市民の映画愛が詰まった、人と映画をつなぐ新潟の老舗映画館「新潟・市民映画館 シネ・ウインド」/新潟市


2026年03月23日 21ビュー
大型商業施設が立ち並び、ショッピングやグルメなど連日多くの方で賑わう、新潟市中央区・万代シテイ。

その一角にある映画館「新潟・市民映画館 シネ・ウインド」をご存知でしょうか?!
場所は新潟伊勢丹の向かい。ビルボードプレイスと併設する、万代シテイ第2駐車場1階にたたずむ映画館です。
↑映画とシネ・ウインドをこよなく愛する、井上支配人にお話をお伺いしました

1985年12月に開館し、2025年12月に40周年を迎えた、新潟の老舗映画館「シネ・ウインド」

その歴史は深く、1985年3月に新潟市古町の名画座「ライフ」が閉館した事を受け、市民が運営する映画館の設立が提唱されて、市民からの出資を募って開館した経緯を持ちます。

また、設立当時から公的なバックアップを受けず、入場料収入や映画館の運営を支える会員の年会費で成り立っているのが特徴です。

映画館の運営も、会員のボランティアスタッフの活動によって支えられている事も特徴であり、まさに「市民の愛が詰まった、市民が運営する市民のための市民映画館」です。

このような形で運営を行う映画館は全国的にも貴重でもあります。
シネ・ウインドの名称は、「映画=窓(WINDOW)」という意味と「新潟に新しい風(WIND)を起こそう」という思いと共に、地元・新潟にしっかりと根を張って外から来る風(映画・演劇・音楽などあらゆる文化)に対して、常に開かれた空間でありたいという思いで名づけられています。
近年は、一つの映画館に複数のスクリーンを持つ複合型映画館「シネマコンプレックス」が全国的にも増えましたが、一方でシネ・ウインドはスクリーンは1つ・座席は64席ほどの「ミニシアター」と呼ばれるコンパクトな映画館です。

また、動画配信サービスが普及しており、自宅でも外出先でもテレビやスマートフォンなどで気軽に映画が観れる時代になりました。

そのような中でも映画館に来館して映画を観る醍醐味は、スクリーンの大画面の映像と高品質な音響システムの音が奏でる臨場感です。

圧倒的な映像と音の迫力は、自宅や外出先では味わえない映画館ならではの雰囲気を楽しめます。
シネ・ウインドの上映作品は、誰もが知る名作映画から知られざる国内外の傑作映画をはじめ、シネマコンプレックスでは上映されないような、ドキュメンタリー作品やインディーズ作品まで幅広いジャンルの映画を積極的に上映しています。

上映作品の中には、新潟県にまつわるドキュメンタリー作品や世の中の話題・議論を映画にしたドキュメンタリー作品など、独自の上映作品がラインナップされているのも特徴です。

上映作品によっては、映画製作者を招いたトークショーやワークショップが開催される事もあり、お客様同士で作品について語り合ったり、映画制作者と交流したりと映画を通じたコミュニティ形成の場となっています。

映画館の裏側に特別潜入!

ここで、普段は公開されていない映画館の上映の裏側を特別に公開します!

数時間にも及ぶ上映作品、一体どのように映写されているのでしょうか?!

ご存知の方も多いかと思いますが、劇場の後方上部に見える小窓の中に映画館の心臓部「映写室」があり、スクリーンに映写しています。
↑フィルム映写機

現在、ほとんどの映画館ではデジタルデータを電気信号でプロジェクターに送って映像を映し出す、プロジェクタータイプの「デジタル映写機」を導入しています。

一方でシネ・ウインドでは、フィルムに光を当てて拡大しスクリーンに映像を映し出す「フィルム映写機」を主に利用していましたが、劣化などの問題に伴い故障も頻発していました。

その中で、2025年11月からシネ・ウインドでもデジタル映写機が導入され、スクリーン全体の明るさが均一になり、シャープでクリアな映像で映画がより一層楽しめるようになりました。

また、フィルム映写機の場合は2,000時間〜3,000時間ごとにランプ交換が必要でしたが、デジタル映写機は記録メディアで対応しているため、約5万時間の映写に対応しています。
↑デジタル映写機

デジタル映写機導入に関わる費用は会員や市民らに募金を呼びかけて、約1,100万円という莫大な資金の調達を無事達成した経緯を持ち、まさに多くの方に愛されている映画館であると実感します。

また、上映作品の中にはフィルム映写機のみ対応の作品上映もあるために、フィルム映写機は現在も残っており、様々な映像が楽しめるのもシネ・ウインドの魅力です。

このような経緯があって、日々の上映が楽しめる事にも感謝ですね。
↑映写室から見た劇場の様子

映画館を支える、シネ・ウインド会員

シネ・ウインドの運営を支える会員数は新潟県内各地をはじめ、全国に会員を有しており、2026年2月現在・約2,000名。

シネ・ウインドに興味があれば、新潟市民・新潟県民に関わらず全国から入会可能です!

