籍もあります。これからカレンダーも出る予定で、毎年楽しみにしているファンの方がたくさんいるのだそうです。
マグカップも素敵ですね。欲しくなる品物がたくさん並んでいます。そうそう、こちらでは、お茶のサービスがあって、オリジナルグッズの器で出してもらえるんです。(一部、違う場合もありますので、ご了承ください。)
コーヒー、紅茶、梅こんぶ茶、緑茶から選べます。ゆったり座ってお茶を飲みながらギャラリーを眺めると、十分に鑑賞したかなと思っても、もうちょっとまた観てから帰ろうという気持ちになります。小さなギャラリーですが、たっぷりと滞在できる空間があります。
自然は私たちの傍らにやさしく存在しますが、いつでもというわけではありません。良い日もあれば悪い日もあります。でも、ここには、いつでもやさしく存在するのです。厳しい季節も南魚沼には訪れますが、そんなときでも、どんな人でも、自然のやさしさと美しさを楽しめる場所です。
外山康雄 野の花館

外山康雄 野の花館

所在地:〒949-6424 新潟県南魚沼市万条新田371-1
電話:025-783-7787
営業時間:9時~17時
入館料:400円(団体割引350円/25名以上。要事前連絡)
定休日:毎週水曜日(祝日の場合は翌日木曜)

喫茶店でアイスコーヒーを飲みませんか。

もう1カ所、おすすめしたい場所があります。野の花館から少し移動すると、国道17号線沿いに喫茶店「邪宗門」があります。
邪宗門は、この辺りでは数少ない喫茶店です。南魚沼はお米とお水がおいしいからか、食べる物もおいしいと思います。だからか、飲食店はたくさんあって、おいしい食堂やレストランもたくさんあるような気がします。でも、おいしいコーヒーが飲める喫茶店が少ないと思うんですよ。そういう状況にあって、この界隈では貴重な喫茶店なんです。
入口から入ると、左手にカウンターがありました。午前中の早い時間に訪れたのですが、奥には既にお客さんがいまして(さすが、と思いました)、いちばん入口に近い席に座りました。
写真の右側、奥は柱で隠れていますが、少し広くなっていて、大きめのテーブルがあります。テーブルは大小合わせて6つ、ソファーや椅子を合わせると17席くらいですかね。約45年前にオープンしたのだそうです。「建物は古材を使ったデザインにして、全てにこだわった。自分がずっと飽きない物で作りたかった。」と、店主さんが話していました。
メニューは見ますが、私は今回、注文する物を決めていました。アイスコーヒーです。
氷の上に熱いコーヒーを注ぐ急冷式です。ガムシロップではなくて、グラニュー糖が使われています。急冷式だからこそのグラニュー糖なのです。(私は今回、うっかり甘さなし、にしてしまいました。糖分を控えていまして。)
熱いコーヒーをかけても氷がたっぷりなので、銅製の器を触るとキンと冷たくなっています。アイスコーヒーって、ホットコーヒーより香りを感じにくいので、私は普段、あんまり飲まないんですが、これは香りがよくておいしいです。特に暑い季節に飲むと、心身においしさが染みわたる感じがします。
糖分を控えているのでアイスコーヒーだけにしようかと思いましたが、店主さんが「うちのチーズケーキはおすすめだよ。」と教えてくださったので、食べてみました。たまには糖分も可ということで。
 
私はブルーベリーソースを選びました。(ミルクソースもあります。)濃厚さがありながら、少しある塩気でさっぱりと食べられておいしかったです。スイーツはコーヒーに合うので、食べると満足感が高まって元気が出ますね。
私は飲み物の中で一番コーヒーが好きです。おいしいコーヒーは、飲んだ瞬間「しあわせ」と思います。
 
店主さんに、こだわりを聞くと「豆は地域で味が違うから、四か国の豆を選んで使っている。うちは焙煎直火式で豆を焼く。火の入れ方は難しいけど味が出るから。淹れ方によって、苦み、甘味、酸味、全部違ってくる。コーヒーは奥深いよ。」と話してくれました。
石打邪宗門

石打邪宗門

所在地:〒949-6371 新潟県南魚沼市関928-3
電話:カフェ邪宗門 0257-83-3806
営業時間:10時30分~16時30分(ラストオーダー16時)
定休日:毎週木曜日と第2土曜日 ※変更あり

今回、石打エリアのおすすめスポットを3カ所、ご紹介しました。いくら素晴らしいといっても、世界遺産などのように「最高に素晴らしい場所」ではないかもしれません。でも、寄り添ってくれるような美しさとやさしさがあると、私は思いました。日本に生まれ育った人、いや、そうでなくとも、同じ人間として通ずるもので、その「寄り添うような」感じを分かってもらえるのではないか、そうだったらいいなあと思いました。ぜひ、緑まぶしい「極上リゾート」で贅沢に、ゆったりと優雅な時間をお過ごしください。

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この記事を書いた人
シバゴー

南魚沼市在住。趣味は写真撮影と読書で、本で調べた所へ行って写真を撮ることをライフワークとしています。神社彫刻が好きで、幕末の彫刻家・石川雲蝶と小林源太郎、「雲蝶のストーカー」を公言する中島すい子さんのファン。地域の郷土史研究家・細矢菊治さんや、地元を撮影した写真家・中俣正義さん、高橋藤雄さんのファンでもあります。