雪中貯蔵酒発祥の酒蔵「高の井酒造」/小千谷市


2023年08月08日 2507ビュー
こんにちは、酒の心です。

日本酒王国にいがた、古くから多くの酒蔵がありその数は90蔵近くにも及びます。

さて、今回の舞台は「高の井酒造」 。新潟県は小千谷市にある酒蔵です。

JR上越線小千谷駅から徒歩で8分くらいの所にあります。

雪を室内に敷き詰めて保存する「雪室」もありますが、高の井酒造は大胆にも酒のタンクごと雪に埋めて貯蔵する雪中貯蔵

その発祥の蔵です。 雪貯蔵の効果が最大限に発揮され、うまい酒になるのです。

また、酒米にこだわり抜いた酒「田友」が大人気の蔵でもあります。

さらにさらに、実は酒の心が個人的に熱愛している酒蔵でもありまして、記念の日や贈り物等に高の井酒造の酒に頻繁にお世話になっているのであります。

では、さっそく行ってみましょう!

はじまりはJR上越線 小千谷駅

出発はJR上越線小千谷駅からです。

小千谷といったらそばの有名店が多いですが、今回は我慢して先に進みましょう。

駅を出ると、おっと!なにやら鮮やかな物が目に入ります!
これは錦鯉!!

遊び心あふれるアイディアですね。

小千谷は錦鯉の町でもあり、駅の地下通路への入り口が錦鯉になっているということでひそかに有名なスポットなのです。

駅前を出て右手の道を線路沿いに歩いておよそ5分、すぐに高の井酒造が見えてきました!
奥には「ヤマサキみそ」で新潟県民お馴染みの姉妹会社「山崎醸造」もあります。

ヤマサキみそも我が家で愛用しておりまして、毎日みそ汁をいただいています。

蔵見学で高の井の酒造りを知る

着きましたー。

高の井酒造では前日までの申し込みで蔵見学を行っています。

さらに蔵見学の後は、直売所での試飲や購入ができます。

やっぱりストーリーを知ってから飲む酒は別格ですよね。

ちなみに酒蔵見学に行く場合の注意点として、前日(できれば3日前)から納豆は厳禁です!

納豆菌は非常に強い菌で、酒造りに重要な麹菌に悪影響を及ぼし、蔵全体にダメージを与えます。

蔵人たちは醸造期間中は納豆を食べないそうです。

さて前提知識として、酒造りの一般的工程は、
①精米→②洗米・浸漬→③蒸米→④麹造り→⑤酒母造り→⑥もろみ・仕込み→⑦上槽→⑧濾過・火入れ→⑨貯蔵・調合・割水→⑩火入れ・瓶詰めという流れで行われます。

蒸米からスタート

さっそく酒蔵見学スタートです。

蔵に入ると酒造りや貯蔵に適したひんやりとした空気と、独特の香りが感じられます。

酒蔵に来たぞという実感が湧きますね!

今回は先ほどの工程でいう③蒸し米の場所から案内していただきました。
右にある大きな蒸米機で、精米され浸漬後の酒米を蒸し、中央に流れているエアーシューターで蒸された後に酒米を次の工程の別室へ送ります。

食用米はみなさん家庭でやっているように水と一緒に炊きますが、酒造りでは蒸気で蒸すのです。
これが蒸米機です。大きいですね。

蒸した米は麹(こうじ)用、酒母用、掛け米(もろみ)用とそれぞれに分かれます。

麹造り

次に案内してもらったのは、製麹室(せいぎくしつ)です。

④麹造りの段階です。

蒸した米の麹用がここで使われます。

麹とは、穀物にカビの一種である麹菌を繁殖させたもので、酒造りにおいてはうまみ・甘味など日本酒の味わいを決める重要な役割を持っています。

この丸い大きなたらいのような機械が製麹機です。

円盤状の丸いタンクの中でローラーが回転して麹造りが行われます。

蒸した酒米に麹菌胞子をふりかけ、繁殖させていく工程です。

菌類繁殖のため室温と湿度が高めで、製麹室の中はムワッとした体感温度になっています。

酒母造り

次は酒母室です。

酒母とは、アルコール発酵をさせるための酵母を大量増殖させたものです。

日本酒を造る上で基礎となる液体で、酒母造りも重要な役割を担う工程です。

製麹室が菌を増殖させるため高温多湿だったのに対して、酒母室は低温環境が必要なためひんやりとしています。

もろみ・仕込み

ついに醪(もろみ)仕込みの段階です。

準備してきた麹・酒母・蒸米・仕込み水を入れて発酵させます。

日本酒では基本的に三段仕込みと言い、上記を一気に入れるのではなく、3回に分けて投入して仕込みます。

そうして発酵してできた物をもろみといいます。

発酵中はタンクの中でブクブクと日本酒が活きているのがわかります。

タンクの中は二酸化炭素が充満しているので、直接タンクの上に顔を向けるのは非常に危険です!

