妙高七五三(なごみ)の湯で自分に合った温泉めぐりを楽しもう!後編【美肌づくりの湯めぐり(敏感肌向け)】/妙高市


2021年12月27日 8838ビュー
複数の温泉地が集まった「温泉郷」。
一つの温泉地だけでは得られない効果があるのがその魅力です。
 
新潟県妙高市にある「妙高高原温泉郷」もその一つ。

7つの温泉地(赤倉温泉、新赤倉温泉、池の平温泉、妙高温泉、杉野沢温泉、燕温泉、関温泉)

5つの泉質(単純温泉、塩化物泉、炭酸水素塩泉、硫酸塩泉、硫黄泉)

3つの湯色(透明以外に、白、赤、黒)

という特徴があることから「妙高七五三(なごみ)の湯」と呼ばれています。

また全国的にも有名な「温泉ソムリエ」の発祥の地でもあり、温泉ソムリエが提案するおすすめの湯めぐりコースを楽しむことができるのも魅力の一つです。

前編では「冷え性改善の湯めぐり」コースをご紹介しましたが、後編では「美肌づくりの湯めぐり(敏感肌向け)」コースをご紹介します。

今回も温泉ソムリエ家元の遠間和広さんに、温泉やめぐり方のポイントをお聞きしながら実際に湯めぐりをしてきました!

 

遠間和広(とおまかずひろ)

妙高市赤倉温泉にある遠間旅館代表。
2002年に赤倉温泉を中心に温泉ソムリエ制度をスタート。現在は温泉ソムリエ家元として、温泉の楽しみ方や入浴法を多くの人に伝え続けている。

敏感肌の方向け!美肌づくりの湯めぐり

▲「妙高・山里の湯宿 香風館」内湯

遠間「妙高高原温泉郷の7つの温泉地は全て美肌の湯なんです。ただ燕温泉のような刺激の強い温泉もあるので、敏感肌の方には単純温泉など優しい泉質の温泉を中心にご案内しています。」
▲関温泉「中村屋旅館」内湯

遠間「美肌の湯と言われる炭酸水素塩泉アルカリ性の温泉は肌の表面を溶かすからツルツルになります。その分水分が抜けてしまうので、入浴後に乾燥しやすいのです。塩化物泉は塩の成分がパックのような役割をしてくれるので、炭酸水素塩泉やアルカリ性の温泉の後に入ると効果的です。」

それでは実際に湯めぐりに行ってみましょう!

①妙高温泉「刺激が少ない温泉から始めよう」

まず一つ目におすすめされているのが源泉から一番遠く、標高も最も低い位置にある妙高温泉。

刺激の強さは泉質とともに、源泉からの距離で決まるそうです。 また標高に関しても低い位置から始めることで体が徐々に慣れていくので、泉質自体も肌に優しい単純温泉である妙高温泉は一つ目の入浴にぴったり。
今回は「妙高・山里の湯宿 香風館」にお邪魔しました。 こちらは温泉ソムリエを持ったスタッフがおり、日帰り入浴も随時受け入れているお宿。

温泉は別棟にあり、趣のあるオシャレな雰囲気で女性受けもよさそう。
▲貸切風呂


貸切風呂もあるので、小さなお子様連れや高齢の方、介助の必要な方との入浴にも最適でした。

実際に入浴してみると、入った瞬間に湯が優しい!と驚いたほど。

ゆっくり浸かれる適温で、肌あたりもよく優しく包まれているような感覚でした。
妙高・山里の湯宿 香風館

妙高・山里の湯宿 香風館

住所:新潟県妙高市大字関川643-11
電話:0255-86-2046
FAX:0255-86-2703
日帰り入浴営業時間:12:00〜20:30
入浴料:大人700円 小学生500円 幼児300円 2歳以下無料
貸切風呂あり(要予約)

②池の平温泉「単純温泉か硫黄泉をお好みで」

妙高温泉からぐんと標高を上げて訪れたのが2つ目、池の平温泉です。 こちらは3つの湯色の一つ「」い温泉が特徴。「黒泥湯(こくでいゆ)」と呼ばれ、硫黄の成分を多く取り込んでいるとても濃い温泉です。

あれ?濃い温泉って敏感肌でも大丈夫なのでしょうか?

