古民家カフェの童話空間で大人も楽しめる人形劇や紙芝居を!「童話café」/新発田市


2024年10月31日 1626ビュー
古民家のお店って歴史を感じる落ち着ける雰囲気が大好きなんですよね~。
新発田市にちょっと変わった古民家カフェができたということで行ってきました!
場所は新発田市の国道290号沿い、月岡温泉から4㎞、新発田駅から6㎞ほどの位置にある、
築85年の古民家を改装してできたお店「童話café」です。
国道だからとスピードを出していると、通り過ぎてしまいそうになるのでご注意ください。

昔遊びに行った親戚のおうちのような古民家

外で赤ずきんちゃんの看板がお迎えしてくれるお店の中に入ると、まるで実家かおばあちゃんの家に来たかのような気分にさせてくれます。
古民家ファンとしては最近お目にかかれない窓ガラスの模様が嬉しいです。
玄関に入ってすぐの猫っぽい看板には「どなたもどうぞおこしください」の文字がありました。
宮沢賢治の童話「注文の多い料理店」を思い起こさせ、ちょっとクスリと笑わせてくれます。
ちなみにその先に「鉄砲や弾を置いてください」「ベルトを外してください」などの看板はありませんでした~。

はじめて食べてもなつかしい味のナポリタン

通常メニューはスパゲッティと飲み物のお店なので、人気メニューの「ナポリタン」(980円税込)をお願いしました。
付け合わせの野菜が花のように切ってあったり綺麗な盛り付けですが、味は奇をてらわないやさしい味付けです。
はじめて食べても昔どこかで食べたようななつかしさがあります。
ナポリタン以外のスパゲッティは「ペペロンチーノ」「カルボナーラ」「ミートソース」のおなじみ四天王がひかえています。
この日はほかに期間限定メニューで「天津飯」「マーボー飯」、台湾スイーツの「豆花(トウファ)」などがありました。季節ごとの限定メニューに出会える時もありそうです。
ど真ん中ストレートのパスタでいくか、変化球の期間限定メニューでいくかといったところですね!

静かな童話の世界に迷い込んだようなメルヘン空間

店内に部屋は二つあり、大きいテーブルがあって会食などに向いている部屋と、小さなテーブルがあって絵本の本棚のある部屋があります。

ランチタイムには割引料金のサービスドリンクが注文できたので、食後のホットコーヒー(220円)をお願いし小さなテーブルの部屋へ移動しました。
落ち着いた古民家の中でコーヒーを味わうと、ゆるやかな空気を感じます。
まるで美術館かテーマパークのようだと室内を見ながらゆっくりとコーヒーを楽しんだのですが、
これは童話の世界、物語の世界なのだとふと感じました。
なつかしいと共に童話の中のようでもあるお店をじっくりと楽しむのもいいですね~。
こちらの部屋には絵本もたくさんあります。
会食をしてお話を楽しんでもいいし、絵本カフェとして読書をしながら飲食を楽しんでもいいと思います!

大人の楽しめる人形劇と紙芝居を

そしてさらにこちらのお店では毎週土曜日に「紙芝居」の上演をされていて、年に数回「人形劇」の上演もされています。

代表の中村渓さんは元々飲食業をされていたのですがチェコに留学し国立大学の人形劇学科で学ばれ、帰国後の2022年に「劇団コチュカ」(コチュカはチェコ語で仔猫の意味)を結成されたそうです。
そして人形劇を楽しんでもらうお店を開きたいと地元の新発田で2023年の6月に「童話café」をオープンしたとのことでした。
フランスで演劇を学ぶとか大阪でお笑いを学ぶとかなら想像の範囲内なのですが、チェコで人形劇とはすごい人生の選択ですね!
今回は土曜の19時から開演する人形劇を見させていただきました。ワンドリンク付きの完全予約制です。(中学生以上1,000円、小学生500円)

はじめに紙芝居の上演があり、その後人形劇が上演されました。
紙芝居は「たからのげた」というあまり聞いたことのないお話でした。
劇団の方の上手な語り口でどんどんと引き込まれ、童心に帰っていきました~。
これ以外にも毎週土曜日の午後2時からは紙芝居の上演をされているそうです。食後ないしお茶を飲みながら紙芝居を楽しむ午後もいいですね!
休憩後に人形劇「3匹の子ブタ」がはじまりました。
上演前のお話で「チェコでは酒場で大人たちがお酒と共に人形劇を見ている」というお話を聞いてとても納得がいきました。
この部屋の演者が立つステージ裏は畳一枚ほどの広さしかないそうですが、大きなステージを使う演劇に比べて小さな面積でできる人形劇は酒場などの娯楽として確かにぴったりだと思いました。
チェコの人形劇はドイツの支配下時代、公共でのチェコ語の使用は禁止されていた中で、人形劇だけは独特な言い回しがあるためチェコ語を使うことが許されていたという歴史背景から大人向けの娯楽になっていったそうです。

ちょっと対象年齢高めの風刺やユーモアを入れた人形劇を見ていると、チェコの大人たちもきっと場末の薄暗い酒場に集まって、音楽の生演奏を鑑賞するように人形劇を酒やタバコを片手に楽しんでいるのだろうな、と異国の酒場の場景が妄想として思い浮かびます。新しい感覚でした!
劇は音響と光の演出もすばらしく、手を入れて動かすハンドパペットと糸で動かす人形とでは動きの速さや自由度が違って表現の幅が大きいと感じました。
あらためて鑑賞してみて演劇ともアニメーションとも違う人形劇ならではの表現があるのだなと思いました。
同じ劇でも毎回少しずつ演出を変えているとのことで、リアルタイム上演の良さがありますよね。
次回上演は「泣いた赤鬼」とのことです。これも楽しみですね!(上演日はお店にご確認ください)

ちなみに劇団コチュカは一緒に活動する仲間を募集中だそうです。表現する側に興味がある方も一度劇を見てみるといいかもしれません。
お店ではお昼の営業や人形劇上演会のほか、1日1組限定(4~12名)の事前予約制夕食会もされており、その時も予約時に紙芝居の上演を申し込むことができるとのことでした。
もちろん絵本や物語の好きな子供も楽しむことはできると思いますが、童話に触れる機会が減った「大人になった子供」にこそ楽しんでもらいたいお店だと感じました。

中村さんは「オープンから時間がたち認知度が高まってきたので、大人の楽しめる劇を広げていきたい」と話されていました。
興味のある方はぜひ訪ねてみてください!
童話café

童話café

住所:新発田市法正橋125
電話:0254-28-9208
営業時間:11:00~16:00
定休日:水曜日、第2・4火曜日
駐車場:10台

この記事を書いた人
まきたろう

若い頃は自転車日本縦断や四国八十八ヶ所の歩き遍路など旅を住み家とし、新潟に戻っても漂泊の思いやまず仕事の傍ら県内外をさ迷っている人生まだまだ旅の途中の人。 昭和とか縄文とか古いものが好き♪五泉市在住。