あたたかさ伝えるうどん・そば・トーストサンドのレトロ自販機「ポピーとよさか」/新潟市
2024年12月31日
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うどん・そばなどの食品を販売する「レトロ自販機」がネットやテレビの影響で近年注目されています。
県内のみならず北陸地方で唯一、めん類とトーストの二種類のレトロ自販機がそろっていると言われるお店を愛好家の一人としてぜひご紹介したく、お伺いしました。
県内のみならず北陸地方で唯一、めん類とトーストの二種類のレトロ自販機がそろっていると言われるお店を愛好家の一人としてぜひご紹介したく、お伺いしました。
コインスナック「ポピーとよさか」は新潟市北区の県道3号(新潟新発田村上線)沿いにあります。
ここは新新バイパスができるまでは国道7号だった道路で、当初は国道沿いにあるドライブインだったことがうかがえます。
ここは新新バイパスができるまでは国道7号だった道路で、当初は国道沿いにあるドライブインだったことがうかがえます。
店舗の上には昔はよくあった布製のテント看板が張られていました。書体も時代を感じます。
この一杯の天ぷらそばのために県外から来る人もいる老練の自販機
昭和の空気ただよう店内に入ってすぐ見えてくるのは若い人はまず見たことはないと思われるデザインの富士電機製「うどん・そば自販機」です。歴史を感じるデザインにとりあえず興奮します!
「天ぷらそば」と「天ぷらうどん」(どちらも400円)があり、今回は天ぷらそばを選択しました。
お金は100円玉のみ利用可能でゲームコーナーも併設しているため両替機もあります。電子マネーはちょっと非対応ですね(笑)。
お金を入れボタンを押すと、わりと最近までは「ニキシー管」を使ったカウンター表示器が稼働してできあがりまでの秒数を頑張ってカウントしてくれていたのですが、現在は「2」の文字だけが点灯し調理中を示します。
レトロにして貴重なニキシー管を使っていますし、直るかどうかは難しいところでしょうね…。この今の出会いが最後かもしれないという感覚、レトロ自販機は存在そのものが一期一会なんです!
お金は100円玉のみ利用可能でゲームコーナーも併設しているため両替機もあります。電子マネーはちょっと非対応ですね(笑)。
お金を入れボタンを押すと、わりと最近までは「ニキシー管」を使ったカウンター表示器が稼働してできあがりまでの秒数を頑張ってカウントしてくれていたのですが、現在は「2」の文字だけが点灯し調理中を示します。
レトロにして貴重なニキシー管を使っていますし、直るかどうかは難しいところでしょうね…。この今の出会いが最後かもしれないという感覚、レトロ自販機は存在そのものが一期一会なんです!
残り秒数も不明な中、チンという昔の電子レンジのごとき音と共に唐突にお出しされるそばを自販機から取り出すときのワクワク感はたまりません!
何かSFのようにも魔法の箱のようにも感じる、この流れが一つの娯楽ですね!
何かSFのようにも魔法の箱のようにも感じる、この流れが一つの娯楽ですね!
ちなみに自販機の中ではめんの入った器にお湯が注がれ、器ごと回転させる「遠心湯切り機構」で湯切りをして、仕上げにだし汁が注がれてできあがってくる動作が行われているようです。
出てきた今回のそばは汁が少しひかえめでした。前に来た時のうどんは汁があふれそうなほど入っていて「お湯が出すぎてしまう」状態だとお店の方が話されていたのですが、きっと調整されたのですね。
そういう最新の機械では起きない不器用なところも魅力的です。ちょっと味がうすい時は備え付けの一味トウガラシが強い味方になってくれます。
お湯をくぐらせ汁に浸されたかき揚げはとても柔らかくなっていて、それも楽しい食感です。そばはかつて新潟駅のホームで食べた古き良き立ち食いそばのようなお味だと思ったのですが…。
お湯をくぐらせ汁に浸されたかき揚げはとても柔らかくなっていて、それも楽しい食感です。そばはかつて新潟駅のホームで食べた古き良き立ち食いそばのようなお味だと思ったのですが…。
お店では16時までは調理コーナーで手作りのうどん・そばも提供されています。
自販機では味わえない卵の入った「月見そば」(450円税込)をお願いして食べました。(卵とかき揚げを両方味わえる「天たま」などもあります。)
食べ比べてみるとこっちが駅そばの味そのものでした!
自販機では味わえない卵の入った「月見そば」(450円税込)をお願いして食べました。(卵とかき揚げを両方味わえる「天たま」などもあります。)
食べ比べてみるとこっちが駅そばの味そのものでした!
