幸せの黄色いお蕎麦/新発田市


2022年12月20日 3839ビュー
ダッタンそばをご存知ですか?ポリフェノールの一種である「ルチン」の含有量が普通のそばに比べて、100倍。毛細血管に弾力を与えると言われ、中国では古くから漢方薬として扱われてきたそうです。
 
そんな食べて健康になる、と再び注目を集めている、この黄色いお蕎麦を使ったテイクアウト用新メニューを取材してきました。
今回取材にお伺いしたのは、新発田市にある一寿さん。
JR金塚駅から徒歩5分ほどの場所にあるお店です。
ご主人の板垣一寿さんとおかみの由子さんが出迎えてくれました。
2004年のオープン以来、ダッタンそばや旬の味覚を提供しているこちらで、蕎麦打ちから特別に取材させていただきます。
 
ご主人の一寿さんが蕎麦を打つのはお店の2階。
こちらのお店では、中国産ではなく、日本用に品種改良されたものを原材料としているそうで、使用するのは新潟県産のダッタン蕎麦「北陸4号」。新潟県内で生まれたこの品種は、ルチン含有量が通常のものに比べ100倍、日本国内で栽培しているため、安全面も保障付き、と板垣さん。
生地を作り上げた後の、のしの作業から詳しく見させていただきました。
蕎麦玉の上に打ち粉を振り、親指のつけ根のへんで押しながら、平らに丸くのしていきます。​
ある程度の厚みになったら、次は「丸だし」と呼ばれる工程です。生地を回転させながら前方に麺棒で向かってのします。
見えますか?角が出てきました。均等に、そして切ったときの無駄をなくすために、円のままではなく、四角にのす。角出し(四つだし)と呼ばれる、この技術こそ熟練の技です。
均等にのした生地どうしがくっつかないように打ち粉を多めに振り、丁寧に折りたたみます。
いよいよ切ります。茹でると水分を含み、太さが増すため、喉越しを考慮して1.5ミリの太さに切るのが板垣さん流。一度で2キロ、10人前の蕎麦を打つそうです。「やはり蕎麦は打ち立てがおいしいですからね」とその日、使う分を朝の仕込みで打っているのだとか。
ご厚意で、打ちたてのダッタン蕎麦を食べさせていただくことになりました。
沸騰した大量のお湯の中に蕎麦をくぐらせること約2分、どんどんと黄色が鮮やかになってきます。
「比べてみると分かりやすいから、普通の蕎麦も茹でてみるよ」と板垣さん。
確かに色がまるで違います。
茹でた蕎麦は、冷水で一気にしめ、喉越しいい仕上がりに。
薬味と一緒に容器に入っているのは、お店特製のつゆ。これがまた秀逸です。
2種類のかつお節に、4種類の北海道産昆布、五島列島産のあご煮干しに国産の干し椎茸と、これでもかの特選素材を使用。複雑でありつつも飽きのこない、辛すぎず、蕎麦の風味を引き上げるつゆもセットになっています。
ダッタン蕎麦持ち帰り(一人前)1,100円、普通の蕎麦持ち帰り(一人前)1,100円

ダッタン蕎麦いなり

また、今回、もう一つの新メニューも教えていただきました。
それが「ダッタン蕎麦いなり」(一個648円)。
 
 
こちらも作り方を拝見させていただきました。
茹で上げたダッタン蕎麦にくっつき防止のためのオリーブオイルを纏わせます。
全体にオリーブオイルが馴染んだら、これを食べやすい長さにカットし、細かく刻んだミョウガと和え、甘辛く煮て、半分に切った油揚げの中に詰めていきます。
三分の一ほど詰めたら、茹でたエビと自家製のゆずみそを入れ、さらにダッタン蕎麦を入れます。油揚げギリギリのところまで来たら、彩りと食感にアクセントを加える蕎麦の葉とさらにもう一尾の茹でエビをのせ、完成です。
できあがったらすぐにマイナス30度で急速冷凍。家で食べるときは約2時間自然解凍するか、湯煎で解凍すると、お店で食べるのと変わらない、風味豊かでジューシーな味わいになるそうです。
今年一年頑張った自分にささやかなご褒美。食べるだけで体の中から幸せに!健康になる黄色いお蕎麦はいかがですか?
山岳手打ちそば 一寿

山岳手打ちそば 一寿

新潟県新発田市下小中山1024-15
0254-33-3480
営業時間 11:30~14:00 、18:00~21:30
定休日 月曜日夜、火曜日 祝日は営業
30席
15台

山岳手打ちそば一寿

この記事を書いた人
コジマタケヒロ

暮らした場所は、東京→新潟→京都→新潟。エリア情報誌の元編集長。
日本酒、サッカー、おいしいもの大好きのフリーライター。

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