新潟ガストロノミー おいしさの裏側を求めて②――牡蠣漁師が手掛けるカフェ「caMoco Café 湖ASOBi」で6次産業化を目指す/佐渡市


2023年01月07日 4076ビュー
佐渡の表玄関、両津港から車で3分。
「椎崎温泉入口」バス停を降りると目の前に広がる新潟県最大の湖「加茂湖」のほとりにあるのが「caMoco Café 湖ASOBi」だ。

使われなくなった舟小屋をリノベーションし2021年11月にオープンしたカフェで木の香りと温もりが感じられる店内に入ると、正面の大きな窓の向こうに四季折々の加茂湖の絶景が広がり、まるで湖の上に浮いているように感じる。
この店を営むのは、加茂湖でおよそ100年にわたり、真牡蠣の養殖を行ってきている「あきつ丸」の三代目、伊藤剛さん輝美さん夫妻だ。
これまで、「あきつ丸」の牡蠣小屋を使って冬場の期間限定で牡蠣の殻焼きや牡蠣飯などの牡蠣料理が楽しめるコース料理を予約制で提供してきているが、年間を通じてもっと多くの人に加茂湖の魅力を知ってもらうとともに、牡蠣をはじめとした佐渡の食材の美味しさをPRしたいと、新たにこの店をオープンさせた。
主なメニューは、佐渡産食材を使ったパスタやランチプレート、フルーツたっぷりのパフェなどのデザート、厳選された豆を島内で焙煎したコーヒーなどのドリンク類。
その中から人気の料理を店長の伊藤輝美さんに紹介してもらった。

おすすめは「牡蠣のパスタ」。ご主人が朝水揚げした新鮮な牡蠣とシメジやマイタケなどの旬のきのこなどを牡蠣バターで炒めパスタにからませた一品。(サラダ付)

自家製の牡蠣バターは、濃厚で旨味のある味わいで、牡蠣のエキスがパスタに絡んで美味しいと人気だ。
牡蠣がたっぷり使われているので牡蠣好きにはたまらない。
加茂湖は淡水と海水が混ざり合う日本でも有数の「汽水湖」で、プランクトンが豊富なことから牡蠣の成長が早く、一年で水揚げされる。このため磯臭さが少なく濃厚な味が特徴だという。
(夏場は牡蠣の水揚げが無いため加茂湖産のムール貝が使われる)
これまでの生牡蠣を出荷するだけの養殖業から6次産業化を目指したいと話すオーナーの伊藤剛さん。

カフェの経営の他、「牡蠣の燻製オリーブオイル漬け」や「オイスターソース」など牡蠣を使った土産品の商品開発も進めていきたい、加茂湖の牡蠣の美味しさを広めてブランド化にも取り組んでいきたいと意気込んでいる。

また、加茂湖の活用として進められている遊覧船やシーカヤックなどのマリンレジャーの休憩所としてカフェ横に船着き場を設置するなどして観光面でも盛り上げていきたいと夢を膨らませている。
caMoco Café 湖ASOBi

caMoco Café 湖ASOBi

住所:新潟県佐渡市原黒553−28
電話:0259-67-7467
営業時間:11:00~17:00 / 17:00~23:00(夜は予約制)
定休日:不定休
駐車場:あり(8台)
総席数:40席
貸切可能人数:50名

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NIIGATA GASTRONOMY

「美食学」と訳され、料理と文化の関係性を考察することを指す“ガストロノミー”。
口にすることで地域の風土や歴史を感じられることから、成熟しつつある食文化の中で、注目を集めている考え方。多様な歴史と文化、豊かな自然に恵まれた新潟県はガストロノミーの宝庫。