ハードコア系温泉マニアの聖地・新津温泉を堪能/新潟市


2022年04月22日 24190ビュー

日本最高峰の石油系温泉「新津温泉」を君は知っているか?

観光の王道といえば温泉。お年寄りから若者まで性別問わずみんなが大好き。アウトドアもウインタースポーツもショッピングも楽しいけれど、やっぱり最後は温泉。仕事の疲れがたまると、「たまには温泉にゆっくり浸かれたら」と思わず漏らす人も少なくないはず。最近は日帰り温泉施設も増えて、より手軽に楽しめるようになりました。
さて、そんな中で「新津温泉」であります。
昭和29年にオープンした日帰り温泉で、場所は新津のほぼ市街地。昔から地域の人にひっそりと親しまれてきた温泉だったけれど、近年の温泉ブーム、さらにインターネットの普及による口コミなどにより、その個性的なたたずまいや泉質が全国区へ拡散。メディアで取り上げられるようになり、全国から温泉マニアが訪れる「聖地」となりました。
何かと慌ただしい年度末の疲れを癒すべく、「新津のミステリースポット」、「街中の秘境」、「石油系温泉の極北」など様々に語られる、そんな新津温泉に行ってまいりました。

こんなところに温泉があるの?

新津温泉の場所は新津駅からも歩いていける商店街から少し外れたところ。ショッピングモールの「ベルシティ」やハローワーク新津のすぐ近く。
実際に近くに行っても、どこにも温泉のある気配なんてないじゃん?
 と思いきや、ハローワーク近くのバス停の名前が……。
そして、ひっそりと案内板を見つけました。
その先を見ると、これが新津温泉……。一見すると温泉というより大きな民家とか町内の集会所とかの雰囲気ですね。これは確かに秘湯です。無茶苦茶スパルタンな雰囲気を漂わせています。
この看板も良い味が出ていますね。
実際、その効能はかなり強いそうで、とくにアトピー性皮膚炎など皮膚疾患には非常によく効くそう。

そして中へ

入り口には受付窓口があるので、中に入る前にそこで入浴料を払います。驚くのは大人が400円という料金。下手すると銭湯より安いんじゃない?
 中はこんな感じ。昭和の佇まいそのまま、というか、お婆ちゃんの家に来た感じを思い出しますね。
この廊下の先に浴場があります。左側のふすまの向こうは、かつては休憩所などもあったのでしょうか? 気になるところです。
掲示板には「国鉄」の文字。
まるで昭和にタイムスリップしたような気分になりますね。
昭和26年に石油掘削の目的で地下933メートルまで掘ったところ湧き出たそうで、開業は昭和29年。
また興味深いのは間欠泉。おおよそ4か月周期で、建物脇のお湯を汲み上げている建屋から、正面の駐車場まで水平に吹き上げるそうです。なんと、取材前日に見られたそう。惜しい!
そのあとが地面に微かに残ってました。10メートルくらいは吹き上げるみたいです。
停まっている車はどうなるんだろ……。

本当に石油の匂いがすごい!

早速、お風呂に入らせていただきます。
浴場は思ったよりも広く、どちらかといえば銭湯っぽい雰囲気がありますね。
そして、たしかに硫黄泉とは別物の匂い。本当に灯油です。冬の石油ストーブ用の灯油汲みを思い出します。この冬も赤いポリタンクのお世話になりました……。
 
少しぬめっとした感じのお湯で、温度もそこまで高くなかったです。見た目や匂いのインパクトとは裏腹に落ち着く温泉だと思いました。
聞けば、その効能から湯治に訪れる人も多いそうで泊りがけで何日も通う人もいるとか。
もちろん一般の温泉ファンも多く、施設の方曰く「北海道や九州から飛行機で来られますよ」とのこと。そのカルト的な人気の高さをうかがわせます。
 
昔から地域の人に愛されてきた温泉で、この日も常連さんがたくさん訪れていました。とくに午前10時までの朝の時間帯と午後2時以降は常連さんが多くやって来るそうで、遠方からの観光客からの問い合わせに対してはお昼ころの入浴をおすすめしているとのこと。
 
 

新津温泉

住所:新潟県新潟市秋葉区新津本町4-17-13
営業時間:8時から19時まで。
定休日:8月13日から16日まで。12月31日から1月2日まで。
TEL:0250-22-0842
新型コロナウイルス感染症の影響により、ワクチン接種証明を提示いただけないお客の入場をお断りする場合があるとのこと。

ランチはアメリカンカフェ・ウインズで

お昼は新津温泉のすぐ隣の商業施設、ベルシティ内の軽食喫茶アメリカンカフェ・ウインズへ。
こちらは昭和59年、ベルシティが長崎屋としてオープンした時から営業している、地元の人たちに愛されているお店。まだJRではなく国鉄があり、新津が鉄道のまちとして活況を呈していたころから、この施設を通じて新津のまちの変化を見つめてきた老舗です。
お店は施設の2階、キッズ向けのゲームコーナーの近くにあります。お店の入り口とは別に、ソフトクリームなどのテイクアウトカウンターもあります。近くには、区立図書館や小学校などもあり、きっと親子連れも多く訪れることでしょう。
店内はお昼を少し過ぎたころも賑やかで、常連のお客さんたちが買い物のついでに立ち寄り団らんを楽しんでいる様子。

ランチはボリュームたっぷり

注文したのは、人気のランチメニュー、「焼サンドランチ」(税込800円)。玉子の焼サンドイッチとミートソースのパスタがセットになったボリューム満点のメニューで、香ばしく焼かれたサンドイッチが食欲をそそります。
ミートソースも美味しい。喫茶店のミートソースって不思議ですよね。家ではなぜか絶対に作れない味。

やっぱり、こういうのもいるでしょ?

それと、せっかくなので、最近、流行りのクリームソーダ的なビジュアル的に見栄えの良いやつを頼んでおこうかしら、と思ったんです。やっぱり観光協会的にもそういうのが求められているのかな、と空気を読んでみた感じです。
 そこで、代表の大原敏彦さんにおたずねしたところ、出てきたのがこちら。
 ボリューム満点のペアパフェ(税込830円)。仕切りのあるグラスにパフェとドリンクを入れた夢の喫茶店スイーツ。これなら迷う必要もないですね。
これなら友だちと2人で分けても丁度良いかもしれません。ちなみにソフトドリンクは種類が選べるそうです。

アメリカンカフェ・ウインズ

住所:新潟県新潟市秋葉区新津本町4-16-17 ベルシティ新津2階
営業時間:10時から18時まで。
定休日:不定休(水曜日が多め)
TEL:0250-25-1121

まとめ

新津温泉については、噂通りのかなり個性的な温泉でしたが、とてもレトロ感があって良かったです。それと、親戚の家にいるような落ち着いた雰囲気もすごく良かった。お湯もとても良いです。料金も安いので気楽に足を運びたいなあ、と思いました。あの油の匂いは癖になりますね。
アメリカンカフェ・ウインズも落ち着いた、地に足の着いた素敵なお店だと思いました。
どちらも昭和の時代から新津の人たちに支持されてきたのがよく分かります。
それと、ちょうど今の時期は、近くの新津川周辺のスイセンが見ごろ。
ぜひ、こちらにも足を運んでいただければと思います。
 

今回のスポット

この記事を書いた人
ヤマダ マコト

新潟市秋葉区在住。サラリーマンの傍らkindleストアで電子書籍にて地元・新潟を舞台にしたエンタメ小説を発表。インディーズながら一部で熱烈な人気を集め、どっちが本業か分からなくなりつつある中年男。