秋の越前浜散策/新潟市


2021年10月05日 591ビュー

越前浜について

いつもお世話になっております、ヤマダです。今年の夏も暑かったんですが、なんだかコロナだったり大雨だったりで、そういえば海を見てなかったな、と。
そこで、夏も終わり静かになった越前浜とその周辺のアートスポットを散策してまいりました。やっぱり、秋といえばアートですよ、アート。特に越前浜は、近年、様々なジャンルの創作家が移住しているとか。
そもそも、越前浜って名前が不思議。越前っていうと福井県じゃん、っていう。どうやら、中世のころ、越前国を統治していた朝倉家の家臣が落ちのびて上陸した地だったそう。
そんな越前浜は、今は海岸からなだらかに上がっていく斜面に網の目のように道路が敷かれた住宅地となっていて、大きな邸宅や木造家屋、それに時代を感じる蔵などが点在するエリアとなっています。
海岸から国道402号線の高架をくぐれば、そこには静かな街並みが広がっています。

まずは「ぎゃらりー浜つばき」へ

海岸から少し歩くと立派な門に「ぎゃらりー浜つばき」の看板。
その向こうには立派な庭園と小屋蔵を改装したギャラリーがあります。
3週間あるいは4週間ごとに地域の様々な作家さんの作品やコレクションを展示しているギャラリーで、オープンしたのは平成25年。
オーナーの篠澤講さん、千夜子さん。
それぞれ教員の仕事を退職後に1年の準備期間を経て開き、今は観光客だけでなく地元の人にも愛されています。
取材時には、新潟市中央区の版画家、渡辺欣次さんの作品を展示。地元メディアに取り上げられたこともあり、2階の展示スペースでは多くの人が作品を楽しんでいました。
「おかげさまで、この8年間、展示が途切れたことはないですね」と千夜子さん。
1階には篠澤夫妻の知人で、以前、展示をしたこともあるオーディオ機器の自作支援や受注制作を行っている市内在住・樋口光栄さんによる真空管アンプなどを展示販売。音楽の試聴もできます。
また、1階のカウンターではコーヒーとケーキも提供しており、角田山登山の帰りに立ち寄り一息つく人も多いとか。
確かに、ご夫婦の人柄とギャラリーの雰囲気がとても素敵で、何度も足を運びたくなります。
ぎゃらりー浜つばき

ぎゃらりー浜つばき

住所:新潟市西蒲区越前浜686
開館時間:午前10時から午後5時まで
開館日:土・日・月・祝日
入館無料。
TEL:0256-77―2013

お次は「ガラスのメルヘン美術館」

海岸から御三家通りを抜け、郵便局の角を曲がりのんびり歩いた先にあるのが、「ガラスのメルヘン美術館」。毎年、各地で作品展を開催し、各地で体験教室を行っている地元のガラス工芸作家、松田尚子さんの作品を展示販売しているギャラリーで、1997年にカーブドッチの方でオープンし3年前にこちらに移転。古民家をリニューアルしてお洒落なギャラリーに生まれ変わりました。
「古民家とガラスが合うのかな、と最初は心配したんですけどね」と館長の川見和彦さん。しかし、20台以上駐車できるスペースがあり、大きな庭にはカーブドッチ時代からのお客さんのリクエストでバラをたくさん植えて、バラのシーズンには花も楽しめるなど、移転によってより魅力が増した様子。
また、スペースが広くなったことで、講師を呼んでのさまざまな体験企画や音楽イベントも行われるようになったそう。
展示されている作品は1000点余り。フィギュアや小物系とネックレスなどのアクセサリーに大きく分かれていて、フィギュアは手のひらに乗るような3センチ、4センチのものが中心。
松田さんが「元々、私が妖精や童話の世界が好きで、フィギュアを作りたくてガラスをやっているので」と話すフィギュア作品は、妖精や天使だけでなく、写実的だけどどこが幻想的な魚やカエルなどの小動物がずらりと並んでいて、見ているだけで顔がほころびます。子どもから大人までみんなが楽しめることうけあい。
旅の思い出にもぴったりだと思います。
一方、アクセサリーはベネチアガラスで作った美しいネックレスなどが目を引きます。どれもすごく美しい。
熱心なファンも多く、妖精の新作が出ると買い求めに来る人も多いほか、「お客さんから写真をいただいて猫や犬を作ることもありますね」と松田さん。とくに愛犬をオーダーする方が多いとか。
そして、館内には飲食コーナーの「はま茶房」を併設。手作りのオープンテラスや縁側カフェで、館長自慢のメニューを堪能できます。
この日いただいたのは、カーブドッチ時代から「館長のカレー」として人気を博していた牛スジを煮込んだ自慢のカレーライス(税込1000円)。濃厚だけれどとても品の良い、本当に美味しいカレーでした。
このほか、研究熱心な川見さんが手掛けるオムライスやケーキ類なども提供しており、ランチスポットとしても魅力的。
ガラスのメルヘン美術館