手であおいで香りを確認するのが鉄則です。

香りを確認すると日本酒の芳しくいい香りがします。 蔵でしか体験できない香りです。
このタンクの蓋の下階に行くと、大きなタンク本体が見れます!

とても大きいですね。

タンクの外側は冷却水が巡回していて低温状態、日本酒造りに最適な環境になっているそうです。

いったい酒がどれくらい入るんだろう・・・

ここからもろみを絞り、火入れなどが施され酒になっていきます。

ひとつひとつの酒造りのこだわりや想いが感じられる酒蔵見学をさせていただきました。ありがとうございました!

高の井酒造 酒蔵見学

■見学実施日:公式HP 営業日カレンダーをご覧ください。
■案内時間:①10:30〜 ②13:30〜
■所要時間:約30分
■定員:10名まで
■参加費:1人500円
■定休日:水、日、祝日
■申込方法:要予約(前日までに電話、FAX、お問い合わせフォームにて受付)
      電話:0258-86-6090(直通)
      FAX:0258-83-4495

直売所「ゆきみず庵」へ直行!

さて酒蔵見学が終わると、そのまま2022年に開設された高の井酒造の直売所「ゆきみず庵」へ直行できます!(笑)

どんな酒が待っているかなーと期待に胸が膨らみます。

中に入ると、落ち着いた雰囲気が広がっています。
以前酒蔵の一部であった天井梁や土壁など古い造りをあえて残し、酒蔵の雰囲気を融合させながら、酒蔵と呑み手を繋ぐ新たな場を表現しています。

さっそく利き酒マシンを発見しました!
500円でコイン6枚をもらい、サーバーから好きな酒を試飲できます。

人気の特約店限定酒の田友、越の初梅 雪中貯蔵や、直売所限定酒のゆきみず庵、最高峰の伊乎乃(いおの)、さらに季節の酒が試飲できます。

ラインナップは変わるので、来るたびに色々な日本酒が楽しめます。

直売所なので当然ですが、気に入った酒がその場で購入できます。

イチオシはやはり直売所限定の「ゆきみず庵 無濾過直汲み生原酒」 。

みずみずしい口当たりと程よい酸味が感じられ、フレッシュさがあふれています!

ここでしか買えない酒って魅力的ですよね!

気に入った酒をそのまま購入できる

販売のほうでは、限定酒ゆきみず庵の刻印が入った木札が付属となっています。

高の井ファンとしては、これだけでも欲しいですね。
田友を使用した「テリーヌショコラ」もあります。

地元小千谷市の人気パティスリーとのコラボ商品です。

酒好きにはたまらない極上の日本酒スイーツです!

とてもおいしいので、ぜひ購入をおすすめします。
さまざまな賞状やトロフィーも飾られていました。

高の井酒造の醸造レベルの高さがうかがい知れます。

酒蔵を訪ねると、酒がもっとおいしくなる

高の井酒造は、新潟県魚沼地区の豊かな自然と独自の高度な技術を融合させ、こだわりの酒を醸造しており、県内外の方々に新潟の酒造りの魅力を伝える場所として人気を集めています。

厳しい冬の環境と豊かな雪どけ水を活かした酒造りで、他では味わえない特別な日本酒を生み出しています。

特に約14年前に新たに発表された今や大人気の田友。

当時、20歳の私は高の井酒造の特別イベントで東京丸の内で出会いました。

あの飲んだ時の印象は、今でも鮮明に覚えています。

高の井酒造には、酒蔵見学や酒造り体験や、そのまま直売所で試飲・購入とさまざまな楽しみ方が用意されています。

みなさんも高の井酒造を訪れ、新潟の豊かな日本酒文化を体験してみませんか?

ではまた次回!
ゆきみず庵

ゆきみず庵

■営業時間:10:00~16:00
■定休日:日曜、祝日(詳しくは公式HP 営業日カレンダーをご覧ください)
■試飲:あり(有料)

この記事を書いた人
酒の心

【年間400種類以上試飲している唎酒師が唸るうまい酒を紹介】
EC酒店「酒の心」代表+1児1歳の父 日本酒を通じて新潟の魅力を発信していきます! 子どもがおおはしゃぎする子育て世代へのおすすめスポットも紹介していきます。
■酒の心HP:https://sakenokokoro.com/