地元の酒粕を使ったパンはお土産にもおすすめ!酒蔵からパン屋になった「パン屋喜十郎」のパンをいっぱい食べてみた!/新発田市


2023年04月01日 4695ビュー
2022年3月に、新発田市諏訪にオープンした「パン屋喜十郎」
オープンしてまだ一年ほどですが、すでに地元の方はもちろん、観光客も訪れる人気のパン屋さんです。
聞けば、パンの生地には酒粕を使用しているとのこと。
自称日本酒女子のわたくし、酒粕も大好きなのでチェックせずにはいられません!
ということで、今回はパン屋喜十郎へ行ってお話を伺い、酒粕を使用したパンやラスクを全部食べてみましたのでお伝えします。

新発田市で人気の「パン屋喜十郎」

場所はここ!

パン屋喜十郎があるのは新潟県新発田市諏訪町。
新発田駅近くの諏訪神社を背にして「清水園」のある方へ進み、一本目の信号を左折した三国街道中通りを真っ直ぐ行くと左手角にあります。
 
赤い看板に大きく「喜十郎」と書いてあるので行くと分かるかな?
諏訪神社から歩いて10分ほどです。

気になる店内は…

 

温かみのある店内……一見普通のパン屋さんかと思いきや、ビールや日本酒や駄菓子もありました。
パン作りをしている工房も覗くことができます。
(お酒もお菓子も好きです。面白い!)

喜十郎のパンについて聞いてみました

ご案内頂きましたのはオーナー白勢弥太郎さんベーカリープロデューサーの笹川俊樹さん

白勢さんの先祖 喜十郎さんという方が酒造りをはじめ、酒屋や小売店の名残からお酒や駄菓子も扱っているとのこと。
そして、元酒蔵という特徴を生かして酒粕を使用したパンやお酒に合う商品を作っているそうです。

(ベーカリープロデューサー笹川俊樹さん)

 
写真では伝えられないのですが、店内の香りが普通のパン屋さんと違いました。
バターの他に酒粕の甘い香りが入り混じっていて……
 
酒蔵見学に行った時と同じ匂い!!
 
でも酒粕を使用していないパンもたくさんありますねぇ。
 
――せっかくなので、他のパンについても教えて下さい!

笹川さん:酒粕を使用していないパンでリピーターが多いのは食パンです。
リンゴとブドウの果実酵母を使用している「湯種仕込みの山型食パン」はもっちりで甘味を感じるように作っているので、まずは焼かずにそのまま食べてみて欲しいです。
四角い「喜十郎食パン」はさっぱりとさせ、なんにでも合わせやすいように作りました。サンドイッチなどにおすすめです。
――ちょっと変わったパンもたくさんありますね!
笹川さん:定番も用意していますが、あえて変わり種のパンも作っています。
「ちょっと試してみたい」と思えるワクワク感を感じて欲しくて。
なので、毎月違う商品を出しています。統一性がないと思われるかもしれないけれど、お客様に「楽しんで」欲しいから。
 
美味しいだけじゃなく、ワクワクする楽しいパン屋さん♪ということですね!
 
――他に人気の商品があったら教えて下さい。
 
笹川さん:実は「ラスク」の売れ方が尋常ではないんです(笑)現在まで地元の企業さんとコラボしたラスクなどを含めると10種類くらい作っています。
 
(尋常ではない…ラスク…すごい気になる!!)

取材させて頂いたこの日は、王紋酒造の代表銘柄「王紋」をモチーフにしたラスク「オウモンラシュク」が売り切れてしまっていたのですが(実は以前に来た時に買っておいたのでご安心を)
「海老香るおつまみラスク」をGETすることができました!!
こちらは近くにありますBar「Boire un coup(ボワール アンクー)」の店主 山宮志都子さんからアドバイスを頂き開発したとのこと。
 
笹川:お酒にも合うということなら、お酒のプロに聞いた方が良いと思って。実はもう一種類、新しい味を考えています。
 
それはすごい楽しみ!乞うご期待ですね。
 
そしてこの日は酒蔵だったスペースを活かしたイベントも行われていて、ワークショップや焼き芋屋「いも奉行」の美味しい焼き芋を堪能することができました。

本当にワクワク楽しい♪パン屋さん。
(オーナー白勢弥太郎さん)

オーナーの白勢さんはもともとパンが大好きで、以前より経営していたデイリーヤマザキで自らパンを焼いたり、地元の学生たちとパンの商品開発をやったりしたことを機に、いつかパン屋さんもやってみたいと思っていたそうです。
 
そんな時に出会ったのがパン職人の笹川さん。
 
白勢さん:本当は堅実に今(コンビニ)の事業を大きくした方がいいのではないか?と思っていたのですが、彼が手伝うと言ってくれたので。
 
――すごいご縁ですね。ぶっちゃけ、笹川さんとパンについてぶつかることはないのですか?
 
白勢さん:いちパン好きとしてここのパンが好きなんですよ。彼は私のことをよく知ってくれていて、難しいと思えることも何とかしてくれます(笑)
 
――素敵な信頼関係ですね。では、今後どのようなパンを作っていきたいですか?
 
白勢さん:どんなパン……というよりは、出会った人からの想いをカタチにするのが楽しいので、自分主導ではなく、みんなと一緒に作り上げていきたいです。
これまで地域活性化に向けた活動にも携わってきましたが、今よりもっと力を入れていきたいと考えています。
 
近くには、観光スポットの清水園の他にも、最近素敵に改装された直営ショップがある王紋酒造、美しい庭園を見ながらランチやお茶ができる庭園カフェいちしま、今は休館中ですが県内初の登録記念物に指定された庭園がある石泉荘もあります。
 
また、この春から一般公開予定の蔵春閣(ぞうしゅんかく)※についてのお話も白勢さんからお聞きすることができました。
 
周辺スポット、激アツです!!
パンを食べながら、ぐるっと街歩きするしかない!!


