ぎょぎょぎょ、新潟の進化系さかなやさんに密着!「お魚屋 秋ちゃん」/新潟市


2024年09月29日 24ビュー
皆さん、こんにちは。
取材ライターのエムコネです。

日本海に面し、豊かな漁場に恵まれた新潟県。

「新潟に行ったら食べたいグルメは?」と聞かれたら、「お寿司」「海鮮丼」「お刺身」と答える方も多いのではないでしょうか?やっぱり海鮮は外せませんよね!

四季折々さまざまな旬の魚介が楽しめる、おさかな大国。そんな新潟に、ちょっと新しくて、ちょっとこれまでのイメージとは違った、お魚屋さんがあります。

その名も、「お魚屋 秋ちゃん」です!

カフェ?いいえ、魚屋です

向かったのは新潟市西区。新潟大学五十嵐キャンパスから車で約5分の場所です。

黒を基調としたシックな平屋の建物。外には、おしゃれなストリングライトとウッドデッキが。

カフェ?それとも、ごはん屋さん?と間違えてしまいそうなこのお店が、「お魚屋 秋ちゃん」なのです!
2021年に開業し、今年で4年目を迎えた秋ちゃん。コンセプトは、“主婦目線”のお魚屋さん。

お魚屋さんと言うと、威勢の良いおじさんやお兄さんがやっているというイメージがありませんか?実際に、ネットで「魚屋」と画像検索してみると、出てくるのはそんなイメージの男性ばかり。

しかし秋ちゃんは、主婦である女性店主の秋間さんが、「お魚のおいしさを伝えたい」と立ち上げたお魚屋さんなのです!そして、スタッフも女性ばかり。唯一、紅一点で仕込み担当の通称じっちゃん(秋間さんのお父様)がいらっしゃるとか(笑)。
こちらが店主の秋間さんです。お世話になっている漁師さんの船の名前を記した、オリジナルTシャツからも、魚への愛と漁師さんたちへの感謝の思いがひしひしと伝わってきます。

秋ちゃんのルーツは、秋間さんのお祖母様が営み、お母様と秋間さんが手伝っていた魚屋さん「鷲尾鮮魚店(わしおせんぎょてん)」に由来します。新潟市の古町エリアで長年親しまれていましたが、2022年に閉店。現在は、秋間さんとお母様の2人が中心となって、鷲尾鮮魚店の味を受け継ぎ、秋ちゃんで提供しています。
そんな、鷲尾鮮魚店での経験を元に、自らのお店を立ち上げた秋間さん。

「新潟や佐渡など地物の魚をメインに、旬の魚の美味しさをたくさんの方に伝えていきたい」と、毎朝4時起きで自ら市場に足を運び、自分の目で見て直接買い付けています。

今回私も早起きをして、仕入れの同行取材もさせていただきましたよ~!その様子は後ほどご紹介するとして、まずは店内をのぞいてみましょう。

主婦にうれしい♪こだわりの品揃え

とってもこぢんまりとした店内には、所狭しと商品が並べられています。

お店は9時オープンですが、朝仕入れた魚をさばいていくので、お刺身やおこわなど最も多く商品が並ぶのはお昼頃から。「あれも美味しそう!これも食べてみたい!」と、まるで宝探しをするかのようにワクワクしちゃいます。

(2組ずつの入店になるので、店内に他のお客様がいらっしゃる場合はちょっとだけ待ちましょう。)
秋ちゃんが、ちょっと他のお魚屋さんと違うのは、ラインナップを見れば一目瞭然。お魚屋さんなのに、魚そのものは並んでいません。

食べるだけ、焼くだけ、揚げるだけといった、家庭での調理の手間を極力省いた商品が並びます。それが秋ちゃんのポイント!

主婦には悩まないお魚料理を、子どもたちにはお魚のおいしさを、男性には晩酌のお供を……すべての方がお魚を食べてしあわせになれるように、との思いが込められています。

日々、仕入れによってラインナップは変わりますが、取材時に並んでいたおいしいモノたちの一部をご紹介します。
 
鮮度抜群!旬のお刺身
その日、市場で仕入れたばかりの、旬の新鮮な鮮魚をお刺身に!

実は、私も以前から秋ちゃんを日常的に利用しているファンなのですが、秋ちゃんのお刺身は鮮度はもちろんのこと、スーパーではあまり見かけないようなものが置いてあるんです。

そして、付け合せもさすがは主婦目線。大根のツマだけでなく、生姜やネギ、わかめなども生のもので、彩りだけでなくちゃんとおいしさにもこだわっています。
 
リピーター多数の味噌漬け&しんじょう
鷲尾鮮魚店から受け継いだ秘伝の味噌で漬け込んだ味噌漬けや、海老の甘みが口いっぱいに広がる海老しんじょう。1切れ、1個単位で購入できるのがうれしいですよね。

自分で魚をおろして一から作るとなると時間も手間もかかりますが、これなら焼くだけ、揚げるだけのひと手間で、作りたての料理が完成です。

そして、金曜日は「フライデー」と称し、お家で揚げるだけのフライや白身魚の昆布締めなど、いつもとは違ったラインナップが登場します。
 
楽ちん、おいしい、お魚料理
サラダ、揚げ物、焼き物、蒸し物など、海鮮を使った料理も種類豊富!秋間さんをはじめ、長年実家の魚屋さんに勤めてきたお母様による手作りの品々が並びます。

どれも日常の食卓を彩る、“お母さんの手作り料理”。もちろん添加物不使用で、素朴であたたかなおいしさがあるんですよ。そして、その日の仕入れによってラインナップが変わるので、訪れる度に「今日は何のお魚料理が並んでいるかな?」とワクワクしちゃいます。

秋ちゃんの仕入れに潜入!

