【にいつまるごと鉄道フェスタ 深掘り潜入レポート】日本一あつい!鉄道のまち・新津で鉄分(鉄道)補給しよう/新潟市
明治5(1872)年、新橋駅〜横浜駅間に日本最初の鉄道が開通したことを記念して、制定されました。
新津の中心駅となる「新津駅」は、明治30(1897)年に北越鉄道(現在の信越本線)の駅として開業し、今年で開業126年を迎える、新潟県内でも歴史がある駅です。
その後、羽越本線・磐越西線も続いて開通し、3路線が交わる交通の要所となりました。日本海側の旅客・貨物輸送の重要な拠点として、鉄道関連施設も多く置かれ、「西の米原・東の新津」と呼ばれるほど全国的にもその名を知られ、街と駅が発展・繁栄しました。
最盛期の新津では4人に1人が鉄道関係者と言われ、新津の方は先代が鉄道に携わっていた方も多く、今も昔も鉄道との関わりが深いまちです。
現在も新津には、新津運輸区・(株)総合車両製作所 新津事業所・新津鉄道資料館などの鉄道関連施設が置かれ、鉄道との関わりが深い事が伺えます。
新津駅は普通・快速列車のほか、特急列車・貨物列車なども発着し、ホームからは駅を発着する様々な列車が見れる、新潟県内でも一番の鉄道ビュースポットです。
その姿から「貴婦人」とも呼ばれ、優美で人気が高い蒸気機関車「C57 180」と、木目調を多用した客車のデザインが特徴的であり、タイムスリップした雰囲気を味わえます。
磐越西線は「森と水とロマンの鉄道」とも呼ばれ、新潟・福島県境の山間部と阿賀野川沿いの美しい景色が楽しめ、のってたのしい列車として愛され、今年で運行開始24周年を迎えました。
SLばんえつ物語
⚫︎運行区間 磐越西線・新津駅〜会津若松駅
⚫︎運行日 4月〜11月 週末を中心に運行
⚫︎きっぷ購入方法 みどりの窓口・指定席券売機などで1ヶ月前から発売
(詳しくはJR東日本のホームページをご覧下さい)
JR新津駅
⚫︎場所 新潟市秋葉区新津本町
「鉄道のまち・新津」では10月14日の鉄道の日に合わせ、毎年10月中旬頃に「にいつまるごと鉄道フェスタ」が開催されます(予定)。今回は大人気鉄道イベントに潜入し、徹底的に取材しましたのでレポートします!
にいつ鉄道まつり(新津運輸区 C57 180 SLばんえつ物語公開)
新津運輸区は、大正時代に新津機関庫として始まった、歴史がある鉄道関連施設。
現在は信越本線・羽越本線・磐越西線を走る列車の車両基地として、多くの運転士と車掌がこちらに所属し、日々の列車の安全運行を担っている場所でもあります。
信越本線・新津駅〜さつき野駅間の車窓から、新津運輸区にとまる車両を見る事は出来ますが、もちろん普段は入れない場所の特別公開という事でワクワクします!
転車台とは方向を変える設備で、蒸気機関車には欠かせない設備。蒸気機関車が走っていた時代は、全国に転車台が存在しましたが、現役で活躍している一つが新津運輸区の転車台です。
汽笛を鳴らし、黒い煙と白い蒸気を放す蒸気機関車が回転する姿は圧巻でした!
回転中は実際にSLばんえつ物語に乗車をする機関士さんが、蒸気機関車について詳しい説明を同時に行うので、乗車したくなること、間違いなし!目の前で動画や写真に収める事ができるので、滅多にない機会を多くの方が楽しんでいました。
にいつ鉄道まつり(新津駅ぷらっとホームBAR)
出店の飲食物は、にいつ鉄道商店街の各店舗で販売されていますので、新津の散策記念にお立ち寄り下さい。
乗車口案内札や駅名標、列車の方向幕までさまざまな古物が揃い、イベント開始前から多くの方が列に並び、賑わっていました。
皆さんが作った素晴らしい作品が観れるのも、にいつまるごと鉄道フェスタの見どころです。作成担当者の今回のイベントにかけた想いや苦労したことを聞きました(一部 写真提供 新潟大学鉄道研究部)
苦労&工夫した事は、どこまでリアルに魅せられるかという部分。「この部分は細かく汚しておきたい」「この部分は死角になるから少し省略出来そう」など効率良く作業に取り組みました。橋脚のウェザリングと鉄橋の色合いの組み合わせが見て欲しいポイント。単調な黄色に対して、影で支える部分の汚しがマッチし、一番の見所です。
進学で新潟に来て、圧倒され感動した日本海×鉄道の風景。そのときの迫力や感動を模型サイズに込めてみました!スペースの都合上、青海川駅周辺の地形を忠実に再現できず、どの部分を省略するかの吟味に苦労しました。
来観者をもてなすためのもので、今まで経験してきた賞レースと異なり、純粋に楽しみながら制作できました。橋や地形などの制作には慣れていましたが、一人での制作で想定より時間がかかり苦労しました。
北海道でよく見る無人駅をイメージして制作。駅周辺には十勝の畑、富良野のラベンダー畑を配置、さらに道路上には路肩を表す矢羽根付きポールを再現し、北海道特有の景色を詰め込みました。
苦労した点は、いかに省スペースでお客様に楽しんでいただけるレイアウトを組めるかです。その結果、メインとなるタワーを2つ作成、間を橋渡したり縫うような線路を組み、電車を走らせた際に視覚的に楽しめるレイアウト作成を目指しました。お子様をはじめ、見に来てくださる方を楽しませるという一番の目的を達成でき、感謝です。