※蔵春閣(ぞうしゅんかく)
市内出身で多くの企業を興した大倉喜八郎が東京・向島に建てた別邸で新発田市への移築が完了。
2023年4月29日から一般公開。
大戦で焼失した明治天皇の皇居「明治宮殿」を模したもので、当時の様式を残す貴重な建物です。
 

酒粕を使ったパンが美味過ぎた!

では実際に、この日お店にあった酒粕を使ったパンを全部買って食べてみました!
(個人の感想です)

ベーコン&チーズ

ゴロゴロのチーズとベーコンがすごいインパクト。
ぶっちゃけ、惣菜パンって中身の存在感が薄いものがあったりするけど、これは違います!
特にベーコンがジューシーで、しっかり主張していて、でもパンの生地の旨味も味わえます。
というのも、この生地に合わせたベーコンを作ってもらったのだとか!
もちろん、チーズとの相性は言うまでもないですよね。
ワインにも合いそう❤

チーズフランス

もっとチーズの方を感じたい!と思う方にはこちらのチーズフランス。
たっぷりぎっしり入っていて、温めるとチーズがとろり♪
チーズも酒粕と同じ発酵食品だから仲良し❤
オーナーさんもよく召し上がるそうですよ!

生姜と蓮根のフォカッチャ

次はちょっと珍しい生姜と蓮根のフォカッチャ。
味噌ベースのペーストの上に、生姜と蓮根がのっているんだけど、和風ピザって言ったら分かり易いのかな?
シャキシャキ食感が良いアクセント♪
チーズと同じく、味噌もまた同じ発酵食品。
てゆーか、味噌と酒粕も合わないわけがない!!
どうして今まで気づかなかったんだろ(笑)

明太フランス

ほんのりピリ辛の明太ソースが、舌だけでなく食欲を刺激!
でも子供でも食べれそうな優しい辛さです。
温めるとソースがジュワジュワ~ってなって……
これ単体で食べてもいいんだけど、一緒に日本酒飲みたくなりました(笑)

バゲット

最後はお店イチオシのバゲットです。
ダイレクトに酒粕の風味を味わえるかも。
他の生地ももちろんそうだったんだけど、口の奥で味の厚みというかコクを感じることができるんですよね。
何より、優しく軽い感じで食べ疲れしない(いっぱい食べられる)
うーん…なんていうか…
日本人の味覚や身体に合っている!?
つまり一言でまとめると……
 
Niigataジャ・パン!!
(訳:どれも美味過ぎて幸せ❤)

売れ方が尋常ではないラスク!?は、中毒性がヤバ過ぎた!開発秘話も

そうそう!
笹川さんがおっしゃっていた「尋常ではないラスク」を頂きましょう。
近くの王紋酒造の代表銘柄「王紋」の酒粕を使用したその名も「王紋ラシュク」
(日本酒女子としては、このお酒もとっても美味しいのでオススメです!!)
 
(んんッ?!)
これは、先ほど食べたバケットよりももっと酒粕を感じます!!
鼻にぶわっと抜けていく酒粕の風味がすごい!
でもね、嫌じゃないバランスなんです。
でもでも、けっこうギリギリを攻めている感じ(笑)
これ以上いくと好き嫌い分かれそうな……?!
それを確かめたくて、もう一回チャレンジしてみよう!みたいな感じで手が伸びます(笑)
 
……食べる手が止まらない!!
 
お腹がいっぱいになる前に「海老香るおつまみラスク」もいっちゃいましょう。
(海老……も、ヤバい!!)
 
最初に酒粕を感じて、噛んでいくと海老の塩味が広がって、最後にほんのり甘さの余韻が残ります。
三つの風味が駆け抜けていく!!
めっちゃ美味しい❤
 
どのお酒にも合わせられそうですが、個人的には白ワインか少し酸のあるコーヒーか、紅茶ならダージリンか??
直接一緒に開発したという「Boire un coup(ボワール アンクー)」の店主 山宮さんにこだわりなど直接お話をお聞きしたところ、
 
「塩分が強すぎると分かり易くお酒が進むけれど、すぐに厭きるので塩分は増やさずに海老の風味を生かし、新しく本格的なフレンチのお洒落な味にした。
喜十郎さんの優しい甘味を感じる食パンがベースだから余韻が柔らかく、あくまでもちゃんと“ラスク”として仕上がっている」とのこと。
 
日本酒では普通酒~本醸造~純米酒 、ピルスナー~ペールエール、ホワイト系のビール、ワインならロゼ、さっぱり目のカクテル(ロングだけでなくショート)、付随して各種スピリッツやウイスキー、ブランデーのソーダ割り、水割り、缶アルコール飲料も含めてオススメだそうです。
 
ちなみに、大人だけでなく、ウチの子供も「癖になる」と言っていっぱい食べていました。
(尋常ではないラスク…納得!!)
お土産にもピッタリですね!!
 
ご馳走様でした♡

パン屋 喜十郎

〒957-0055
新潟県新発田市諏訪町3丁目10−7
【営業時間】
9:00~18:00 (月・火 定休)
【TEL】
0254-28-8755

この記事を書いた人
おくちゃん

WEBライター/日本酒ナビゲーター/スイーツコンシェルジュ 新潟市南区出身。
美味しいもの大好き!
油ものとお腹周りがキツくなってきたアラフォー・2児の母。