日本一の若手料理人が誕生! RED U-35グランプリシェフの「佐渡フレンチ」を味わう旅/佐渡市
2026年03月20日
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2025年10月、大阪・関西万博の会場で、若手料理人日本一を決める大会のファイナルステージが開催されました。全国からエントリーした511名の頂点に立ったのが、なんと、佐渡のシェフだったのです……!!
その大会の名は「RED U-35」。35歳以下の料理人を対象とした、日本最大級の料理人コンペティションです。
書類審査や映像審査、実技審査、プレゼンテーションなど、選考期間は半年以上。技術はもちろん、料理人としての姿勢や発信力も含めて評価され、若手料理人にとっては大きな挑戦の場とも言われています。
その大会の名は「RED U-35」。35歳以下の料理人を対象とした、日本最大級の料理人コンペティションです。
書類審査や映像審査、実技審査、プレゼンテーションなど、選考期間は半年以上。技術はもちろん、料理人としての姿勢や発信力も含めて評価され、若手料理人にとっては大きな挑戦の場とも言われています。
そのような権威ある大会において、2025年の頂点に立ったのが、佐渡のオーベルジュ「Ryokan浦島」内にあるフレンチレストラン「La Plage(ラ・プラージュ)」の須藤良隆シェフなのです!
海を渡り、Ryokan浦島へ
あめやの桟橋(佐和田海水浴場内)
ということで、今回取材に向かったのは……海の向こう側、佐渡!
冬の日本海のご機嫌をうかがうような空模様のなか、この日はつかの間の晴れ。佐渡汽船新潟港ターミナルから、ジェットフォイルで約1時間の船旅です。両津港に降り立つと、まず最初に聞こえるのが佐渡おけさ。この音を聞くと、「あぁ、佐渡に帰って来たなぁ」としみじみ感じるのです。(佐渡に一度訪れると、二度目以降は帰ってきたという気持ちになるんです。不思議)
そして両津港から車で約30分、佐渡市の佐和田エリアに到着です。
ということで、今回取材に向かったのは……海の向こう側、佐渡!
冬の日本海のご機嫌をうかがうような空模様のなか、この日はつかの間の晴れ。佐渡汽船新潟港ターミナルから、ジェットフォイルで約1時間の船旅です。両津港に降り立つと、まず最初に聞こえるのが佐渡おけさ。この音を聞くと、「あぁ、佐渡に帰って来たなぁ」としみじみ感じるのです。(佐渡に一度訪れると、二度目以降は帰ってきたという気持ちになるんです。不思議)
そして両津港から車で約30分、佐渡市の佐和田エリアに到着です。
今回滞在するRyokan浦島は、真野湾沿いに佇み、景勝「越の松原」を借景とするオーベルジュ。名建築家・内藤廣氏と北山恒氏が手掛けた東館・南館、さらに愛犬と泊まれる専用コテージの3棟を要する、佐渡を代表する宿の一つです。
「食で佐渡を旅する」をテーマに、日本料理、フレンチ、鉄板焼と3つのレストランがあり、季節ごとの旬の食材を用いた本格会席や、須藤シェフによるフレンチなどを通して、佐渡の豊かな自然と文化を味わう贅沢なひとときを過ごすことができます。
「食で佐渡を旅する」をテーマに、日本料理、フレンチ、鉄板焼と3つのレストランがあり、季節ごとの旬の食材を用いた本格会席や、須藤シェフによるフレンチなどを通して、佐渡の豊かな自然と文化を味わう贅沢なひとときを過ごすことができます。
宿泊した東館は、落ち着いた色調のインテリアと上質な木のしつらえが配された空間で、静かにくつろげる雰囲気。窓の向こうには真野湾が広がり、佐渡の自然と調和した設計によって、海辺のリゾートらしい穏やかさが感じられました。
そして、この旅の一番の目的である「ラ・プラージュ」は、Ryokan浦島の東館に佇むフレンチレストランです。2012年の東館リニューアルにともないオープンし、フランスの三つ星レストランで修業した須藤シェフが腕をふるいます。
ここで味わえるのは、佐渡の魚介や島黒豚、佐渡牛など、選りすぐった地元食材を使った本格フレンチ。なんと、使用する食材の9割が島内のものだそう。
佐渡の海は暖流と寒流が交わることで、魚種が豊富な漁場として知られ、さらに島内では北方系と南方系の植物(りんごやみかんなど)が同時に育つなど、多様な自然環境が広がる場所。須藤シェフは島内を巡って食材を見つけ出し、その持ち味を引き出しながら、フレンチの技法で島の風土を映した一皿へと仕立てていきます。
ここで味わえるのは、佐渡の魚介や島黒豚、佐渡牛など、選りすぐった地元食材を使った本格フレンチ。なんと、使用する食材の9割が島内のものだそう。
佐渡の海は暖流と寒流が交わることで、魚種が豊富な漁場として知られ、さらに島内では北方系と南方系の植物(りんごやみかんなど)が同時に育つなど、多様な自然環境が広がる場所。須藤シェフは島内を巡って食材を見つけ出し、その持ち味を引き出しながら、フレンチの技法で島の風土を映した一皿へと仕立てていきます。