作品を見て、皆様が発する「すごい!」という言葉が印象的でした。お子様や学生・大人の方、また新津駅長をはじめ、JRの方々にも展示を絶賛して頂いていました。特にトイトレイン展示では、御家庭で保有されてる以上の規模を部で所有して展示しており、展示規模にも驚かれている方もいました。
<新潟大学鉄道研究部>
現在62名が在籍し、部会として週1回集まり鉄道の雑談や定期的に旅行や展示会を実施している、新潟大学の鉄道サークル。新歓旅行や県外への宿泊旅行の他、今年9月には「びゅうコースター風っこ号」を「新大風っこ号」として、新津〜会津若松~小出間で列車の貸切運行を行い、話題になりました。
展示は毎年10月の新大祭(新潟大学の学祭)をはじめ、今回の新津駅の他に長岡駅での展示など不定期で実施しています。最新情報は、新潟大学鉄道研究部公式SNSをご確認下さい。展示依頼も受付中!(要相談)
イベントを通じ、地元の皆様と参加者様が一丸となり、「鉄道のまち・新津」を盛り上げようという強い思いを感じました。
新津観光協会
⚫︎住所 新潟市秋葉区新津本町3丁目1番7号
⚫︎電話番号 0250ー24ー3777
(株)総合車両製作所 新津事業所「レールフェスタinにいつ」
(株)総合車両製作所 新津事業所は、昭和前期に車両の修繕などを行う国鉄の施設として開設し、現在はJR東日本グループの会社として、鉄道の設計から製造まで担う鉄道車両製造工場であり、JR東日本管内や大手私鉄の車両製造を行っています。
新潟県内を走る列車をはじめ、首都圏などを走るJR線や私鉄の車両が、こちらの工場で造られている事はご存知でしたでしょうか?
山手線を走る「E235系」や新潟県内を走る「E129系」などの車両が製造され、日々走っています。皆様が普段乗る車両も、新津で造られているかも?!「新津産まれ」の車両が活躍していると思うと誇らしいです!
今回のイベントでは、JR横須賀・総武快速線(神奈川県・東京都・千葉県)を走る「E235系」や、しなの鉄道(長野県)を走る「SR1系」が展示されていました。
車体のクレーン移動実演・台車取り付け・電車製造工程の公開、完成車両の公開など、普段は見る事が出来ない光景に目が釘付け!
鉄道グッズ販売や鉄道模型の運転体験、ミニ電車運行も行われ、多くの方が楽しんでいました。
(株)総合車両製作所 新津事業所
⚫︎住所 新潟市秋葉区南町19番33号
新津鉄道資料館「新幹線実物車両見学会」
新潟市新津鉄道資料館は、鉄道のまち・新津にいきづく文化や歴史を発信しようと、昭和58(1983)年に開館し、今年開館40年を迎えた歴史ある施設です。
全国的にも、鉄道会社や自治体が運営する鉄道資料館や博物館は多くありますが、新津鉄道資料館は自治体が運営しているとは思えないほど、鉄道に関する資料や展示、体験コーナーが充実しています。
オール2階建て新幹線「Max」として上越新幹線で活躍し、16両編成時は世界最大級の輸送人員を誇った「E4系」(2021年 定期運行終了)
緑色のボディライン、団子っ鼻と丸い目が印象的であり、上越新幹線の開業から約30年に渡り活躍した「200系」(2013年 定期運行終了)
2つの新幹線は定期運行終了後、新津鉄道資料館で実物が展示されています。今回のイベントでは、通常公開されていない運転席と客室が特別に公開されました。
私もMaxは思い出深く、18歳で新潟から東京へ上京する時もMaxであり、30歳を過ぎ新潟へUターンする時もMax。新潟から離れる時も戻る時も、そばで成長を見守ってくれました。
Maxが引退をして約2年ですが、懐かしい空間に涙が出そうになりました…。皆様も、何かしら思い出がよみがえるはずです。
新潟市新津鉄道資料館では、鉄道に関するイベントが随時開催され「実物車両公開デー」も年に数回開催されます。新潟や新津の鉄道文化や歴史を学べ、懐かしい車両にも会える、新潟市新津鉄道資料館を訪れてみてはいかがでしょうか。
新潟市新津鉄道資料館
⚫︎住所 新潟市秋葉区新津東町2丁目5番6号(新津地域学園内)
⚫︎開館時間 9時30分〜17時(最終入館時間 16時30分)
⚫︎入館料 大人300円、高校・大学生200円、小・中学生100円
⚫︎休館日 毎週火曜日(祝日の場合、翌日休館)、年末年始
⚫︎電話番号 0250ー24ー5700
ここ数年の夏は、新潟市秋葉区(新津)が全国最高気温観測1位のニュースを耳にしますが、新津は日本一暑いまちであり、日本一鉄道が熱いまちです。
ぜひ、「鉄道のまち・新津」へ鉄分(鉄道)補給しに、お気軽に足をお運び下さい!
長岡市出身、新潟市在住。
首都圏の某ターミナル駅で駅係員として、10年間勤務をした経験を持つ、元鉄道マン。
新潟へUターン後は、趣味の鉄道と元鉄道マンの経歴を活かし、SNSなどで新潟&公共交通の魅力を発信中!
https://twitter.com/GATA_TETSU_0401