河井継之助と酒を訪ねる旅のススメ②〈長岡市・摂田屋編〉/長岡市
〈深く、濃く、美しく 新潟を伝える保存版観光誌〉『新潟発R』の編集長をしております髙橋真理子です。
新潟県長岡地域振興局さんとのコラボ企画で投稿させていただきます。
映画『峠 最後のサムライ』をきっかけに、河井継之助ゆかりの地と、その地で醸される日本酒を楽しむ〈歴史と酒を巡る旅〉。
幕末を激しく生き抜いた継之助ゆかりの小千谷市、長岡市・摂田屋、見附市・今町の〈歴史と酒を巡る旅〉レポートを3回シリーズでご紹介します!
第2回は長岡市・摂田屋を訪ねました。
しょうゆ醸造蔵を訪ねてから、いざ光福寺へ
旧三国街道沿いにある摂田屋は、水質の良さから醸造業が発展し、江戸時代には信濃川の舟運により繁栄していました。幕府が直接治める天領だったことも、醸造業の発展につながりました。
1945(昭和20)年の長岡空襲の被害から逃れた地でもあり、現在でも歴史ある建築物が残り、2つの酒蔵と、3つのしょうゆとみその醸造所が伝統の味を醸しています。
最寄り駅は、JR長岡駅から直江津・高崎方面へ1駅目、信越線と上越線の宮内駅です。
台座には「右ハ江戸、左ハ山路」と刻まれています。
越のむらさきは1831(天保2)年創業。現在の社屋は1877(明治10)年に建てられたものです。工場内の見学は現在休止中ですが、商品の購入は可能とのこと。しょうゆの香りに誘われて、立ち寄ってみました。
越のむらさき
長岡市摂田屋3-9-35
TEL.0258-32-0159
営業時間/9:00~17:00(見学休止中、販売のみ)
定休日/ 土・日曜・祝日
ここには最新鋭のガトリング砲と洋式武装した藩兵が配置されました。
光福寺での徹底抗戦宣言後、小千谷の榎峠の戦い、朝日山の戦いを経て、新政府軍は落城を目指し長岡城下へ。このとき継之助は、光福寺に配備していたガトリング砲とともに城下に駆け付け応戦しましたが、それもむなしく、1868年5月19日、250年の歴史を誇った長岡城は、新政府軍により落城しました。
光福寺
長岡市摂田屋1-13-35
TEL.0258-34-2346
境内自由
しょうゆとみそ→日本酒→みそ。醸造蔵めぐり
大正時代に建てられた現在の店舗は、当時は事務所と応接室として使われており、現在も応接室に大正モダン建築の趣が残されています。
用途によって、きめ細かく造り方を変えており、さまざまな種類のしょうゆやみそを販売しています。
洋食にも使える、人気の白だしつゆを購入。奥さま考案のレシピカードを添えてくれるのも、うれしいですね。
星野本店
長岡市摂田屋2-10-30
TEL.0258-33-1530
営業時間/9:00~17:00
定休日/ 日曜・祝日、土曜は不定休
「雪紅梅」は先代社長と親交があった作曲家の遠藤実さんが命名。遠藤さんが書いたラベル文字を使った商品もあります。
冬季の酒造りの繁忙期を除き、事前予約で酒蔵見学も可能です。営業時間内であればお酒を買うこともできます。
長谷川酒造
長岡市摂田屋2-7-28
TEL.0258-32-0270
見学可(仕込み期間を除く、要予約)
販売は平日9:00~16:00
明治時代に正夫さんの祖父が星野本店から分家し、その時の土蔵を使って、昔懐かしい田舎の手造り味噌を復活させました。
無農薬、無添加の原材料を使い、自然素材にこだわって製造しています。
味噌 星六
長岡市摂田屋4-5-11
TEL.0258-32-6206
営業時間/9:00~18:00
定休日/ 日曜
2つのミュージアムで発酵を体感
創業は1548(天文17)年。県内で最も古い酒蔵です。
敷地内には2019年秋に吉乃川酒ミュージアム 醸蔵がオープンしました。
大正時代に建築された、国登録有形文化財の倉庫、常倉の骨組みを生かして改装しました。
摂田屋クラフトはペールエール、ヴァイツェン、IPAの3種類があります。SAKEバーで味わうことができ、瓶ビールも販売しています。
観光客だけでなく、地元の人も気軽に立ち寄れる温もりのある雰囲気が魅力です。
吉乃川酒ミュージアム 醸蔵
長岡市摂田屋4-8-12
TEL.0258-77-9910
営業時間/9:30~16:30(SAKEバーは16:00LO)
定休日/ 火曜(祝日の場合は翌日)
醸造の町・摂田屋の発酵文化をさまざまな形で楽しめる空間になっています。
イベントなども開催しているので、公式サイトでチェックしてから出かけてみたいですね。
摂田屋6番街 発酵ミュージアム・米蔵
長岡市摂田屋4-6-33
TEL.0258-86-8545
営業時間/9:00~17:00
定休日/火曜(祝日の場合は翌日)
摂田屋の新たな魅力と出合える、わくわくするお店です。
おむすびと汁と茶 6SUBI
TEL.0258-86-8545
営業時間/10:00~17:00(16:30LO)
定休日/火曜、第1・3水曜
※「摂田屋6番街 発酵ミュージアム・米蔵」内
1884(明治17)年に吉澤仁太郎が製造を始めたサフラン酒は、養命酒と並ぶ人気の薬用酒だったそうです。現存する10の蔵から、その隆盛を想像することができます。
旧機那サフラン酒本舗はNPO法人による保守活動を経て、長岡市が敷地と建物の一部を購入し、現在は米蔵に続く整備も進められています。
歴史を礎に、醸造&発酵の町として進化を続ける摂田屋。次はどんな出合いが待っているのか、楽しみです。
長岡落城後、奪還を目指す継之助ら奥羽越列藩同盟軍と新政府軍との戦いは激しさを増していきました。
1868年6月2日、継之助が率いる長岡藩兵は、新政府軍によって占領された見附市今町に攻め入りました。この戦いの戦跡をたどるべく、第3回は見附市今町の歴史と酒を訪ねます。
旧機那サフラン酒本舗の鏝絵
長岡市摂田屋4-6-33
TEL.0258-86-8545 ( 摂田屋6番街・発酵ミュージアム 米蔵 )
開館時間/【外観】常時公開 【屋内・売店】土日祝日9:00~15:30
写真協力:星野本店、長谷川酒造
河井継之助と酒を訪ねる旅 立ち寄りスポット
地域で親しまれている隠れたスポットや住民ならではの贅沢な時間の過ごし方があります。
初めて訪れた方でもバスや電車でふらりと行けるプチ旅行や時間の過ごし方をレポートします。