渡辺里子さんたちお店のマドンナの皆さんが調理コーナーで作ってくださるそばのほうが、だし汁のバランスやめんのゆで具合などで優れていると感じます。旅先で一息入れるために食べたあのほっとする味ですね~。
そうしてみると自販機のそばはそれ独特の「そば自販機の味」なのだと思います。
このうどん・そばなどの食品自販機が開発されたのはコンビニが台頭してくる前の1970年代の半ばで、深夜や早朝でもあたたかいものを食べてもらいたいという思いやりから作られたのだと個人的に思っています。
お店の開店からずっと、故障を繰り返しては昔からの業者さんに修理をしてもらいながら「あたたかいもの」を提供してきた懐かしい味はちょっと無骨で、だがそれがいい!のです。
そうしてみると自販機のそばはそれ独特の「そば自販機の味」なのだと思います。
このうどん・そばなどの食品自販機が開発されたのはコンビニが台頭してくる前の1970年代の半ばで、深夜や早朝でもあたたかいものを食べてもらいたいという思いやりから作られたのだと個人的に思っています。
お店の開店からずっと、故障を繰り返しては昔からの業者さんに修理をしてもらいながら「あたたかいもの」を提供してきた懐かしい味はちょっと無骨で、だがそれがいい!のです。
北限のオニバスのさらに北にある北限のトーストサンド
今はホットサンドという名前でお洒落で多彩なレシピのものがあちこちで提供されていますが、その前からあたたかいトーストを提供してきた「トーストサンド自販機」は「ハムトースト」と「チーズトースト」(どちらも200円)のシンプルな二択です。
このトースト自販機は県内では2台稼働が確認されていますが、全国的に現存している数は少なくこのお店より北にはないため「北限のトーストサンド」になります。
もう一つのお店についてはこちらを参考にして下さい。
このトースト自販機は県内では2台稼働が確認されていますが、全国的に現存している数は少なくこのお店より北にはないため「北限のトーストサンド」になります。
もう一つのお店についてはこちらを参考にして下さい。
ボタンを押すとトーストの文字が点滅し、アルミホイルで包まれたトーストが熱せられて出てきます。
思っている以上に熱い時があるので取り出すときには注意が必要です。
これもまたレトロ自販機の愛すべき不器用さだと思います!
外側はカリカリに焼かれて、チーズトーストはチーズがほどよく溶けています。
ちょっと小腹を満たしたい時に食べたり、うどん・そばとセットで食べてもいいかもしれません。
思っている以上に熱い時があるので取り出すときには注意が必要です。
これもまたレトロ自販機の愛すべき不器用さだと思います!
外側はカリカリに焼かれて、チーズトーストはチーズがほどよく溶けています。
ちょっと小腹を満たしたい時に食べたり、うどん・そばとセットで食べてもいいかもしれません。
こちらもお店の皆さんがサンドイッチを作ってアルミホイルで包み自販機に入れています。
うどん・そばのかき揚げもお店で作ったものですし、手作りコーナーがあるのは自販機から商品が出ないなどのトラブルがあった時に対応する意味合いもあるそうです。
レトロ自販機は自動販売といいながらも手間ひまがかかる、人の関わりと思いやりが伝わる販売機なのかもしれません。
うどん・そばのかき揚げもお店で作ったものですし、手作りコーナーがあるのは自販機から商品が出ないなどのトラブルがあった時に対応する意味合いもあるそうです。
レトロ自販機は自動販売といいながらも手間ひまがかかる、人の関わりと思いやりが伝わる販売機なのかもしれません。
ちょっとしたアーケードゲーム博物館
いかにもドライブインらしいポピーとよさかさんはゲームコーナーも備えたホビーも充実したお店でした。
ファミコン時代らしきドット画面のブラザーズの隣に、映画のようなグラフィックのオンライン対戦までできる格闘ゲームが置かれていたりして、日本のゲーム技術の発展を目の当たりにできます。
気が付いたらゲームセンターでおこづかいをずいぶん使っちゃっていた青春時代を過ごしてきた人たちにもまた楽しめる場所になっています。
気が付いたらゲームセンターでおこづかいをずいぶん使っちゃっていた青春時代を過ごしてきた人たちにもまた楽しめる場所になっています。
お店では記念になるキーホルダー(500円税込)も販売されていました。
若い男性二人が入ってきたのでお声がけさせていただくと「市内に住んでいるがネットでお店のことを知って初めて来た。レトロな感じが良かった」と話されていました。
社長の中島薫さんによれば「土日には県外ナンバーの車がよく来ている」とのことでしたが、この日も平日なのに埼玉県ナンバーの車が来ていました。熱烈な愛好家は遠くからでも来ます!
「誰もが気軽に休める場所として特別な売り方や宣伝は何もせず、何十年と同じことを長くやってきた」と社長さんは話されていましたが、もはや続けていただけるだけで価値のある場所になっていると感じました。
昔を知る人には懐かしく、若い人にはレトロでかえって新しいおどろきを感じる場所なのではないかと思います。ぜひ昭和から残る憩いの文化を感じに来てみてください!
若い男性二人が入ってきたのでお声がけさせていただくと「市内に住んでいるがネットでお店のことを知って初めて来た。レトロな感じが良かった」と話されていました。
社長の中島薫さんによれば「土日には県外ナンバーの車がよく来ている」とのことでしたが、この日も平日なのに埼玉県ナンバーの車が来ていました。熱烈な愛好家は遠くからでも来ます!
「誰もが気軽に休める場所として特別な売り方や宣伝は何もせず、何十年と同じことを長くやってきた」と社長さんは話されていましたが、もはや続けていただけるだけで価値のある場所になっていると感じました。
昔を知る人には懐かしく、若い人にはレトロでかえって新しいおどろきを感じる場所なのではないかと思います。ぜひ昭和から残る憩いの文化を感じに来てみてください!
ポピーとよさか
住所:新潟市北区内島見2545-2
電話:025-386-1374
営業時間:8:30〜21:00
駐車場:30台
定休日:なし
この記事を書いた人
若い頃は自転車日本縦断や四国八十八ヶ所の歩き遍路など旅を住み家とし、新潟に戻っても漂泊の思いやまず仕事の傍ら県内外をさ迷っている人生まだまだ旅の途中の人。 昭和とか縄文とか古いものが好き♪五泉市在住。