スパイスと地域が“まざりあう”あたたまる場所「三条スパイス研究所」/三条市


2021年11月21日 7794ビュー
「スパイス料理」と聞くと、ちょっと身構えてしまうのは私だけでしょうか?
 
刺激的な風味が自分に合うか不安…
スパイスの種類が多そうで、なんとなく難しそう…
 
今回はそんな、『スパイス料理の経験値が少ない私の先入観』が覆されたお店、「三条スパイス研究所」をご紹介いたします。

地域の憩いの場にある「三条スパイス研究所」へ

北陸自動車道三条燕I.Cから車で約10分。
電車でのアクセスは、弥彦線北三条駅から徒歩1分ほどの場所。
三条スパイス研究所は、三条市の公共施設である「まちなか交流広場 ステージえんがわ」の施設内にあるお店。目を引く特徴的なデザインの建物。木のぬくもりを感じながら、ゆっくり過ごせそうな雰囲気です。
中に入った瞬間にスパイスのいい香りを感じる店内。
若者から中高年まで、さまざまな年代のお客さんが訪れていました。

地元の素材でつくる「ここにしかない」スパイスカレー

三条スパイス研究所の定番人気メニュー「本格ターリーセット」1,320円(税込)。
2種のカレーは「ガーリックチキン」「ラッサム」
それぞれ中辛、辛口のカレーです。
スパイス独特の風味がしっかりと味わえる、本格的なスパイスカレーです。
こちらは「甘口ターリーセット」1,320円(税込)。
カレーの内容は「ココナッツチキン」「うち豆と干し野菜」
スパイスの風味を感じられつつも、とてもやさしい味のカレー。口に入れた瞬間、ココナッツやうち豆の味がふわっと広がりました。
ごはんの上の「スパイスおかず」はニンジン、シイタケ、カリフラワーといった季節の野菜が味付けされたもの。カレーの具材やスパイスを含め、食材は地元産にこだわっています。
混ぜ合わせて味変を楽しみながら食べるのが「三条スパイス研究所」のおすすめの食べ方。
2種類のスパイスカレー、スパイスおかず、そして新潟産コシヒカリのごはんをミックス!
 
うんうん!確かにいろいろな味が楽しめました♪

三条産ウコンとの出会い

ところで、なぜスパイス料理のお店が三条市でオープンされたのでしょうか?

「三条スパイス研究所」の立ち上げに関わったのは、東京でスパイス料理店『SPICE CAFE』を経営されている伊藤シェフをはじめとした三条市内外のクリエイターの人達。
2006年のオープンに向け準備をしていた伊藤シェフは「この土地らしいスパイス料理のお店」を模索されていました。

そんなときに出会ったのが、三条市下田でウコン栽培をしていた山崎一一(やまざきかずいち)さん当時87歳。山崎さんは定年旅行で沖縄を訪れた時に「ウコン」と出会い、その苗を下田に持ち帰り栽培を開始されました。
沖縄とは違い寒さが厳しい三条市下田でウコンを育てるため試行錯誤を繰り返した結果、見事ウコン栽培を成功させた山崎さん。25年以上栽培をつづけた山崎さんのウコンは、地元の農産物販売所で人気商品となりました。

ウコン(ターメリック)といえば、ベースとなるスパイスの一つ。
三条市下田で栽培され、地元の人に愛されるウコンを作る山崎さんとの出会いが、「三条スパイス研究所」でつくるスパイス料理のコンセプトの決め手となったそうです。
山崎さんからウコンの栽培方法を継承した「三条スパイス研究所」は、オープン当初からお店の隣にウコン畑を作り栽培を始めました。
畑で採れたばかり貴重な三条産ウコンをすりおろし、スパイスカレーに使用できるのはこの環境ならではです。乾燥させたウコンではなく、生のウコンを使用してつくるスパイスカレーは珍しいそうです。
 
スパイス料理のベースとなるウコンが三条市で作られていたという事に驚きでした。
この土地に生まれるべくして生まれたスパイス料理のお店と言っても過言ではありませんね。

地元の食や人とふれあえる「二・七の市」で食べる朝ごはん

※写真提供「三条スパイス研究所」

「朝市の日がすごくいいんですよ!」
と教えてくださったのは、三条スパイス研究所で広報を担当されている堀田さん。

三条スパイス研究所が面する道路では、毎月2と7のつく日に「二・七の市」という朝市が開催されています。六斎市として800年以上も続く朝市です。
※写真提供「三条スパイス研究所」

三条スパイス研究所では、「二・七の市」に合わせて、朝7時〜9時の時間で、「あさイチごはん」を500円(税込)で提供しています。(「あさイチごはん」は無くなり次第終了となります。)
※写真提供「三条スパイス研究所」

「お店の目の前で朝採りの食材を売っているので、すごく新鮮なものが手に入ります。農家のお母さんと直接お話をしながら、この食材にはどんな特徴があるのか?どんな料理にあうのか?という会話をしながらお買い物できるんです。新しい発見があってすごく楽しいんですよ!」と堀田さんが教えてくれました。
※写真提供「三条スパイス研究所」

「二・七の市」は売り子のお母さんたちとの会話を楽しみながら新鮮な食材をお買い物して、朝ごはんを楽しんでいく人たちで賑わいます。

最近は親子連れや、若いカップルも増えているそうです。
ここで朝の時間を過ごしたら、良い一日を送れる事間違いなしですね!

人と食がまざりあう“あたたかい場所”

地元の食材で作る各種スパイス料理は、季節によって内容が変わり、旬な食材を使ったお料理を楽しめます。これからの冬の時期は、三条産ウコンを使用した『フレッシュターメリックカレー』やジビエ食材などを取り入れたメニューが加わるそうです。
 
地元の食文化を活かしたスパイス料理を楽しみ、地域の憩いの場として老若男女がくつろぐ空間。
 
スパイス料理で体が温まるだけでなく、心もあたたまる時間を過ごせる「三条スパイス研究所」。
季節ごとに何度も訪れてみたくなりました。
三条スパイス研究所

三条スパイス研究所

住所:新潟県三条市元町11−63
営業時間:10:00~20:00(L.O.19:00)、モーニング(2・7のつく日)7:00~
定休日:毎週水曜日、第一火曜日
<駐車場について>
専用駐車場はございませんので、次の駐車場をご利用ください。
①三条鍛冶道場駐車場 ②中央市場駐車場 ※
※「②中央市場駐車場」は、2と7のつく日は午前12時(正午)まで市場の駐車場として利用するため、市場を利用しない方は駐車できません。
「①三条鍛冶道場駐車場」をご利用ください。

三条スパイス研究所

この記事を書いた人
中林 憲司(なかばやし けんじ)

1978年新潟県加茂市出身。サラリーマンからライター&ブロガーに転身し第二の人生をスタート。愛する新潟と人生を探訪中。

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