遠間「実はこの泥に抵抗のある方もいるので泥を濾過して提供している施設が多いんです。硫黄を含んでいる泥なので、それを除くと硫黄泉じゃなくて単純温泉になるんですよ。」

そのため、池の平温泉では肌に優しい単純温泉硫黄泉の二つをお好みで選ぶことができます。
今回お邪魔したのは「アルペンブリックスパ 日帰り温泉」。こちらは内湯は単純温泉、露天は単純硫黄泉の「黒泥湯」。

露天風呂はさらに源泉から定期的に泥を運んで入れているそうで、より泉質の濃い湯となっています。

皮膚病によいとされていますが、人によっては湯あたりすることもあるので、敏感肌の方やお子様は様子を見ながらの入浴がおすすめ。
実際に入浴してみると、露天の黒泥湯は浸かると黒い湯花がサァーっと浮き上がり、成分の濃さを実感します。

またこちらの露天風呂からは妙高山が間近に眺められ、環境からも癒し効果を感じました。

露天風呂から上がったあとは一度体を流し、内湯の単純温泉へ。刺激の強い温泉からすぐに優しい温泉で仕上げられるのはここならでは。

入浴後は肌がサラッとして気持ちよかったです!
アルペンブリックスパ 日帰り温泉

アルペンブリックスパ 日帰り温泉

住所:新潟県妙高市池の平温泉2413−11
電話: 0255-86-5130
営業時間:9:00〜22:00 (12/11〜冬期営業 7:00〜23:00)※最終入館は30分前まで
入浴料:大人800円 小学生400円 未就学児無料
休館日:火曜日

③-a 赤倉温泉「ダブル美肌の湯と温泉街」

池の平からほぼ同じ標高の森の中を進んで向かったのは赤倉温泉。

赤倉温泉と言えば、冬になると賑わう温泉街を想像する人が多いのではないでしょうか。七五三の湯の7つの温泉地の中でも、宿やお店など施設数も一段と多く温泉街歩きを楽しめるのが赤倉温泉でもあります。
こちらの泉質は硫酸塩泉炭酸水素塩泉のダブル美肌の湯。さらに肌への刺激が少ない中性、源泉から温泉街までの間に絶妙な湯加減になるという、いいことづくしの温泉なんです。

また江戸時代から続く歴史のある温泉で、多くの文人や岡倉天心にも愛された温泉地なんだそう。
お邪魔したのは「ホテル太閤」。高台にある赤倉温泉エリアの手前に位置し、妙高高原を見下ろすロケーションが抜群!

源泉から温泉施設に来る頃に43度前後になり、入浴するにはちょうどよい温度でゆっくり浸かることができました。

この日は快晴で、向かい側の斑尾連邦がくっきりと見えましたよ。こちらは貸切風呂も利用できるそうです。
ホテル太閤

ホテル太閤

住所:新潟県妙高市赤倉温泉402
電話:0255-70-4195
メール:info@h-taiko.net
日帰り入浴営業時間:11:30〜21:00
入浴料:大人800円 子ども550円
貸切風呂あり(要予約)

③-b 新赤倉温泉「高原リゾートと紅葉がおすすめペンション街」

ここでもう一つ。赤倉温泉と源泉を同じくする新赤倉温泉もご紹介します。基本的には泉質は赤倉温泉と同じなので、「赤倉温泉」と記載されているコースは「新赤倉温泉」で代用しても問題はないそう。

では赤倉温泉と新赤倉温泉の違いってなんなのでしょうか?

遠間「確かに泉質は一緒です。ただ標高や周辺環境が異なるので、全体的な癒し効果には違いがあります。」

さらに新赤倉温泉の中でも標高の高いリゾートエリアとペンションやアットホームなホテルが並ぶ森林エリアではかなり環境が違うそう。
今回、日帰り入浴できる施設としてお邪魔したのは「赤倉ユアーズ・イン」。

森林エリアにあるアットホームで居心地のよい洋風のホテルです。 宿泊のお客様が多いときは日帰り入浴をお断りすることもあるそうなので、立ち寄る際は事前に連絡するとよいでしょう。

