日本最古の石油とシンクルトン手堀井戸とは?「黒川石油公園」必見ポイント!/胎内市


2022年03月31日 5795ビュー
胎内市の旧黒川村地区。黒川という地名は黒い川が流れるほどに原油が湧き出たことからついたと伝えられています。

今も原油が出ていますが、微量で、精製する手間などから採油する人はいないとのことです。

その黒川には飛鳥時代、天智天皇ゆかりの日本最古の黒川油田と明治シンクルトン手堀井戸があるそうです!

現在は大昔に生活の一部で使用していたものを実際に見て学べる場所となっています!
 樽が橋エリアから山の中を車で10分ほど進むと見えてきました! 

 まず「大きい!」と言いたくなる木枠のものが見えました。この木枠は後で出てくるシンクルトンの名前と関係しているようです。
日本書記(668年)、天智天皇の記録に「越の国より燃土、燃水を献る」とあるのは黒川とも伝えられています。

この看板にも当時の日本書記の絵が出ていますね。昔はこんな風に運んでいたのですね!
木の枠の建物を通りすぎ進んでいくと、ポコポコと音がしました!

ワクワクしながらどこだろうと下の方を見てみると無色透明な天然ガスが出ていました。

初めて天然ガスを見たので、このようになっているのか!と新たな発見がありました。

これは、大昔の胎内市が海だった頃、プランクトンや藻などの生物の死骸や、陸から運ばれた植物などが土砂といっしょに積み重なり、長い年月に天然ガスとなったそうです!

家庭で使用するものには漏れた時にわかるように臭いをつけていますが、ここの天然ガスは臭いがないです!
そして、原油が今も沸く池があります。

第一印象は「黒い!」と思いますよね。 地表近くの含油層から自然に湧き出た原油が溜まり、真っ黒な池の水になっています。

ほかの地域の原油は茶味をおびていますが、ここの原油は風化して真っ黒です!

この原油を「臭水(くそうず)」と昔から呼んでいるようです。 臭水は灯りとして、また貴重な燃料として利用され、生活を豊にし、地域文化の発展をさせてきたとのことです。
毎年7月に日本書記の記録をもとに伝統儀式「燃水祭」を開催しており、そこで採油した油を天智天皇が祀られる近江神宮(滋賀県)に献上しています。
この地方でしかみられない「かぐま」といったシダを束ねた独特の道具で、水面に浮かんだ油を採油していて、この燃水祭でしか見ることができないため珍しいです!
そして冒頭で出てきたシンクルトンと木枠のワードがついに明らかになります!

明治6年にイギリス人医師シンクルトンがこの地を訪れ、木枠をはめた安全な井戸の造り方を教えてくれたとのことです。

深さは10mほどあり、当時の木枠が腐らずに残っています。この周辺には50以上の油井戸があり、中には20m以上の深いものがあるようです。

シンクルトンという名前が由来になったのですね。井戸は深いため見学の際はご注意を。
この井戸から採れた原油は、大昔には天皇献上品として、やがて家や神社の柱などの防腐剤、お風呂をわかす燃料、電気のかわりの灯明、港の漁船の燃料、灯台の燃料などに使用されてきたようです。
他にも1番大きい白い建物があり、それがシンクルトン記念館となります。

黒川油田を発展させるきっかけになったシンクルトンを記念して建てられた記念館には、古くから伝わる採油道具、機械掘りの模型展示や、ハイビジョンシアターなどがあるそうです。

油田が存在し、昔の人が生活の際に使用していたものを学べる場所となっています。

見学したい方は、現在は要予約なので電話してからお願いします(^^
胎内市黒川には油田が存在し、先人の方々が大切に守られてきたので今後も継承していくことで大事な遺産が未来へと残り続いていくのだと思います。

黒川に油田があることを知らない方もいるので、発信して広めていく重要性は高い場所だと感じました。

歴史ある黒川油田にぜひ足を運んでみてください。

シンクルトン記念公園

住所:胎内市下館1622
営業時間:9:00~17:00
休館日:毎週月曜日、12~3月
料金:お1人様 一般300円、小中学生150円
    20名以上の団体 一般200円、小中学生100円
電話番号:0254-47-3260
※4月よりオープン予定  要予約 胎内市生涯学習課文化・文化財係まで 0254-47-3409(生涯学習課)

シンクルトン記念館

この記事を書いた人
胎内市観光協会【公式】カメラ女子inたいない

SNSにて(twitter、Facebook、Instagram、観光協会HP〈胎内観光NAVI:おすすめ〉)観光協会職員、一般ボランティア+観光PR大使を含む現在14名で胎内のさまざまな魅力を詳しく発信中!

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