「日本の縮図」ともいわれるほど、豊かな海と大地の恵みをあわせ持つ佐渡。その環境が育んだ食材の魅力を存分に味わえるのが、ラ・プラージュです。宿泊者以外でもランチ・ディナーともに利用できるレストランとして、島内外から多くのゲストが訪れています。
さぁ、いよいよディナーの時間です。全9品のコース料理から、一部をご紹介します。
さぁ、いよいよディナーの時間です。全9品のコース料理から、一部をご紹介します。
ラ・プラージュで味わう佐渡の恵み
最初に運ばれてきたのは、新玉ねぎのブランマンジェと金山雲丹。
新玉ねぎをじっくり炒めて、甘みを凝縮したブランマンジェに、佐渡の酒蔵「天領盃酒造」の甘酒を使ったソースを合わせて。雲丹は、北海道以外で初めて成功したという、佐渡で海洋深層水を使って畜養されたエゾバフンウニ。新玉ねぎや甘酒の自然の甘みに、昆布の旨みをたっぷり含んだウニの海の滋味が静かに重なり、口の中がやさしさで包まれます。
新玉ねぎをじっくり炒めて、甘みを凝縮したブランマンジェに、佐渡の酒蔵「天領盃酒造」の甘酒を使ったソースを合わせて。雲丹は、北海道以外で初めて成功したという、佐渡で海洋深層水を使って畜養されたエゾバフンウニ。新玉ねぎや甘酒の自然の甘みに、昆布の旨みをたっぷり含んだウニの海の滋味が静かに重なり、口の中がやさしさで包まれます。
続く前菜は、佐渡産本鮪と彩り豊かな地野菜。
多種多様な西洋野菜もすべて佐渡産。野菜はそれぞれの持ち味を引き出すため、火入れを変えています。まるで、佐渡の大地の力強さと海の豊かさを象徴したかのような、華やかな一皿です。
多種多様な西洋野菜もすべて佐渡産。野菜はそれぞれの持ち味を引き出すため、火入れを変えています。まるで、佐渡の大地の力強さと海の豊かさを象徴したかのような、華やかな一皿です。
南蛮海老のコルヌ
魚料理は、旬の佐渡産アンコウのカダイフ包み焼き。
外はパリッと軽やかに、中はふんわりと旨みを閉じ込めた仕上がり。ソースはレモンバター、タプナード、菊芋、そしてアワビの肝を合わせて、さまざまな表情を見せます。食感のコントラストが鮮やかで、思わず頬が緩みます。
外はパリッと軽やかに、中はふんわりと旨みを閉じ込めた仕上がり。ソースはレモンバター、タプナード、菊芋、そしてアワビの肝を合わせて、さまざまな表情を見せます。食感のコントラストが鮮やかで、思わず頬が緩みます。
そして、メインは佐渡牛フィレ肉のロースト ソース・ヴァン・ルージュ。佐渡島の伝統工芸である無名異焼の器とともに。
年間約40頭ほどしか出荷せず、さらに島外にはほとんど出回らない希少な黒毛和牛。炭火でじっくり火を入れ、旨みを閉じ込めています。赤ワインをベースとしたソースには、隠し味として佐渡の田舎味噌を入れ、深みとコクをプラス。フランス料理の王道に、佐渡の発酵文化がそっと溶け込むのが、須藤シェフならではです。
年間約40頭ほどしか出荷せず、さらに島外にはほとんど出回らない希少な黒毛和牛。炭火でじっくり火を入れ、旨みを閉じ込めています。赤ワインをベースとしたソースには、隠し味として佐渡の田舎味噌を入れ、深みとコクをプラス。フランス料理の王道に、佐渡の発酵文化がそっと溶け込むのが、須藤シェフならではです。
ムース・オー・ショコラブラン
須藤シェフのお料理は、フランス料理の伝統をベースに、佐渡の食材だけでなく郷土の文化や風土までも織り込んであります。まさにこの土地でしか出合えない「佐渡フレンチ」。島の背景までも味わうようなひとときでした。
余韻を胸に客室へ戻り、夢のなかへ……。
須藤シェフのお料理は、フランス料理の伝統をベースに、佐渡の食材だけでなく郷土の文化や風土までも織り込んであります。まさにこの土地でしか出合えない「佐渡フレンチ」。島の背景までも味わうようなひとときでした。
余韻を胸に客室へ戻り、夢のなかへ……。
佐渡の朝はやさしい和の朝食から
翌朝、カーテンを開けると、やわらかな光が真野湾を照らしていました。
さて、旅の楽しみといえば朝食も欠かせません。同館の朝食は、日本料理の趣を大切にした和食膳。まるで浦島太郎の玉手箱のようなお重に盛られた数々の料理は、季節の素材を生かした品々が中心で、見た目にも美しく整えられています。
お造りや旬の野菜、出汁のきいた煮物や焼き物など、多彩な味を少しずつ。朝の静かな時間に合わせるように、ひとつひとつの味わいが体にやさしく染み渡っていきました。
さて、旅の楽しみといえば朝食も欠かせません。同館の朝食は、日本料理の趣を大切にした和食膳。まるで浦島太郎の玉手箱のようなお重に盛られた数々の料理は、季節の素材を生かした品々が中心で、見た目にも美しく整えられています。