浴室に入るとわずかな塩素臭。赤倉温泉と同じ硫酸塩泉炭酸水素塩泉のダブル美肌の湯です。
赤倉温泉との違いはやはり環境。「赤倉ユアーズ・イン」の前からは一直線に伸びる道路の先に妙高山。とても景色が綺麗でした。

またこのあたりは紅葉シーズンがとても綺麗だそう。森林に囲まれている新赤倉は自然美を眺めながらの散策と合わせて温泉を楽しむのもいいかもしれません。
赤倉ユアーズ・イン

赤倉ユアーズ・イン

住所:新潟県妙高市田切219-70
電話:255-87-2427
メール:a-yoursinn@cube.ocn.ne.jp
日帰り入浴営業時間:13:00〜(宿泊客の状況によりお断りする場合がありますので、事前にお問い合わせください)
入浴料:大人500円 小学生350円

④関温泉「最後は塩のパックでしっかり保湿」

最後にめぐるのは、3つの湯色の一つ「」い温泉が特徴の関温泉です。

前編の冷え性改善の湯めぐりでもご紹介した通り、関温泉は塩の成分が多い塩化物泉。こちらは美肌づくりの湯めぐりの仕上げにもぴったり!最後は塩のパックでしっかり保湿しましょう。
▲(画像提供:中村屋旅館)


今回お邪魔した「中村屋旅館」には、リピーターも多く、皮膚病やアトピーに効くと通う敏感肌のお客さんも多いそうですよ。

グリーンシーズンは野天風呂も人気。取材時は12月半ばで冬期閉鎖中だったのですが、中村屋旅館のご主人から写真を見せていただくことができました。

大自然の中で新緑や紅葉を眺めながら入る野天風呂は、お肌だけでなく心も潤わせてくれそうですね!
また関温泉は全ての宿が「源泉100%かけ流し宣言」をしている温泉地。

遠間「温泉は自然の恵みのままで使用すると、体の錆落とし効果がある還元系になっているとされています。」

前編の冷え性改善の湯めぐりでもご紹介しましたが、赤い湯色と言っても実は見た目は意外と赤くないのです。その理由を「温泉に含まれる鉄が酸化することで赤くなるから」と聞いていたのですが、酸化が進んでいない=還元系だということなのだそう。

簡単に言うと、自然のままのフレッシュな温泉だと言うことです。



 
中村屋旅館

中村屋旅館

住所:新潟県妙高市関温泉
電話:0255-82-2308
FAX:0255-82-2341
メール:nakamuraya@joetsu.ne.jp
日帰り入浴営業時間:9:00〜17:00
入浴料:大人500円 小学生以下200円

自分の体に合わせて温泉を選べる!妙高七五三の湯の楽しみ方は無限大。

今回は前編・後編を通して、二つの湯めぐりコースを実際に体験してご紹介しました。パンフレットには他にも3つのおすすめ湯めぐりコースが記載されています。(生活習慣病予防や傷の回復コースなど)

ただしこれらはほんの一例であって、人それぞれ自分に合う温泉、そしてめぐり方を見つけられるのが妙高七五三の湯なのだと遠間さんは教えてくれました。
遠間「赤倉温泉はコテコテの温泉街、池の平温泉はいもり池越しの妙高山が見える、関温泉・燕温泉は田舎のV字渓谷の中。それだけ多様な環境で、さらに泉質もすごい。 その人にあった温泉、めぐり方を選ぶことができるということは、万人をも受け入れられるバラエティ豊かな温泉郷ということです。」

皆さんもぜひ、自分のお気に入り温泉地&湯めぐりコースを見つけてみてくださいね。

七五三の湯にちなんだご当地グルメが始まりました!

妙高七五三の湯にちなんで地元の新鮮な食材を使ったランチを提供する「妙高七五三御膳」が令和3年11月から妙高市内の宿泊施設と飲食店で始まりました。
こちらについて、ライター水澤陽介さんのレポートで紹介しています。

妙高七五三の湯【美肌づくりの湯めぐり(敏感肌向け)】モデルコース

この記事を書いた人
諸岡江美子

千葉県出身。新潟県に移住して10年。雪国の暮らしの知恵が好きで、地域のじいちゃんばあちゃんから教わったことを日々研究中。古民家で夫、子どもと田舎暮らしを楽しみながら、フリーでライターやインスタ集客をやっています。
https://note.com/emiko_writer