ガラスのメルヘン美術館

住所:新潟市西蒲区越前浜4715
開館時間:11月から4月までは午前10時から午後5時まで/5月から10月までの土日祝日は午後6時まで。
休館日:毎週木曜。
入館無料。
TEL:0256-77―2611

最後は「植物染め 浜五」へ

最後に訪れたのは、集落の一角にある植物染めの工房「浜五」さんへ。こじんまりとした看板があるだけなので、地図アプリやカーナビなどを利用するのがおすすめです。
十日町市出身の星名康弘さんの工房で、中に入ると染め物の原料となる植物がずらり。ヨモギなど身近な植物も使うそうで、「ここに生えているものも、ね。使ったりするんですよ」と星名さん。取材に訪れた時には、びわの葉っぱを切っていたようです。
四季のさまざまな植物を煮出し、染液を抽出して、布に定着・発色させる植物染めですが、植物はもちろん、定着や発色のさせ方により、色合いが大きく変わってくるそう。
 
元々、建築関係のコンサルタントとして古民家の修復などに携わっていた星名さん。仕事中のワークショップで植物染めの魅力を知り、庭の剪定で出た枝葉で染めたのれんを古民家で活用するなど、本業の一環として取り組んでいくうちに徐々にその魅力に魅せられていったそうで、「自分のライフスタイルに直結していくというか、季節の葉っぱを使うんですが、『もうそろそろかな』と意識するようになっていっちゃったんですね」と話す。
それから工房を開く土地を探す中で、歴史的な建築物がたくさんあり、新潟市街地からのアクセスも良好なこの地に決めたとのこと。
この日は、展示会が近いために、ショールームの展示品は少なめでしたが、それでも、植物染の優しい風合いを楽しむことができました。普段はストールなど販売しているそうです。
また、敷地内には、星名さんの奥さん、ガラス工芸作家の星名泉さんの工房もあり、泉さんの作品も展示されています。
このほか、常連のお客さんが多いことから、「植物に関わるものを」ということで、スパイスや海外のハーブなどを販売していました。
あ、それに忘れちゃいけないのが、こちらのマスコットキャラクター、こっこちゃん。一昨年、庭に迷い込んで来たニワトリだそうで、今では人によく懐いて、お客さんにも付いて回るそうです。
植物染め 浜五

植物染め 浜五

住所:新潟市西蒲区越前浜5408-1
TEL:080-3191―1256
フェイスブック:https://www.facebook.com/hamanogozaemon/
※展示会への出展や作品制作の関係もあるので、見学・買い物希望のかたは事前にTELして欲しいとのこと。

まとめ

越前浜といえばシーサイドライン沿いの海水浴場のひとつ、という印象しかない人も多いかもしれませんが、なんのなんの、網の目のように細い路地が広がり、いたるところに歴史を感じさせる古い建物が点在し、そして、ユニークなギャラリーや創作活動に取り組む人たちがたくさんいました。
通常であれば、角田浜や五ケ浜も合わせて各工房やその作品を公開・展示する「浜メグリ」が春と秋に開催されているので、ぜひ、そういった機会に足を運んでみては?
この記事を書いた人
ヤマダ マコト

新潟市秋葉区在住。サラリーマンの傍らkindleストアで電子書籍にて地元・新潟を舞台にしたエンタメ小説を発表。インディーズながら一部で熱烈な人気を集め、どっちが本業か分からなくなりつつある中年男。