また、会員がボランティアスタッフとして映画館の運営に積極的に参加でき、映画文化に貢献できるのが特徴です。

会員の中には仕事を引退された方や主婦をはじめ、会社員や個人で様々な場面で活躍されている方など、得意分野を活かして活動に携わっています。

会員は割引料金で映画を鑑賞できるだけでなく、イベント企画・広報活動・会報誌編集などの多岐に渡る活動のほか、上映作品の選定にも携われるため、自身がおすすめする映画の上映も可能です。

会員を随時募集しています。きっと、映画を通じた横の繋がりもできますよ。

館内の所蔵コーナー

ロビーに図書館のような空間が広がる「所蔵コーナー」

この所蔵コーナーには、会員の方々から寄贈された書籍がところ狭しと並び、約20,000冊におよぶさまざまなジャンルの本が所蔵されています。

もしかしたら、鑑賞する映画の監督や俳優の関連書籍に出会うかもしれません。

貸出は行っていませんが、ロビーに椅子もあるので映画鑑賞の方は鑑賞前後に読書も楽しめます。(※会員の方は貸出可能)

みる かたる つくる にいがた映画130年史

シネ・ウインド開館40周年を記念して、2025年12月に発売された、新潟の映画文化を深く学べる一冊「にいがた映画130年史」

シネ・ウインドの歴史をはじめ、映画年鑑に見る新潟県内の映画館の変遷や、新潟がゆかりの映画・県内ロケ作品リストも掲載されています。

「この場所に映画館があったな」と懐かしくなる県内各地の映画館の写真も掲載されており、当時を思い出す方もいらっしゃるかもしれません。

映画を愛する方には見逃せない一冊であり、映画と共に語り継がれる記憶をこの一冊で体感できること間違いなしです。

月刊ウインド

シネ・ウインドの広報ツールでもある会員誌「月刊ウインド」

上映スケジュールや作品紹介のほか、監督や出演者のインタビュー特集なども掲載されており、映画好きな方にはたまらない一冊です。

もちろんこちらもシネ・ウインド会員が企画・取材・撮影・執筆・校正などを行い、映画好きの目線で深堀りした内容が掲載されています。

価格は1冊330円。新潟市内の書店(紀伊國屋書店・ジュンク堂書店など)をはじめ、ネットショップでも購入可能であり、気軽に手にとって楽しめるのも魅力です。

*毎月1日発売 *シネ・ウインド会員は無料配布 

安吾の会

また、シネ・ウインドでは新潟市出身の作家・坂口安吾を偲び、その世界観を後世に伝えることを目的とした「安吾の会」の事務局も兼ねており、坂口安吾に関する書籍の発売や資料の所蔵も行っています。
まさにシネ・ウインドは「市民の映画愛が詰まった、人と映画をつなぐ新潟の老舗映画館」です。

万代シテイでショッピング・グルメなどと共に、シネ・ウインドで映画鑑賞もいかがでしょうか?!

私も映画大好き!きっと、映画を通じて新しい発見があり、充実した時間を過ごせますよ。

「いやぁ〜、映画って本当に素晴らしいものですね」
新潟・市民映画館 シネ・ウインド

新潟・市民映画館 シネ・ウインド

⚪︎住所   新潟市中央区八千代2-1-1 万代シテイ第2駐車場ビル1階
⚪︎電話番号 025-243-5530
⚪︎休館日  火曜日
⚪︎開館時間 上映時間による
⚪︎料金   大人2,000円 学生(大学生・専門学生)1,300円
      小人(3歳~高校生)1,000円 シニア(60歳以上)1,300円

⚪︎アクセス(バス)
「万代シテイ」下車→新潟駅から乗車の場合、八千代橋線・上所線・新大病院線は伊勢丹脇に停車するので便利です
⚪︎駐車場
映画鑑賞の方に万代シテイ第2駐車場で利用できる5時間駐車無料券発行→シネ・ウインド受付で駐車券を提示してください

新潟・市民映画館 シネ・ウインドの場所

この記事を書いた人
GATA_TETSU

長岡市出身、新潟市在住。
首都圏の某ターミナル駅で駅係員として、10年間勤務をした経験を持つ、元鉄道マン。
新潟へUターン後は、趣味の鉄道と元鉄道マンの経歴を活かし、SNSなどで新潟&公共交通の魅力を発信中!
https://sites.google.com/view/gata-tetsu-0401