さて、冒頭でも申し上げましたが、お店に並ぶお魚たちは、全て毎朝、秋間さんが市場で直接買い付けているんです。お惣菜屋ではありませんよ~秋ちゃんはあくまで“お魚屋” なのです!

普段どのように仕入れているのか、新潟市江南区にある新潟市中央卸売市場に、私も同行させていただきました。
時刻は朝5時……目がまるで棒(開いていない)の私とは反対に、市場は活気に溢れ、せりの真っ最中!
新潟・佐渡沖で水揚げされた魚たちを中心に、旬の鮮魚が集まります。(一般の方もお買い物できるんですよ!)

秋間さんがこの市場に通うようになって3年。最初は右も左もわからないまま、鷲尾鮮魚店の頃からお世話になっている仲買人さんを頼って飛び込んだそうです。

毎日通うことで顔を覚えてもらい、信頼関係ができ、いつも魚のことを勉強させてもらっていると秋間さんは言います。
場内を一緒に歩いていると、仲買人さんたちが「秋ちゃんおはよう!」「秋ちゃん、今日これがオススメだけどどう?」「おっ取材?さすが~!」と次々に声がかかります。仲の良いやりとりがとっても楽しいんです。

2時間ほど、その日獲れたての魚を吟味しながら場内を回りました。値段が高い、安いだけで判断するのではなく、「自分が食べたいと思ったものを選ぶ」という秋間さん。自分の目で見て、心が動いた魚を仕入れるのが、秋ちゃん流なんですね。

そしてお店に持ち帰り、オープンの9時に向けて仕込みが始まります。家庭のお母さんでもある秋間さん、主婦業もしながら秋ちゃんでのお仕事をされているとのこと……まるでスーパーサイヤ人でしょうか!!すごすぎる~。

魚のある食卓をいつまでも

(鷲尾鮮魚店にて、幼い頃の秋間さんと従姉妹たち。)

幼い頃から「お魚屋さん」が身近な存在であり、おいしい魚を食べて育ってきた秋間さん。一方で、ママになった周りの友人たちが「自分が魚嫌いだから子どもにも食べさせない」「夕飯のおかずは365日毎日お肉」と言っていたことと、まちなかの魚屋さんがどんどん減っていく現状を目の当たりにし、「自分が魚屋をやるんだ!」と決心したと言います。

「3年間やってみて分かったのは、新潟の皆さんは決して“魚離れ”をしていたわけではないということ。秋ちゃんには小さな子を持つ若いママさんからご年配の方まで、幅広い年代のお客様がたくさんいらっしゃいます。魚を気軽においしく食べるきっかけさえあれば、喜んで食べてくださるんです。新潟の水産業界をもっと盛り上げるためにも、もっと魚屋さんを増やしたいと思っています。秋ちゃん2号店、3号店をやりたい方、大募集しています!(笑)」と笑顔で話す秋間さん。
おいしい魚を食べて育った子どもたちが、親になったときに子どもにおいしい魚を食べさせる。そんな風に、魚を食べる食習慣を未来につなげていきたいとも話してくださいました。
また秋間さんは、お店をオープンしたときから環境問題にも目を向け、様々な取り組みを行っています。

「完全な脱プラスチックはまだまだ難しいのですが、少しでもできることをと思い始めました。うちで販売しているレジ袋は、売上の一部が日本一海洋ごみが集まる長崎県対馬市に寄付され、海洋ごみの回収活動にあてられています。その他、紙トレーを導入したり、海岸清掃に参加したりと、できることから少しずつ。きれいな海を子どもたちに残していきたいですね」と秋間さん。

今回密着取材をさせていただき、秋間さんの漁師さんや市場関係者の方々への感謝の思い、そして海、魚、未来のこどもたちへの愛をとっても感じました。秋間さん、ありがとうございました!

秋ちゃんのインスタグラムがおもしろいんです

若い方が魚屋さんに抱くイメージを払拭し、身近に感じてもらえるよう楽しく見てほしいと始めたインスタグラム。その日の商品ラインナップや仕入れたお魚のおもしろい小ネタなど、秋ちゃんのインスタグラムには楽しい情報が盛りだくさんです。

Facebookには、その日の仕入れ情報が載っているそうなので、どちらも要チェックですよ。

女性が営む主婦目線の秋ちゃんは、これまでの魚屋さんのイメージをガラッと変える、まさに進化系のお魚屋さん。ワクワクとぎょぎょぎょ、そして愛がたくさん詰まった秋ちゃんへ、ぜひお買い物に行ってみてください。
お魚屋 秋ちゃん

お魚屋 秋ちゃん

新潟市西区五十嵐東3丁目13-1
025-378-1677
営業時間/9時~19時頃(仕込みの状況による)
定休日/水・木・日曜、祝日

※商品の価格は2024年8月末取材時の価格です。仕入れにより異なります。
※画像の一部はご提供いただきました。

お魚屋 秋ちゃん

この記事を書いた人
エムコネ

富山県生まれ、新潟市在住のママライター。 グルメな夫、子鉄の長男、肉食の長女、リアクション芸人の私、の4人家族。 外食費と娯楽費が家計を圧迫していますが、おいしいモノとたのしいコトを求めて日々開拓中!
Instagram : https://www.instagram.com/maconnect2022/