お造りや旬の野菜、出汁のきいた煮物や焼き物など、多彩な味を少しずつ。朝の静かな時間に合わせるように、ひとつひとつの味わいが体にやさしく染み渡っていきました。
インタビュー「RED U-35への挑戦と舞台裏」
朝食を終えたあと、須藤シェフにお話をうかがいました。RED U-35への挑戦はどのように始まり、グランプリに至るまでどんな思いがあったのでしょうか。
須藤 良隆(すとう よしたか)。1991年、佐渡市生まれ。辻調理師専門学校卒業後、軽井沢「オーベルジュ・ド・プリマヴェーラ」で修業。渡仏し、フランス・リヨンの三つ星「ポール・ボキューズ」にて研鑽。帰国後、Ryokan浦島「La Plage」へ。2025年、「RED U-35」グランプリ受賞
「実は、RED U-35は今回が初挑戦でした。35歳までという年齢制限があるので、この年が最後のチャンスだったんです。通常営業を続けながら大会用の料理を考えたり、プレゼンテーションの練習をするのは正直大変でしたが、どうしても佐渡の食材で勝負したかった。島で料理をしている以上、自分の原点である佐渡を表現しないと意味がないと思ったんです」と須藤シェフ。
「佐渡島の金山」が世界文化遺産に登録されたタイミングもあり、2025年大会のテーマ「日本から世界へ EARTH FOODS 25」にも強く重なるものがあったといいます。
須藤シェフが大会で披露した料理の要となったのは、佐渡の郷土料理「ふぐの子の粕漬け」。ごまふぐの卵巣を2年以上塩蔵して毒を抜いた後、佐渡の酒粕で長期間熟成させるという、佐渡の珍味です。地域で受け継がれてきた味をフランス料理の技法で再構築するという挑戦でした。
「昔からある料理をそのまま再現するのではなく、いまの時代にどう届けるかを考えました。郷土料理は守るものでもありますが、同時に進化させていくものでもあると思っています。佐渡の食文化を、未来にちゃんと残せる形にしたかったんです」と、その思いを丁寧に語ります。
「昔からある料理をそのまま再現するのではなく、いまの時代にどう届けるかを考えました。郷土料理は守るものでもありますが、同時に進化させていくものでもあると思っています。佐渡の食文化を、未来にちゃんと残せる形にしたかったんです」と、その思いを丁寧に語ります。
ラ・プラージュの料理に甘酒や味噌といった発酵のニュアンスがさりげなく織り込まれている理由も、そこにあります。
「郷土料理をそのまま出すのではなく、その背景にある文化や風土を料理に溶け込ませたい。食材をただ使うだけでなく、そこにある物語ごと皿の上にのせてお伝えしたいです」と話す表情は穏やかですが、その言葉には佐渡愛と強い決意が感じられました。
「郷土料理をそのまま出すのではなく、その背景にある文化や風土を料理に溶け込ませたい。食材をただ使うだけでなく、そこにある物語ごと皿の上にのせてお伝えしたいです」と話す表情は穏やかですが、その言葉には佐渡愛と強い決意が感じられました。
グランプリ受賞後は県外や海外からの来訪も増え、「受賞シェフの料理を食べに佐渡へ来ました」と声をかけられることもあるそうです。それでも須藤シェフは静かに語ります。
「ここがゴールではありません。評価をいただいたのはスタートラインに立てたということ。これからも佐渡という土地と向き合いながら、自分にしかできない表現を続けていきたいです」
その言葉を聞きながら昨夜のコースを思い出し、料理から感じた島の風景や空気は、この土地とまっすぐ丁寧に向き合う中で生まれているのだと改めて感じました。
佐渡は食の宝島! 須藤シェフによる「佐渡フレンチ」をきっかけに、島の奥深い魅力に出合ってみてください。
「ここがゴールではありません。評価をいただいたのはスタートラインに立てたということ。これからも佐渡という土地と向き合いながら、自分にしかできない表現を続けていきたいです」
その言葉を聞きながら昨夜のコースを思い出し、料理から感じた島の風景や空気は、この土地とまっすぐ丁寧に向き合う中で生まれているのだと改めて感じました。
佐渡は食の宝島! 須藤シェフによる「佐渡フレンチ」をきっかけに、島の奥深い魅力に出合ってみてください。
Ryokan浦島
新潟県佐渡市窪田978-3
TEL 0259-57-3751
■フレンチレストラン「La Plage」
営業時間 / 11:30〜14:00(L.O.13:30)、18:00〜21:30(L.O.20:30)
メニュー / ランチ3,000円~、ディナー6,000円~
定休日 / 不定
この記事を書いた人
富山県生まれ、新潟市在住のママライター。 グルメな夫、子鉄の長男、肉食の長女、リアクション芸人の私、の4人家族。 外食費と娯楽費が家計を圧迫していますが、おいしいモノとたのしいコトを求めて日々開拓中!
Instagram : https://www.instagram.com/maconnect2022/